『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
縢襠付筥迫 内容ちょっと変わります
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    9月の講習会『縢襠付筥迫』は、現代のザ・筥迫!ともいえる定番型の筥迫です。

     

    講習会は今では多くの講座が開かれておりますが、一番初めはこの縢襠付筥迫しかなかった、、、(遠い目)。

     

    そして去年までは誰でも筥迫コースが受講できたので、教本を見て自分一人で作るのはちょっと不安、という方のための救済の場でもあったのです。

     

    しかしながら今年は縢襠付筥迫を中級においてしまったので、救済という目的はなくなりました。

    それでは講習会における縢襠付筥迫の立ち位置とは、、、。

     

     

    教本と講習会

     

    筥迫は伝統の工芸品というものではないので、とにかく一から作り方を考え出さなくてはなりませんでした。

     

    そりゃ現代でも筥迫は売られていますよ。

    でもね、かつての筥迫職人たちが作っていたような、技巧を凝らしたすばらしい筥迫の作り方とは雲泥の差があるのですよ。

     

    私はその職人技の筥迫を目指しているわけですが、この世の中で筥迫を必要とする人たちの順は、1)花嫁さん、2)七五三、3)成人式であり、とにかく筥迫というものを作ってみたい〜(趣味で)という人たちは極わずかであります。

     

    講習会を始めた頃は、花嫁さん(やその母)が自分の筥迫を作るために来るだろうと思っていました。

    しかし私の予想に反し、現実の受講者は「昔から筥迫に憧れていたんです〜」という筥迫に夢を抱いたかつての乙女たちでした。

     

    レンタル衣装を主とする現代の花嫁さんにとっては、赤白しかないレンタルの筥迫ではなく、もう少しオリジナル感のあるお手頃価格の筥迫がほしい!が現実で、私が目指す職人仕立ての筥迫はほぼ必要とされない。沈

     

    もちろん、筥迫に対する特別な気持ちが花嫁さんたちから失われてきたとしても、現代まで筥迫というものを保ち続けてきてくれた日本の婚礼文化、和装の花嫁さんたちへのアプローチをおそろかにするつもりはありません。

     

    ただ、教本で教える筥迫と講習会で教える筥迫では存在意義が全く違う、ということを私自身が再認識したということです。

     

     

     

    縢襠付筥迫の「本体」

     

    縢襠付筥迫で使う厚紙の種類は、教本では1種類(0.7)ですが、講習会では3種類の厚紙を使い分けぐらいはしていました(主に被せ裏と鏡面を美しく仕上げるため)。

     

    しかし今年からは堂々の中級コースになったので、それなりの内容に変更します。

     

    まず、教本で使っている「キルティング芯」と「接着芯(薄)」は使いません。

    「綿芯」は他の二種類の綿芯を使い分けます。

    被せ、胴締め、胴、では「型芯」を使わない作り方をします。

     

    もう一つはずっと悩んでいた「柄合わせ」をすることにしました。

     

    本来、柄合わせというのは生地の厚みによって当然柄がズレるのですが、教本の柄合わせ用の型紙はあくまでも「薄手の生地」を使うことにより、70%ぐらいの人は合うかな?という程度のものです。

     

     

    私が仕事で作る筥迫はほとんどが「刺繍裂」です。

     

    刺繍裂は人の手が加わった布なので、柄合わせ用の型紙を使っていたとしても、刺繍裂に合印を入れていたとしても柄も、布地の厚みの違い、刺繍の歪みや縮みなどにより、容易に柄はズレます。

     

    これらの装飾裂にも対応できるように、型取りはアタリをつけるぐらいに簡易に行い、あとは自分の目で確認しながら柄合わせをしていく方法を教えたいと思っています。

     

    しかしながら、一回も筥迫を仕立てたことのない人にこの方法が通用するのかもまた悩むところ。

     

    講習会は型の作り方を教えるところではありますが、縢襠付筥迫だけは教本も出ていることですし、あらかじめ教本でいくつか予習しておくとより理解しやすいかなとは思います。

     

    講習会ではプリント生地で作りますが、筥迫はプリント生地で作っていると必ず限界がきます。

     

    やはり筥迫は装飾裂あってのものだと思いますので、これからは装飾裂にも対応できる内容を目指したいと思っています。

     

     

     

    縢襠付筥迫の「飾り房」「巾着」

     

    縢襠付筥迫と連日で行われるのが「巾着と飾り房(筥迫用)」です。

     

    巾着は、私が筥迫作りの中で一番難しいと思っている部品です。

    巾着をきれいに仕立てられるようになるのはとても難しい。

     

    巾着がうまく作れている人は、筥迫本体もきれいに作れていることが多いです。

     

    巾着は「造形」なので、教本では最も説明しづらく、また講習会に参加したとしても一回だけではほぼ教えた通りには作れません。

    巾着をきれい作りたいと思うなら講習会に何回か来る必要があるでしょう。

     

    最近では二回目以降の人から、巾着に「内布」を付けて作ってもらうことにしています。

    巾着に型を貼れない厚布には、型を貼らなくても作れる方法もあります。

     

