『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
既製品と工芸品
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    最近作っていた「誰ヶ袖櫛入」が自分的にヒット作だったので、今回はこれをアップしようと思い途中まで記事を書いていたのですが、肝心のサンプルがどこぞに隠れて見つからず撮影ができない、、、(苦)。

     

    しかたないので違うテーマにしようと未掲載の記事群(けっこうあるんですよこれがまた)をサーチしていてこれを見つけました。

     

    以前YouTubeで見つけた筥迫作りの動画。

    こういうものは全て東南アジアとか作らせているのかと思っていたら、以外にも日本国内で作っているんですねぇ。

     

    箱迫縁掛け

    箱迫巾着



    すごい早技!

    七五三の筥迫などはやたらと安い値段で販売されていますが、なるほどと思ってしまいますね。

    投稿主さんの他の動画などをご覧になると、あらゆる治具を使いこなして大量生産をしている様子が出てきますが、私なぞはそんな治具にの数々にやたらと心惹かれてしまいます。

     

     

    工業品と工芸品

     

    戦後は家内工業で職人が作っていた頃の袋物から、このように工業化された大量生産に一気に変わったわけですが、今、多くの分野で職人さんが作る工芸的な物作りができなくなっています。

    日本刺繍の世界ではバッグを作る職人さんたちが次々と廃業して作れなくなっと聞いています。

     

    しかし生き残りの職人さんたちでさえも、すでに一定の型しか作れない(それ以外は不可)という状況の人が多いようです。

    職人と言えども同じ型を作り続けたほうが確実に生産性は高くなるので、所々お客さんの希望を取り入れた型なんて作っちゃいられない。

    職人さんといえば、頭から「出来ないよ、そんなもん!」というセリフがイメージされてしまうぐらい。

     

    昔はまだ家のお母さんが子供の服を作る「洋裁文化」がありましたので、物を手作りする大変さは一般人でも何となくわかっていたと思います。

    だからこそオーダーで服を作ってもらうという文化も、今よりは普通にあったような気がします。

     

    それが今や「100円ショップ」でほとんどのものが入手可能で(お世話になっています)、「ユニクロ」のヒートテック(大変お世話になっています)が国民御用達になっている世の中です。

     

    今時の若者にとってオーダーで物を作るということは「既製品の2〜3倍ぐらい?」の感覚かもしれません。

     

     

    私も以前はよくブログに筥迫作品を載せていましたが、その頃は結婚式を控えた方からけっこう問い合わせが来ていました。

    問い合わせのはじめから夢満載のオーダー事項を連ねているのですが、

     

    「こんなピンクで〜」

    「こんな図案で〜」

    「簪はこんな部品を使って〜」

    「で、いくらで出来ますか?♡」

     

    多分ご本人は奮発して20,000円ぐらい出せばできるんじゃないか?と思っていそうな雰囲気。

    ん〜言い出せない、、、日本刺繍だけでも20,000円じゃとても外注に出せないなんて。

     

    結婚式を控えた花嫁さんが筥迫制作を依頼してくるときに、その方が考える筥迫の価値(どの金額までなら出していいか?)がわかる基準があります。

    それはどの時点で注文してくるかということ。

     

    ほとんどのタイプが、式場、料理のランク、衣装、引き出物、新婚旅行先なんぞの全て決まって、最後にそういえば筥迫もあったな〜と探し始めるようです。

    全ての後付けなので、オリジナルが〜という割に予算は雀の涙。

     

    片や家族だけの食事会&振袖(成人式で使ったもの)という「地味婚」をされる方の方が、それなりに時間やお金をかけてくださるようです。

    筥迫&懐剣さえあれば花嫁衣装になる!という筥迫ありきの考えだからかもしれません。

     

     

    それでも現代まで筥迫が受け継がれてきたのは、動画のような業者さんたちが筥迫を大量生産し続けてくれたおかげなので、既製品と工芸品の筥迫がそれぞれの需要の中で生き残っていくのが理想ですね。

     

     

     

    筥迫レンタル

     

    筥迫とかの小道具だけのレンタルで10,000円もした!高かった!という声をよく聞きます。

    筥迫セットのレンタルが10,000円で高いのか、、、、

     

    それじゃ胴締めなしの紙入れタイプなら10,000円以下ですがどうでしょう。

     

    しかし「筥迫セットと書いて胴締めなしの紙入れを筥迫扱いにするのはいかがなものか?」と私がよく騒いでいるからかどうかはわかりませんが、最近みたら「懐剣セット」なるものが出ていた、、、。

     

    はこせこ 花嫁レンタル

     

    内容は同じですが、さすがに「筥迫セット」と「紙入れセット」とは書けまい。

    「紙入れセット」なんて書いたら何か安っぽすぎて絶対需要ない。

    ならばどっちにも入っている「懐剣セット」でいいじゃないかと言ったかどうかはわかりませんが。

     

    それにしても筥迫の地位低下が気になる今日この頃。

     

     

     

     

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    【2020.01.26 Sunday 14:59】 author : Rom筥
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    2019.7 『武士の娘』杉本鉞子/著
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      今日は珍しく小説のご紹介です。

       

      すでに読んだことある!という方も多いかと思いますが、『武士の娘』は著者の杉本鉞子(えつこ)の自伝でもあり、その当時のアメリカで出版されベストセラーになったという驚くべき一冊です。

      (訳者あとがきには「自伝ではない」と書いてありますが細かいことはさておき)

       

      日本人が書いた小説がアメリカで翻訳されベストセラーになったのではなく、アメリカ在住の日本人が英語で書いた小説が当時のアメリカ(1923年:大正12年)でベストセラーになり、それが逆輸入で日本語訳されたということです。

       

      杉本鉞子は、1873年(明治6年)、越後長岡藩の家老の家に生まれ、武士の娘として厳格に育てられた。

      結婚によりアメリカに住むようになり(中略)今日に通じる女性の行き方を見る上にも、当時の風俗や生活のありさまを知るためにも、高い価値を持つ。(内容紹介より)

       

      子供の頃の鉞子は、純日本的な価値観を持つ武士の娘として育てられ、前半はその生活が実に細かい描写で書かれています。

      現代の私たちから見ても、これがアメリカでベストセラーになるなんて、単語の一つ一つや情緒的な表現でさえ日本感満載なのに、英語でこれをどう表現するのか?多くのアメリカ人がこれを理解して共感したということが実に不思議です。

       

       

      この本を知ったのは、私の古くからの友達であるTちゃんから「筥迫が出てくるシーンがあるから是非読んでみて!」と言われたことがきっかけでした。

       

      件のシーンは鉞子の姉が嫁ぐ日にあります。

      先月ブログにも書きました「筥迫に見る日本の紅白文化」にまつわるシーンもありますので、まずはここからご紹介します。

       

      その日は朝から髪結いさんが見えて、美しい高島田にゆう上げ、厚い化粧を致しましてから、白無垢をつけさせました。

      これは、結婚ということが、里方の家に死ぬことを意味するからでございます。

      また下着に赤いものを着けますが、これは今回に新しく誕生するという意味なのでございます。

       

      白無垢と赤の関係はこれではっきりと説明されていますね。

       

      そしてこの後にお目当の筥迫のシーンが出てきます。

      ちなみにここでは「筥迫」でなく「函迫」の字が当てられています。

       

      花嫁の駕籠が玄関に参りますと、一家のものは揃って仏間に集まりました。

      嫁してこの家を離れ、他家の人となる姉は、ご先祖においとまごいを致しました。

      深く頭をたれた姉の傍に、にじりよった母は、美しい函迫(はこせこ)をさしだしました。

      それは松竹梅の模様をちりばめた美しいもので、祖母の手になったものでした。

      それから母は戦いに出で立つ武士のように雄々しく新しい生涯に立ち向かうようにと、おきまりの門出の言葉をいいきかせ、次いで「毎日、この鏡をごらんなさい。もし心に我儘や勝気があれば、必ず顔に表れるものです。

      よっくごらんなさい。

      松のように強く、竹のようにもの柔かに素直で、しかも雪に咲きほこる梅のように、女の操をお守りなさい」と申しました。

      この時程に母が感激していたのをみたこともございませんが、姉は厚化粧のかげに、表情のすべてをかくして、唯、人形のように見えるばかりなのも哀れでございました。

       

      Rom筥的には、母君にこうも言って欲しかった。

       

      よっくごらんなさい。

      鏡を見た後の函迫はこのようにセットするのですよ。

       

      なんちゃって(笑)。

       

      しかしここで

      それは松竹梅の模様をちりばめた美しいもので、祖母の手になったものでした。

      の一節が目を引きます。

       

      一瞬お祖母さまが筥迫を仕立てたのか?と思ってしまいましたが、落ち着いて考えれば「手になった」のはきっと刺繍の方だろうと考えられます。

      しかしそれじゃ一体誰がこの筥迫を仕立てたのだ?ということがRom筥的には非常に気に掛かるのです。

       

      鉞子が明治6年生まれなので、お祖母さまは確実に維新前(江戸)の生まれのはずです。

      維新後に筥迫は、お役御免で歴史の舞台から姿を消した空白の20〜30年があるのですが、この空白期にまだ残っていた職人を頼って作らせたのか??

