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筥迫用保管箱と筥迫スタンド

 

 

筥迫工房オリジナルの「筥迫保管箱」がリニューアルされました。

そう、先日ご紹介した「筥迫&懐剣」の保管箱と同じ「黒」です。

 

以前のものは「ふた身式」で、蓋の外側だけが黒でした。

身の白をカバーするため蓋を深くしたのですが、これが使いづらかった、、、。

 

今回は全て黒で、思い切って「印籠型」にしてみました。

ちょっとお値段は高くなりますが、思いを込めて作った筥迫なら、これぐらい立派な箱に入れても惜しくない、、と思うはず(?)。

というより、筥迫が一段立派に見えますよ!

 

そして、この筥迫保管箱は「4種類」の筥迫に対応しています。

 

1)縢襠筥迫(基本型)

こちらはショップで販売されている教本の型紙で作る大きさです。

 

2)縢襠筥迫(大型)

こちらは講習会や教室で、中級以上の筥迫として作られる大きさです。

刺繍をする人には基本型は小さすぎるので、こちらの大型で作る方が多いです。

 

3)三段口扇襠筥迫

他の筥迫は縦長で使いますが、こちらの型のみ横長で使います。

 

4)二ツ折小被付筥迫

二ツ折小被付筥迫は厚みのない筥迫なので、中仕切りが上げ底式になっています。

(その分これだけお値段が少々お高いです、、、)

 

 

筥迫を保管する、展示するなどで問題になるのが、胴締めの下部分が飛び出ているため、うまく固定できないことにあります。

これを以前は厚手のカルトンを切ったもので仕切りを作っていましたが、今回は厚紙だけで強度が出るように設計しています。

同じ黒厚紙だから見栄えも良し。

 

実はこの仕切りは私が作っています。

(こんな少ない数で業者に依頼したらやたらと高そう、、、)

そして、私はこういうものを設計をするのが好きなんだわね(苦笑)。

 

ご注文はこちらからどうぞ。

貼り箱(筥迫用)

 

 

 

筥迫スタンド

 

以前、筥迫用のスタンドというものも販売していたのですが、既存のスタンドに手を加えて筥迫用スタンドにしたものでした。

 

しかし最近、いいものを見つけました。

それがこちらです。

 

 

見てお分かりの通り、スマホスタンドです(笑)。

一般の方がご自宅で飾るぐらいなら、もーこれでいいんじゃないかと。

 

基本型だと上が少し出てしまいますが、大型だとこんな感じです。

基本のびら簪だと下につかないですが、長鎖だとこのぐらい付きます。

というか、スタンド部分が動かせるので、高さも色々と変えることができます。

 

白もあります。

 

ただし、どんなスマホスタンドでも大丈夫なわけじゃない。

この胴締めの幅に間が開いている物でないと意味がない。

というわけで見つけたのがこの二つだったというわけです。

 

 

 

巾着フォルダー

 

こちらの筥迫スタンド用の「巾着フォルダー」は作ることができます。

簡単なのでこちらに図面を貼りますので、よかったら作ってみてください。

 

 

1)クリアファイルを3cm幅にカットします。(カッター使用)

2)カッターマットのグリットに合わせて、上図の右から5mm、1.5cm、2.5cm、、、と目打ちで筋を入れます。

 

3)画像のように折りを入れます。

 

4)図の水色面の裏にドットライナーを引きます。

5)まず3cmの部分をスタンドに貼ります。

 

6)1.5cmの部分を3cm部分の上に貼って完成です。

 

 

 

 

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縢り用クリップ&今後のこと

縢り用クリップ

 

これまで筥迫の紙入れの両脇に施す「縢り(千鳥掛け)」をする際に目玉クリップを使っていたのですが、目玉クリップは取手に縢り糸が引っかかって邪魔なのが難でした。

 

ところが最近こんなクリップを紹介いただきました。

 

通常のWクリップはあまりにもバネが強すぎて使えないのですが、こちらは一本のバネだけで支えているので挟みやすい。

 

そして何よりWクリップ特有の取手が中に折り畳める構造なので「縢り糸」が引っかからない!

 

 

欲しいという方には直接買っていただいた方が安いとは思うのですが、どこにでも売っているというものではなく、ネットで買おうとすると量があったり、送料がついて余計に高くついてしまうことになりがちなので、ちょっと割高ですがショップで扱うことにしました(フェルト付)。


ご希望の方は、他の注文ついでの時にでもご注文いただければと思います(クリックポスト発送可)。

筥迫縢り用クリップ

 

 

 

教室のこと

 

コロナ禍になり、ちょうど一年経ちました。

 

あの頃は講習会も教室もどう対応すればいいのかわからず、右往左往していたような気がします。

 

結局つたえの会場も使えなくなったことで、突如私が作業していた工房を複数人が使用できる環境へと変えることになり、バタバタと教室の運営を軌道に乗せることに集中する一年となりました。

 

当初、筥迫工房では「お針子会の講習会」をメインにしておりましたが、型が増えるに従って「単発のステップアップ講座」が難しくなってきました。

このことから通年で通える「つたえでの教室」を並行して始めたわけですが、この時点で教室はあくまで講習会のサブという立ち位置でした。

 

教室では全員が違う型を作るため、初めの頃は私も慣れないことばかりでアタフタとしていたので、講習会のやり方を期待して参加された方は去って行ったように思います。

 

しかしこの一年で、私も生徒さんたちもこの形態にすっかり慣れ、自分の好きなペースで、自分の作りたい物を好きなだけ作るという心地よい空間に定着してきたような気がします。

ここならネットショップで販売している教材に加え、機材や工具も全て揃っています。

私的にはPCやプリンターが常に目の前にあるという利便性はもう何ものにも変え難い。

 

 

教室はチケットを購入して定期的に通うことになりますが、基本的には月一の方が多く、集中的にやりたい方は月に2〜3回でも入れることはできるので、各人が上達していく様が目に見えてよくわかります。

 

何よりよかったのは工房にはミシンがあること。

本格的な「本仕立て」の筥迫にはミシンが必須だからです。

本仕立てなら分厚い金欄や、裏に大量の糸が渡った帯地でも筥迫に仕立てることができます。

 

 

これは仕立て屋だった父が使っていた職業用のミシンですが、かなりアンティークな代物で、いつご臨終になってもおかしくない状態だったのですが、それを知ったH.Sさんから職業用ミシンを寄贈していただきました。(H.Sさんに感謝!)

今では生徒さんたちが好きな方のミシンを選んで「本仕立て」の練習をしています。

 

ただ本仕立てに入ると、今までのようにマニュアルと先生さえいれば必ず出来るというレベルではなくなるので(あくまで各自の能力なので延々と反復作業)、ここからを「工芸コース」とすることにしました。

 

単発の講習会では、筥迫は「出来れば満足♡」という人がほとんどだったので、その先の「作り込み」など求める術もありませんでしたが、教室ではそんな作り込みという名の特訓を受け入れてくれる方が少しずつ増えてきたので、自然と工芸までのステップアップが考えられるようになりました。

 

ただし工芸コースはマニュアルを見ながら作るというレベルではないので、工芸コースに進むためには、筥迫作りの精度と時間を見るための「昇級テスト」を設けています。

今はそれを目指して筥迫の作り込みに励んでくれる人がいるので、いつか「江戸型筥迫」や「定家文庫」を作れる人が出てくるかと思うとワクワクします。

 

現代では見られなくなった、かつての筥迫職人が作っていた頃の超絶技巧の筥迫が、こんな小さな場所から生み出される日が来るかもしれないという希望に、密かな喜びを感じるrom筥なのでした。

 

ボロくて狭いスペースですが、それでもこじんまりと楽しくやっています。

 

場所的にも池袋からすぐの駅近に加え、工房までの道が商店街で飲食店(昼食)に困ることもない。

現在はコロナで一日あたり3名しか入れられませんが、将来的にコロナが明けても別に会場を借りることは考えずに、この場所で何とか6名ぐらいまでは入れるような体制にして行けたらと考えています。

 

今ではチケットも1枚から買えるようになりましたので、コロナが落ち着きましたらどうぞお気軽においでいただければと思います。

 

 

 

オンライン講座

 

とはいえ、これまで遠方から参加されていた方にとって、単発の講習会がなくなってしまったのは残念なことでした。

 

しかしコロナという時代になって、まだ何年かは皆が集まるような講習会は出来ないような気がします。

それにコロナが明けたとしても、すでに世間に馴染んでしまったオンラインの流れは止まらないような気もします。

 

ただニッチなニーズの筥迫工房こそオンライン講座は適していると思っているので、これをきっかけに今後は講習会からオンラインへ移行することは心に決めています。


そんなオンラインの立ち上げに時間がかかっているのは、色々考えられるやり方の中で納得のいく方法に出会えなかったこと、私自身の中で割り切れない部分があったことで、なかなか行動が伴わないという状況でした。

 

しかし最近、とあるやり方を提案されて、それが私にはとても腑に落ちる方法だったので、これなら講習会と教室よりも、オンラインと教室の方が差別化しやすくなり、私自身も非常に割り切りやすい。

今後はこの方法に絞って準備を進めていくことになると思います。

 