    こちらの画像の作品は、11月の作品展に向けてお仕立てを依頼されているもので、今出来上がったばかりです(本体は三段口扇襠筥迫です)。

    最近、私はこの飾り房をこれまでと違う技法で作っています。

    うまく形が取れないという人がけっこういるので、安定して形が取りやすい作り方を研究しました。

     

    外見上の違いは、中をめくってもティッシュが見えるのはわずかなこと。

    (以前の作り方だとティッシュが丸見えですからねぇ)

     

    以前、本職の房屋さんが切り房を作っているところを見たことがあるのですが、そこからヒントを得た作り方に改良してみました。

     

    これまでの力技(!)な作り方から、もう少し技巧的な作り方になっています。

     

    これで一定の安定した形に出来上がるようになったとは思っているのですが、それはあくまで自分自身だけのお話。

    技巧的になった分、講習会に来る人がこの作り方で同じようにできるのかはまだわかりません。

     

    うまくできないようであれば、初回の人は副読本の作り方で、二回目以降はこの作り方というように分けるかもしれません。

     

     

     

    9月17日(日)開講の『 縢襠付筥迫(基本)硬綿・折返し』はまだ少しお席あります。

    ただし、22日0:00以降は申し込み画面が「飾り房と巾着」に切り替わってしまいますので、その場合はこちらの画面からお申し込みください(カートに入れる)。

    ※22日0:00までに申し込み画面が消える、22日0:00以降の縢襠付筥迫画面内のカートが消えていたら満席ということです。

     

    9月18日(月祝)の『 巾着と飾り房(筥迫用)』の申し込みは、

    8月22日0:00から始まります。

    ご興味のある方は是非どうぞ。

     

     

     



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    【2017.08.20 Sunday 13:50】 author : Rom筥
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    2017.8 講習会『式部型小物入』
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      8月6日の講習会は、初の講座「式部型小物入」です。

      定家文庫の小型版で、内面に綿が入ったとてもすてきな型です。

       

      この型は部品がとにかく多いので、講習会までの事前作業もまた多い。

      紐もショップでは扱っていない太さなので、指定された購入先から各自用意していただき、房の下ごしらえもしてきていただきます。

       

      縢襠付筥迫の付属品までの二日コースを一日で仕上げるぐらいの内容なので、ある程度簡単な説明だけで進んでいけるぐらいの理解力が必要です。

       

      そうそう、このレベルまで来たら、講師が工程ごとに逐一確認して回ることは致しません。

      構造が複雑なわけではありませんが、細かい作業が多いので、こちらも作り方を教えることだけに専念することになります。

       

      各々の出来上がりを間近で見るのは全て終わった撮影時ということになるので、仕上がりの差はかなり出ると思います。

      (画像ではほとんどわからないとは思いますが、そもそも画像で差がわかるほどのレベルの人は受講できません)。

       

       

       

      rajohさんの作品(東京都在住)

       

      H.Sさんの作品(東京都在住)

       

      はぐれ猫さんの作品(東京都在住)

       

      A.Yさんの作品(埼玉県在住)

       

      nanoモフさんの作品(山梨県在住)

       

      M.Aさんの作品(東京都在住)

       


       

      筥迫工房のページにたどり着くような方は、とにかく「筥迫を作ってみたい!」という気持ちが第一にあるでしょう。

       

      筥迫はちょっと不思議な形で、付属品もちゃらちゃらと付いているので、それを全部作るとなるととてもハードルが高い。

       

      しかし、教本を手にいれたり講習会で筥迫を習ったりして「自分で筥迫が作れた!」という達成感を手に入れてしまうと、その後はストンとテンションが下がってしまう人が多い。

      成人式や結婚式に使うぐらいならそれで十分なんですけどね。

       

      講習会もまた然りで、筥迫コースを目指す人は多くても、筥迫まで辿り着いてしまうとよほどの目的がない限り筥迫を作り続ける人は実は少ない。

      ほとんどの人は他の型に目移りしていってしまいます。

       

      筥迫は使うところが極限られているので、たくさん作ってもしょうがないという気持ちがあるからでしょう。

       

       

       

      きっちりかっちりが持ち味!

       

      縫い合わせの袋物のようにゆったり柔らかな仕上がりと違い、貼り込みはかっちりきっちりの仕上がりが身上です。

       

      初めて筥迫を作る人には、この「かっちりきっちり」の具体的なイメージがわかないようです。

       

      筥迫ってそれだけで綺麗なんじゃないの?

      すでに綺麗なんだから仕立て方にこだわる意味あるの?