      しかしここは今でいう長野という土地であり、そんなところにこの時代、筥迫を作る職人がいたのか?

      それとも鉞子が会ったことのない「江戸のお祖母さま」(島津家の奥女中として名誉ある地位を得ていた)が一枚絡んでいるのか?

      それより何より、これは江戸型なのか、維新後の新型(現代の筥迫サイズ)なのか??

       

      そんなことが気になって気になって、なかなか先に進めませんでした(笑)。

       

      しかし残念なことに、鉞子の結婚式のシーンでは筥迫は登場せず、お祖母さまももう一つぐらい作っておいてくれればよかったのにと鉞子に成り代わりちょっと不満なRom筥でした。

       

       

      皆様も、小説のどこかに筥迫のシーンが出てくるものがありましたら是非ご紹介くださいね。

       

      その時はまたRom筥的妄想をこのブログで存分に繰り広げて見せましょうぞ(笑)。

       

       

       

       

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      【2019.07.28 Sunday 00:05】 author : Rom筥
      | 筥迫あれこれ | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
      超アナログはデジタルに支えられる
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        調子が悪かったMacがかなりまずい状態になり、本日修理に旅立ちました、、、(号泣)。


        戻るまで最悪二週間かかると言われているので、データに関わる事、プリントに関わる事に支障が出るかもしれません。


        もしかしたらショップの対応や、来週つたえでの教室でご迷惑をお掛けすることがあるかもしれませんが、この間、どうかどうかご了承いただきたくお願い申し上げます。


        確か二年前もMacがダウンして、その時もPCに対しては苦手意識が強くて〜というようなことを書いたと思うのですが、今回はアナログからデジタルに移行した仕事上の遍歴と、それでも尚超アナログな古い袋物の世界に魅せられる私の心の遍歴を書いてみたいと思います。



        PCと仕事


        私が筥迫作りを始めてから今年で10年ですが、キャリアとしてはそれ以前のイラストレーターとしての仕事の方が実は長い。


        キャリアの始めは「建築パース(建物の完成予想図)」からでしたが、始めて一人で打ち合わせに行かされた時にセスナに乗らされたなぁ、、(遠い目)。

        セスナって飛行機のあのセスナですよ。

        時はバブル、工業団地を俯瞰図で描くためだけに小型機とはいえセスナをチャーターされるなんて、今思えばとんでもない話です。


        海外のどでかいリゾートホテルだの、カジノのエントランスだの、仕事の内容はめっちゃkバブリーでしたが、その頃はエアブラシ全盛の時代だったので(霧吹いて絵を描くやつね)、描いている本人は全身をカバーするようなスモックを着て、防護マスクを付けての色気のない作業でした。

        この頃の仕事道具は、エアブラシ、絵の具、面相筆、溝引き棒、ロットリング、スパッタリング用の網など。

        すでに思い出すのもやっとの道具類ですが、当時は結構トレンドの画材だったんですよ。


        大手ゼネコンのマンション販売チラシなどで、建物のバックに本物の空が合成されているものがチラホラと出てきたような時代で、PCならこんなことができるんだ〜と感心していました。


        次に入った会社は「テクニカルイラスト」が専門で、機械の組み立てイラストを書くようになりました。

        建築パースとの共通点は設計図を見ながらの作業というだけで、華やかな色付きの絵の具の世界から、モノクロの機械の世界に一気に移行しました。


        仕事道具もドラフターと楕円定規、製図ペンにロットリングという、これも今は昔の道具たちですね。


        しかし、この時代からパソコンが会社に導入され始めます。


        それまで「PCで絵を描く時代になったらイラストはやめる!」と豪語していたにも関わらず、社長命令により部署の中で一番のペーペーだった私が実験台としてPC担当にさせられてしまいました。

        (グラフィック系なので始めからMacです)


        とはいっても、出入りの業者さんに一から環境を整えてもらって、後は絵を描くだけという状態だったので、これがなかったら今の私はまずPCなんて触りもしなかったでしょう。



        結婚を機に退職し一時専業主婦になるも、性格的に耐えられず三ヶ月後には再び就活(笑)。

        次は同じテクニカルでも、ライティングからデータ制作、印刷までを請け負う完全DTPの会社へ再就職しました。


        ほんの数年前まで、部屋の至る所が絵の具で汚れているような環境にいたのに、すでにロットリングでさえ「何それ?」と言われるような、いかにもオフィス然としたところで、手さえ汚さず絵を描くことになろうとは、、、。


        建築パースの世界も今ならすでに完全CGに変わっているのでしょうね。

        時代の流れの速さは本当に恐ろしいものがあります。


        その会社では主にデジカメに同梱されている取り説のテクニカルイラストを担当していました。

        デジカメが世の中に出始めたまだほんの初期で、デジカメを持っていると物珍しさに人がワラワラと集まってくるような時代でした。


        前社では、資料となる膨大な写真集(手作り)や版下を保管するために倉庫まで借りていたのに、今やデジカメで撮影したデータもイラストも組版も全てまとめてPC一台に収まってしまいます。

        これら数人の作業者に分割されていた作業を、たった一台のPCで作業してしまう「DTP」という職種が出現したのです。


        生え抜きの職人揃いが自慢だった前社も、デジタル環境に乗り切れず一気に社員をリストラしたと聞きました。

        どんなに腕があっても、時代に必要とされなければ一気に用無しになるということを思い知らされたのでした。


        PCやデジカメの便利さを痛感すると共に、イラストレーターであろうとも絶対的にPCの知識が必要となる時代に大きなストレスを抱えることになりました。

        どんなにイラストの技術があっても、データにして納品できなければ仕事が貰えないという恐ろしい時代になったのです。


        PCが使えなければインターネットで情報を仕入れることもできない時代です。

        私のように否応なく順応させられた会社勤めとは違い、この時代にフリーランスだったイラストレーターたちは、個人で一からPC環境を構築しなければならなかったので、多分半数ぐらいの人が廃業に追いやられたと思います。


        私の「なんでイラストレーターがDTP(何でも屋)なんてやらなきゃならないんだ!」という訴えもあっという間にかき消されるほど、時代はデジタルという激流に飲み込まれて行きました。


        アナログ時代からイラストを描いていた私にとっては、PCでイラストを描く以上にDTP への拒否感は強かったように思います。


        それでもデジカメのマニュアル仕事は8年も続き、その後独立してフリーランスになりました。



        筥迫活動とPC


        子供が七歳の七五三を迎えた時を同じくして、いわゆるリーマンショックを迎えました。

        その頃関わっていた会社が一気に倒産し、その余波で仕事が激減したのですが、そこは常に何かに没頭していないといられない性格のため、その暇を持て余すかのように筥迫のマニュアル作りに集中しました。


        娘のためにがきっかけではありましたが、そこで苦労して得た情報(まだ技術というレベルではなかった)をとにかくマニュアル化したいと思ったのが筥迫活動の出発点です。


        誰もが自分で作ることなど考えもしない、複雑な構造と様々な手芸的要素が詰まった筥迫という装身具。

        今まで嫌々ながら携わって来たDTPというデジタル仕事を、超アナログな筥迫のマニュアル作りに生かすことで、またそれを販売することで、これまでの自分の実力を試したかったのだと思います。


        絶対に必要と思われるカットをことごとく免責事項に削られてきたこの恨みを、好きなだけコマ数を使ったマニュアル作りで憂さを晴らしたかったというのもあります(笑)。


        筥迫が本当に好きなんですねぇ、とよく言われますが、好きとかそんな感情ではなく、あくまで自分が没頭できるほどに価値を感じる物だということです。


        物を突き詰めて考えることが好きな自分の嗜好にピッタリとハマり現在に至るというわけです。

        こう書いてみると、結構成り行きで生きて来たなぁと感じなくもない。



        そしてこれから


        筥迫活動を10年しても未だに始めたばっかり感が拭えないのは、イラストレーターをしていた頃の仕事環境の移り変わりが凄まじかったので、今のように昔の物を現代に再現するという、言わば時代に逆行した物作りをしているせいからかもしれません。