ただ、やるとなったら機材を揃え、下準備をしっかりしてから始めようと思っているので、初めの講座は5月ぐらいを目処に進められたらと考えています。

 

初めは「誰ヶ袖シリーズ」を考えていますが、まずは金封袱紗を受講したことがある方に限っての募集になると思います。


ただしオンラインになると、教材は発送するとしても、型紙やマニュアルなどはデータで送ることになると思います。

これで果たして年配の方々が対応できるのかがちょっと不安ではありますが、せっかくオンラインになるのであれば、できれば紙出力からは解放されたい。

(プリンターを酷使しすぎて2年もたないのよ、、、泣)

 

家にプリンターがなければコンビニプリントに送信できるようにするとか、そこらへんの対応も考えて行こうと思います。

 

もちろんオンラインにも限界はあります。

さすがに工芸コースをオンラインにすることは出来ないでしょうし、何が出来て何が出来ないかを見極めながら、教室との併用を考えて行くことになりそうです。

 

教室の時もそうでしたが、初めから上手くできるとは思っていないので、どうか生ぬるい目で見守っていただければ幸いです。

 

 

 

 

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DOTLINER リニューアル

先日「ドットライナー」を仕入れたらリニューアルされていました。

 

おおっ!なんだこれ!が最初の感想。

どうやら昨年11月にリニューアルされたようです。

知らなかったな〜。

 

 

DOTLINER(ドットライナー)

 

ドットライナーとは、KOKUYOの大ヒット商品のテープ糊のことです。

 

筥迫工房の貼り込み細工は3種類の糊を使い分けていますが、このドットライナーはそのうちの「留糊」として使われています。

 

テープ糊の最大の特徴は「水を含まない」ということ。

貼り込みでは糊の水分をいかに操るかということが最も大事なことです。

 

そのため昨年改訂した教本「縢襠筥迫の作り方」では、最も水分量の多い「薄糊」を使わず、貼り付けの工程をこのドットライナーで代用することにしたぐらいです。

貼り付け作業で「水分」を気にしなくてよくなった分、作業の説明がとともラクになりました。

 

ただし、教室や講習会で薄糊の使い方をうるさく習った人は、絶対に薄糊のほうが使いやすいので本来の使い方をしてくださいね。

 

 

上が新しいモデルで、下が今までのモデル。

ちょっと遠近感がついてしまいましたが、実際のサイズは同じです。

 

旧モデル(下)は薄い半透明のブルーでガチャガチャっと中身がよく見えてそれが賑やかな感じでよかったのですが、ニューモデルは黒びかりしているような濃いブルーで、中は見えづらくなった反面ロゴは際立って見えます。

 

更には「テープのり」とドットを示す「・・・・・」がなくなったことで、よりすっきりとしたデザインになっています。

ドットライナーが「ドットで出るテープ糊」なんてことは、今では誰でも知っているだろうという自信の現れですね。

 

さすがパッケージに書かれた「2018年度テープのり市場売り上げ金額No.1」はダテじゃない(笑)。

 

正直ニューモデルの第一印象はやたらと暗いイメージでしたが、しばらく経って見慣れてみると、このシンプルなタイポグラフィーが洗練された印象に変わり、旧モデルがやたらと古めかしいデザインに見えてくるのが不思議です。

 

Amazonの商品ページでも多分ニュータイプには入れ替わっているのではないかと思うのですが、画像がまだ旧モデルのままなのですが、ちょっと自信がないのでリンクが貼れない、、、。

 

とりあえず新しいモデルはロゴのDOTの「O」にワンポイントの「赤丸」が付いているところで見分けてください。

(くまモンの赤い丸さえつけておけば売れる説を思い出す)

 

 

1)軽引き設計

 

内部設計の見直しにより、引き心地が旧モデルより20%改善されたそうです。

実際旧モデルに比べると「やさしい引き心地♡」といった感じです。

 

それとテープについた状態のドットがすごく薄い。

旧モデルはセパレーター(テープの台紙)に付いたドットがはっきりと確認できますが、ニューモデルは極薄に確認できる程度です。

 

テープの後半になっても引きが重くならないように改善されているそうなので、ドットを薄くすることによって糊離れを良くしていることもあるかもしれません。(薄くなっても接着力は変わらず)

 

左がニュータイプ、右が旧タイプ。

 

ローラー部分も広くなっていますね。

ローラーの根本にドットが絡まって動きづらくなることもあるので、ここを広くしたことで改善したのかもしれません。

 

ただ、今までは引きが重くなってきたなぁと感じることがテープの残量を知る合図だったので、その時点で新しい詰め替えを買えれば間に合うという余裕があった。

 

しかしこのニューモデルの場合はテープが終わるまで気が付かない?と考えると、突然作業を中断しなければならないということにもなりかねないので、テープのストックは常に用意しておいた方がよさそうです。

(まだこのモデルで最後まで使い切ったことはないので定かではありませんが)

 

 

それから、詰め替え部分が暗いブルーになったおかげで「巻き戻し窓」が白く浮き上がって見えるようになりました。

 

ドットライナーはときどきテープがたるんでしまうのが難なのですが、この窓はテープがたるみんでしまった時のために、ペン先などで時計回りに動かして中のコアを手動で調整するためのものです。

 

ただ大きくたるんでしまった場合はこのコアだけでは直らないので、その場合は一度カートリッジを取り外し、反対側の巻き取り用のコアを反時計回りに動かしてたるみを取り、全体がピンと張った状態に直して本体にセットしなおせば元のように使うことができます。

 

もしかしたら「巻き戻し窓」だけでたるみが直らないと、これで使えなくなったと捨ててしまう人が多いのかもしれません。

 

実はニュータイプの本体の裏面にはQRコードがあるので、スマホで読み取ればすぐにこののたるみの直し方を調べることができるのでなかなか便利です。

今すぐ確認したい方は下にリンクを貼っておきます。

▶ドットライナーのたるみを直す

 

 

 

2)スムーズなキャップ開閉

 

ニュータイプの「軽引き設計」よりもちょっと感動的だったのが「キャップ開閉」でした。

 

旧タイプの「カチッ!」というフタの音がしなくなったというだけなのですが、フタの付け根のところに秘密があります。

このタイプから買った人には何も感動はないと思いますが、旧タイプを使い慣れた人には「おおっ!」という感じ。

ニュータイプを買ったら確認してみてね。

 

ちなみに新しい「詰め替え用」の品番は「タ-D400-08N」ですが、ニューモデルの本体に旧モデルの詰め替え用テープでも使えます(KOKUYOのHPで互換性を確認済)

どうやら本体の構造で変わったのはキャップだけのようです。

 

でも説明書きには、

本体の消耗がテープたるみの原因になる場合がありますので、詰め替え用テープ約10個分を目安に本体も新しいものに交換してください。

 

ということなので、調子良く使うためには、ある程度使ったら本体も買い替えた方が良いということですね。

 

本体はキャップの形状の他に「色」でも区別できます。

旧タイプが青っぽい白だったのに比べ、ニュータイプはアイボリーがかったオフホワイトです。

 

 

 

ドットライナーロング

 

ドットライナーの愛用者なら、通常のサイズよりこちらを持っているであろうロングタイプです。

 

 

なんといってもデカイ!

通常のテープサイズがは8.4mm幅×16mなのに対して、ロングタイプは10mm幅×36mです。

とてもペンケースに入れて持ち歩けるような大きさではないので、もっぱら自宅(職場)置きになります。

 

標準サイズが手に包むような感じに対して、ロングタイプはがっちり掴んで使うという感じです。

しかし大きさを感じさせないぐらいもちやすいデザインになっています。

 

もちろん私はロング派。

たまに標準サイズを使うと、すぐにテープが減ってしまいそうでビクビクしてしまいます(苦笑)。

 

スペアも常に5個セットで買っているので、安心してガンガン使えます。

(アマゾン比でスペア一個あたりの単価は標準よりも100円高いだけなので)

 

しかしロングタイプはカバーはスムーズ構造ではないようです。

 

まぁロングを使うような人はいちいちカバーを閉めたりしないので、カバーは必要ないのかもしれませんが(笑)。

 

このワイドタイプは同じ形状で「赤」もあります。

こちらは「強力タイプ」なので、間違っても可愛い色だからといって買わないようにご注意くださいね。

(標準でもかなり強力なので、赤は糊を引くにも力がいるほど超強力らしい)

 

 

 

ACID FREE(アシッドフリー)

 

テープ糊のもう一つの隠れたメリットは「ACID FREE(アシッドフリー)」だということ。


写真や紙に「セロテープ」を付けたまま放置すると、経年でその酸が写真や紙に染み込んで変色や劣化をさせてしまうので、綺麗な状態で紙を保存するためには絶対に酸性のテープを使ってはいけません。

 

アシッドフリーとは、この変色や劣化の原因となる「酸(アシッド)」を「含まない(フリー)」ということです。

 

ドットライナーのパッケージには以下のことが書かれています。

ACID FREE:写真や紙の変色の原因となる酸を抑えたのりを採用しスクラップブッキングなどに最適(当社独自基準に基づいております)

とあります。

 

この「スクラップブッキング」とは、1980年代にアメリカで始まったアルバム作りをするホビーのことですが、当時は酸性のテープで写真を貼ったりデコレーションして大事に保管していたんですね。

しかし大事に保管するはずの写真が、テープの酸で変色しダメになったことで大問題になりました。

 

トンボの「PIT(ピット)」もアシッドフリーですが、これらの糊はこのスクラップブッキングを意識して開発された糊でした。

 

トンボのHPには以下のことが書かれています。

アシッドフリーとは

アシッド(Acid)は酸のことで、 酸性成分が入っていないことです。

しかしながら、トンボ鉛筆では、アシッドフリーの意味を「 酸でもアルカリでもなく、また紙や文字を変色させないこと!」と解釈を広げて、対象となる液体のり、テープのりに「 アシッドフリーマーク」をつけています。

 

ドットライナーは「酸を抑えた」とあるので、実際には「紙や文字を変色させない程度の微量の酸を含む」という感じかもしれません。

しかし写真を美しい状態のまま保管できるスクラップブッキングに適した糊として紹介されているので、安心な糊であることは確かです。

 

これらのことから、筥迫工房では布に直接当たるような部分に使っています。

 

 

 

 

 

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たかが糊、されど『でんぷん糊』!