      と思うでしょうね。

       

      だから初めて作る筥迫はほとんどが仕上がりが緩い。

       

      貼り込みが理解できるようになってくると、締まりが良いというか、全体的に納まりの良い一体感のある仕立てができるようになる。

      ただし、何も考えないでただ作っているだけの人は、どんなに数を作っても納まりのよい形には仕上げられない。

       

      納まりのよい仕立てというのは、手取り足取り教えてもらって身につくものではない。

      それを常に自分で自覚し意識して作っていないと、所詮は理解できない世界なのだと思います。

       

       

      上級レベル

       

      今回の式部型小物入は、当初は中級扱いにしていましたが、直前に上級レベルに引き上げさせていただきました。

       

      四ツ襠や二ツ折は課題持参でしたが、式部型はその二つとは考え方の違う型だったので「縢襠付筥迫が余裕で作れるレベルの人」という条件にしてしまいました。

      私にとって「縢襠付筥迫が余裕で作れる」というのは、「相当作り込んでいる人」というイメージがあったのですが、各自の自己評価に委ねるような感じになってしまったので、その結果、私が想定していない方々の申し込みが相次ぎました。

       

      交通機関の予約までして、夜中まで待って申し込みしていただいたのに、半数の方はお断りせざるを得なくなり、本当に本当に申し訳ありませんでした。

       

       

      「縢襠付筥迫が余裕で作れる」というのは、講習会には行かなくても教本だけで幾つも筥迫は作っている、とりあえず申し込みできたら講習会当日までに念入りに筥迫の練習をすればいい、などということではないのです。

       

      縢襠付筥迫を余裕で作れるほど作り込んでいる人は、筥迫を上達の意識を持って作るということ、先に作ったものより少しでもよいものを作る意識を持っているということで、それが出来る出来ないに関わらず「納まりのよい型」に仕立てる意識を持って物を作っています。

       

      実際にはボーダーなレベルの人がほとんどなのですが、たぶんこの式部型を受講することで、最終的に貼り込みを理解することができるだろうという人が対象です。

       

       

      昔読んだ何かの本に、箱を仕立てる職人はレベルが上というようなことが書いてありました。

       

      貼り込みをわかりやすく「和のカルトナージュ」という例え方をしますが、確かにこの型はカルトナージュでも作れそうな型です。

       

      しかし、カルトナージュのように2mm厚の厚紙は使いません。

      箱物を作るには薄い0.7厚の厚紙を重ねて貼り合わせるだけなので、自分の手の塩梅だけでしっかりした箱に形作っていかねばなりません。

       

      ここで縢襠付筥迫を「納まりのよい型」に仕立てられる素養が必要になってくるわけです。

       

      貼り込みに慣れた人でも箱物を初めて作ると緩い仕上がりになってしまいます。

      箱物はかなり正確な仕立てで作らなければ「筥」にはなりません。

       

      箱物の出来は見た目にはそれほど区別がつかなくとも、手で持ってみれば仕立ての良し悪しはよくわかります。

       

      単発の講習会では型の作り方を教えることで精一杯になってしまうので、仕立ての納まりまではなかなか教えられない。

      しかしこの式部型はその感覚が理解しやすいので、このような考え方でまた筥迫を作り直してみると、これまでとはまた違った目で貼り込みの袋物が見えてくるのではないかと思います。

       

      受講者の一人が自宅に帰ってすぐに作ったものを送ってくださいました。

      講習会ではフカフカだった箱が、少しずつしっかりとした箱に作れるようになったそうです。

       

       

       

      承認制上級コース

       

      来年からこの型は、あらかじめ「承認」された方を対象とした「上級B」に設定したいと思います。

       

      人気のある型ですが、貼り込み的に自立していない人をお世話してまで教えるのはかなりの負担がある型なので。

       

      現状では対象となる方(熱心に作り込むような方)はそれほど多くはないので、来年二回入れるかどうかは悩むところですが。

       

      これまでの四ツ襠や二ツ折は「上級C」とし、中級コースまでを受講していれば自動的に申し込みできます(ただし課題作品有)。

       

      今後の展開を想定して上級Aのスペースは空けておきます(怖)。

       

      山ほど作っている人であっても、これまで全ての講座を受講している人であっても、「上級B」に承認されていない方はその講座に申し込むことができません。

       

      対象になるかどうかはあらかじめお問い合わせいただければと思いますが、講習会を受講される際に自宅で作ってきた作品を持って来られるか、常日頃から掲示板などに作品をアップしていただければ、それを見て判断させていただきます(ちなみに今回の受講者でハンドルネームがある方は掲示板で活躍されています)。

       

      教本だけで縢襠付筥迫を作っている方は対象外です。

      あくまで講習会でコースを経ている方が対象です。

       

       

      もちろん色々な人たちと出会えるのが楽しい講習会なので、参加することに喜びを感じている方も多いです。

      そんなにガシガシ練習しなくても型が作れるようになればいいというお気軽参加型の方は「上級C」までの受講がオススメです(同じ講座を何度受講しても可)。

       

      難度のある作品を作る「上級B」は貼り込みの技術が必須なので、とにかく型を作りまくっていただければと思います。

       

       

       

      講習会もついにこんなところまでやってきたなと思うと、なかなか感慨深いものがあります。

       

       



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      【2017.08.15 Tuesday 13:53】 author : Rom筥
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      2017.8 講習会『念珠入(組入)名刺入』
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        8月の講習会は講習会『念珠入(組入)名刺入』でした。

         

        念珠入れは最も実用的な型なので人気のある講座ではあったのですが、お揃いの名刺入れを組み入れにしたことでより人気の講座になりました。

        袋物はお揃いというだけでかわいい♡

         

        作る人が違えば布選びも違う。

        今回も個性的な念珠入れが勢揃いです。

         

         

        あちはさんの作品(神奈川県在住)

         

        S.Kさんの作品(東京都在住)

         