        筥迫工房の活動は、江戸中期、江戸後期、明治、大正、昭和初期辺りまでの袋物文化にスポットを当てているので、一括りに「昔の袋物」とは言っても、約250年という時代の中では其処此処に大変化があるのです。

        大政奉還、明治維新、戦争、その後に続く工業化の波は、今とは比べものにならない激流だったことでしょう。


        多分いつの時代でも同じぐらいの速さで移り変わっているのではないかと思います。

        時代の流れに左右されない物作りをしたいと思いつつも、やはり道具や材料は時代のものに頼らざるを得ない。


        私自身、こんなに古い時代の物を作っているのに、今回のようにMacがなければこの古い袋物が作れないと感じてしまうほど、時代の利器に依存しきっているわけですし。



        デジタル環境がなければ、精密な型紙も、詳細な手順書も作れない。

        ネットショップもできなければ、ネットで呼びかけて講習会もできない。

        結局のところ、超アナログな物作りはデジタルの世の中に支えられているということですね。


        しかしながら私のデジタル生活は簡単な接続でさえ上手くいかないのが日常茶飯事なので、筥迫仕事よりPCの扱いで仕事が滞るというのが現状です。

        本業で勉強したいことは山ほどあるのに、嫌いなPCのことを調べなければならないことが本当に苦痛。


        今回も修理の業者さんに、PCのメンテナンスが苦手ならMacを二台持った方が安心でしょうねぇと言われる始末。

        そんなことしたらPCを買うために仕事する羽目になってしまう。


        私にとって、PCの世界は便利とストレスが相反している世界です。


        習うより慣れろ的にPCの導入期を経てきた私にとって、以前以上のスピードで進んでいくデジタルという世界に一体どこまでついていけるのか。


        Macが得意な家族もいないし、Macが得意な事務員さんを雇う稼ぎもないので、いつかこの環境の変化に耐えられなくなった時が筥迫活動の締めどきと覚悟しています。

        (それが遅いのか早いのかは神のみぞ知る)



        とにかく今は寺にこもるような気持ちで、たまっているアナログな仕立て修行に励むとします。


        そしてMacなしのこの二週間を、私が何とか耐え抜けるようどうか祈っていてください。






        【2018.11.15 Thursday 19:54】 author : Rom筥
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        キーワード:我国固有の趣味
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          「袋物」というと、現代では園児が使うような巾着や、小学生のサイドバッグのような「柔らかい布地の手提げ袋」というイメージがあります。

           

          しかしその昔は、主に帛(布)と革で作られた「物を入れる(カバーする)」ような物は全て「袋物」でした。

           

          その中でも、茶道の「仕覆(しふく)」は今も昔もそのまま袋物というイメージですが、筥迫が袋物というと現代人にはちょっとイメージが結びつかない。

           

          筥迫工房の講習会ではまだそれほど複雑な型は作っていませんが、最近はこれらの袋物を熱心に作り込み、上達する人が増えてきました。

          このような人たちがいるうちに、徐々にでもかつての手提げ文化に入る前のあの複雑な型を作っていきたい。

           

          そうなると、現代人のイメージする袋物とどうしても区別したくなるのですが、やはり「嚢物(ふくろもの)」で書いた方が区別しやすい。

           

          漢検準一級で出てくる漢字なので、私も書けません(苦笑)。

          でもこのブログを見ているような皆さんは、ぜひ見た目で覚えていてくださいね。

           

           

           

          我が国固有の趣味

           

          筥迫というものは、現代人にはやたらと不思議な形に思えます。

           

          しかし袋物を取り巻く日本文化や筥迫の沿革を辿ってみると、実は成るべくして成ったという型のように思えます。

           

          筥迫は非常に日本的というか日本趣味なものです。

          (これらの成り立ちはブログでは書きにくいので、対面で話せる研究会のような場を借りてお話したいと思います。)

           

          筥迫と同じような時代に作られた袋物というのは、現代ではほとんど作られておりません。

           

          生活様式が変わったから、という言葉で片付けてしまうには実に惜しい、日本文化だからこそ生み出されたというような型がたくさんありました。

           

          その時代に書かれた袋物の本の中に、こんなキーワードがあります。

           

          紙入れが時勢と風俗につれて変換し内知人に洋服を着する者が多くなり(中略)同時に洋服用の紙入といふものが製出されたのでありました。(中略)

          形状や、材料や、意匠等によって、之れを三種に分類することが出来ます。

          それは我国固有の趣味に依って造りましたものと、欧米風を模倣したものと、和洋折衷して造りましたものと此三種類あります。(日本嚢物史:井戸文人 大正8年)

           

          其れらの技芸の中には、海外の趣味より来たものが有る様ですが、ここの私の説きます処の、袋物は、我国固有の趣味より生まれて発達致しましたもの故

          他の趣味に超越して其の型最も曲雅の風致あるもので在ります。

          (新型袋物拵へ方:藤井茂太郎 大正14年)

           

          西洋の手提バッグ文化が怒涛のように押し寄せた明治・大正期は、袋物業界は否が応でも一大転機を迫られました。

          それでも何とか西洋趣味を取り入れようとする姿勢が、当時の嚢物から感じ取ることができます。

           

          その当時の西洋趣味は、現代の私たちの目からすればどっぷり日本趣味ですが(笑)。

          それらの西洋趣味をすっかり取り除いたものが我が国固有の趣味。

           

          現代では、和柄を使った袋物を「和風」ということはあっても、「我が国固有の趣味」というほどの特別感は感じられません。

           

          筥迫工房では、この「我が国固有の趣味」を最大限に生かしつつ、ちょっぴり現代感も入れた嚢物を目指したいと思っています。

           

           

           

          日本固有の仕立て方

           

          ショップや教本の序文に「筥迫は和のカルトナージュ」という比喩を使っていますが、最近はこの言葉にやたらと違和感を覚えるようになりました。

           

          私が筥迫作りを始めた当時、ある方に貼り込みの説明をしたところ、「つまり和風のカルトナージュですね」と言われました。

           

          言われてみればそうなのかな?と深く考えずに思い使い始めたのですが、当時は「貼り込みとはなんぞや?」を解くようなレベルではなかったので、手芸的なノリで使っていました。

           

          しかし、その後資料として古い袋物を集め出すようになって、これはただのカルトナージュなどというものではない、ということに気がつき始めましたのですね。

          これはずっとモヤモヤと自分の中でくすぶり続けていました。

           

          古いサンプルを集めて知った「日本固有の趣味」というヤツのこだわり方が尋常ではなかったからですね。

           

          かつて或材料を以って或名工に最上の仕立を依頼しました事がありました。(中略)

          其形状、肉合、手ザハリなどが一点の難もなく、誠に鮮やかに出来て居ります。(中略)綴った痕跡が認められないのでありましたから、其事を質問しますと、全部針を使わないで作り上げたと得意になって居りました。(中略)

          上等品の製作の妙所は此仕立方に限ると申しました(中略)

          名工必ずしも糊張にはしませんが、最上等品に、最巧な技を揮ふのは之を第一とするのであります。

          (日本嚢物史:大正8年)

           

          材料に同じ革を用いましても日本風のものにあつては、その縫方までも日本趣味を応用して居ります。

          (日本嚢物史:井戸文人 大正8年)

           

          ここでは「縫方」とありますが「貼方」も同じようなことがいえます。

           

          作り方さえ日本趣味、というところがいかにもな嚢物ですが、ここにカルトナージュと簡単につなげられない理由があるような気がします。

           

          昔の日本刺繍の筥迫の仕立は、本職の職人さんが作っていたものです。

          現在の筥迫は業者さんが作っています。

          この二つは技術的には雲泥の差があります。

           

          しかしそんな筥迫仕立ての技術を持った職人さんは、昭和50年始め頃にはすでにいなくなっていたようです。

           

          職人さんがいなくなって久しい現代ですが、なんとか私たちの手で、あの時代の筥迫を蘇らせたいと切に願っております。

           

           

           

          ショップ『緒締め玉』入れ替えました

           

           

          「緒締め玉」とは、筥迫の「緒締め」として使われるビーズです。
           

          ショップでこの緒締め玉の種類を入れ替えることは前々から考えていましたが、ビーズは打ち紐と同じぐらい面倒で、今までのびのびにしてきました。

           

          しかし最近、意を決してビーズを入れ替えることにしました。

           