先日、ある方(かつて講習会に通われていた)から「でんぷん糊」で失敗したお話を聞いたので、今回は貼り込みでお世話になっている『でんぷん糊』についてお話をしたいと思います。

 

上の黄色が「フエキ糊」、緑が「ヤマト糊」

 

以前、その方のお勤め先で「御朱印帳」を作るイベントがあったそうです。

講師もあまり慣れていない方だったのか、道具も十分に揃っていない状況だったからか、初心者相手に「でんぷん糊」を使わせると聞いた時に一抹の不安を感じたそうです。

 

案の定、参加者はあらゆるところに糊をつけまくって、時間はかかるわ、出来上がりも散々という目にあったそうです。

 

「でんぷん糊」はその特徴を生かして使うことができればとても優秀な糊なのですが、それを理解しないで使うと散々な目に合うので「使いにくい!」と思っている人は多いかもしれません。

 

しかしほとんどの場合は、使う場所に対して「分量」を考えずに使うことで素材をヨレヨレにしてしまうからだと思います。

これはでんぷん糊のほとんどが「水分」だということがわかっていないから。

 

 

 

でんぷん糊はほぼ「水」

 

貼り込みで使う「でんぷん糊」は水を加えて薄くして使います。

これを「薄糊」と言っています。

 

水分の多いものに更に水を加えるのは極少量使いにするためであって、付けたと同時に竹べらで糊をこそげ取ります。

極軽く湿るぐらいの量なので、すかさずアイロンで押さえるとすぐに硬化(β化=接着)します。

水でヨレヨレになることなく接着されるのです。

 

しかし一般的に「糊の分量が多くないと接着できない」という強い固定観念があるため、貼り込み初心者はこの概念を覆すことに苦労します。

どんなに言っても「薄糊(水で薄めたでんぷん糊)」をたっぷり付けてしまうので、どんなにアイロンを当てても硬化しない=接着されない(というよりアイロンに接着される〜)。

 

そのため去年改訂された「縢襠筥迫の作り方(教本)」では、でんぷん糊を使うところを全て「ドットライナー (テープ糊)」で作ることにしたぐらいです(苦)。

 

 

反対に水分が多いので、すぐに乾かない(固まらない)ことを利用して使う場所もあります。

 

薄く広い紙に糊を平均して伸ばしたいときに、でんぷん糊にボンドを混ぜて使う場合があります(製本など)。

最近はそれ専用に薄めた糊が多く出回っていますが、以前は木工ボンドなどに水分の多いでんぷん糊を混ぜて、糊の伸びと、乾く速度を調整するという目的で使われていたようです。

 

つまりこの「水分量」をどう扱えるかがでんぷん糊を使いこなす上での課題と言えます。

 

 

 

でんぷん糊は腐らない糊

 

ほとんどの方にとって「でんぷん糊」というのは「子供が使う糊」という認識かと思います。

これは子供が使いやすいの糊なのではなく、使っているものが子供が食べてしまっても安心な糊ということなのですね。

 

元々の薄糊として使う糊は「姫糊(ひめのり)」と言って、ご飯粒を潰したものでした。

その昔は保存料などないので、この姫糊はすぐに腐ってしまうのが難で、使うたびに糊を作らなければなりませんでした。

 

その後「ホルマリン」を使うことにより、でんぷん糊は劇的に保存がきくようになります。

(フエキ糊は腐らない糊という意味で「不易(いつまでもかわらない)」が由来)

 

しかしホルマリンは毒性が高く発ガン性があります。

でんぷん糊は学童用に使われていたこともあり、その後「無ホルマリン」の腐らない糊を作る研究にいかに年月を費やしたかがそれぞれの会社の沿革に書かれています。

 

確かにあれだけ水分があるのに、固まる(β化)ことはあっても腐らない、というのは考えてみれば凄いことだったんですね。

 

 

 

ヤマト糊 vs フエキ糊
 

「糊口を凌ぐ(ここうをしのぐ)」という言葉があります。

 

水で溶いたお粥で食いつなぐような貧しさに耐え忍ぶというような意味ですが、これは食べる「おかゆ」なのか「姫糊」なのかわからないぐらいご飯を水で薄めた物なのでしょうね。

 

つまりでんぷん糊は人が食べられるものを素材にしているのです。

 

時代が下がるとでんぷん糊は「ジャガイモ」「トウモロコシ」などが使われるようになります。

しかし戦時中の食糧難から「球根」などが代用されるようになり、戦後からは「小麦粉」が主な原材料となったようです。

 

そして現在の「フエキ糊」と「ヤマト糊」に使われている原材料は、

 

ヤマト糊=「タピオカ」

フエキ糊=「トウモロコシ」

 

ヤマト糊は「タピオカ」ですよ(笑)。

現代の流行に乗っているわけではなく(いやもう廃れた?)、1983年(昭和58年)から原材料が変わっていたんですね。

 

これは子供たちの「小麦アレルギー」に対応したものだということで、時代によってでんぷん糊は随分がんばってきたのですね。

 

でんぷん糊の素材は人が食べられるものを素材にしたものであり、かつ「誤って口にしても安全な糊」ということなのでしょう。

(健気だわ〜)

 

 

でんぷん糊の原材料が「タピオカ」であっても「トウモロコシ」であっても、一般の方にはただのでんぷん糊でしかないと思いますが、「貼り込み」用の糊に関しては申し訳ないですが「フエキ糊」一択です。

 

なぜかというと、貼り付けの際にでんぷん糊に水を混ぜて薄めた物を「薄糊」として使うのですが、この「でんぷん糊+水」という使い方に適しているのが「フエキ糊」だからです。

 

 

こちらの画像は「ヤマト糊(左)」と「フエキ糊(右)」を比較したものです。

 

ヤマト糊(左)は透明色に近く、フエキ糊(右)は乳白色です。

ここに同量の水を混ぜて溶いてみます。

 

このぐらいが貼り込みに使うのにいい状態なのですが、更に水を混ぜてみます。

 

ヤマト糊(左)は水を加えてると膨張して大きな塊りを保持している感じ(プルプル)。

フエキ糊(右)は水を加えるとゆるくなって横に崩れていく感じ(サラサラ)。

 

単独で使うとよくわからないかもしれませんが、フエキ糊を常用している人がヤマト糊を使うとその違いにびっくりすると思います。

 

ヤマト糊はどんなに水を加えても緩くならないので正直焦る、、、。

「ゼリー」というか「タピオカ」そのもの(笑)。

 

あくまで貼り込みに限っての使いやすさなので、でんぷん糊としての優劣を比較している訳ではありません。あしからず。

 

 

 

でんぷん糊は役に立つ

 

その他、でんぷん糊には「汚れを落とす」という意外な使われ方もされるようです。

 

「絵の具」や「墨汁」はでんぷん糊で落ちるそうですよ。

昔からの知恵らしいですが、知らなかった、、、

 

水性絵の具を落とすには”でんぷん糊”が最強のツール

 

なかなか落ちない墨のしみをとるのは接着剤の「のり」!

 

 

やるな、でんぷん糊!