        F.Yさんの作品(愛知県在住)

         

        R.Mさんの作品(東京都在住)

         

        H.Oさんの作品(東京都在住)

         

        I.Hさんの作品(福井県在住)

         

        T.Aさんの作品(千葉県在住)


         

        糊を知るということ

         

        私にとっての貼り込みは「糊の世界」です。

         

        糊をどう操っていくかに面白みがあり、この面白さを皆さんにお伝えしたいと思ってはいるのですが、初めて貼り込みに接する方は接着剤だけで複雑な物が作れる!というお手軽なイメージを持たれるようです。

         

        「ミシン」を使うことに大きなハードルを感じても、「針」で縫うことに拒否感があっても、「糊」は子供の頃から使っているあまりにも身近な存在だからなのかもしれません。

         

        世の中には糊で接着して作られているものは山ほどあります。

        それをあえて「貼り込み」などという仰々しい言い方をしているので「大袈裟だなぁ」と思われている方も多いでしょう。

         

        でもね、糊で貼り合わせたものはただ「貼り付け」ただけのものであり、私が講習会で教えたい「貼り込み」はまた別のものなのです。

         

        去年までの「筥迫の作り方を教えます!」から、今年の「貼り込みを教えます!」に変えたのも、実ははかなりの違いがあるのですが、これを講習会で理解してもらうにはちょっと時間がかかるかもしれません。

         

         

        糊というのは「乾いていく瞬間」に接着されるものです。

        貼り込みではこのタイミングを見極めるのがとても大事です。

         

        貼り込みというものは、完全に糊が乾いていない状態で仕上げ、最後に本当の意味での貼り込み作業というのがあるのですが、講習会は型を教えることに偏ってしまうので、教えているそばから糊は乾いてしまう。

        型が出来上がったときには完全に糊は乾いているという状況なので、これでは一体どこで貼り込みを教えればいいのか(すごいジレンマ)。

         

        唯一チャンスがあるとすれば、講習会で作った物を自宅で復習して、それをまた練習してもらって、その作った物を次の講習会に持ってきてもらったときに少しはアドバイスできるかもしれないということ。

         

        とは言っても、講習会を始めたばかりの頃は型を作ることができるのがうれしくて、色々な布で作った作品を持ってきてくださる方がほとんどです。

        もちろんそのようなこだわりも必要ですが、扱いの難しい生地でばかり作っていると実は練習にはならない。

         

        型を覚えるまでは扱いやすい生地で確実にきれいに仕立てられるようになってほしい。

        そしてやっと次のコースを受講してもらう、というのが講師にとっては理想ではあります。

         

         

        数を作るということ

         

        講習会に来る方には「とにかく数を作って欲しい」と言っているのですが、

         

        「数を作らなくても上手くなりたいんです!」←びっくり泣き

        「数を作る気になれないんです、、、」

         

         

        自宅で貼り込みの練習をするときは、ただただ数を作るのではなく、時間を計りながら作ってみるといいと思います。

        焦って早さを競えと言っているのではなく、無駄な時間をなくすということです。

        一回目より二回目、二回目より三回目、、、という具合です。

         

        作りながら道具を探すことはないですか?

        資料を見ないで作れるようになること、手順を完璧に覚えることで、作る時間はかなり短縮されます。

         

        特に「抱き合わせ」作業に入ってからは時間との勝負です(まさか途中でご飯を食べたりしていませんよね?)。

         

        効率的に作業できるようにならないと、なかなか糊のことまで注意を払うことはできないでしょう。

         

         

         

        筥迫工房の講習会は単発なので、宿題やテストというものをしないで上のコースに進むことができます。

        こちらとしては前回の内容をクリアできていると思って説明するのですが、大体半数ぐらいの人はこんな顔していますね(笑)。

         

        講習会に一回出たぐらいでは理解できない人も多いと思います。

        それでも家に帰ってすぐに復習すればかなり思い出しますし、いつか理解につながります。

        それでもわからないと思えば、もう一度同じ講習を受け直すというのも大変有効なことかと思います。

         

        実際に今回もレベルダウンして受講しなおしている方がいらっしゃいました。

         

        そんなことを真剣に考えてくれる人が出てきたことが、ちょっとうれしいrom筥でした。

         

        ====================================

        筥迫講習会

        9月3日(日)(中級) ★6 三段口扇襠筥迫

        ※まだ少しお席あります。

         初級コースを受講されている方対象です。

        ※赤い「講習会申し込み受付中!」が表示されている

         間は申し込みができます。

        ====================================

         


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        【2017.08.07 Monday 22:24】 author : Rom筥
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        2017.7 中山きよみ+13コレクション(3)江戸型筥迫『しあわせ尽くし』
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          おめでた〜い宝尽くしの図案が詰まった筥迫です。

          刺繍に関しては中山先生のブログ「日本刺繍nui nui」をご覧ください。

           

          こちらのブログでは、あくまで仕立ての面から筥迫を見ていきたいと思います。

           

          私は筥迫を作り始める人たちに「帯地はやめてね〜」と常々言っておりますが、筥迫を作る人が誰でも刺繍ができるわけではないので、刺繍に匹敵するものとして金襴などの派手な生地で作りたがる人が多い。