          「丸玉ビーズ」は色を絞りました(全10色)。

          「Aパール」は、前回使っていたパールからもうちょっと質の良いものに入れ替えました(全7色)。

          「ガラスビーズ(大穴)」は、元は大穴ビーズです。これは種類を色数を増やしました(全10色)。

           

          それと一袋単位の個数も6〜10粒にしました。

          値段を上げるよりも、個数を減らすことにしたということでご了承ください。

           

           

           


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          【2018.02.04 Sunday 18:57】 author : Rom筥
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          成人式と着物
          0

            ここ数年、年末年始は実家の父の介護が全て自分にかかってきてしまうので、私にとっては一番キツイ時期。

             

            さすがに自転車で片道30分の距離を毎日二往復すると、正月早く終われ〜という気持ちになってしまいます 沈

             

            お正月の後も押し迫った仕事が続き、昨日の刺繍教室の新年会で何とかピークを越えたところです。

             

            そんな新年会には、絶対着物を着る!と決めているのですが(そうしないと着物を着ることがない)、所詮年一回の着付けなので、そのハードルはやたらと高くなります。

             

            新年会の直日まで用事に追われ、実家の父の世話をして帰ってきたのが夜10時。

            疲れ切った状態で半襟付けて、せめて一回ぐらいは練習しておかないと、、、と考えると気が遠くなる。

             

            「この状態で着物なんて着たら死ぬ、、、」と私が呟くと、そばを通りかかった娘が一言、

             

            「着物着て死ぬぐらいならやめたら?」

             

            そうだよな〜、着物を着て疲労で死んだなんて笑い話にもなりゃしない。

            ということであっさり諦める。

             

            それでも当日はちょっとばかし諦められない気持ちもあり、洋服に羽織をジャケット代わりに羽織って参加しました(笑)。

             

            しかしその夜は疲労で体調を崩し、さすがに今日は一日寝て過ごしました。

             

            今年は、こんな状態にならないと休む気になれない、そんな自分の考え方を改めねば、、、と反省したのでした。

             

             

            成人式

             

            今年の成人式といえば「はれのひ」事件ですよね。

            着物を着たら死んでしまう身の上であっても(笑)、さすがに着物文化に携わる仕事をしている身には心が痛くなる大事件でした。

             

            その新年会で成人式の話題になり、それぞれ母娘での振袖の関わり方が話題になりました。

             

            最近ネットでこんな話がありました。

             

            家が貧乏で、学生時代は日用品や下着さえ自分でバイトしなければ買えなかったのに、成人式で母親に振袖を買われたことに腹を立て、今に至るまで一度も来なかった、という人の話でした。

             

            親としては、今まで何も買ってあげられなかったので「せめても成人式だけは、、」と思ったのでしょうが、娘さんとしては、そんな数度着か着ないかの高価なものではなく、学生時代にもっと普通の生活がしたかったということです。

             

            その話をしたところ、そこにいたAさんがこんな話をしていました。

             

            自分も成人式のときに着物は着なかった。

            着物に興味がない訳ではなく、母親が着物好きなので、絶対に自分には選ばせてくれないだろうと思い、そんな着物を着るぐらいなら成人式の振袖はいらないと断ったそうです。

            でも今は、あのとき振袖を着ておけばよかったなと思うそうです。

             

            「どんな変な着物でも、娘がしたい格好をさせてあげればいいのよ。娘が成人式に喜んで着物を着るかどうかは母娘関係が良好かどうかによるんじゃないかしら。」とのことでした。

             

            私もこんな仕事をしていますが、娘の成人式のときはどんな着物を選ぼうとも好きにさせようと思っています。

            (一枚ぐらいは筥迫を身に付けた写真も撮らせてね)

             

             

             

            ママ振り

             

            知り合いから、娘さんの成人式に筥迫を貸してほしいと依頼がありました。

            かつてブログに掲載した十三詣りでモデルになってくれたお嬢さんなので、そこは快諾。

             

            しかしお嬢さんは今時の着物が着たい、でもお母さんは自分が二十歳のときの着物を着せたい。

             

            このことを最近は「ママ振り(ままふり)」と言いますね。

             

            私も数年前の講習会で初めてその言葉を聞いたときにびっくりしました。

            ママ振り、ババ振り、おば振り、色々とありそうです(笑)。

             

            確かに今時のペラペラな着物に比べれば、ママの頃の着物はずっと上質なものが多い。


            このママさんのお着物も、元はお母様(成人式のお嬢さんにとっては祖母)の婚礼の白無垢です。

            ご実家の家紋が蝶だったらしく、新たに蝶柄を友禅に染付けたものを振袖に仕立て直したものだそう。

            (そりゃ確かに良いものだろう)

             

            お嬢さんがレンタルの今時の華やかな振袖になびいてるところを、そこを口説き落としてママ振りを着せることにした模様。

             

            私としては、お嬢さんが今時の華やかな着物に心惹かれているのなら、せめても小物は今時のものに変えてあげて、それに筥迫が合うのならば使ってみれば?とアドバイスさせていただきました。

             

            コーディネートいかんで着物はかなり違います。

             

            ママ振りコーデを探しているときに見つけた、こちらの愛知県の「きもの やまなか」さんのサイトが面白い。

            お母さんの成人式当時の写真と、現代で娘さんが同じ着物をコーディネートを変えて着た写真です。

             

            ママ振袖リメイク コーディネート

             

            しかし、お嬢さんたちがことごとくモデルのように可愛いいって一体どうしてなんでしょうね?

             

            化粧や着付け、撮影技術の技術が発達したことが大きいのでしょうが、昔のママたちだってその当時にしてみればきっと可愛かったはずなので、私たちが時代の目に慣らされてしまったってことなのでしょうか、、、。

             

             

            ********************************************

            講習会 入門コース『金封袱紗』

            ********************************************

            開催日:2月11日(日)

            お席まだ空いています。

            この機会にぜひどうぞ。

             

             


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            【2018.01.14 Sunday 21:46】 author : Rom筥
            | 筥迫あれこれ | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            刺繍は目が見えてこそ
            0

              我が家では急用でない限り、私が仕立てをしているときは近寄らない(声もかけない)のが決まり。

               

              狭いマンション住まいにも関わらず、ネットショップや筥迫の材料があらゆるところに積み上がっているので、作業をしているすぐ後ろで触れ合うギリギリを家族が通る。

               

              そこで、日本刺繍がどんなに時間をかけ手をかけて作られているか、そんな貴重な裂に糊を使って仕立てる貼り込みは、ちょっとした気の緩みや、通りすがりに軽くぶつかっただけでも裂を汚すことがあることを説明し、仕事をしているときはできるだけ近寄らないでほしいと常日頃から家族には注意しています。

               

              しかし娘が小さかった頃は、そんなことをすぐに忘れてお菓子やアイスを食べながら気軽に近寄って来るんですね。

               

              そこで人が入ってくる気配を感じると「近寄るな!」と一喝。

               

              特に最近は、捻挫した利き手がある程度自由に動くようになったので、それまでの遅れを取り戻すため毎日殺気立って仕事をしていることもあり、恐ろしがって誰も近寄ってこない。

               

              そして食事は、まとめて作れるおかずと大量のおにぎり(自由に食べて状態)。

               

              好きなだけ集中できる環境のおかげで、何て効率的に仕事が進むこと!

              絶望的に感じていたスケジュールが、当初の完成予定に近づいて来ました。

               

              先日、何とも美しく仕上がった作品に気を良くして、つい娘に向かって「どう?(きれいでしょ)」と刺繍裂の作品を差し出したところ、「ぎゃ〜!そんなもの近付けないで〜」と逃げられました。

               

              娘にとっての日本刺繍とは、きれいな物というより汚してはならない物=恐ろしいもの、というイメージが染み込んでしまったようです(汗)。

               

               

               

              刺繍と拡大鏡

               

               

              少し前まで手に力がかかる作業が満足にできなかったため、仕立てはそれぞれの貼り付け作業までを準備するのみ。

               

              突如空いてしまった時間は、ギリギリで仕上げるはずだった作品展に出品するための自分の刺繍をせざるを得ませんでした。

              (刺繍やPCのテキスト打ちは、負傷部分を固定さえしておけばできる)

               

              とにかく成るようにしか成らないと覚悟を決め、その時期は割り切って刺繍に専念することに。

               

               

              以前ブログで書いたように、古い布を使っても布目が緩まないようにする作業はできたのですが、それでもまだ目が揃わない、、、。

               

              以前、老眼鏡を作ろうと思って眼科に行ったところ、近視の矯正を勧められて結局何の役にも立たなかったし、単純に刺繍の技術がないことが問題なのか、、、 沈

               

              しかし今回の図案は超細かいので、目が揃わないと話にならない。

              これじゃ作品として出す意味がない、、、と悲観に暮れる日々。

               

               

              そんな時、講習会に参加された方から「家で使っている拡大鏡を持って来たい!」と言われました。

               

              その方はとても緻密な日本刺繍をされるので、それに比べれば貼り込みはそこまで細かくないのでは?と言うと、ご自宅では老眼鏡+大きな拡大鏡(固定式)で作業しているので不自由はないが、教室には老眼鏡しか持ってこれないから見えないとのことでした。

               

              自分の中では「老眼鏡を使っても調整がきかなくなったら拡大鏡を使う」という認識があったのですが、「老眼鏡と拡大鏡は違うから!」と刺繍教室の皆さんに言われました(無知でごめんなさい)。
               

              そこで早速、帰り際に眼鏡屋さんに立ち寄り「ハズキルーペ」を購入。

               

              店員さん曰く

              「最近ホントよくこれが出るんですよ。自分なんて毎日3〜4本売ってますから」

               

              家に帰って使ってみたところ、刺繍の目が揃うこと、、、。

               

              今まで、刺繍の上手い人は違う世界に住んでいるんだと諦めの気持ちが強かったのですが、違う世界というのは「目の見える世界」のことだったようです(笑)。

               

               

               

              なんと細かい世界

               

              日本刺繍の教室で使っている「釜糸」は、繭から取り出した細い糸(1スガ)を12スガ合わせたものを1本として、小さな紙管に巻かれています。

               

              釜糸をそのまま使って美しいサテンのような光沢を表現する「平糸」にしたり、何本か組み合わせて「撚糸」にしたり、その中に金糸を絡ませたりもします。

              また金糸の種類もかなり多いので、これらを使った緻密な表現ができるのが日本刺繍の良さです。

               

              袋物の刺繍は面積が狭いので、どうしても細い糸を使うことが多くなるのですが、細かい図案になると平糸の1本使いはどうしても太く感じてしまいます。

               

              そこで先生に「ここは10スガで」とか「8スガで」とか指示されるのですが、これまでは、こんな細い釜糸を1本1本数えられるわけないじゃない!と内心思っていました。

              カミングアウトすると、今まで適当に1本から2スガ?、4スガ?ぐらいの感覚で減らしていました(先生ごめんなさい)。

               

              しか〜し!今ではこのハズキルーペにより、ちゃんと1スガが見えるようになり、完全に12スガが数えられるようになりました!

              スガが数えられるようになって、雀の毛並みを表現するのに8スガと6スガの違いがよくわかること!

               

              何年も日本刺繍を習っていてこんなレベルなので、作品展のときはどうか生暖かい目で作品を見ていただけるとありがたいです(汗)。

               

               

              講習会ではあんなにうるさく「1ptの線の真ん中を割るようにカットする!」なんて言っている私が、こんなレベルでいいのかと冷や汗が出る思いですが、和裁の先生は「筥迫なんてあんな細かいもの、私はやろうとは思わないわ」とか言っているし、正確で超絶美しい刺繍をするNさんは「当て布のぐし縫いでさえできない!」とか言っているし、人により細かさの基準は違うもの。

               

              基準というのもちょっとしたハードルのようなもので、実は思い込みというハードルが一番高いだけだったりすることも多々あるもので。

               

              私にとっての刺繍のハードルは、どうやらこの「見えない」というところにあったようで、何だかこれからは刺繍が楽しく感じられそう!というワクワク感で、新たな刺繍の第一歩を踏み出したような気がします(今まで楽しくなかったんかい)。

               

               



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              【2017.10.29 Sunday 15:24】 author : Rom筥
              | 筥迫あれこれ | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
              筥迫の仕立て
              0

                今年は作品展や他所の作品展の仕立て依頼が多く、講習会関連の仕事がないときは仕立て三昧の毎日です。

                 

                ただしネットショップの対応で中断されることが常なので、ショップの注文も雑用もない仕立てだけに集中できる時は嬉々としてモードに入ってしまうため、ブログの更新は後回し、そんな状況と思ってください。

                 

                お客様のものをお預かりしている仕立て仕事はブログに出てこないだけで、その比重は年々大きくなって来ています。

                筥迫!筥迫!と年中ネットに書き込んでいるからとは思いますが。

                 

                ということで、たまには仕立てのことについて書いてみよう思います。

                 

                 

                積極的にできる仕事じゃない

                 

                現代で筥迫の仕立てを専業にする職人さんはいなくなったと言われていますが、それでも筥迫を作る業者さんがいないわけではありません。

                 

                ただし、同じ素材を使っていくつも作る既製品であれば筥迫作りは難しいものではありませんが、お客さんが持ち込んだ素材で何でも作りますというオーダーの仕事は、全く性質の異なるものです。

                 

                私がやっていることは後者で、お客さんは様々な条件の素材(図案を含め)を持っていくるので同じ条件というものがない。

                 

                なぜもっと積極的に仕立ての宣伝をしないのか、と言われることがあります。

                 

                昔ながらの仕事であれば、「こういうものが来たときはこうする」なんてことを師匠に教わりながら、その上で技術を積み重ねていけるのでしょうが、教えてくれる人のいない世界では全てがぶっつけ本番。

                必ずうまく仕上がる保証がない、というとても怖い仕事です。

                 

                会ったこともないネットの向こうの不特定多数に向かって、積極的に「筥迫の仕立てやってます!」なんて言えるわけがない。

                 

                お客さんの方から「やってください」と言ってくれば、対等にこちらの意見も聞いてもらえるので、それならばやりましょうぐらいの気持ちでやっています。

                 

                 

                 

                始めて筥迫を作る人には、工程ごとに区切って毎日少しずつ作業するように勧めていますが、実際に仕事となると休みを入れずに一気に仕上げるのが理想的。

                 

                「糊」を扱う作業なので、美しく仕上げるには「手早さ」が重要だからです。

                他の人から見ればあっという間の作業に見えるかもしれません。

                 

                でもね、仕立ての仕事というのは貼り込み作業だけじゃないのです。

                その他の作業にこそ膨大な時間がかかるのです。

                 

                それらの作業も含めて全て「仕立ての仕事」。

                それを考えると、仕立ての料金というのは割に合わないと正直思います。

                 

                これが積極的に仕立ての仕事をしようとは思わないもう一つの理由です。

                 

                 

                 

                仕立ての仕事は貼り込みにかかる時間だけじゃない

                 

                「筥迫を探していたらこちらのブログに辿り着きました。同じような筥迫を探したのですがどこにも売っていないので、こちらで筥迫を作ってもらうことはできませんか?」

                 

                結婚式を間近に控えた花嫁さんから、よくこんなお問い合わせをいただきます。

                詳細をお伝えするのですが未だ注文に至ったことはありません。

                 

                行き当たりばったりで簡単に欲しいと言えるようなものではないということがわかるからでしょう。

                 

                 

                筥迫工房の仕立ては基本的に素材はお客様からの持ち込みです。

                 

                すでに筥迫にしたい布があって、それで仕立てるというのが依頼人、仕立て人にとって一番簡単な方法です。

                しかしながら、仕立て代その他を含めると2万ぐらいかかってしまうので、よほど思い入れのある生地でないかぎり注文には至りません。

                 

                漠然と「こんな色でこんなデザインの筥迫が欲しい」と言われるのが一番大変です。

                 

                日本刺繍でデザインから作れればよいのですが、相当な金額になるので、始めから「日本刺繍で」と言われない限り成立することはありません。

                 

                結局はご自分のほしい柄の生地を探してもらうことになるのですが、筥迫にふさわしい柄、生地、ほしい色の組み合わせなどというところから説明しなければならないので、それはもう気が遠くなるほどのやり取りになります。

                 

                20cm以上はあろうかという大きな花が描かれた布を持ってきて、筥迫を作って欲しいと言われたこともあります。

                被せには花びらの断片しか出ない、それも胴締めで寸断される、もう元の柄が何なのか想像もつかないでしょう。

                 

                そんな説明をしているうちにフェードアウトしていく人も多いのですが、筥迫に思い入れのある方は延々と打ち合わせを続けていくので、そこまで作りたいならこちらもとにかくいい作品を作ろうという気になる。

                 

                もちろんそれは納期に制限のない人が条件なので、納品まで一年ぐらいかかることはザラです。

                 

                 

                 

                刺繍裂の難しさ

                 

                結局、筥迫の仕立てを依頼される方のほとんどは日本刺繍をされている方ということになります。

                 

                装飾裂が自分で作れるということは、丁度良い位置に、好きな大きさに柄を配置できますし、柄合わせも思いのまま。

                装飾裂を用意できるのであれば、あとは仕立て代だけなのでハードルは低い。

                 

                日本刺繍をされる方というのは、基本的に着物や帯を仕立てる金額までセットで考えられているので、こちらも仕立て代が高い!などと言わないだろうという安心感がある。

                 

                自分が苦労して作った作品なのだから、お金がかかってもより良い材質の物を使ってきちんと仕立ててほしい、と言うのはとても自然な考え方だと思います。

                 

                「巾着いらないのでその分安くなりませんか〜」なんて値切られることほど職人さんの気力を削ぐ物はない(せいぜい話のネタには使わせてもらうよ)。

                 

                 

                 

                とはいえ、最近筥迫の刺繍の難しさを痛感することが多々あります。

                 

                筥迫の刺繍で一番難しいのは「図案」と「絵付け」です。

                 

                図案なら、ここで絵を切ってくれないと困る、ここで切ったらもったいない、ここにかかると意味がない等々。

                 

                絵付けなら、図案はここまで、配置はこの向き、感覚はこのぐらい、糸針はどこにする等々。

                 

                これを適当にやられると仕立てられこともあり、最悪刺繍を切りつけして貼り付けする、なんて荒技をやることになります。

                 

                特に初めての方の場合、こちらが仕立てやすい仕上がりに返ってくる率は半分以下。

                 

                 

                筥迫の刺繍を作るための雛形や絵付けの方法をわかりやすい資料にして作ってはいるのですが、本当はそこに書ききれないほどの免責事項がたくさんあります。

                 

                そもそも、装飾を施した布(表面が凸凹)を仕立てるのは、そうでない裂に比べると断然難しい。

                 

                仕立てやすい刺繍裂=きれいに仕立てられる、ということなので、つまり刺繍がより際立つということです。

                 

                刺繍人と仕立て人ががっちりスクラム組んでこそ、素晴らしい作品を作り上げることができるのです。

                 

                 

                そんなことを考えているうちに、「刺繍をする人のための筥迫講座」なんてやってみたらどうだろうという考えが頭に浮かました。

                 

                自分で筥迫を作れなくても、自分が作った装飾裂で筥迫(or他の嚢物)を作りたい人は多いはず。

                 

                是非やってほしい、こんな内容を扱ってほしいというご意見ありましたら、来年あたり考えてみようかと思います。

                 

                 

                 



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                【2017.07.25 Tuesday 15:25】 author : Rom筥
                | 筥迫あれこれ | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                古いものから得るもの、新しい時代へ繋ぐもの
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                  現在試作中の作品の参考にと、先日押入れに詰め込まれた山のようなアンティークの嚢物類を物色、、、しようとして押入れを開けたとたん、なだれ落ちてくる桐箱の山に気が遠くなる、、、。

                   

                  私には筥迫の作り方を教えてくれる先生はいなかったので、ひたすら独学で貼り込みの袋物を学びました。

                   

                  関連書籍といえば、大正時代の袋物の教科書や、せいぜい昭和あたりの古書ぐらいですが、それよりも何よりも役にたったのは、昔の職人たちが作ったアンティークの袋物たちでした。

                  本よりよっぽど有益な情報が詰め込まれているからです。

                   

                  その昔出版された書籍は何種類かありますが、どれも同じ系列の人が書いたのか内容も似たり寄ったり。

                  しかし、実際の古物を見ていると、独自の技術で作っている職人さんが多かったことがよくわかります。

                   

                  自分の技術は絶対に外に出さない!という頑なな職人さんが多かった時代だからこそ、袋物の作り方を本にしようなどと思う人はごく少数だったということなんだと思います。

                   

                   

                   

                  技術は大事だけど好奇心はもっと大事

                   

                  私の父は仕立屋でした。

                  私がこんなことをしているのも、父の影響がすごく強いと感じています。


                  父は小さい頃から奉公先に入りましたが、師匠が事細かに技術を教えてくれるなんてことはなかったそうです。

                  その家の雑事をしながら、師匠の仕事を自然と見ながら、見よう見まねで技術を習得していたそうです。

                   

                  ほとんど師匠が作ったものしか見られない環境で、それも腕のよい師匠に当たればいいですが、そんな師匠ばかりではないはず。

                  (昔の筥迫も仕立てのいいものからひどいものまでピンキリ)

                   

                  そう考えると、熱心な人なら手のいい仕立ての作品を見てみたくなるわけで、他の人が作った古着などを探して研究するしかなかったでしょう。

                   

                  父は注文服の需要がなくなっても、来るもの拒まずであらゆる仕事を請けていました。

                  同業者が次々と廃業していく一方で、仕事で珍しい縫製があれば、それをこっそり解いて研究したりしていました。

                   

                  生き延びるための必死さもあったでしょうが、自分が知らな世界を知りたいという好奇心が勝っていた感じです。

                   

                  結局、今も昔も同じことなのです。

                  筥迫でいえば、現代の方が古いものを入手しやすいので、昔の人より研究するにはずっと有利なはずなんですよね。

                  そんなわけで、私はこの古いサンプルたちにかなり助けられてきました。

                   

                   

                  時代はものすごい速さで巡っていきます。

                  私も自分が関わってきた仕事の世界で、あらゆる有能な職人さんが廃業していくところを目にしてきました。

                   

                  特にパソコンの存在は、多くの職人さんたちを廃業に追いやりました。

                  ある日突然に目の前から仕事がなくなる。

                  仕事がなくなるというよりも、職種自体がなくなってしまうという恐怖。

                   

                  自分が習ったこと以外のものが目の前に来た時、それを教えてくれる本や先生が必ずいるわけではない。

                  どちらかといえばいない方が多い。

                  だから自分だけで研究し開拓しなければならない。

                   

                  結局、教えられたことしかできない職人さんは、どんなに腕があろうともその時代だけで完結してしまうのです。

                  古い技術や考え方を根っこに持ちながらも、新しい時代を純粋な好奇心を持って受け入れられるかどうかは、職人の技量としてとても大事なことだと思うのです。
                   

                   

                  筥迫は伝統工芸のように見えますが、全くそんなことはありません。

                  嚢物などは特に細分化されていたようなので、そりゃ筥迫しか作れなかったら仕事なくなるわ。

                   

                  職人さんもいなくなり、本来の意味での貼り込みという技術は衰退したものの、筥迫はその特殊な意匠のおかげで、ハレの日の装身具という意味づけだけでなんとか現代まで生き残ってきたのです。

                  それが筥迫の持つ一番の力なんでしょうねぇ。

                   

                  かつての職人さんたちによって作り上げられた素晴らしい袋物を手に取るたび、彼らが築き上げてきた貼り込みという技術で筥迫や袋物の心をもう一度取り戻したい。

                  これらのサンプルを見るたび、そんな気持ちがフツフツと湧いてきます。

                   

                   

                   

                  もう一度取り戻したい技術、そしてその心

                   

                  きれいに桐箱に入ったものは一々蓋を開けなければ中がわからない。

                  そして最大の難は「かさばる」。

                  蔵があるような家に住んでいればいいのでしょうが、ここは東京の小さなマンション。

                   

                  未だにサンプルを買い漁っているので、気がつけば桐箱の山、山、山、、、。

                  今回はそれらの桐箱を全て捨て払い、自分が作った作品も執着がないものはあっさり捨て払い、同じ型、同じ仕立て方をしているものもこの際捨て払い、なんとか大きなゴミ袋一杯分を処分しました。

                   

                  そうそう、以前はわかりやすいように透明ケースに入れなおしていたのですが、これさえもすごい量になってきたので、今回それらもとっぱらってチャック袋に入れ替えました。

                  これで探しやすいし取り出しやすい。

                   

                  今の私には、どこに何があるか一瞬でわかるような収納が必要なのであって、桐箱なんて必要ないのだよ(最近、桐の価格が上がっているというのに、桐箱ごめんよ、、、)。

                   

                  これで何とか衣装ケース2個に収まる程度に収納できました。

                  一つの衣装ケースに二段に入っているので、だいたい100個以上は詰まっているんのですが、一方のケースの半分は気力尽きて後日に後回し。

                  でも実家にもまだまだあるんだっけ、、、(汗)。

                   

                   

                  私はコレクターではないので、集めるものはきれいな筥迫や嚢物よりもジャンク品がほとんど。

                  他の人から見たらこの中にゴミばかり詰まっているように見えるかもしれませんが、私にとっては宝の山(笑)。

                   

                  きれいなものはコレクターさんたちに大事に保存していただいて、私は捨てられる直前のボロを救い出し、中を崩して研究できるようなジャンク品にばかり反応してしまうので、競争率は低い代わりに、部品取りにもならないようなものは市場にも出回らないのが難。

                   

                  世の中にはまだまだ私の知らない型がたくさん存在しているはずなので、それらが時代の中で消滅していしまう前に助け出さねば、、、。

                  もし皆さんのお手持ちのもので捨てるに捨てられないような古い袋物がありましたら、是非私の研究用にいただけるとうれしいです(茶道具の仕覆は研究対象外)。

                   

                  また差しあげることはできないけれど、こんな型を再現できたらいいんじゃないか?というものがありましたら、是非画像だけでも見せていただけるとありがたいです。

                   

                  昔の型を再現し、後世に型紙とその作り方を残す、というのも自分の使命の一つと考えています。

                   

                   

                  たぶん、私は美しい作品を作り出すことよりも、昔の型を再現して型紙に起こし、作り方を解明し、それを講習会などで人に作らせて「お〜出来た〜!」と喜ぶことに一番のやりがいを感じているのかもしれません。
                   



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                  【2016.11.28 Monday 11:22】 author : Rom筥
                  | 筥迫あれこれ | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
                  一人で作り上げること、分業で作り上げること
                  0

                    今回はMadam.Kから人形着物作品展の告知が来ていましたのでご紹介させていただきます。

                    筥迫ではないですが、同じ「小さき美しきもの」の世界に生きている仲間つながりということで。

                     

                    10月3日(月)〜5日(水)

                    9:30〜17:00(10月3日のみ12:00〜)

                    於:山手111番館

                      みなとみらい線「元町・中華街」駅

                      5番出口から徒歩7分

                     

                    マダムKはお針子会の同じ刺繍教室に通う仲間ですが、たいへん丁寧な刺繍をなさる方です。

                    SD(スーパードルフィー)の着物を作られる方は多々いらっしゃるとは思いますが、マダムKほど凝った着物を作られる方はいらないのではないでしょうか。

                     

                    今頃は追い込みでお互い大変な時期だとは思いますが(マダムKのブログ)、作品展が終わった後には、金沢の「飾り筥展」に14〜15日で来られるとのことでした。

                     

                    山手111番館はとてもすてきな場所のようなので、お散歩がてら近隣にお住いの方は覗いてみてはいかがでしょうか。

                     

                     

                     

                    一人で全て作り上げること

                     

                    マダムKの人形着物は、自分で刺繍をして自分で着物を仕立て、小物も全て手作りという究極のオリジナル作品。

                    筥迫工房の筥迫もまた、自分で装飾(刺繍等)をして、自分で仕立て、房までも自分で作るというマニアックな手作りを目指しています。

                    どちらも全て自分で作り上げるというのが共通しているところです。

                     

                    教本を作り始めた当初は、自分一人で作品を作り上げる、というテーマにとても意義を感じていました。

                     

                    昔々の袋物細工の本にも筥迫の作り方は載っていますが、「飾り房」の作り方までは載っていません。

                     

                    「結び」と「房」は袋物とは全く違うカテゴリーですし、時代的に「房屋さん」が今よりももっと身近で、房は買えばいいという考え方だったのかもしれません。

                     

                     

                    私が筥迫作りのマニュアルを作ろうと考えていた当初、筥迫本体の作り方よりもずっと頭を悩ませていたのが、実は付属品の「びら簪」と「撚り房」をどう調達するかでした。

                     

                    「びら簪」はどうにか仕入先を探せたのですが、「撚り房」の仕入先を探すことは非常に困難でした。

                    最近は市販品も色々なサイズも出てきたようですが、筥迫に合ったプロポーションの撚り房(頭が小さくて房が長い)を市販品に見つけることはできません。

                     

                    現在は何とか業者さんを見つけて、特注で作った撚り房をショップで販売していますが(撚り房(房単品) )、撚り房の一番のネックは色数が非常に限られるということです。

                     

                    筥迫を自作するということは、他にはないオリジナルの筥迫を持てるということです。

                    そんなオリジナリティを追求する上で、どれだけの「色」を使えるかということは最も重要なことです。

                    これで自作筥迫用の飾り房は、どんな色にも対応できる「切り房」で作ることに決まりました。

                     

                    しかし、巷にタッセルの作り方は多々あれど、和の房の作り方を載せている本はありません。

                    あってもほぼタッセルに近い形です。

                     

                    ウエストがキュッと締まってヒップがボンと突き出た房は、専用の「木の芯」を使うしかなく、その木の芯も簡単に手にいれられるものではありません。

                    筥迫房に合うような芯は、特注で挽物屋さんに何千〜何万個単位で作ってもらうようなものなのです。

                     

                    その木の芯をなんとか使わずにこの形が作れる方法がないものかと考えたのが、今現在副読本で紹介している房の作り方です。

                     

                    これによって筥迫を自作する道が大きく開けたのです。

                     

                    脇役のような飾り房であっても、それがなければ筥迫として完全な形にならないと思わせる、実はとても大事な付属品なのです。

                     

                     

                     

                    分業で作り上げること

                     

                    私が日本刺繍を始めたきっかけは、筥迫の柄出しに限界を感じたからで、筥迫作りを突き詰めると必ずこの問題にぶち当たります。

                     

                    自分で装飾(刺繍等)を施した筥迫は、手芸品を超えた「作品」になります。

                    これほど自分の創作意欲を満たしてくれるものはないと思っていました。

                     

                    しかし、「装飾」と「仕立て」のモチベーションや技術を同レベルに保つというのはなかなか難しいことです。

                    必ずどちらかに比重が傾くと私は思っています。

                     

                    私の場合、刺繍が最後のところまで来ると、仕立てのことばかり考えて刺繍を急いてしまう(=雑になる)、、、(愚)。

                    私はどうしても「仕立て」に比重が傾いてしまうようです。

                     

                     

                    最近は色々な人の刺繍作品を仕立てることが多くなったのでよけいに感じてしまうのですが、すでに素晴らしい作品として仕上がっている装飾裂に、更に自分の手を加えて完成度の高い作品を作る、、、これ以上はない満足感を感じます。

                     

                    もちろん、美しい刺繍裂が必ずしも美しい作品になるわけではありません。

                    筥迫の構造を理解しないで、自分の好みに忠実に筥迫を作らせることと、作り手同士が下図の段階から何度も打ち合わせを重ねて一つの作品を作り出すことは全く違う仕事です。

                     

                    そういう意味では、同じ人間が刺繍と仕立てを両立できれば何の問題もなく融合するので、それが自作の一番の強みだと思います。

                     

                    自作の良さは、調和という意味においては失敗のないものができますが、パターンの中から抜け出すのは難しい。

                    対して分業の良さは、どちらも高いレベルの作品ができるけれども、お互いの意思疎通にかなりの時間がかかります。

                     

                     

                     

                    房屋さんとの出会い

                     

                    最近は「房」を自分で作ることにどうしても気が向かなくなっています。

                    房の完成度を上げたいけれど、筥迫ほどの情熱を房に注ぐことができないということ。

                     

                    そこで、以前から紹介されていた房屋さんを尋ねてみることにしました。

                     

                    これは今後少しずつ書いていこうとは思いますが、とにかくものすごく刺激をもらって帰ってきました。

                    他業種で道を極めた人に会うということは、同じ道の先生に教えを請うこと以上の収穫があるような気がします。

                     

                    結果、房は房屋さんにお願いしたいと思うに至ったのですが、実は房というのは非常に高価なものです(特に撚り房)。

                     

                    筥迫房と懐剣房を正絹の撚り房で作った場合、簡単な刺繍の筥迫なら、本体と同じくらいの価格になるかもしれません。

                     

                    それでも、刺繍筥迫に本物のびら簪、本物の撚り房を合わせた作品はこの上もなく素晴らしい作品になるはずです。

                     

                    きっとどんな世界の職人さんも同じことを願っていると思いますが、エルメスのバッグを買う代わりに、最上級の部品を使った作品を注文してくれるお客さんが現れないものかと(笑)。

                     

                     

                     

                    現代ではあらゆる業種の職人さんが急激な勢いで廃業しています。

                    この流れは決して止まらない。

                    その影響はあらゆる職人さんが使う「材料」や「道具」の調達にも現れ、四苦八苦する姿を目にしています。

                     

                    そういう意味でも、無くなった部品は自分で作ってしまえ!と思える気概が現代の職人さんには必要不可欠であると私は思っています。

                     

                    もしくは発想の転換。

                    昔の材料だけに囚われないで、常に時代にあった材料や道具を開拓する精神。

                     

                    ですから、筥迫の部品全て(びら簪除く)を自分で作れるということは大変意義のあることなのですが、やはり分業の完成度には変えがたい良さがあるので、房屋さんが現代に存在しているうちに完成度の高い作品をたくさん作っておきたい、という気持ちに駆られている今日この頃です。




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                    【2016.09.09 Friday 08:52】 author : Rom筥
                    | 筥迫あれこれ | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    筥迫の分類
                    0
                      ショップで教本として販売している『縢襠付筥迫』は、現代では筥迫として一般的に認識された型ですが、実は筥迫には色々な型があります。

                      筥迫の種類を説明するには、筥迫の分類から始めなければならないのですが、型として大きく異なるのは「江戸期」と「明治期以降」でしょう。


                      江戸期の筥迫

                      筥迫の原点である「紙入れ」は昔からあったものですが、いわゆる「筥迫」と呼ばれるものが登場したのは江戸時代中期頃。
                      打ち掛けの発展とともに、紙入のゴージャス版として進化したものでした。
                      この頃はクラッチバッグほどの大きさがあり、嚢物に初めて刺繍を用いたのが筥迫といわれています。
                      日本刺繍、切り嵌、切り付け、象嵌など、ありとあらゆる豪華な装飾が施され、現代版とはそのインパクトにおいて圧倒的な差があります。


                      明時期以降の筥迫

                      大政奉還を機に筥迫は姿を消し、30年ほどの空白期間を経て明治後半に復活しますが、江戸期のものより大幅に小型化され、現代の筥迫の原型となりました。

                      極一握りのハイソなご婦人だけが持つことを許された江戸期の筥迫と違い、一般人が所有することになったことで、通常の着物に合わせて改良されたのでしょう。
                      もちろん、一般人とは言ってもそれなりのレベルの婦人たちが対象であったと思われますが。


                      箱型の筥迫

                      江戸型が完全な「箱型」(四隅に角がある)であったのに対し、明治以降は「箱型」と「紙入型」に分かれるようになります。

                      この頃の「箱型」は、小型化されはしたものの「箱襠・持ち出し襠」使った江戸期に近い型もありました。
                      しかし、私もやっと一つ見つけたぐらいなので、ほとんど流通していなかったのではないかと思われます。

                      現在この型の名残は縢襠付筥迫に引き継がれていますが、これをなぜ箱と言う?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね(私は思いました)。
                      嚢物においては「角」を「箱」といっていたような記憶があるので(ちょっと出処が曖昧)、まぁ箱っぽいぐらいの感じかもしれませんね。


                      紙入型の筥迫

                      「紙入型」は三段口扇襠筥迫に見られるような、角を付けず自然な丸みで折り返した仕立てです。
                      この種類は、胴締めを外して留め具をつければそのまま紙入れにもなりますので、紙入れの型がある分だけ筥迫も作れるというわけです。
                      現在はこの紙入型の筥迫は市販されていません。
                      紙入れはそれこそ様々な型があるので、こんなの使う人いるか?というような面白いものがたくさんあるので、自分が死ぬまでに徹底的に復刻したいという野望を持っています(笑)。



                      ちなみに、これまで筥迫工房では「装飾筥迫」「実用筥迫」という分類の仕方をしていましたが、実用筥迫もびら簪と刺繍をしてしまうと装飾筥迫になってしまうことから、最近では「江戸型」「箱型」「紙入型」というような形状の違いで分類しています。



                      縢襠付筥迫の種類

                      講習会で行われている『縢襠付筥迫』はショップで販売している教本の型を使っているのですが、これを「折り返し」「綿入り」で仕立てています。

                      今回中止になってしまった『縢襠付筥迫2(折襠・綿入・玉縁)』は、上記の縢襠付筥迫に「折襠」と「挟み玉縁」を付けた応用型として企画していました。

                      「折り襠」のついた筥迫はアンティークのものによく見かけられますが、教本ではこの仕立ては解説されていません。
                      基本型とは型紙も作り方も違うので、単なる応用編として並べることはできないからです。


                      この違いを図解で比較説明してみたいと思います。
                      (いい加減なアイソメです。あしからず)


                      まずはおなじみ、基本の縢襠付筥迫(A)。
                      三つ折りの中央に「鏡」が付き、被せ下側に「段口」、背面に縢襠(千鳥掛け)の懐紙入れが付きます。
                      講習会ではこれに「綿入れ」をします。

                      大正時代に発行された嚢物の本には「簡単筥迫」という名称で紹介されています。
                      縢襠を使った筥迫の中では「簡単な類」という意味ですね。

                      ただ、筥迫工房では「胴締めが付いていれば筥迫」という定義において紙入型も筥迫として扱うので、こちらの型は縢襠が特徴であることから、去年教本を新しくしたときに「縢襠付筥迫」という名称に変更しました。


                      そしてこれが「折り襠」付きの筥迫(B)です。
                      緑部分の襠が付くことにより、物を入れられるので上記のものよりちょびっと実用的。

                      折り襠が付くと(A)とは仕様が異なりますし、作り方も異なることから、縢襠付筥迫とは違う名称を付けるべき。
                      うまい名称が思いつかず、とりあえず「縢襠付筥迫2」にしてみましたが、カッコ付けで「縢襠付筥迫(折襠入)」にすることで解決。

                      前出の本では、この型の紹介に
                      「此箱迫は前に説明しものに襠を入れたるものにて、従って其の仕上り立派なり」
                      とあります。

                      そこで、この型を基本より一回り大きくすることによって(懐中してしまえば差はわからない程度)刺繍などの装飾が映えるようにしてみました。
                      ちょっと凝った仕立てに豪華な装飾。
                      ワンランクアップした筥迫を目指すのにちょうどよい型だと思います。


                      こちらは「鏡」と「段口」の配置が逆の「中央に段口」パターン(C)。
                      ここまでくると仕様が違うということでもないので、マイナーチェンジぐらいの差ですね。

                      アンティークとしてよく出てくるのは前出の「中央に鏡」パターンですが、襠側に鏡が付くと硬くて襠が広げづらいので、以前の研究会ではこちらの形を教えていました。
                      しかし、よく考えたら現代で段口に入れるとしたら圧倒的にカードだろうし、鏡をこの面に付けると使いづらいという結論に達し、今はこのパターンはほとんど作っていません。



                      そして、今回中止にしたのがこちらのパターン(D)。

                      「中央に鏡」パターンなのですが、鏡に上口(青部分)が付いていて、鏡が取り出せるようになっています。
                      このパターンもけっこう多いです。
                      「上口」と書きましたが、正確には簡単に出し入れできないように左右に留めが入っているので、完全な上口ではなく、引き出し口と言うべきか。

                      なぜ鏡を取り出す必要があるのかと不思議に思っていたのですが、襠部分に厚みのあるものを入れたいときは鏡を取り出して襠の容量を増やす、という気配りなのかもしれません(あくまで憶測)。

                      (C)もこちらの(D)もあくまでマイナーチェンジなので、名称的には「縢襠付筥迫(折襠入)」に変わりません。
                      あえていうなら「(C)鏡の位置がぎゃくなのよ〜」「(D)鏡が取り出せるのよ〜」と言葉で補足(自慢?)するぐらいに留めておいてください(笑)。


                      ------追加(3.18.13:42)-----------------


                      そういえば、こんなのもありました(E)。
                      (A)のマイナーチェンジですね。



                      前日からの流れで、実は続きがまだあります。

                      翌日にまたアップします。


                      --------------------------------------------
                      4月の講習会内容 変更について
                      --------------------------------------------


                      4月30日(土)に企画しておりました『縢襠付筥迫2』は中止させていただきます。

                      代わりに『携帯裁縫用具入』が二回入ります。

                      『携帯裁縫用具入(針山付立ち襠小物入)』☆☆2
                      ↑詳細画面はこちらでご確認ください。

                      ぁ。慣29日(金・祝)1日講習
                        申し込み開始:3月24日(木)
                      ァ。慣30日(土)1日講習
                        申し込み開始:3月26日(土)

                      各日とも定員:7名(合計14名)




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                      【2016.03.18 Friday 11:40】 author : Rom筥
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