 

 

 

 

 

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『ぶら』と『玉縁布』

今回はショップから新商品のお知らせです。

 

三連鎖ぶら

 

まずは『三連ぶら』のご紹介です。

『ぶら』というのは、懐中袋物に入れた「鏡」を引き出す際に使うストラップのことです。

 

今はスマホ全盛なのでストラップ文化も下火になったしまいましたが、携帯全盛の頃は皆でストラップをジャラジャラと競うように付けていましたね。

ストラップは単なる飾りではあるのですが、携帯だけよりはストラップが付いている方がカバンの中から探しやすく取り出しやすい。

そう考えるとストラップもちょっとは便利なものともいえます。

 

ぶらは鏡の「ち」(ループ)につけて使います。

 

鎖などの部品はすぐに入手できるため、この三連ぶらの構想は昔からあったのですが、できるだけ和のテイストに合う「チャーム」がないものかと探し続けていました。

 

今まで色々なものを合わせてみましたが、あまり可愛いと安っぽくなってしまうので、そういう意味ではこのチャームは私の中ではベストかと。

筥迫にびら簪は付き物ですが、私のようなおばさんはびら簪なんてちょっと恥ずかしくて付けられない(個人的には房も好きじゃないし)。

そういう意味では、このぶらは帯飾りぐらいの目立ち加減なので今のところお気に入りです。

 

ただショップで販売できるほどの数が手に入らず、昨年意を決して個人輸入しました(そのぐらい欲しかったということ)。

しかし鎖と同じ金古美の在庫がなく、無理を言って金色の上から金古美処理してもらいました。

 

しかし届いたものは、金色より派手ではないものの金古美よりは明るい感じの出来上がり。

「指定したものと同じじゃない!」と納得いかずお蔵入りしていました。

しかし時間が経って今改めて見ると、金古美の鎖と別段違和感があるわけでもなく、暗い感じの金古美より明るくていいじゃないのと不思議な肯定感。

これと同じじゃないとダメ!という思い込みも、時間とともに薄れて冷静に見えるのものなのですね。

 

ということで、やっとの販売です。

もう5年分ぐらいはありますよ。いや売れなかったら10年分かな(苦笑)。

 

もちろんお好きな鎖やチャームを使ってオリジナルのぶらを作っても良し。

銀製の鎖に根付のぶらでも使えばより本格的。

お揃いの布でレジン処理しても可愛いかと思います。

 

このぶらは元々ロケットとして販売していたものなので、中に写真も入れられます。

自分としてはあくまで飾りとして選んでいるので、どう使おうがご自由です(残念ながら裏面に模様はありません)。

 

 

ちなみに、これは私がデザインした形ではありませんよ。

実際に江戸時代に使われていた物を、私が現代の金具を使って同じように作っただけです。

 

これは江戸時代後期ぐらいの紙入れ(三徳?)です。

同じようなぶらが付いているでしょ?

こちらは銀なのでずっしり重いです。(鎖もごっつい!)

 

まだガラス鏡がない時代なので鏡は「銅鏡」です。

鎖も重いですが銅鏡はもっと重い!

この手の鏡は袋物に対して「横」からスライドして入れるので、その分鎖は短くなります。

 

 

この時代のものは「ぶら」ではなく『花鎖』と呼ばれています。

チャームの部分は『花金具』。

花鎖はこのような「三本立ち」、花金具は「ひょうたん」は多く見られる組み合わせです。

ぶらぶらするので、基本的には裏表のない立体的な根付様の物を使います。

 

今回作ったものも「花鎖」といってもいいんですが、副読本では「打ち紐」で作ったぶらも紹介しているので、総称して『ぶら』ということにしています。

 

私の花鎖のイメージは、どちらかというと嚢物の中央に付くようなデコラティブな鎖のイメージ。

それに比べてしまうと今回のものは重厚感には欠けるので、現代物は「ぶら」ぐらいでちょうど良いのではないかなと思っています。

 

こんな感じで付けていたんですね。

この時代は懐中するより帯に入れる方が多かったと思われます。

嚢物のサイズはちょっとデフォルメされている感ありますが、実際に帯に入れる場合は懐中物より大きかったとも考えられます。

 

 

この三連鎖ぶらはご自分でも作れますので、部品だけも販売しています。

アクセサリーを作られる方は、オリジナルで昔のように凝った花鎖を作ってもいいですね。

 

ただ作るのはけっこう面倒なので「完成品」も販売しています(とても細かい作業なので目の悪い人にはオススメしません)。

 

三連ぶら

ぶら材料

 

袋物にはこのようなアクセサリーを使う楽しみ方もあることを知ってほしい。

 

是非お試しあれ。

 

 

 

玉縁布

 

もう一つは玉縁布のご紹介です。

 

玉縁(たまぶち)というのは、筥迫の縁に使うパイピング部分のことですね。

 

 

先日、筥迫の内布として染めた「精華パレス」を切って玉縁布にしました。

幅:約9.5cm×長さ約50cm
  ※1.5cm幅の玉縁用細布が6本(3個分)分取れます。

 

どんな布で作ってもいいのですが、玉縁は細さが身上なので薄い生地を使うことをお勧めします。

色も何を使ってもいいのですが、迷った時は「白」から始めてみてください。

 

玉縁布は「赤」「白」の二色で販売しています。

 

 

 

筥迫工房の材料販売(ネットショップ)

 

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ショップの新商品&便利グッズ

今回はショップの取り扱い商品と、便利グッズについてのご紹介です。

 

筥迫活動を始めた当初は、筥迫を作ってもらいたくても一般の人では手に入りにくい材料が多かったので、ネットショップは「せざるを得ない」という状況で始めました。

 

当初は仕入れをするにもビクビクしていて、教本と材料セット(一個作れるだけ)、色材料が5種類ぐらいというささやかな出だしでしたが、今では次々と新しいものを仕入れられる状況になったのは何とも喜ばしいことです。

 

おかげで家の中はショップの商材と筥迫関連の荷物が山と積まれて今に至ります。

家族からのクレームが皆無なのをいいことに、当の本人だけが「我が家はこれからどうなってしまうの?」とため息つく毎日(笑)。

 

「こんなものありますか?」などと連絡いただくと「あ〜ありますよ、それじゃショップの方に出しておきますね。」というノリで出したものの、どこかに告知するわけでもなく放置している商材も少なからず。

それを見つけて注文してくれる人がいたりすると、あらよく見つけたね〜などと変に感心してみたり。

 

画像なし、説明なしで放置しっぱなしの商材などもあり、よくクレームも来ないものだとも思ってしまいますが、ショップを管理している暇もないのだろうと哀れに思ってくれているんでしょうか(すみません、その通りです)。

 

積極的に宣伝したところで一人であれもこれもやっている現状では、お客さんがたくさん来てくれても対応できない、、、のが本音。

製作に忙しいときなどは度々発送ミスもやらかして皆様にはいつもご迷惑をおかけしていますが、今後ともどうか生ぬるい目で見守っていただけるとありがたいです。

 

 

 

ホットメルト紙(薄手)(芯材>裏打芯)

 

ショップで一番売れるものといえば、やはりホットメルト紙でしょうか。

 

本来98cm幅のものを、わざわざ半分の49cmにカットして販売しています。

なぜかと言いますと、筥迫工房で作る型はほとんど小さなものしかないので、98m巻きは大きくて邪魔!

 

今でこそホットメルト紙は貼り込みになくてはならないものですがでが、いかんせん安くない。

ホットメルト紙を使い始めた当初は、これまでの安い接着芯と比べて皆が買ってくれるだろうか?と不安に思ったものですが、それ以上に私を悩ませたのが送料。

98cm巻き(2m)を販売すると定形外か宅配便でしか遅れない。

これでは筥迫を作ってくれる人は増えないと危惧し、この面倒な半幅カットを決行するに至ったのです。

(当時はとにかくお安いメール便に遅れることが必須だった)

 

これを半分にカットして巻いて販売することは何より手間でしたが、今では内職さんに全部お願いできるので随分ラクになりました。

 

それでも手作業でカッターで半分にしていくのはけっこう難しく、最後の方になるとクネクネと曲がってしまうのですよ。

これがいつも悩みのタネでした。

 

しかしこの度、意外なルートからご紹介いただき、ホットメルト紙を半幅にカットしてくれることになりました。

ホットメルト紙の半幅カットは悲願だったのでホントうれしかったです。

 

せっかくなので、この業務用の50m巻き(半幅49cm←間違い!24.5cmです!)をショップで販売してみることにしました(パチパチ!)。

 

50mなんて〜と思うかもしれませんが、私はけっこうあっさりと使ってしまいますがね。

ホットメルト紙をケチケチ使わなくてすむので、心置きなくガンガン袋物を作っちゃってください(笑)。

 

これを買ってくれる人が増えたら、もう少し値段は安くできるかもしれないので、よかったら是非どうぞ。

 

 

 

簡易組立箱(白)(保管箱・スタンド)

 

袋物を作ってお友達にプレゼント、という使い道は多いかと思います。

今時はよほどのものでない限り「桐箱」を誂えてというお客さんはいません。

そんなときに必要なのが、この「簡易組み立て箱」です。

 

初めの頃は「筥迫用」しかありませんでしたが、現在は「念珠入れ」「懐紙入れ」などにちょうどよいサイズも増え、更に来週始まる「帛紗挟み」用のサイズも増えました。

 

サイズは三種類です。

 

■小サイズ(筥迫用):内寸法/95×135×25

■中サイズ(懐紙入・紙入用):内寸法/100×195×17

■大サイズ(帛紗挟み用):内寸法/129×205×20

 

これらの箱は市販のものを仕入れているだけなので、ほとんどがジャストサイズに収まるということはほぼありません。

どの型もかなり空きがある状態で入れなければならないので、あくまで保護するだけのもの。

 

これは「中サイズ」の懐紙入れタイプですが、縦幅はぴったりでも横はかなり空いてしまいます。

仕立てたものを納品するときはこの隙間を何がしかで詰めていたのですが、どれもこれも見栄えがよくない。

 

この隙間問題にこれまで悶々としていたのですが、この度、画期的な「仕切り」を考えました。

 

 

 

いくつかの型で、この仕切りの型紙は製図してあるのですが、これをショップに出すとしても(黒ダンボール&製図)また手間がかかってしまうので、どういうやり方にするか現在思案中です。

こちらは、いつか出るかも?ぐらいです。

 