           

          裏に糸がたくさん渡っているようなゴージャスな織地でも筥迫を仕立てられないわけではありませんが、どんなに不格好になっても使うのは婚礼の一回こっきり、「襟元から出すわけじゃなければほとんどわからないから!」というだけならどうぞご自由に。

           

          しかしこれが筥迫作りに凝り出すようになってくると、とにかくきれいな仕立てで筥迫を作りたいと思うようになる。

           

          懐中袋物というのは布をたくさん折りたたんで作るものなので、ほんの少しの厚みの違いで出来上がりに大きな差が出るという世界。

          どんな素材を使っても同じようにスマートに一定の仕上がりに作ることに苦心するようになる。

           

          薄手の金襴や錦などであればきれいに仕立てられなくもないのですが、どこまでの厚みならOKで、それ以上の厚みならどう処理するかの判別は、とにかく数を作って経験として判断していくだけです。

           

           

          刺繍の厚みは別物

           

          刺繍の筥迫には、帯や着物にしないような分厚く肉を盛った刺繍をすることがあります。

          今回の作品は肉入れこそされてはいませんが、帯地にふんだんに刺繍が施されています。

           

          既存の布は生地全面の厚みは均一なので「厚みのある生地はダメ」とひとくくりに言えるのですが、刺繍の場合は装飾にいかに厚みが出ようが、布が折り返される「縁」の部分にさえ刺繍をいれなければ問題なし。

           

          「縁」にあたる部分に厚みがあると、同じ分だけ裏にも厚みが回るので倍々で厚みが増えていきます。

          これに厚みの出る挟み玉縁を付けようものなら、三倍ぐらいの厚みになります。

           

          これが金襴の厚みがダメで刺繍の厚みがOKな理由です。

           

          全体的に肉付きがいいよりも、締まるところは程良く締まり、ふくよかなところはより肉が盛られている(もしくは刺繍こってりな)姿の方がより魅力的に感じてしまうのは人間も筥迫も同じってことです。

           

          中山コレクションのすごいところは、江戸時代の筥迫さながらの全面刺繍です。

          刺繍がないのは底面ぐらい。

           

          裏面にも刺繍がびっしり。

           

          もちろん胴締めなどの柄合わせ部分はどうしても「断ち切り」になってしまいますし、あえて被せ内で断ち切りにすることもある。

           

          そんなときは、玉縁のすんでで刺繍を止めていただければ仕立てには影響しません。

          刺繍が玉縁に被ってしまうと玉縁は凸凹になりますが、その前で刺繍を止めてもらえれば玉縁のラインはあくまで真っ直ぐにできるのです。

           

          折り返しにするときも刺繍は小口(折り返した厚みの部分)部分までで止め、裏まで回さないというのがベスト。

          これは厚みを出さないようにするためなのですが、厚みが出るとそれによって柄合わせがずれてしまうからですね。

           

          しかし、これを刺繍師に理解してもらうのはかなり難しい。

          これが打ち合わせに時間がかかる理由なのですが、そんな打ち合わせの必要性がわからない方はどんどん刺繍を進めてしまう。

           

          このような場合はこちらも腹をくくって、とにかく筥迫の形に仕上げてみた上で、次作られる場合はこうした方がいいですよと提案しすることにしています。

          納得して次の刺繍に役立てていただけると、一つこなすごとによい作品に仕上がっていく。

          もちろん必ず納得していただけるとは限らないのですが。

           

          これが、筥迫の制作には刺繍師と仕立師の連携が必要と言っている所以です。

           

          仕立てやすさは仕立て師だけのメリットではなく、仕立てやすい=スマートな仕上がり(出来上がりの美しさ)につながるので、刺繍師にも無視できないことなのです。

           

          中山+13の作品は、中山先生と何年もかけて打ち合わせしたこともあり、大変仕立てやすく美しい仕上がりになったと自負しております。

           

           

          筥迫の王道は『玉縁仕立て』

           

          筥迫と玉縁は切っても切れない関係にあります。

           

          とはいっても、折り返し仕立てだから格が下がるなんてことはありません。

          お客様から「玉縁で」と指示されても、あきらからに折り返しの方が効果的と思われる場合は折り返しをお勧めします。

          より美しく仕上がる方法を考えます。

           

          教本で筥迫の玉縁を作る場合は「挟み玉縁」を採用していますが、これは誰がやってもほとんど失敗がなく極細の玉縁に仕立てられるからです。

           

          そんな挟み玉縁のデメリットは、何と言っても厚みが出ること。

          ただでさえ厚みのある布や、こってりと刺繍が入った半襟などに使うと、とんでもなく分厚い筥迫が出来上がります。

           

          そんなことから、厚みを抑えた仕立ての美しさを重視したいのであれば絶対に「縫い玉縁」です。

           

          縫い玉縁は表布を折り返さずに玉縁布で包んで、極薄の玉縁布だけで折り返すので厚みは最小限に抑えられるからです。

           

          しかし、この縫い玉縁は相当ミシンのスキルがないとできないのですね。

          簡単と思われるかもしれませんが、1mmの際を縫っても布や厚紙の厚みで仕上がりは2mm。

          これが2〜3mmでしか縫えないとなると仕上がりは3〜4mm。

          う〜ん、3〜4mmの野暮ったい玉縁にするぐらいなら、太っても挟み玉縁の方がマシ!

