『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
『紅会工房』 定家文庫と縢襠付筥迫
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    今年は日本刺繍『紅会』の工房から、定家文庫と縢襠付筥迫のお仕立てのご依頼をいただきました。

     

    10月から開催される紅会工房の『かがりはずし展〜齊藤磬(いわお)生誕100周年記念〜』で展示されるそうです。

    そこでこちらのブログに情報を掲載してくださいとのお言葉をいただいたので、今回ありがたくご紹介させていただきます。


    まずは定家文庫です。
    若冲の動植綵絵の桃にオオルリの写しだそうです。

     

    「定家文庫」や、これよりスケールの小さい「式部型小物入れ」などに使われる「飾り房」は、刺繍と主役を張るほどの存在感です。

     

    大げさに言えば、刺繍、房、型(桐箱&仕立)の三位一体。
    どれか一つが圧倒的に目立つこともなく、三つの要素が調和してこそ工芸としての作品が成り立ちます。

     

    この作品は、箔地に楚々とした桃の枝とオオルリが刺繍されています。
    これまで定家文庫といえば派手な刺繍が多かったので、基本的に房は刺繍の色から選べば問題ありませんでした。

     

    しかし、この楚々とした刺繍に下手な色を使えば房の存在感が刺繍に優ってしまいます。

     

    そこで房の色は布地に合わせることをお勧めしたのですが、このような箔地は光源によって陰影ができるので、房屋さん曰く、どの場所の色を取るかが非常に難しいとのこと。

     

    何度か染め直してもらい、刺繍を引き立たせてくれる明るい色味の飾り房が出来上がりました。

     

     


    こちらは縢襠付筥迫です。

    こってりと肉が盛られた大変鮮やかな刺繍です。

     

    紅会の工房からは一年以上前にお話をいただき、お互いに綿密な打ち合わせを繰り返して制作いたしました。

     

    染めの布地と凹凸のついた刺繍裂では、仕立ての難度として雲泥の差があります。

    今回の刺繍のように、綿入れでこってりとした刺繍の断ち切り図案というのは、仕立てをする側からすれば高難度要素満載です。

    このことから、今回は玉縁は入れず折り返しで仕立てさせていただきました。

     


    刺繍の腕さえあれば綺麗な筥迫にできるはず!と考える人は多いのですが、それで実際に綺麗な筥迫に仕上がるか、と言われればそんなことは全くありません。

     

    では綺麗な筥迫に仕立てるにはどうすればよいのか?

     

    「美しい筥迫に仕立てられる刺繍」をしてもらうしかありません。

     

    そのためには、図案の前に打ち合わせ、刺繍をする前に打ち合わせ、仕立ての前に打ち合わせ、と相応の時間をかけなければならないのです。

    そうやって作られたのが、この小さな筥迫や定家文庫です。

     

     

    日本固有の嚢物というのは、どんなに小さくても作品に込められたエネルギーが伝わりやすい。

     

    それがこだわりを持って嚢物を作る甲斐であり、作る人たちの創作意欲を掻き立てるのではないかと思っています。

     

     

     

    これらの作品は、以下の4会場で展示されるそうです。

    実物を是非ご覧いただけば幸いです。

     

    ===========================

    第26回 紅会工房 かがりはずし展

    〜齊藤磬(いわお)生誕100周年記念〜

    ===========================


    【紅会工房】

    10月5日(金)6日(土)10時〜17時

    千葉県東金市家徳594


    【大阪会場】

    10月12日(金)13日(土)11時〜18時

    *最終日は17時閉場

    ハートンホール日本生命御堂筋ビル12階

    大阪市中央区南船場4-2-4


    【名古屋会場】

    ノリタケの森ギャラリー

    10月16日(火)〜21日(日)10時〜18時

    *最終日は16時閉場

    名古屋市西区則武新町3-1-36


    【東京会場】

    東京交通会館 ゴールドサロン

    11月1日(木)〜3日(土)11時〜18時

    *最終日は17時閉場

    千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1F

     

    10月28日(日)〜31日(水) 11時〜18時

    紅会教室会員の作品展を同会場で開催します。

    *初日は13時開場  最終日は16時閉場


    地図などの詳細はホームページにてご案内されているそうです。

    www.kurenai-kai.jp/

     

     

     

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    【2018.09.15 Saturday 18:50】 author : Rom筥
    | 日本刺繍の筥迫 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    芯材の管理、縢り糸のこと
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      芯材の管理

       

      先日の講習会で、厚紙を使う時などに箱の中にごちゃごちゃに入れてしまうと探すのが大変!という話を聞きました。

       

      確かに厚紙などは0.25〜0.7まで微妙な差で3種類ありますし、しっかり分けていないと探すのは大変です。

      かといって毎回袋に入れて出し入れするのも面倒。

       

      ということで、私がやっている芯材の管理方法をご紹介いたします。

       

       

      二ツ折の厚紙にタグのついた『個別フォルダー』(A4サイズ)に挟んで、『ファイルボックス』に入れるだけ。

       

      ホットメルト紙なんぞも、使えそうな切れっぱしを取っておくと、ちょっとした部品の作り直しなどの便利です。

      ただしホットメルト紙のように極薄のものは、そのまま入れると寄れてしまうので、クリアファイルなどに挟んで入れると良いでしょう。

       

      このぐらいコンパクトに管理できます。

       

      私はすぐに取り出せるように立てて使っています。

       

      綿芯類はまた別のところに。

      とにかく貼り込みの材料は細々と多いので、探している時間をなくすだけでかなり効率的に作業できるのではないかと思います。

       

       

      縢り糸(かがりいと)のこと

       

      縢襠付筥迫の側面を彩る「千鳥掛け」に萌えを感じる方は多いことと思います。

       

      現在ショップでは、この「縢り糸」に正絹とポリエステルの二種類を扱っています。

       

      ポリエステルは扱いづらいので私自身はほぼ使わないのですが、最近このポリエステルの糸が「S撚り」であることに気がつきました(今更か!!)。

       

      当初ショップでは正絹のものだけを使っていたのですが、その後どうしても色数が足りなくて、致し方なくポリエステルの糸を追加しました。

      同じカテゴリーで探したので、撚りの向きは同じものと確認していなかった、、、(縢りにくいのは素材のせいじゃなかった〜)。

       

      03と08がポリエステルでS撚り、02と01が正絹でZ撚りです。

       

       

      手縫に使う糸は「S撚り」ですが、縢りに使う糸はミシン糸と同じ「Z撚り」です。

       

      右利きの場合、手縫いは右から左に進みますが、縢りは利き手側に引くから(つまり逆側)でしょうかね(?)。

      ボタン付けなどに使う「穴糸」も縢るので「Z撚り」です。

       

      最近、別メーカー(B社)で正絹のものを出しているのを見つけたので、今後はポリエステル糸を廃番にしてB社のものに入れ替えることになると思いますが、B社は現在扱っているA社のものより若干糸が細め。

       

      細くなると縢りのピッチを変えなければならない。

      帯に短し襷に長し。

      どうしようかな〜と思案中です。

       

       

      本来、筥迫の縢りは「つがり糸」を使うのですが、つがり糸は値段が高い!太すぎて扱いづらい!ということで、一般の人が筥迫作りを楽しむのにいかがなものかという考えから、私は刺繍針で扱える程度の太さのZ撚りの糸を縢り糸として使っています。

       

      しかし、今後はしっかりとしたつがり糸を使う嚢物も出て来るので、つがり糸の作り方を研究する方向に心はかなり動いております。

       

      (筥迫工房は進むよどこまでも!)

       

       

       

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      【2018.09.09 Sunday 17:40】 author : Rom筥
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      2018.7プレ講習会 『月見型紙入』
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        今年は11月、12月の講習会を中止にさせていただきましたが、代わりに『月見型紙入』を入れます。

        場所は通常の講習会と同じ単発講習で場所はお針子会です。

         

        11月4日(日)『月見型紙入』 申込開始:10/2

        12月2日(日)『月見型紙入』 申込開始:11/6

         

        この合間に「貼り込み教室」が入りますが、こちらの詳細はもう少し先にさせてください。

         

        その代わり、密かに行われていた月見型のプレ講習の作品アップさせていただきます。

        このようなものを作ります。

        萌えポイント満載で好評でした。

         

        実は8月中旬に腰を痛めしばし動けなかったため、その分の仕事に追われる毎日。

        ブログ休むか〜、いやブログ用の画像もたまっている〜。

        ということで今回はちょっと軽めに(これでも)。

         

         

        E.Tさんの作品(東京都在住)

         

         

        C.Mさんの作品(東京都在住)

         

         

        J.Yさんの作品(神奈川県在住)

         

         

         

        あちはさんの作品(神奈川県在住)

         

         

        H.Sさんの作品(神奈川県在住)

         

         

        K.Tさんの作品(神奈川県在住)

         

         

        Y.Mさんの作品(東京都在住)

         

        月見型の部分は差し込みで「鏡」が入っているのですが、模様が入っているのは鏡裏を見せているからです。

        「鏡に指紋が付くのがイヤ!」という受講者のアイデアです。

         

        色々な楽しみ方がありそうです。

         

        以前、この月見型を入門コースにする!と言っていましたが、作ってもらったところ意外に大変だったようで、全く初めての人にはちょっと難しいかもとのこと。

        いつも「この型は簡単!」と言ってしまうのが私の悪いクセで、、、。

         

        ということで、今回は「これまで講習会を受講したことのある方」を対象とさせていただきます。

        金封袱紗さえ出て入ればOKの初級ということで。

         

        この型は、貼り込みではない工程が入ります。

        やろうかな〜どうしようかな〜と思っていましたが、やりたい!と言われてので採用することにしました。

        さぁ何をやるのでしょう?

        (期待させるほどのものではないですが、、、)

         

        ご興味のある方がいらっしゃいましたら、是非ご参加ください。

         

         

         

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        【2018.09.04 Tuesday 19:54】 author : Rom筥
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        2018.8 プレ講習会『籠千代田お針箱』
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          8月の3回目は『籠千代田お針箱』でした。

          こちらは初めての講座だったので、どうなるかちょっと不安ということもあり、プレ講習会ということで受講者を募りました。

           

          今回の講座では、籠に巾着を取り付けるのに皆さん苦心していました。

          籠に使ったアタは網目が細かいので、針を通すのにコツがいります。

          そこさえわかればある程度はサクサクと進むのですが、それがわからないうちはかなりイライラします。

           

          縢襠付筥迫なら、どんなに遅くなっても縢り部分は全部やり遂げる!という人がほとんどなのですが、今回は早々にギブアップされていました(苦笑)。

          こういうものは焦るほどにうまくいかないもの。

          縢りはご自宅でゆっくり仕上げていただく方がいいかもしれません。

           

          ということで、巾着を完全に取り付けることができなかったので、目立たないように処理をして撮影しています。

          (縢っていないだけで巾着が外れるわけではない)

           

           

          A.Hさんの作品(福井県在住)

          針箱は二段構造で、上が針山、下に指貫を収めることができます。

          ハサミが取り出しにくいので「貝の根付」も作りました。

          ※画像のハサミのカバーは、別講習の「指貫と糸切ハサミ入 」で作ることができます。

           

           

          K.Fさんの作品(シンガポール在住)

          こちらは中作りを外に出して撮影(取り外し可能)。

          ちょっとフクレのあるシーチングのような布を使われたので針山がはまるか心配しましたが、何とか収納できた、、、。

          しかし、出来上がってみれば何ともおいしそうなケーキのようにも見えます(紐飾りがまるでイチゴのよう)。

           

           

          Y.Oさんの作品(山形県在住)

          この講座では、事前作業で巾着部分を縫ってこなければならないので、布選び方もそれぞれで判断しなければなりませんでした。

          布の薄さ、柔らかさ、張りなどが出来に関わってくるので、その場で布選びのアドバイスをしてあげられないのが難しいところです。

           

           

          E.Fさんの作品(山梨県在住)

          こちらはとてもかわいい出来上がりなのですが、柔らかく繊細な古裂をお使いだったので、ちょっと籠にするのはかわいそうという感じでした。

          懐中物の場合は使う方もかなり気を使って扱いますが、実際にお仕事をするための嚢物は働いてこそなので、あまり古い布にこだわらなくてもいいかもしれません。

          ちなみにこの巾着部分が劣化したとしても、取り外して籠を再利用することができます。

           