 

目打ち(副資材)

 

 

 

貼り込みに必需品の「目打ち」です。

 

こんなものわざわざショップに出すほどのことでもないと思っていたのですが、講習会や教室で持ってきてもらうと「錐(きり)」もしくは錐状の目打ち(?)を持ってくる人が少なからずいます。

あとはやたらと太いのとか。

 

でもこれがいいの。

こんな形のものが。

この太いところからスルッとすぼまっていく所をよく使います。

 

説明するのも面倒なので、ショップに出すことにしました。

 

 

モデラ(副資材)

カルトナージュをする人にはモデラは必需品でしょうが、貼り込みでも箱物などで細かいところを貼るのに便利なグッズです。

しかし私が「これがなくちゃ始まらん!」と思っているのは、筥迫の巾着に綿詰めするときです。

 

今年の講習会では「筥迫巾着&房」の講座は設けませんでしたが、来年はやはりやります。

その時は是非このモデラ持参でご参加ください。

 

 

懐紙(布・懐紙)

 

 

これまでは「懐紙」も販売するほどのものでもないかなと思っていたのですが、欲しいと思った時に懐紙は見つけにくいものだと言われたので、こちらも販売することにしました。

何てことない白の懐紙ですが、ショップの商品を注文した際についでに購入できると便利かなと思います。

 

 

 

仮止めクリップ

 

こちらはショップでは販売していませんが、便利グッズとしてご紹介させていただきます。

 

以前、講習会でこれを持ってきた人がいて「便利〜」と皆で盛り上がっていたものです。

 

 

小さな袋物細工では、細かいところを止める時にこれがあると何かと便利。

今週末行われる「帛紗挟み(七宝縢り)」のプレ講習会では、これを持参してもらうことになっています。

 

ただし、一つ手を加えなければなりません。

それはクリップの合わせに小さなツブツブ(突起)が付いていて、この跡が布についてしまうのが難。

洋服作るのにまち針の代わりに使う分には目立たないのでしょうが、袋物ではとても目立つ。

 

これはカッターで削れます。

 

プラスチックをカッターで削る?と思うかもしれませんが、このぐらいのものであればそんなに難しいことではないです。

クリップもカッターも立てて、上から下に向かって削るようにしてください。

 

ちなみに、私が使っているのはクライ・ムキのクリップです(色付きが嫌だったので)。

 

カッターで削るの怖いという方には、着付け用の「衿止めクリップ」がおすすめです。

これならご丁寧にクッションも付いています。

着付け用に買ってはみたものの、私には使いづらく放っておいたもの。

今気がついて出してみた。これいいかも〜。

 


 

手芸グッズも時代によって便利なものが色々出てくるので、アマゾンでばかり買っていないで、たまにはお店に行った方がいいですね。

 

ところで、最近「裁縫上手」がCMに出てきてびっくり。

かなり売れているってことなんでしょうね。

 

糊を扱う筥迫工房にとっては、なんか似ている物のような、でも親近感は感じないような、、、。

 

 

 

 

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「糊板」ときどき「接着剤」の話

今回は貼り込み用「糊板」のご紹介です。

 

糊の話も入るので、糊を語らせたら数時間は語ることができるRom筥のこと、綺麗な嚢物画像に魅せられてこのブログに来ている方にはつまらない話題かもしれません(好きな人は好きだけどね)。

 

 

筥迫工房では二種類の糊板をご用意しております。

どちらが良いとかではなく、二種類を使い分けているということですね。

 

 

薄糊用の糊板

 

木板の方が薄糊(でんぷん糊)用です。

薄糊はデンプン糊と水を混ぜて使います。

 

糊をどのぐらいの硬さまで伸ばすのかとよく聞かれますが、ある程度の基準はあるにせよ、慣れていない人は作業が遅いため、季節や冷暖房によってどんどん水分が失われていることに気がつかず、あっという間にでんぷんを老化させてしまいます。

(老化=一度ボソボソになったでんぷんは水を加えても糊化しない)

 

慣れないうちは作ることに頭が一杯なので、糊の硬さについて細かく言うのは無駄と思っています。

それよりも貼り込みの工程を早く覚えてもらって、糊が乾いていることに気がつくくらいの気持ちの余裕を持ってもらいたい。

 

 

貼り込み作業では、糊板に「かまぼこ板」をお勧めするものがありますが、私はかまぼこ板は小さすぎると思っています。

糊と水は竹べらでよく混ぜますが、慣れない人はこの竹べらの先っちょでチマチマと糊を混ぜる。

こんなやり方していたら糊と水は均一に混ざりません。

 

薄糊で一番嫌なのは、デンプン糊と水が分離した状態でまばらに糊板に残っていることです。

 

私が貼り込みの作業で最も恐れているのは「水」です。

作り方で失敗はしなくても、水で失敗したことは山ほどあります。

水が一番怖いのです。

 

袋物細工に用いる布のほとんどが「正絹」です。

絹に水は大敵です。

 

水はすぐに布に染み込みます。

アイロンで固定する前に染み込んでしまうので、これが表面にシミとなって現れます。

 

薄糊はデンプン糊の粘度で少なからず表に染み込む時間を遅らせます。

その隙にアイロンで固定するのでシミが出ないのです。

(もちろん薄糊は極薄で使うのが鉄則ですよ!)

 

ということで、ある程度の面積の木板の上で、大きく(豪快に!)混ぜ合わせます。

このとき竹べらは先から5〜6cmまでの縁を使い、木板の摩擦音がかすかに聞こえるぐらいにしっかりと木板に擦り合わせて混ぜ合わせてください。

 

どのぐらい練り込むのが良いですか?と聞かれますが、練り込むというよりは「隈なく全体が混ざり合うまで」で、とにかく水が分離した状態で糊板の上に残っていないように。

 

薄糊は使い終わったらすぐに竹べらで「紙」に取って捨ててください。

ティッシュに取ろうとする人がいますが、やめてね(笑)。

水っぽいうちならまだしも、最後の頃は少なからず老化が始まっているので、竹べらにくっついてひどいことになります。

糊を捨てるときは「紙」に取ると覚えておいてください。

 

最後に水でも洗いますが、糊を糊板に残したまま放置して完全に固めてしまうとちょっとやそこらでは取れなくなります。

作業が終わったら糊板の上に残った糊をさっと紙に拭き取り、竹べらを拭き取るときのキッチンペーパー(折りたたんで糊がついていない内面)で拭えば洗うのもラクです。

 

 

ちなみに、貼り込みに使うでんぷん糊では「フエキ糊」をオススメしています。

なんでヤマト糊じゃだめなのかという違いを書こうと思ったのですが、私の中でヤマト糊に対する情報が不確かなこともあり(まだモヤモヤ状態)今回は触れないでおきます。

 

ただ、この二つは主原料が違います。

 

フエキ糊の主原料は「とうもろこしでんぷん」

ヤマト糊の主原料は「タピオカでんぷん」

 

「ヤマト糊ってタピオカでできているの〜??」と驚かれる方も多いとは思いますが、小麦粉からタピオカに主原料が変わったのが昭和58年からだそうで(すでに30年前!)、小麦アレルギーの子供のために(小さな子供はなんでも口に入れてしまいますから)タピオカに変わったそうです。

 

そんなことまでヤマト糊は考えていたのですね。

 

 

堅糊用の糊板

 

今回糊板として変わったのが、堅糊用の樹脂板です(単品でも販売しております)。

「塩ビ板」から「PP板」に変わりました。

PPは「ポリプロピレン」の略ですね。

 

薄糊用の木板にサイビノール(堅糊)を使うと、乾いた時にくっついてしまうので向きません。

薄糊に木板を使うのは、でんぷんと水を「混ぜる」という目的があるからです。

 

樹脂板で薄糊を混ぜてもいいのですが、樹脂面は水がでんぷんと一緒に横に動いてしまうので混ぜにくい。

木は水が染み込みやすい、つまり横より下に動きやすい(表面上は水が留まる)=混ぜやすい、とイメージしていただければと思います。

 

堅糊用に糊板があるので、常に糊板から竹べらで少しずつ使う人がいますがこれは間違いです。

堅糊は基本、ボトルから直接接着面に出して使います。

ですから筥迫工房のサイビノールはわざわざボトルに充填しなおしているのです。

 

ではなぜ堅糊用の糊板が必要なのかといいますと、「少量だけつけたい」「余った糊を置く」ためです。

極薄付けで手貼りする時や、細かく糊を差し込むときなどですね。

 

サイビノールは速乾なので、抱き合わせの長い面に塗布すると、糊を伸ばしているそばから乾いていきます。

とにかくボトルから直接多めに出しておいて均一にならし、最後に抱き合わせた際にはみ出そうな所だけ竹べらで掻いて糊板に戻します。

 

 

当初、この堅糊用の糊板はプラスチックならどれでも大丈夫だろうと思っていました。

アクリル板だの塩ビ板だの使ってみましたが、これを掃除する段になると意外や剥がれにくい。

木板のように水でふやかして洗わなければなりません。

もっとこうスパッと剥がれてほしいのです。

 

これが私にはどうしても納得いかないわけです。

他の人にはどーでもいいことかもしれませんが、日々作業をしている私にとっては、道具というのは常に具合のよいものでなくてはならなりません。

 