           

          仕立ての依頼が来るときは、できれば縫い玉縁で仕立てたいという気持ちはあるのですが、刺繍の仕上がりによっては不本意ながら挟み玉縁で仕立てざるを得ないということが多い(というかほとんど)。

           

          縫い玉縁は刺繍する人にも難しく、仕立てる人にも難しい。

           

          私は未だに昔のあの美しい玉縁には追いつけない。

          でも、いつか、いつかあの筥迫に追いつきたいと夢見て今日も筥迫を仕立てています。

           

           

           

          こちらの筥迫は「開き扉」型。

          被せを開いて、更にパタパタっと扉を開いていきます。

           

          最後の蓋は「針山」になっています。

          あくまで裁縫道具入れが好きな私。

           

          でも裁縫道具入れなのに「鏡」がついているのはおかしいので、「本来の化粧道具入れにしましょうか?」(ブラシが入るように細長の仕切りを付ける)と中山先生にお聞きしたところ、「針山がかわいいのよ〜」とのこと。

          やっぱり女は裁縫道具が好きなのね♡
           

          ということで、こちらの筥迫にだけサンプルとして「糸切りハサミ」と「指貫」のセットをつけました。

          欲しい方はオプションでお請けいたしますと言ったところ、開き扉をご依頼された全ての方から後日ご注文いただきました。

           

           

          オプションはこちらの三点セット。

          (この画像は別の筥迫のものです。通常は筥迫の内布とお揃いにします)

          ハサミは携帯裁縫用具入れ用の「三条みすや」のハサミでは小さすぎるので、もう少し大きめのです。

          糸巻きも入れました。

          後は各自何でもお好きな物を入れていただき、是非おもちゃ箱に仕上げてください。

          (こんなものを実用できないので、たまに出して楽しんで見るだけのおもちゃ箱という感じです)

           

           

          このような型は中に何を入れなくても、蓋や底に中側に刺繍が次々と出てくる仕掛けがあったら絵本のようで素敵だろうな〜と思うのですが、こんな小さな筥迫に相当量の刺繍をすることになるので考えるだに恐ろしい。

          まず自分は絶対にやらないだろうけど、仕立ての依頼があったら楽しいだろうな〜と思うだけ。
           

          自分だけの宝物を作りたい方、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

           

           

          江戸型の筥迫は今のところ「一つ口」とこの「開き扉」しかできませんが、この型は如何様にも中を変化させることはできます。

          これからもっと楽しい仕掛けを作って、見る人に「あの中どうなっているのか見てみたい!」と言わせるようなワクワク感を感じさせる筥迫を作っていきたいと思っています。

           

           


           

          <コピーライトについて

           

          以前「転載禁止」などというテキストも入れてみたのですが、意味のあるテキストを入れるのはあまりのも無粋なので、今回は画像にコピーライトを重ねることにしました。

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          【2017.07.30 Sunday 16:16】 author : Rom筥
          | 中山13コレクション | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          筥迫の仕立て
          0

            今年は作品展や他所の作品展の仕立て依頼が多く、講習会関連の仕事がないときは仕立て三昧の毎日です。

             

            ただしネットショップの対応で中断されることが常なので、ショップの注文も雑用もない仕立てだけに集中できる時は嬉々としてモードに入ってしまうため、ブログの更新は後回し、そんな状況と思ってください。

             

            お客様のものをお預かりしている仕立て仕事はブログに出てこないだけで、その比重は年々大きくなって来ています。

            筥迫!筥迫!と年中ネットに書き込んでいるからとは思いますが。

             

            ということで、たまには仕立てのことについて書いてみよう思います。

             

             

            積極的にできる仕事じゃない

             

            現代で筥迫の仕立てを専業にする職人さんはいなくなったと言われていますが、それでも筥迫を作る業者さんがいないわけではありません。

             

            ただし、同じ素材を使っていくつも作る既製品であれば筥迫作りは難しいものではありませんが、お客さんが持ち込んだ素材で何でも作りますというオーダーの仕事は、全く性質の異なるものです。

             

            私がやっていることは後者で、お客さんは様々な条件の素材(図案を含め)を持っていくるので同じ条件というものがない。

             

            なぜもっと積極的に仕立ての宣伝をしないのか、と言われることがあります。

             

            昔ながらの仕事であれば、「こういうものが来たときはこうする」なんてことを師匠に教わりながら、その上で技術を積み重ねていけるのでしょうが、教えてくれる人のいない世界では全てがぶっつけ本番。

            必ずうまく仕上がる保証がない、というとても怖い仕事です。

             

            会ったこともないネットの向こうの不特定多数に向かって、積極的に「筥迫の仕立てやってます!」なんて言えるわけがない。

             

            お客さんの方から「やってください」と言ってくれば、対等にこちらの意見も聞いてもらえるので、それならばやりましょうぐらいの気持ちでやっています。

             

             

             

            始めて筥迫を作る人には、工程ごとに区切って毎日少しずつ作業するように勧めていますが、実際に仕事となると休みを入れずに一気に仕上げるのが理想的。

             