           

          N.Nさんの作品(東京都在住)

          貼り込みで作るものは一言でいって「手間がかかる」ですが、この型は更に「とんでもなく手間がかかる」といえましょう(笑)。

          以前、工作みたいで簡単と書いたような気がしますが、手間の掛かり具合は筥迫より上です。

          私自身、細かい作業が大好き♡という人間なので、こういうものを作るのが苦にならないため、つい「簡単」という言葉を使ってしまいます。

          しかし、それを人に作らせるとどんなに大変な型かを思い知ることになります。

          皆さん中作りの制作中は能面状態でした(よくこんな型作ってくれたなと思ったことでしょう。ははは、、、汗)。

           

           

          H.Sさんの作品(東京都在住)

          中に入れる手縫い糸は、カード巻きの40mなら15枚程度、80m巻なら12枚程度入れることができます。

          こちらは金亀なので80m巻かな?

          私が使ったのはオリヅルで40mと80mがあるようです。

          入れるなら同じブランドで揃えた方がかわいいです。

           

          お針箱ができると、きれいなグラデーションになるよう糸を出したり入れたり。

          糸さんのお部屋、指貫さんのお家、はさみさんはここに入っていて。

          女性の萌え心をくすぐる「道具ハウス」です。

           

           

          郁駒屋さんの作品(福岡県在住)

           

          プレ講習会では受講者の様子を見て、その後の作り方や型紙、教え方や手順を手直しします。

          実際にプレ講習後に大きく型が変わったりすることもあるのですが、今回はそのような変更はありませんでした。

          しかしながら、やはり課題は山盛りでした。

           

          いつもの緻密さを必要とするタイプの型ではないのですが、これを一日講習で仕上げようとするとかなりの超特急で作業しなければならないことから、ある程度貼り込みに慣れている人でないと作業は辛いかもしれません。

           

          しかし内容はあくまで「工作」なので、受講者のレベルを高く設定せざるを得ないのはひとえに「一日で仕上げる」というハードルがあるからです。

           

          このようなものは時間に縛られず、初めからついて教えればいいというのが結論です(つまり一日講習には適さない)。

           

           

           

          講習会(単発)と教室(常設)

           

          これまでは単発(一日)の講習会という手段でしか貼り込みを教えることができませんでしたが、近々「常設の教室」という形で別の教え方を試すことになります。

           

          始めは月2回の月曜日になると思います。

          これまでの講習会が週末と祝日しか行われなかったのは、平日はお針子会の和裁教室と刺繍教室で会場が埋まっているからです。

           

          単発の講習会は確実に一日で終わらせることができるよう、あらゆることを想定して綿密な準備をしています。

          しかし型は今後増える一方なので、最近の私自身の環境の変化を考えると、全て単発講習で行うことはあまりに負担が多い。

          そんなことから、常設で平日開催の教室の必要性は以前より感じていたことでした。

           

          受講者の皆様にとっても、一つの講座で年2回程度しか企画されないこれまでのやり方では、ご自分の予定と合わなかったり、都合がよくても予約が取れなかったりすると、次に受講できるのが一年先となり、歯がゆい思いをされていたことと思います。

           

          常設のお教室ではチケット制にするつもりなので、予約さえ取れれば次々に型は作れますし、時間を区切らないのでそれぞれが好きなだけ時間をかけて物を作ることができる環境になります。

           

          もちろんこれも一長一短です。

          講師一人に全員が違う型を作れば、基本的にマニュアルを見ながらの作業で、時々回ってくる講師に直接質問ができるという感じなので、全員で一斉に同じ型を作って一日で仕上げる講習会と同じには考えられない。

           

          しっかり予習復習が必要な講習会とマイペースに作業できる教室、都合が合わなければ次の講座を一年待つ講習会と、その日その時に次の人が終わるのを待つ教室。

          究極の選択ですね。

           

          お針子会の講習会が本科、常設の教室が副科というように別けることになりますが、本科は課題の実技を受けると、型によっては「通信」で受講する講座もでてきます。

          予約に振り回されないですし、遠方から参加の方にとっても良いのではないかと思います。

           

          お教室の方はまだしばらくは本始動に至らないとは思いますが、11月から小さな規模で一から始めてみたいと思います。

           

          場所は、

          都営地下鉄三田線「西巣鴨駅

          都電荒川線「西ケ原四丁目駅

          都営バス 池袋東口巣鴨経由浅草行き「西巣鴨停留所

          いずれも駅近の非常に利便性のよい場所にあります。

           

          詳しい内容はまだもう少し煮詰めてからお知らせいたします。

           

           

           

           

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          【2018.08.27 Monday 22:22】 author : Rom筥
          | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          2018.8講習会 『縢襠付筥迫』と『巾着と飾り房』
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            8月の講習会は「縢襠付筥迫」と二日続きで「巾着と飾り房」がありました。

            以前は縢襠付筥迫の講座単独で二日続きにしていましたが、現在ではこれらは切り離し、1日単位で申し込みができるようになりました。

             

            つまり、他の筥迫(本体)を受講した方が「巾着と飾り房」を受講したりするので、作品画像では縢襠や三段口の種々取り混ぜです。

            どうぞお楽しみください。

             

             

            N.Nさんの作品(東京都在住)

            講習会に参加される方々は基本的に年配の方が多いので、自分が身につけることを考えると、つい地味系に走ってしまいます。

            そんな中で筥迫は、自分は身につけないけど作ってみたい♡という気持ちで作られる人がほとんどなので、絵柄的に一気に華やかになりますね。

             

            このびら簪は、はぐれ猫さんが持参された田楽型をお借りして横挿しで使ってみました。

            縢襠付筥迫は「簪挿し」が付いているので上挿しするものですが、薄い筥迫などは横挿しで使います。

            筥迫に合わせて色々な挿し方をしてみると筥迫の表情が変わります。

            筥迫から飛び出すので派手な印象を与えます。

            実際に着用する際に田楽型を横刺しにするのは勇気が入りますが、作品展示には有効かと思います。

             

            こんな様相の筥迫を見ると、懐中嚢物界の第一礼装というイメージで本当に素敵です。

             

             

            Y.Mさんの作品(東京都在住)

            どちらも同じ縢襠付筥迫ですが、右の作品(オレンジ)は以前の講習会で作られたものだそうです。

            その頃は教本と同じ型紙、同じ作り方でした。

            左の中級の筥迫(水色)とはこのぐらいサイズが違います。

             

            刺繍裂で精密に柄合わせをしたいときは、できるだけ伸びない布を使います。

            日本刺繍の花嫁筥迫に「塩瀬」がよく使われるのは、そのような意味からだと思います。

            (反対に紙入れ系を塩瀬で作ると仕立てにくい、、、)

             

            今回の筥迫は古い縮緬で作られています。

            シボの細かい古く柔らかい縮緬は非常に伸びやすいので、布の扱いに慣れていない人には扱いづらいのでお勧めしません。

            「伸びる布だから伸ばさないように貼る」という当たり前のことが、作り方に必死になっている段階ではそれを一緒に考えながら作業することができないので、手順を覚えるまでは「薄くて伸びない布」をお勧めしています。

             

            たくさん作っている人はそれぞれの布の性質がわかっていますし、伸びる布は伸びないように手が作業します。

            伸びやすければ「どうにでも合わせられる」という利点にも転じます。

             

             

            R.Sさんの作品(東京都在住)


            背面の柄出しがとても綺麗だったので、つい撮影してしまいました。

            中級は基本的はご自分で柄出ししてもらうのですが、どこにどんな柄出しをするかで、その人の考え方や「らしさ」が見えてくるので面白いですね。

             

            縢襠付筥迫のみの参加だったので、巾着はご自宅で事前に作ってお持ちになりました。

            巾着の口は玉縁にして赤をしっかり主張しています。

             

             

            K.Tさんの作品(東京都在住)

            被せと簪挿しで柄合わせを試みたそうですが、残念ながらズレてしまいました(でも何となく合わそうとしているようには見える)。

            中級の筥迫では事前作業で簪挿しを作ってきていただくので、この時点で柄合わせをするのはちょっと難しい。

             

            教本では型紙の段階で柄合わせをしていますが、実際には使う布の厚みが違うので絶対に合うわけではありません。

            (貼り方が少しでも狂えば、そこでも柄が合わなくなりますし)

            今回の講座では、どんな柄でも合わせられるやり方をしているので、そのやり方で再度簪挿しだけ作り直してみればぴったり合うと思いますので、是非試してみてください。

             

             

            はぐれ猫さんの作品(東京都在住)

            こちらは三段口扇襠筥迫ですが、初期の頃の型紙を使われているので、現在のものより横幅が狭い。

            この頃は、飾り房を取り付ける「ち」の位置も背側に付けて被せの前に垂らすという作り方でした。

            その後、鏡前の方に付いたり、今では折り掛けの位置に付いたりで、色々と試行錯誤があったなぁと懐かしく思いました。

            (ちの位置はどこでもお好きなところにどうぞ)

             

            更にははぐれ猫さんのアイデアで、鏡面が引き出し口になっていたり、三段口扇襠筥迫に玉縁が付いたりしています。

            (今回は巾着と飾り房を受講されています)

             

            装身具を研究されているはぐれ猫さんの作品なのに、撮影するときに持参されたびら簪を付けるのを忘れてしまいました。

            (ホントごめんなさい、、、)。

             

             

            Y.Tさんの作品(大阪府在住)

            柄出しのバランスがとても良いですね。

             

            こちらもご自分が持参された田楽型のびら簪をお使いになりました。

            平打ち部分がちょっと細身タイプのものなので、これぐらいなら年配の人でも使えそうです。

             

            今回使われた打ち紐は「煎茶」という色です。

            あまり出ない色なのですが、けっこう合わせやすい色だなと感じました(私も使ったことがなかった、、、)。

             

            房糸は同色の煎茶を持って行ったつもりが、これは「榛色(はしばみいろ)」でした、、、。

            煎茶に切り房糸がなかったので、実際には「手縫糸」で揃えています。

            微妙に色味が違うとはいえ、なぜかこの筥迫にはこの組み合わせが絶妙に思えます。

             

            緒締め玉はショップでは扱っていないものですが、マットなゴールド色がこれまた素敵なので、いつか出してみようかしらん。

             

             

            H.Sさんの作品(東京都在住)

            お花などの形が曖昧なものは柄合わせが楽ですが、青海波のように文様のラインをしっかり出す必要のあるものはシビアな柄合わせが要求されます。

            それにしてはしっかりと柄合わせできてお見事。

             

            「鹿の子も柄合わせしますか?」(H.Sさん)

            「いや、いや、そこまでしなくても」(Rom筥)

             

            と言ったのに、何気に合っているところが恐ろしい、、、(汗)。

             

             

            M.Tさんの作品(神奈川県在住)

            こちらは「巾着と飾り房」を受講されたので、筥迫は三段口です。

             

            懐中袋物は着物あっての装身具ということで、着物を着て受講される方が少なくありません。

            私にとっては目の保養です。

            今回はM.Tさんの他にも、K.Tさんが浴衣を着ての参加でした(早々に帰られたので残念ながら作品画像がありません)。

             

            そして〜!

             

            見よ、実際に装着したこのお姿を!

             

            真夏に着物というだけでもすごいのですが、丸髷に懐中物が相まって、まるで自分が違う時代にワープしてしまったような錯覚に陥ります。

             

            そして後ろ姿。

             

            びっくりの「まるまげキット」をお使いとのことです。

             

            この髪型にするために一年かけて髪を伸ばされたそうで(現在肩より少し長い程度)、慣れれば2〜30分程度でこの形ができるのだそうですよ。

             

            丸髷を結っていた時代の人に教えてあげたい。

            髪結いの亭主は家を追い出されることでしょうが(笑)。

             

             

            今回の講習会で一番の盛り上がりネタでした。

             

             

             

             

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            【2018.08.21 Tuesday 11:09】 author : Rom筥
            | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            式部型小物入と講習会のスケジュール変更
            0

              今月の講習会の紹介をするつもりでしたが、8月20日に申し込みが始まる式部型の詳細を出していなかったこと、また今後の講習会スケジュールの変更があるため、今回はお知らせ優先にさせていただきます。

               

              こちらは御所解きの裂に刺繍をあしらったものです。

              去年の刺繍教室の作品展のため、私が刺繍したものなのでちょっと残念なレベルですが、式部型の画像がこれしかないのであしからず。

              画像では大きく見えるようですが、手のひらに乗るような小さな小物入れです。

               

               

              まずは講習会の変更のお知らせです。

               

              今年の講習会スケジュールで予定されていた

               

              11月(金封袱紗、三段口扇襠筥迫、筥迫装飾)

              12月(四ツ襠紙入、式部型小物入)

               

              は、「中止」とさせていただきます。

               

              予定されていた皆様、本当に申し訳ありません。

               

              11月、12月は別のスケジュールになりますので、後日決まり次第お知らせいたします。

              10月の予定までは通常通り開催されます。
               

               

              それから9月19日開催の『式部型小物入』の詳細を出していなかったのでアップしました。

               

              こちらの詳細を出していなかったのは、「対象者レベル」を結局去年と同じにするかどうかに悩んでいたからです。

               

              筥迫工房の講習会は、全ての講座で「どうやったら全員が時間内に確実に完成できるか」が最大の問題です。

               

              これは最も手間のかかる型ですが、中級を経た人であれば作れるレベルではあると思います。

               

              しかしながら、「慣れ」とは別に、「作業速度」は非常に個人差があるので、今回のように工程の多い型になると終了時間を想定することがとても難しくなります。

               

              対象が「縢襠付筥迫を余裕で作れるレベルの人」というのはあくまで自己申告でしかないので、終了時間を「17時〜19時(午後7時)」と幅を持たせることでとりあえずの解決を図りました。

               

              結局そこか、と思われるかもしれませんが、遠方から参加される方も多く、指定でチケットを買われている方にとって、終了時間を示すことは大事なので、どうかご了承いただきたくお願い申し上げます。

               

              しかし上級の型が増えれば増えるほど同じ問題にはぶつかるので、何か別のやり方を考えなければなと考えてはいます。

               

               

              もう一つの変化

               

              11月、12月の予定を中止(組み直し)にした理由は、別の講習会会場を11月から使えるようになったからで、こちらではお針子会とは違うやり方をしたいと考えています。

               

              現在会場として使わせていただいている「お針子会」は、講習会会場としてとても使い勝手は良いのですが、いかんせん和裁教室や刺繍教室で使われていない日だけを使わせていただいているため、どうしても「単独講習」にせざるを得ません。

               

              「単独講習」には1日で絶対に完成させる!というのが最大の利点ですが、今回の型のようなものにはその良さが難しさにもなります。

               

              そんなわけで、前々から考えていた「連続講習」を開催することになりました。

               

              連続講習の良さは何より「自分のペース」で作れることです。

              そのかわり、単独講習なら1日で作れるものを何日もかかって作ることになるので、遠方の方にはまず利点がないのですが、お針子会を会場とした単独講習も並行して続けていくつもりなのでご安心ください。


              新しい会場では、4名程度の小規模なやり方から無理なく始めようと思っていますし、ある程度の道具類は常備して貸し出しできるようになるとは思います。

               

              そして、全員が違う作業をすることになるので、単独講習のように効率的には進みませんが、楽しみながら「ゆるく」作業したい人には最適ではないかと思っています。

               

               

               

              いづこも同じ状況でしょうが

               

              実は講習会のやり方を変えるに至ったもう一つの理由があります。

               

              私ごとで大変恐縮ですが、最近、実父の介護のレベルが一気に進んだことにより、講習会で丸二日潰してしまうことや、単独講習だけで一年の予定をまとめて出すというような講習会を続けていくことが難しい状況になってきたということがあります。

               

              区切りよく来年からと思っていたのですが、父の状況が急激に変化していること、新しいお教室のお話が同時期に進んできたことなどから、早々に進めた方がいいだろうと考えました。

               

              準備や他の調整などを考えて、9月中には詳細を決めて本年度11月の開始を目標に考えていきます。

               

               

              色々と状況が変わって皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、できるだけ皆様の要望に添えるよう、そして自分にも無理がないやり方で続けていきたいと思っておりますので、何卒ご了承いただきたくお願い申し上げます。

               

               

               

               

              筥迫工房の材料販売(ネットショップ)

               

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              【2018.08.15 Wednesday 10:17】 author : Rom筥
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