最終的に、堅糊用の板をクリアファイルにして販売していた時期もありました(愚)。

だってクリアファイルが一番剥がれやすいんだもの、、と、ここでフト気がつきました。

 

クリアファイルは「PP(ポリプロピレン)」で作られているものが多い。

PPといえば、以前筥迫スタンドの台(突起部分)にポリプロピレンを使ったことがありまして、これがどんな接着剤でも接着できなくて困ったことを思い出しました(ポリプロピレンの接着には特別な接着剤が必要とわかる)。

 

つまりPPは普通の接着剤ではくっつかない=糊が剥がれやすいということ。

だから堅糊用の糊板はPP板を使えばいいんだ〜!ということで、ホント目からウロコが落ちた瞬間でした。

 

さっそく注文して出来上がってきたもので実践してみると、

ああ〜簡単に剥がれる〜♡これなのよ〜♡

やっと辿り着いた堅糊用糊板への道だったわけですが、こんなものにもこだわる自分に呆れる、、、。

 

以前クリアファイルで代用していた時期に購入された方は無料で交換させていただきます。ホント申し訳ない。

塩ビ板を使っている方は買い替えなくても、クリアファイルで挟めば同じように使えます。

ただ糊板は厚みがないとつかみづらいので、何か厚みのあるものに挟んで使うと良いかもしれません。

 

 

ところで、今まで自宅で使っていたアクリルの糊板は両側が軽く折り曲げてあって持ちやすく、形状としてはこれが理想です。

堅糊用の糊板は手元近くに置いて作業することも多いですし、糊で汚れた竹べらを拭くための濡らしたキッチンペーパーも木板に乗せるより樹脂板に乗せた方がいいので、この折り曲げがキッチンペーパーのストッパーになって更に都合がよかった。

 

そこで、この板の片側を軽く折り曲げて取っ手を付けてみようと思い、ここぞとばかりにアクリルヒーターの自作キットなるものを買ってみました。(市販のものはいい値段なのよ)

 

しかしいくらやっても曲がらない。

アクリル板はあんなに簡単に曲がるのに。

 

しかたなく資材屋さんで折り曲げ加工までお願いしてみると、PP板は硬いので折り曲げ加工はできませんとのこと。

調べてみたところ、PP板は汎用樹脂の中では最高の耐熱性ということで、簡易なヒーターぐらいの熱では曲がらんのね。

樹脂板全般が熱で曲がるものだと思い込んでいた私が無知でした、、、。

 

ということでPP板の折り曲げはすっぱりあきらめ、キッチンペーパーはこのようにマスキングテープで固定することにしました。

そうそう、以前はキッチンペーパーを蛇口で水でサッと濡らす程度と言っていましたが、慣れない人はこれを反射的に絞ってしまう。

ペーパーを小さく折り畳むのはクッション性を出すためで、クッション性がないと竹べらが綺麗に拭きづらいんですね。

つまり水に濡らしたからといって、それを潰してしまっては意味がないのです。

 

そこで最近は、このように水差しで上から水をかけるようにしています。

 

キッチンペーパーで一番いいのは「リードクッキングペーパー」これなら一枚でOK。

通常のキッチンペーパーはクッション性がないので、三枚を折り重ねて使ってください。

 

 

貼り込みに最適な堅糊は「サイビノール」です。

これは普通の文具店などには売っていません。

革細工の資材を売っているお店で扱っています。

 

少量使う人はクラフト社の150mlのボトルを買うことになりますが、筥迫工房では以上のことから糊板を必要とする細かい作業が多いので、このボトルはとても使いづらい。

そこで、直接塗布できるように専用の先細ボトルに充填しなおしているのですね。

(ほぼボトル代と手間賃と思ってください)

 

 

「サイビノール」と「木工ボンド」はほぼ見た目は一緒です。

 

私は科学は不得意なので説明はごく単純にさせていただきますが、この二つの違いはサイビノールの溶剤が「シンナー」だとすれば、木工ボンドは「水」というようなことです。

わかりやすい一板の違いは「乾く速度」ですね。

 

接着剤は「半乾き」にしたときに一番接着力が高まるわけですが、サイビノールは塗布している側からほぼ半乾きになっていくので、すぐに接着して安定します。

反対に木工ボンドは水分が多いのですぐに乾かない、つまり半乾き状態になるのに時間がかかるということです。

 

革を扱うなら「つかないな〜」でイライラすれば済むことですが(だったらサイビノール使うよね)、布仕立ての貼り込みの場合はついアイロンを使ってしまうので、これがシミを作る要因になります。

 

薄糊と違い堅糊はある程度多めに使うので、その水気が残ったまま性急にアイロンをかけてしまうと、一気に表まで水気が染み込んでシミを付けてしまうのです。

わざわざサイビノールを買うのは面倒、という場合は木工ボンドで代用しても構わないのですが、シミにならないように十分に注意すること、それには半乾きになるまで待つ、つまり時間をかけて作業する必要があるということです。

 

私は最近講習会などでは、抱き合わせのときは極力アイロンを使わないように言っています。

サイビノールはあまりシミにもならないのですが、これはシミとは別の意味で、最後まで水気を残しておきたいからです。

 

一つに剥がしやすいことで、アイロンで固定さえしていないければある程度の時間であれば剥がしやすいので、気に入らない時は即剥がして貼りなおします。

そして少しの水分を残しておくことで、最後の仕上げの際にアイロンをかけて好きな形に整えていくことができるのです。

(慣れないうちは作業に時間をかけすぎて、最後に行くまでに完全に乾いてしまうのでその限りではありませんが)

 

 

サイビノールの引火点は71℃(密閉式)」

 

最近郵便局の利用が多くなったおかげで、窓口のお姉さんとも私的なことも話す仲になりました。

私の仕事が「糊を使って作る物」が対象だとわかったとき、「もしかしてこれは接着剤が入っているということですよね?」と聞かれました。

ゆうぱっくで発送するものはほとんどがサイビノールが入っています。

 

それを知ったお姉さんに突然「引火点を調べてください!30度以下のものは発送できません!」と言われるようになりました。

そんなのボトルのどこに書かれていないですし、購入先に聞いてもサイトにも書いていないのでわかりません。

一般的にネットで販売しているようなものなんだから(私自身も発送してもらってるし)大丈夫でしょ?と言っても通じない。

 

私も科学には無知ですが、相手も同じようなレベルだと思うので、とにかく数字にして安全ということを証明してもらわなくちゃ困るということなのでしょう。

 

それでも以前は「空輸はできませんが陸路でもいいですか?」と言われ、調べようもないからそれでいいと言っていたのですが、最近は陸路でもダメになったということで、電話までかかってきて催促される始末。

最近輸送品の引火物に特にうるさいのだそうです。

 

しかたないので発売元のサイデンさんまで問い合わせましたよ。

詳しい資料も添付していただきましたが、そんなの見ても一般人には理解できない。

わかったことは「71度にならないと引火しない」、それだけで十分です。サイデンさんありがとう。

 

ということで、ゆうパックでサイビノールを注文した方は、備考のところに「接着剤(引火点70度以上)」と書かれているのはそういうことだと思ってください(書くの面倒〜)。

 

なんで皆さんにとって関係ないであろうこんなことを書くかと言いますと、ネットで「サイビノール 布」で検索すると筥迫工房の記事がトップに出てきてしまうようになったからです(今はこのページは公開していません)。

 

袋物細工をする人以外の人が見にきちゃうってことです。

 

袋物の話が前後にあってこれを読んでいる皆さんにはどうということもない話ですが、突然全く関係ない人がこのページに入ってくると、こちらが想像もつかない捉え方をされてしまうことがあり、これでトラブルになることも実際あります。

 

それでも接着剤を扱っている以上は書かなくてはならないこともある。

 

でんぷん糊もサイビノールも知れば知るほどすてきな接着剤で、これらを日々実践して体感したことの感想だけを詳しく書きたいのですが、袋物細工という目的以外に使った時の結果には全く保証はできませんのであしからずご了承ください。

 

「サイビノールの引火点」についてはどこにも書かれていないので、ある意味私と同じ思いで困っている人たちのために書いてみました。

 

 

今回も例によって長くなってしまいましたが、接着剤の話は止まらないよどこまでも、、、ですね。

 

 

 

最後に「送料」のお話

 

以前はゆうパックを出すときに郵便局に集荷に来てもらっていたのですが、最近は人手不足だとかで、その日の集荷には来てくれなくなりました(集荷用の値段設定)。

 

しかたなく自分で持っていくことになったので(刺繍台があるといくつも持っていくのはホント不便)、持ち込み分送料は安くなったので値段を変えなくちゃと思っていたのですが、最近「スマホ割」なるものを知って、今はこちらに変えています。

更に安くなったので、今回ゆうパックの送料を改定しています(安くなっています!)

 

その代わり郵便局でしか出せないので、郵便局がお休みの土日祝祭日には発送できません。

もしお急ぎの方がいらっしゃいましたら、その旨備考欄に書いていただければ別のところから出すことにします。

 

どうぞご注意ください。

 

 

 

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芯材の管理、縢り糸のこと

芯材の管理

 

先日の講習会で、厚紙を使う時などに箱の中にごちゃごちゃに入れてしまうと探すのが大変!という話を聞きました。

 

確かに厚紙などは0.25〜0.7まで微妙な差で3種類ありますし、しっかり分けていないと探すのは大変です。

かといって毎回袋に入れて出し入れするのも面倒。

 

ということで、私がやっている芯材の管理方法をご紹介いたします。

 

 

二ツ折の厚紙にタグのついた『個別フォルダー』(A4サイズ)に挟んで、『ファイルボックス』に入れるだけ。

 

ホットメルト紙なんぞも、使えそうな切れっぱしを取っておくと、ちょっとした部品の作り直しなどの便利です。

ただしホットメルト紙のように極薄のものは、そのまま入れると寄れてしまうので、クリアファイルなどに挟んで入れると良いでしょう。

 

このぐらいコンパクトに管理できます。

 

私はすぐに取り出せるように立てて使っています。

 

綿芯類はまた別のところに。

とにかく貼り込みの材料は細々と多いので、探している時間をなくすだけでかなり効率的に作業できるのではないかと思います。

 

 

縢り糸(かがりいと)のこと

 

縢襠付筥迫の側面を彩る「千鳥掛け」に萌えを感じる方は多いことと思います。

 

現在ショップでは、この「縢り糸」に正絹とポリエステルの二種類を扱っています。

 

ポリエステルは扱いづらいので私自身はほぼ使わないのですが、最近このポリエステルの糸が「S撚り」であることに気がつきました(今更か!!)。

 

当初ショップでは正絹のものだけを使っていたのですが、その後どうしても色数が足りなくて、致し方なくポリエステルの糸を追加しました。

同じカテゴリーで探したので、撚りの向きは同じものと確認していなかった、、、(縢りにくいのは素材のせいじゃなかった〜)。

 

03と08がポリエステルでS撚り、02と01が正絹でZ撚りです。

 

 

手縫に使う糸は「S撚り」ですが、縢りに使う糸はミシン糸と同じ「Z撚り」です。

 

右利きの場合、手縫いは右から左に進みますが、縢りは利き手側に引くから(つまり逆側)でしょうかね(?)。

ボタン付けなどに使う「穴糸」も縢るので「Z撚り」です。

 

最近、別メーカー(B社)で正絹のものを出しているのを見つけたので、今後はポリエステル糸を廃番にしてB社のものに入れ替えることになると思いますが、B社は現在扱っているA社のものより若干糸が細め。

 

細くなると縢りのピッチを変えなければならない。

帯に短し襷に長し。

どうしようかな〜と思案中です。

 

 

本来、筥迫の縢りは「つがり糸」を使うのですが、つがり糸は値段が高い!太すぎて扱いづらい!ということで、一般の人が筥迫作りを楽しむのにいかがなものかという考えから、私は刺繍針で扱える程度の太さのZ撚りの糸を縢り糸として使っています。

 

しかし、今後はしっかりとしたつがり糸を使う嚢物も出て来るので、つがり糸の作り方を研究する方向に心はかなり動いております。

 

(筥迫工房は進むよどこまでも!)

 

 

 

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打ち紐について

以前このブログでも書きましたが、今まで「打ち紐」を仕入れていた問屋さんが廃業となりました。

 

その問屋さんでは二箇所のメーカーの物を扱っていたので、とにかく色数が豊富でまた結びやすい紐という、私にとっては理想的な仕入れ先でした。

 

そこが無くなってしまったということで、今後の材料集めについて相当悩みました。

 

筥迫にとっての打ち紐は、緒締め玉や房糸などの材料とも関わってくる問題なので、ショップ内容の入れ替えは「引越し」するぐらい面倒な作業です 沈

 

対応表なども作っていますが、各材料で色々と不備は出てくると思います。

今しばらくはご容赦のほどお願い申し上げます。

 

 

 

「人五紐」の廃止

 

筥迫工房では昔の筥迫を参考に作っているので、それと同じような太さということで人五紐(約1mm太)を使っていました。

 

そのうち、筥迫以外の他の型で「人八(じんぱち)」紐(約1.5mm太)を扱うようになりました。

人八は人五より需要が多いようで色数が多く、また少しの太いというだけで断然結びやすい。

 

筥迫では「びら簪」と「飾り結び」を併用するため、人八紐にすると太さ的にちょっとうるさいような気がするのですが、筥迫用の紐を購入する人にとっては、どうしても「太さ」よりも「色」や「結びやすさ」を優先して人八紐を注文する人が多いのが現実。

 

そこで、これを機に筥迫で使う打ち紐は「人八紐」のみとし、

「人五紐」の扱いを廃止することに致しました。

 

太さの違う紐を同じような数色で揃えることは相当の負担があり、覚悟を決めた今はホント肩の荷が降りました。

 

 

 

どうしてもこの1mm太の打ち紐を使いたいというこだわりがあるのであれば、この際「正絹の打ち紐」を使われてみてはいかがでしょうか。

 

「人五」の「人」は「人絹=レーヨン」のことで、五や八は太さのサイズを意味します。

 

絹の打ち紐の場合は単に「五印」と言います。

「五印」の「唐打ち紐」ならレーヨンよりも格段に結びやすいのでオススメです。

伊藤組紐店 唐打ち紐

 

また正絹紐は締まりやすく、結びの形が全体的に小さく仕上がるので、人絹とでは出来上がりの様相がちょっと違う。

 

人絹とはかなりお値段が違いますが、筥迫をうまく作れるようになったら使う!を目標にしてもいいですね。

 

 

 

微妙な「打ち紐」と「緒締め玉」の関係


一つのメーカーで揃えた方が販売する側としては管理がしやすいのですが、筥迫での打ち紐には、「結びやすさ」と「緒締めの通しやすさ」が求められるので、結びやすい材質>色数がある>特色があるの優先順位はゆずれないので、現在3つのメーカーの紐を使っています。

 

今回新たに仕入れることにしたメーカーAは、紐がしっかりしていて結びやすくはあるものの、潰れにくいのでビーズには通し難い。

 

メーカーBは、紐が柔くすべって結びにくい反面、潰れやすいのでビースは通しやすい。

 

メーカーCに至っては、唐打ち紐がすべりすぎて使えないことから江戸打ち紐を仕入れているのですが、江戸打ち紐は紐が潰れないので大穴ビーズしか使えません。

 

唐打ち紐は中がストローのように空洞になっているので通しやすいこと、そこだけが潰れるので前後で緒締めが止まりやすいことから筥迫によく使われる紐です。

 

江戸打ち紐の場合は中が潰れないので、紐に対してぴったりの穴径でないと緒締めが止まりにくい。

 

本当の意味で実用を考えるのであれば江戸打ち紐の方がよいかもしれませんが、その紐ごとに緒締め玉の穴径を調節することをかんがえれば、唐打ち紐の方が効率的ということなのでしょう。

 

 

 

ビーズの通し方

 

打ち紐の「色材料対応表」に書いてありますが、打ち紐の種類によってビーズの適応が違います。

 

1)新しい唐打ち紐(唐打7)・・・パールビーズ、大穴ビーズ

2)既存の唐打ち紐(唐打8)・・・丸玉ビーズ、パールビーズ

3)既存の江戸打ち紐(江戸打)・・・大穴ビーズ

 

新しく仕入れたメーカーAの紐を丸玉ビーズに通してみたのですが、か、硬い、、、(でも通るは通る)。

 

緒締め玉は「紐を締める」ためのものですから、紐にキツキツぐらいがちょうど良いのであって、スルスルと抜けては意味がないのではありますが、それにしてもやはり通す際のコツがあります。

 

ここでビーズをむりむり通す方法をおさらいしておきます。

 

丸玉ビーズ(パールビーズ)は、穴の周りに「バリ」で詰まっているものがあるので、バリのあるものは先の尖ったもので削ってから使います(簡単に取り除くことができます)。

 

打ち紐はそのままではビーズに通りません。

「通し針」というものを使います(刺繍でいうところの引き込み針)。

これは「輪」側からでなければ通せません。

糸はできるだけ短めの方が扱いやすい。

 

ショップで扱っている「パールビーズ」は穴が大きめなので通しやすいのですが、「丸玉ビーズ」の場合、今回仕入れたA社の打ち紐は硬めなのでかなり通しずらい。

 

そのようなときは、打ち紐の輪の先端を爪で押し潰して穴に通しやすくしておきます。

この状態でビーズの穴に打ち紐を強く押し込んでから糸を引きます。

 

この時、糸側からかなり力を入れて引くため、針の方を持っていると簡単に切れてしまいます。

できるだけビーズの際を持って引くようにしましょう。

糸側の「玉止め」は針側にずらしておきましょうね(玉止めでよけいひっかかる)。

 


しかしながら初心者の人には、このビーズをムリムリ通す加減がわかりずらいようで、時々お問い合わせをいただきます。

 

そこで、初心者用の「材料セットA」では、この丸玉ビーズを入れないことにしました。

「材料セットB」は何個も作る人用なので、慣れてもらうためにも本来の「丸玉ビーズ」をセットすることにします(がんばって通しておくれ)。

 

 

 

価格の変更、取り扱い色の変更

 

打ち紐は「カセ」で買って使いやすい長さに小分けしているのでかなりの手間でしたが、最近は内職さんを雇えるようになったのでかなり負担が減りました。


また趣味から始めた当時のままの価格設定であったことから、この機に打ち紐や緒締め玉などを値上げさせていただくことにしました(江戸打ち紐はそのまま)。

 

今ある人五紐の在庫は「在庫処分<人五紐>」というカテゴリーにまとめます(まだ準備中なのでしばしお時間いただきます)。

それとお試しで買ったままショップに出していなかった色もあるので、そちらもイレギュラーで販売いたします。

 

こちらは以前のお値段で販売しますが「在庫限り」となりますので、もし必要のある方がいらっしゃいましたら、今の内にまとめてご購入ください。

 

 

 

廃盤色、新色

 

取り寄せられなくなった色、あまり出ない色などは廃盤とし、新しいメーカーで扱いのある色、この機に加えた色などは新色として加えました。

 

また、打ち紐にはありませんが、「かがり糸」単体で仕入れた新色もあります。

実はかがり糸もポリエステルから正絹に切り替わっているものがけっこうあります。

 

<廃盤になる色>

牡丹(ぼたん) ※縢り糸は残します。

榛色(はしばみいろ)

雄黄(ゆうおう)

 

<新しく加わる色>

濃金茶(こいきんちゃ)

香色(こういろ)

新橋色(しんばしいろ)

濃緑(こいみどり)

生成(きなり)※現在未入荷。後日お知らせします。

 

<縢り糸>

紅紫(べにむらさき)

 

 

筥迫工房ショップ>打ち紐>筥迫用(1.5〜2mm)

 

 

以前、材料集めで色々なところから「色見本」を取り寄せていた時、「色見本を趣味で集めている方のご購入はお断りします」というようなことを書いていたショップがありました。

その気持ち、よ〜くわかります。

 

色見本が高い!という人がいますが、あれは全部手間賃であって、どこも色見本で儲けを出そうなんて考えていませんって。

 

以前は筥迫工房でも色見本を作っていましたが、それを作るほどの効果(儲け)には全くつながらなかったので、今は色見本を作ることは全く考えていません。

 

値上げしたとはいえそんなに高いものじゃないと思うので、どうかコツコツ集めていただければ幸いです。

 

 



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作るばかりが難儀なわけじゃない

最近、打ち紐を仕入れていた問屋さんが閉店しました(ショック)。

 

そんなばかなと思う気持ちが強く、この目で直接状況を確認しようと問屋街を訪れると、なんとシャッターが閉じた店の多いこと。

今は様々な分野で問屋さんがなくなりつつあるという現状を身をもって痛感しました。

 

ネットで物を買うのが当たり前になった今、小売店で物が売れないのだから問屋が潰れて当たり前、といえば当たり前。

 

しかし、私のようにニッチな世界で細々とネットショップをしている身にとっては、問屋さんがなかったらどこで仕入れればいいのよ、、、。

 

ここで仕入れなくても別の問屋でも打ち紐は扱っているのですが、山ほどのメーカーの中からこのメーカーの商品が一番結びやすい!と選んだものだったので、このメーカーのものをどこの問屋で仕入れられるか探しまくるのがまた悩ましいところ。

 

ということで、もしかしたら色によってはしばらく在庫が切れる状況であることをご了承ください。

 

 

私が筥迫という文化(?)を商売(??)にして早8年ほど経ちます。

よくぞここまでと言われることも多いのですが、本当によくぞここまで来たと自分で思うのは、筥迫を作ること以上にこの材料集めこそが山あり谷ありだったわけで。

 

作家さんなら自分のものだけを作る材料があればいいとは思いますが、人に作ってもらおう、人に教えようとなると、この材料集めに並々ならぬ苦労をするわけですね。

 

「筥迫なんだから正絹の材料を扱えばいいのに」とも言われますが、こんな小さなショップで絹製品なんて抱えられないですし、作る方も気軽には始められません。

正絹を使いたければ、個別に専門店で入手してくださいという感じです。

 

 

当たり前のように使っていた材料や道具が、ある日突然入手できなくなる、これは本当に怖いことです。

 

現代では職人さんがどんどん減っていくとはいいますが、実は職人さんたちが使っている専用の道具を作る職人さんたちがいなくなっていることもまた原因にあるとは思います。

 

それ以上に、昨今は「絹糸」も圧倒的に不足していますし、桐箱も「桐」が不足して高騰。材料の供給もままならない。

 

今まで使っていたものと同じようなものを探すためにはものすごい労力を費やすことになるのですが、これにめげて廃業をする決意をする人は多いのではないかと思います。

 

 

 

ないなら代用を考える、それでもなければ自分で作る!

 

こんな状況はたぶん今だけではなく、これまでもずっと繰り返されてきたこととは思います。

 

筥迫作りはよく「伝統工芸」と間違えられますが、形だけが残っているだけで伝統的な作り方をしているわけではありません(そもそも閉鎖的な文化だったので、ほとんど伝承もされていない)。

 

私が貼り込みで袋物なんぞを始められたのも、たぶんそのような文化がほとんどなくなってしまった状況で、現代の入手しやすい材料だけを集めざるを得なかったという、非常に割り切れた状況だったからではないかと思っています。

 

これが昔からのやり方で誰かに教えてもらって作っていたら、この材料問題は今よりずっとずっと深刻だったと思います。

 

 

最近お付き合いのある房の職人さんは、房の中に入れる木の芯を作る「ひき屋」さんがどんどんいなくなって困るとおっしゃっていましたが、いざとなったら3Dプリンターで作ってもらうかな〜と言っていました(笑)。

 

これがなくなったらオレはこの仕事を続けていけない、、、なんて悲壮な職人さんも多いので、このような柔軟な発想ができる職人さんを見ると、何だかホッとしてしまいます。

 

 

以前、知り合いのパイプオルガン工房の方に、パイプの元になる金属板も工房で作っていると聞いてびっくりしたことを思い出しました。

その作業をyoutubeにアップしているからと紹介されたのですが、パイプオルガンを作る工房でさえニッチすぎるのに、こんな機械を作っている(販売している)ところがあることに私が感心していると、「こんなの売っているわけないじゃない(笑)自分で作るんだよ」とあっさりおっしゃっていました(大きい管はさすがに輸入するらしい)。

 

その動画を探したのですが、これが彼の工房のものかどうかわからず。

でも参考までにアップしてみます。

「キャスティング用の治具」と説明にあるので、やはり自作の道具ということです。

 

彼らを見ていると、臨機応変に何でもやってやろうと考えられる柔軟な頭を持っていないと、職人なんて商売はやってられないなと改めて感じます。

 

 

筥迫も「かがり糸」ぐらいなら日本刺繍の糸を手で撚り合わせて作ることはできるでしょうが、それを人に売るほど作るのはさすがに別問題ですが、それでもいつか打ち紐も手に入らなくなったら、何で代用するか、もしくは「打ち紐の作り方」という教本を出すか、などと真面目に考えることもあります(まだここ10年ぐらいは確実にあるだろうけど)。

 

 

 

「はこBOON」サービス停止のお知らせ

 

重さで料金が決まる「はこBOON」はとても安価でありがたい存在だったのですが、今年7月10日にサービスが停止されることになりました。

筥迫工房の材料ショップでも、6月中で利用を停止することにいたします。あしからずご了承ください。

 

私が「はこBOON」で送るものは、圧倒的に「(筥迫用)刺繍台」が多いのですが、大きいけれど重さはないので「はこBOON」で送るのにちょうどよかいこともありすごく残念。

 

刺繍台はただの「木枠」なので当初は通常扱いで発送していたのですが、あるとき業者から商品が「破損」したと連絡があり、弁償してもらったことがあります。

 

こんなものがどうやって破損するんだと不思議に思っていましたが、破損箇所を見るとあきらかに「投げた」と思われるような角の欠け方。

発送元のファミマの店員さんにこんなことがあったと言うと、扱いが荒いからとにかく「こわれもの」扱いにした方がよいと言われ、刺繍台に「こわれものシール」を貼ってもらっていました。

 

こんなものに「こわれものシール」を貼るなんて何だかな〜と思いつつ、こわれものシール=投げるなよシールと割り切ることにしました。

 

配達業者さんも、忙しすぎて投げるように扱う→お客がこわれものシールを貼りまくる→忙しいのに丁寧に扱わなければならない→さらに忙しくなる、、、、すごい悪循環を感じつつ。

 

 

 

ショップを始めてからこれまで、発送に関してもその時々の流通の移り変わりを感じます。

 

レターパック→メール便→はこBOON→クリックポスト

 

「ゆうぱっく」よりお手軽な「レターパック」は全国一律の500円(350円)が魅力的でしたが、「メール便」が出てからはほとんど使わなくなりました。

 

その後、厚み制限が2cmというメール便にとって変わったのは、厚みが3cm、ポスト投函ができる!という「クリックポスト」に全面的に移行。

 

それ以外の厚みに利用していた「はこBOON」がサービス停止(たぶん廃止と同じと思う)したことで、今また頭を悩ませています。

 

とりあえず、一つずつの厚みがないものであれば、クリックポストの「二個口」で送る、サイビノールが入っていれば「クリックポストと定形外」、まとめてほしい人、急ぎの人は宅急便というように区別しようかと考えています。

 

 



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