            「糊」を扱う作業なので、美しく仕上げるには「手早さ」が重要だからです。

            他の人から見ればあっという間の作業に見えるかもしれません。

             

            でもね、仕立ての仕事というのは貼り込み作業だけじゃないのです。

            その他の作業にこそ膨大な時間がかかるのです。

             

            それらの作業も含めて全て「仕立ての仕事」。

            それを考えると、仕立ての料金というのは割に合わないと正直思います。

             

            これが積極的に仕立ての仕事をしようとは思わないもう一つの理由です。

             

             

             

            仕立ての仕事は貼り込みにかかる時間だけじゃない

             

            「筥迫を探していたらこちらのブログに辿り着きました。同じような筥迫を探したのですがどこにも売っていないので、こちらで筥迫を作ってもらうことはできませんか?」

             

            結婚式を間近に控えた花嫁さんから、よくこんなお問い合わせをいただきます。

            詳細をお伝えするのですが未だ注文に至ったことはありません。

             

            行き当たりばったりで簡単に欲しいと言えるようなものではないということがわかるからでしょう。

             

             

            筥迫工房の仕立ては基本的に素材はお客様からの持ち込みです。

             

            すでに筥迫にしたい布があって、それで仕立てるというのが依頼人、仕立て人にとって一番簡単な方法です。

            しかしながら、仕立て代その他を含めると2万ぐらいかかってしまうので、よほど思い入れのある生地でないかぎり注文には至りません。

             

            漠然と「こんな色でこんなデザインの筥迫が欲しい」と言われるのが一番大変です。

             

            日本刺繍でデザインから作れればよいのですが、相当な金額になるので、始めから「日本刺繍で」と言われない限り成立することはありません。

             

            結局はご自分のほしい柄の生地を探してもらうことになるのですが、筥迫にふさわしい柄、生地、ほしい色の組み合わせなどというところから説明しなければならないので、それはもう気が遠くなるほどのやり取りになります。

             

            20cm以上はあろうかという大きな花が描かれた布を持ってきて、筥迫を作って欲しいと言われたこともあります。

            被せには花びらの断片しか出ない、それも胴締めで寸断される、もう元の柄が何なのか想像もつかないでしょう。

             

            そんな説明をしているうちにフェードアウトしていく人も多いのですが、筥迫に思い入れのある方は延々と打ち合わせを続けていくので、そこまで作りたいならこちらもとにかくいい作品を作ろうという気になる。

             

            もちろんそれは納期に制限のない人が条件なので、納品まで一年ぐらいかかることはザラです。

             

             

             

            刺繍裂の難しさ

             

            結局、筥迫の仕立てを依頼される方のほとんどは日本刺繍をされている方ということになります。

             

            装飾裂が自分で作れるということは、丁度良い位置に、好きな大きさに柄を配置できますし、柄合わせも思いのまま。

            装飾裂を用意できるのであれば、あとは仕立て代だけなのでハードルは低い。

             

            日本刺繍をされる方というのは、基本的に着物や帯を仕立てる金額までセットで考えられているので、こちらも仕立て代が高い!などと言わないだろうという安心感がある。

             

            自分が苦労して作った作品なのだから、お金がかかってもより良い材質の物を使ってきちんと仕立ててほしい、と言うのはとても自然な考え方だと思います。

             

            「巾着いらないのでその分安くなりませんか〜」なんて値切られることほど職人さんの気力を削ぐ物はない(せいぜい話のネタには使わせてもらうよ)。

             

             

             

            とはいえ、最近筥迫の刺繍の難しさを痛感することが多々あります。

             

            筥迫の刺繍で一番難しいのは「図案」と「絵付け」です。

             

            図案なら、ここで絵を切ってくれないと困る、ここで切ったらもったいない、ここにかかると意味がない等々。

             

            絵付けなら、図案はここまで、配置はこの向き、感覚はこのぐらい、糸針はどこにする等々。

             

            これを適当にやられると仕立てられこともあり、最悪刺繍を切りつけして貼り付けする、なんて荒技をやることになります。

             

            特に初めての方の場合、こちらが仕立てやすい仕上がりに返ってくる率は半分以下。

             

             

            筥迫の刺繍を作るための雛形や絵付けの方法をわかりやすい資料にして作ってはいるのですが、本当はそこに書ききれないほどの免責事項がたくさんあります。

             

            そもそも、装飾を施した布(表面が凸凹)を仕立てるのは、そうでない裂に比べると断然難しい。

             

            仕立てやすい刺繍裂=きれいに仕立てられる、ということなので、つまり刺繍がより際立つということです。

             

            刺繍人と仕立て人ががっちりスクラム組んでこそ、素晴らしい作品を作り上げることができるのです。

             

             

            そんなことを考えているうちに、「刺繍をする人のための筥迫講座」なんてやってみたらどうだろうという考えが頭に浮かました。

             

            自分で筥迫を作れなくても、自分が作った装飾裂で筥迫(or他の嚢物)を作りたい人は多いはず。

             

            是非やってほしい、こんな内容を扱ってほしいというご意見ありましたら、来年あたり考えてみようかと思います。

             

             

             



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            【2017.07.25 Tuesday 15:25】 author : Rom筥
            | 筥迫あれこれ | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            2017.7 筥迫講習会『紙切りハサミ入&扇子入』
            0

              今月の講習会は、初めての講座『紙切ハサミ&扇子入』でした。

               

              本来は筥迫の装飾に特化した講座が組まれていましたが、こちらは教材を集める大変さに挫折し、季節柄ちょうどよかった扇子入れに変更することに(装飾筥迫の開催を期待されていた皆様ごめんなさい)。

               

               

              F.Yさんの作品(愛知県)

               

              Y.Kさんの作品(埼玉県)

               

              K.Hさんの作品(東京都)

               

              K.Iさんの作品(東京都)

               

              Y.Oさんの作品(東京都)

               

              K.Wさんの作品(富山県)

               

              U.Mさんの作品(東京都)

               

               

               

               

              自分で製図するということ

               

              今回のハサミ入れは、講習会でおすすめしている「CANARY GX−175」専用の型です。

              ハサミの型を限定しなければならない理由は、統一の型紙を使う必要があるからです。

               

              ハサミ入れは午前の二時間を使って作りましたが、慣れれば一時間もかけずに作ることができます。

               

              ハサミ入れで手慣らしした後に、これを応用した扇子入れを作りました。

               

              扇子はある程度形状の指定をさせていただいた上で、各自自由にお持ちいただきました。

              それでも完全に同じものはないので、自分で型紙から作らなければなりません。

               

              「糸切りハサミ入と指貫」のときもハサミ入れの製図はしましたが、今回の製図はもうちょっと複雑です。

              それでも難しいというほどではなかったのですが、普段このようなことに慣れていない人には時間のかかる作業となってしまいました。

               

              ジャストサイズに作るためには扇子を正確に測ることが必要なので、今回は「ノギス」を使いました。

              ノギスとは、一般的な定規では測りずらい丸みをもったものや、直尺定規が入らない場所を正確に測るためのものさしです。

               

              「どこのスーパーを探しても売っていませんでした〜」

               

              工具なので買いに行くならホームセンターですね(苦笑)。

               

               

              ノギスを使ったとはいえ、出来上がりが何かおかしい?というものがありました。

               

              作り方で多少の誤差は出るものの、明らかに出来上がりがおかしい場合は「型紙」を疑います。

               

              そこでわかったこと。

              ノギスの使い方を間違えている人がいたということ(汗)。

              確かにあのメモリの見方は慣れないとわかりずらいかもですね。

               

              このように測り方を間違えていたり、扇子には色々な形状があることがわかったり、小さなアクシデントもありますが、講習会では講師がついていますので、とりあえず形には仕上げてしまいます。

               

              たぶん一人で作っていてサイズが違うなんてことになってしまったら、そこで挫折してもう二度と作らなくなってしまうかもしれません。

              そのような意味では、一度に色々な状況を知ることができるのが講習会のよいところです。

               

              製図がうまくできなかった人には講習が終わった後にしっかり補習しましたので、お家に帰ってもう一度作り直していただければ次は大丈夫かと思います。

               

               

              差し込むという考え方

               

              この二つは異なる分野のものですが、袋物の作り方としては「差し込んで保護する」という意味において同じカテゴリーです。

               

              今時は扇子と袋がセットになって販売されているものが多いですが、どのような形状のものに対応できるよう極めて単純な形に作られています。

               

              仕覆で扇子や懐剣のように細長いものを入れる場合は、筒状の袋に入れて上を折り返し、紐で巻いて笹爪で留めるという形状の袋が作られてきました。

              こちらは全体を優しく包み込むような形状です。

               

              しかしながら、慌ただしく生きる現代人が生活の中で使うには「1入れる」「2折り返す」「3巻く」「4留める」というステップはあまり実用的ではない。

              そこで「きっちり、かっちり」が得意な貼り込みの考え方で、

              「1入れる」だけの扇子入れを作ってみました。

               

              カバーというよりは、何だか刀を鞘から抜き差しするかのような感触です。

               

               

               

              一般的な袋物には「被せ(蓋)」がストッパーの役割をするので、サイズさえ合えば不特定多数のものを何でも入れることができます。

               

              対して差し込み型の袋物は、限定した物しか入れない=ジャストフィットさせて作ることができる、つまり被せがなくても簡単には落ちない構造の型が作れるというワケです。

               

              これが今までの袋物を作る楽しさと違う、差し込み型を作る楽しさでもあります。

               

               

              糊もサイビノールだけで、それもほとんどの工程を手貼りで仕上げていきます(でんぷん糊は使わない)。

              アイロンを使うのは最後の仕上げ時だけ。

               

              これまでの袋物の講座とはまた違った糊の使い方をするので、入門コースの金封袱紗を出た出ないに関わらず、全く初めての方でも参加できるようなコースにしようかと考えています。

               

              もし作ってみたいと思う方がいらっしゃいましたら、たぶん夏前に企画すると思いますので、今から指定の扇子を購入しておいてくださいね!

              (使える扇子はこちらをご参照ください『7、8月の講習会について』)

               



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              【2017.07.19 Wednesday 15:10】 author : Rom筥
              | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |