『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
二ツ折小被付筥迫
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    久々に「二ツ折小被付筥迫」を作りました。

     

     

    こちらは型の変更はないのですが、講習会のサンプル画像を替えるために作りました。

    でもよく考えたら、二ツ折は今年は1回のみ(10/8)の開講なのでした、、、。

    来年からはまた二回に戻しますのでご容赦を。

     

    筥迫本体の外見は実にシンプルで、被せさえない二ツ折に胴締めがついただけの型です。

    その代わり付属の小物が細々(こまごま)と付いているのが萌えポイントmoe

     

    筥迫本体のシンプルな外見とは反対に、内側はけっこう凝った作りになっています。

    鏡入れと小被の付いた袋が付きます。

    鏡は差し込み式なので、ストラップ部分を引き出して取り出すことができます。

    代わりにカード等を入れてもいいですね。

     

    縢襠付筥迫のような立体的な難しさはないのですが、講習会でこれを上級レベルにしているのは、細工的な複雑さからです。

     

    とにかく、これでもかというぐらいの曲線だらけ。

     

    小さくても部品は多く(表布:5、内布:8、接着芯:2、厚紙:9)、う〜ん自分で型紙作っておいてなんですが、やたらと面倒臭いわ、これ、、、(汗)。

     

    表と色味だけ合わせて内布を選んでみましたが、無地部分がどうしても足りなくて、厚みが出て困るところ(袋内面と襠、簪挿しの内布部品)以外は、無謀にも絞り部分を使いました。

     

    古い生地なので絞りはかなり潰れていたのですが、この型は薄さが身上です。

    少しの厚みでもシビアに影響してくることから、慎重に絞りを潰しながらの作業でした。

    (講習会のときはこんな生地はもってこないでね泣き

     

     

    二ツ折紙入れ

     

    紙入れというのは江戸の中期頃から複雑な型へと発展していくのですが、平安時代の畳紙(たとうし)以後の紙入れは三つ折りの時代が長かったようです。

     

    時代が下がるにつれ薄型が流行るようになるのですが、その典型がこの紙挟みタイプの二ツ折です。

     

    二ツ折に胴締めをして筥迫風にしたこの型は、いかにも明治大正時代という感じです。

     

    この時代は、胸の位置なんて関係ないわ!といわんばかりに帯が胸の上まできている画像をよく見かけます。

    そんな時代の女持ちの懐中物なんて大きいわけがない。

     

    これぐらいコンパクトだと胸元を崩しませんが、その代わり大したモノは入りませんのであしからず。

     

    とはいえ、二ツ折の紙入れでも複雑な型を作りたくなるのが日本人の特性。

    男性用は凝った作りのモノが多かったので、分厚い二ツ折にド派手な留め具を使った紙入れもたくさん作られました。

     

     

    日本人は昔も今もストラップ好き

     

    この二ツ折筥迫の特徴は、簪挿しを横向きに本体に差し込むところです。

     

    こんな薄っすい所に入れるんですよ。

     

    江戸時代の筥迫は、箱になった部分の天面にびら簪を挿し込んでいたので、簪挿しという部品はありませんでした。

     

    それが維新以降に筥迫が復活した際に、サイズが急激に小さくなり、びら簪を差し込みづらくなったので、あえて簪挿しという部品ができたのでしょう。

     

    縢襠付筥迫の簪挿しは本体天面の幅に合わせて作られていますが、この二ツ折は天面がありません。

     

    挟みやすくするためにこのような幅に作られたと考えられますが、私はこの時代によく作られていたきりばめ細工を施した、紙挟み、栞あたりから波及した型を簪挿しに応用したのではないかと考えています。

     

    こちらの一番下の写真「蝶図彩色押絵紙挟み・しおり」を参照ください。

    (ちなみに、これは押絵じゃなくて切嵌だと思う)

     

    上と同じような型で「懐中物」とした細工物がありますが、この中には箸、楊枝、桐などの長細いものを入れて懐中していたようですが、簪なども入っていたかもしれません。

     

    上の栞をイメージして作ったのがこの飾り房です。

     

    ド派手に二本房です。

    これでびら簪まで下げたら胸元がとんでもないことになりそうですが、いいの妄想の世界で使うだけだから。

     

    リアル世界で付けるとしたら、せいぜいこんな「ぶら」だけです(だっておばさんだもの)。

     

     

    このぶらも、二色使いの結びも、どちらも取り付け部分が「輪」にならない作り方なので、金具(エンドパーツ)を使っています。

    嚢物の場合は金古美色を使いたいものですが、在庫がなくてロジウムカラーを使ったため、ちょっと現代的になってしまった、、、。

     

    でもカニカン使っておけば、簪挿しにも鏡にも付けられるので、お好みでお使いいただければと思います。

     

     

    ご迷惑をおかけしました、、、

     

    ところで、5月の「巾着と飾り房(筥迫用)」が行われますが、4月5日の申し込み日にカートが開かないというトラブルみ見舞われました。

    朝早くから待機されていた方には、誠に申し訳なく心よりお詫び申し上げます。

     

    この日は父の介護のため週2回実家に泊まる日で、朝「カートが開いていない!」という連絡をいただきました。

    急ぎ手持ちのiPadで操作したものの動かず、家人に電話して指示するものの管理画面が動作せずで、しかたなく父には食パンと牛乳だけ与えて自転車に飛び乗り家路に向かいました。

     

    ちなみに、他県の方からは片道30分も自転車に乗るのかといつも驚かれていますが、直線距離なら車で10分もかからない距離であっても、住宅密集地は一通だらけでとんでもない回り道ばかり。

    更にタクシーを呼び出している時間を考えたら、自転車で行ってもそう変わらない!

     

    管理画面がウンともスンとも動かないことにパニックになっていると、ふとした拍子に動かした別のブラウザではサクサクと動く。

     

    もう何なんでしょうね、このネットというヤツは!

    PCというのは順調に動いている分には大変便利ですが、この便利さに慣れていると、仔細なトラブルに見舞われたときのこの絶望感。

    こんな時代に生きていると、機械苦手!なんて言ってられないのがツライところ。

     

    とにかく、開始予定時間よりも1時間半過ぎてしまいましたが、カートを開くことができてほっと一息です。

     

    ご迷惑をかけてしまいホント申し訳ありませんでした。

     

     

    ストラップ「飾り房、ぶら」

     

     

    申し込みにトラブルがあった「巾着と飾り房」でしたが、講習会の筥迫コースは本体だけを作り、共通する飾り房と巾着はこちらの講座を受講していただきます。

     

    つまり、この二ツ折に付いている飾り房や巾着は、筥迫の講座では作らないということです。

     

    中級コースは下準備のみですが、上級コースは課題や付属品などを自宅で作って持参するので、それなりにハードルは高いです。

     

    いずれも作り方は副読本に載っているので、三連の基本の飾り房やこのような二つ房でもお好きなものをお作りください。

    (講習会では三連房を作ります)

     

    ただ、講習会で習ったとしても一回で習得できないのがこの房と巾着です。

     

    筥迫の本体は意匠が秀逸なので、実は出来が良くなくても一見してそれほど目立たない。

    しかしどんなに本体に心血を注いで作られたとしても、房と巾着が適当に作られていると(大体の人は適当に作っている)、残念なことに全体の完成度がイマイチに下がってしまいます。

     

    つまり足を引っ張りやすい部品ということですね。

     

    ということで、筥迫をたくさん作って慣れた人が何度も通うのがこの房と巾着の講座です。

     

    実のところ、巾着は筥迫の「肝」なんですよ。

     

     

     

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    【2018.04.07 Saturday 21:54】 author : Rom筥
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    こんな筥迫もある 〜はぐれ猫さん提供〜
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      先日の講習会に参加されたはぐれ猫さんが、おもしろい筥迫を見せてくださいました。

       

      こちらがその筥迫です。

      アンティークの筥迫によくある、二羽の鶴が刺繍された婚礼用筥迫です。

       

      婚礼用筥迫の図案では、鶴と松、扇と花、鶴の番い、鶴と亀、鳳凰、というのはよくあるモチーフですが、「おしどり」は見たことがありません。

       

      おしどりというのは常にくっついてはいるものの、実際はメスが他のオスに取られないように見張っているだけらしく、雛が生まれるとすぐに離れてしまうし(子育てに協力しない)、翌年になればまた別のお相手とくっつくという、一年限りの自由恋愛のようです(苦笑)。

       

      そういう意味では「鶴」の番いこそが「死が二人を別つまで」一途な愛を貫くのですね。

       

      着物の襟から出る左側に目一杯柄を詰め込んでいるのもお馴染み。

       

      日本刺繍の筥迫は、年が下がるにつれ胴締めには顔や胴体などの主要なパーツを入れないように図案を配置していくようになります。

      この筥迫も羽と扇で何とか柄合わせを表現しているようです。

       

      細い胴締めとはいえ、ここに被せと同じボリュームで刺繍を施すのはそれなりに手間も時間もかかりますので、時代の流れで職人の工賃も高くなったということでしょう。

       

       

      しかし、今回はそんな世知辛い話題がメインなのではありません。

       

      一見普通に見えるこの筥迫から何が出てくるか、まずは胴締めを外して見てみましょう。

       

      あら?

       

      あらら??

       

       

      じゃ〜ん!!

       

       

      前部分と紙入れが二つに分かれているではありませんか びっくりびっくり

       

      つまり、どちらも単体として使えるということ。

       

      通常の筥迫ってのは、前部分の三つ折り(鏡)と、後ろ部分の紙入れの二層構造になっているものなのですが、この筥迫はそれが別々に分かれています(二部式)。

       

      それでは、手前側の通常「鏡」がはめ込まれている三つ折り部分を開いてみましょう。

      実はこちら、三つ折りではなく「がま口」になっています。

       

      このがま口型、以前、徴古裳のサイトで見かけたことがあります。

      当時は「不思議なものを考えつくな〜」と思ったものです。

      後ろは折り襠なので、四つ襠仕立ての前側が小被せではなくがま口にしているという、完全に今時のお財布です。

       

      つまり「お財布」と「紙入れ」を合わせて筥迫に見立てちゃった!という型なのです。

       

      実は私もこの二部式の筥迫を持っています。

      がま口部分はなく、前は単純な折り襠の紙入れですが。

       

      何気なく入手した筥迫でしたが、家に帰ってよく見てみると、あらびっくり二つに分かれている!

      私はこれを「二部式筥迫」または「合わせ筥迫」と呼んでいます。

       

      おもしろいのでいつか作りたいとは思っていますが、さすがにがま口仕立てにすると現代的すぎるので小被せに留めるかな〜。

       

       

       

      びっくりが楽しい懐中物

       

      袋物の中でも、提げ物の「煙草入れ」は表の装飾が豪華で、展示や図録などでも見栄えがする華やかさですが、私は展示のしがいのない懐中物に惹かれます。

       

      紙入れは表のデザイン性よりも、持つ人の嗜好を仕様の中で表現している物の方が圧倒的に多い(筥迫は装飾がメインなので例外)。

       

      つまり凝った作りであるにも関わらず、紙入れは懐中という見えないところに収めるもので、煙草入れは腰に下げて人からよく見えるところに収める。

      この二つは性格が全く違うのです。

       

      ですから、中を開いて説明書きをするなどの展示をしないと紙入れの良さはわからない。つまり展示のしがいがない。

       

      ちなみに紙入れは基本「全懐中」だと思います(懐の奥深くに仕舞う)。

      筥迫は装飾性が故に「半懐中」なので、落ちやすい=落とし巾着(ストッパー)が必要なのです。

       

      元々紙入れは、その名のごとく紙を入れるために作られた単純な形状でしたが、バッグを持たない文化にあって、次第にこまごまとした携帯品(七つ道具等)を入れるようになりました。

       

      小銭入れ単体としての袋物はあったでしょうが(たぶん庶民はそういうものを使った)、経済的に余裕のある人たちは多用途で使える紙入れを愛用したのです。

       

      現代であれば既製品がふんだんにありますから、その中から自分の使い勝手に合ったものを探して、その組み合わせによって様々なオリジナリティを出すことはできます。

       

      しかしこの時代の人たちにとっては、自分の使い勝手に合った物は特注するしかありませんでした。

       

      そして限られたスペースしかない懐中に入れるものですから、入れる物はかなり吟味して限定したと思います。

       

      それでも入れたい物の種類が多ければ、それをいかに省スペースで収納するかが袋物職人の技の見せ所だったでしょう。

       

      入れる物によって内部構造は複雑さを極め、物によっては15もの口(ポケット)が付いた紙入れがあったそうです。

       

      自分にとって必要な携帯品は人それぞれ違うもの。

      それが個性となって紙入れに現れます。

       

      現KUIPOの所蔵品に、中の仕切りに「藤娘」の刺繍が入った紙入れがあります。

      なぜ表に刺繍をしないで中に装飾を入れる?と思ってしまいますが、実際にはお気に入りの役者のブロマイドを入れているような感覚なのだと思います。

       

      当時の人からすれば極当たり前の発想や実用品が、現代の私たちからはひどく奇抜で奇妙なものに見えたりします。

       

      つまり、いつもの筥迫に見慣れた目にこの合わせ筥迫はとても不思議な型に見えますが、よくよく考えてみれば、それほど奇抜な発想ではありません。

       

      一昔前の筥迫には「折り襠」が付いているものがたくさんありましたので、それならはっきり「がま口」にした方がいいという発想なのか(折り襠がついたら小銭を入れるという発想になる)、筥迫は結婚式しか使えないから、後で単体で使えるように二部式にした方がいいという発想なのか、いずれにせよごく自然な発想のように思われます(現代的には二層式の筥迫の方がずっと奇抜)。

       

       

      私は昔の袋物を数多く収集しています。

      かつての職人がどんな考え方でどんな袋物を作っていたのか知りたいというのが目的。

       

      しかしながら、こんな楽しい袋物が作られていたのは昭和初期ぐらいまでのお話。

      戦後を挟んで消費の時代に入ると色々なものががらりと変わっていきます。

       

      儀礼としの装身具に特化され、実用性のある紙入れは完全に姿を消しました。

      時代の流れの中で唯一残った筥迫は装飾性だけが意味を持ち、実用性のない装身具となったのです。

       

      それはなぜか?

       

      その人仕様で複雑に作られていたからこそ価値のあった懐中物なので、既製品でそれは賄えないということなのだと思います。

       

      洋服文化になって外国から頑丈な手提げのバッグもたくさん入ってきてしまいましたし、生活の中にあった着物がおしゃれ着になったことにより、懐中に実用性を見出せなくなったのでしょう。

       

       

      それでも、日本人の発想ってホント面白いと感心させられる袋物が多いので、これらを埋もれさせてしまうのはあまりにも残念。

       

      でも着物と密接につながっているのが懐中袋物なので、着物を愛する私たちがそれらを自身の手で作ることができたら?

       

      ですから、これらを現代の人にも楽しんでいただきたい、そして未来にもつなげていきたいという思いから、これらを一つずつ再現してマニュアル化することを私のライフワークとしたのです。

       

      そろそろ懐中袋物が復活してもいい頃ですよね、皆さん。

       

       

       

      はぐれ猫さん、今回は大変興味深い資料をありがとうございました。

       

      他にも面白い袋物をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非画像提供いただければ幸いです。

       



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      【2017.03.23 Thursday 20:22】 author : Rom筥
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      期待の佐賀錦の筥迫
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        今回は、佐賀錦の筥迫が展示される予定の作品展のご紹介です。




        今までにも色々な筥迫をご紹介してきましたが、今度は佐賀錦の筥迫もお目にかかれそうですよ、皆さん!
        制作者は、たるしるみちるの『柾女』さん
        いつもワークショップに常連でご参加いただいております。

        以前から「佐賀錦の筥迫を作るのが夢!」とおっしゃっていましたが、ついに夢を実現されたんですね。
        とは言っても、実は現時点では制作途中とのこと。
        作られているのは「春」「夏」「秋」「冬」がテーマの四点セットだそうです。
        佐賀錦の筥迫なんていいますと、私には光に反射してキラキラ光る、、、そんなイメージです。
        出来上がるのが楽しみですね!


        佐賀錦の織地(真ん中は本体と帯の色を変えたので縦長です)
        なんとか、”夏は夜”を17日までに仕上げなくては。
        マグロに変身したい!!(柾女)

        佐賀錦を織るのがどのぐらい大変か柾女さんにお話は伺っておりますが、一日に1cmしかできないときもあるそうですよ。
        筥迫を作るだけの長さを作るのも、きっとすごい労力なんでしょうね。
        しかし筥迫に仕立てるということは、それほどまでに苦労した織地にハサミをいれるということで、私もこればかりはいつまでたっても勇気がいります。
        必ずゴミとして出る部分がありますので、ああ〜これだけで何時間かかるんだろう、、、と、すごく心が痛くなります。
        出来上がってしまえばそんな思いも吹き飛ぶので、ここは勇気あるのみですよ柾女さん!

        このように、色々な方が色々な材料や装飾方法で筥迫に活かしてくださることが本当にうれしいです。
        私はあくまで古典的な日本刺繍の筥迫で表現したいと思いますが、それぞれに得意な分野を活かして筥迫に仕立てていただきたいです。
        やはり筥迫は装飾あってこそですし!

        お電話いただいたときには風邪をひかれたとのことで、体調がお悪い中で今頃必死に制作に励んでおられることでしょう。
        あと少しの辛抱です。柾女さん、がんばってください!
         

        *********************************************

        作品展は「東京」と「大阪」を回るそうです。
        お近くにお住まいの方は、是非足を運ばれてはいかがでしょうか。

        手織佐賀錦 毛利教室
        第42回愛光会作品展 ご案内
        <東京展>
        4月18日(金)〜4月21日(月)
        午前11:00〜午後5:30
        最終日は午後4:30まで
        銀座ギャラリーボヤージュ
        東京都中央区銀座5丁目4番15号
        銀座エフローレビル 5F
        TEL(03)3573-3777
        ソニービルとエルメスビルの間を100mほど進んだ左側のビルで
        通りに看板が出ています。
         
        <大阪展>
        5月13日(火)〜5月18日(日)
        午前10:00〜午後6:00
        最終日は午後5:00まで
        リーガロイヤルギャラリー
        大阪市北区中之島5−3−68
        リーガロイヤルホテル 1階
        TEL(06)6448-1121
        【2014.04.13 Sunday 20:06】 author : Rom筥
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        金唐革の筥迫 〜金唐革泥地「唐花」箱世古とでんがく型びら簪〜
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          しばし更新をサボっていてすみませんでした。
          前回、力(りき)を入れた長文書きをしてしまったので気分的に疲れていました。
          一応、週一で更新することを目標にしているのですが、記事を書くことにかなり時間をかけてしまう方なので、筥迫作るよりブログを書く方がずっと労力がかかっているような気がします。
          ほとんど筥迫話題のブログなので、当初はいつまで続くかと思っていましたが、今のところ題材に困ることはないので、まだ数年は持つかと(苦笑)。



          先日の記事でしばらく金唐革とは距離を置いて、、、と思っていたところ、先日何気に手に入れた古本にびっくり。
          偶然にも金唐革の筥迫(箱世古)が載っていました。



          う〜ん、こんなものがあったんだ、、と感心したのもつかの間、筥迫作りの性でついアラが見えてしまいます。
          よくあるびら簪の向きが逆パターンで、いつもならここに「(笑)」が付くはずなのですが、でもこの型のびら簪は片面にしか下がりの鎖が付いていないので、逆に付けたら下がりは前にこないはず、、、。
          なぜだ〜〜〜。

          ちなみに、昔の筥迫には平うち部分が四角形になった下のようなびら簪が付いていたりします。
          これを「でんがく型」と言うそうです。
          下がりが御簾のように筥迫に垂れ下がる形が筥迫好きにはたまりません。


          この形からも、一般的にびら簪は左に挿すものだということがわかりますね。
          着用時には筥迫の左側しか見えないので当たり前なのですが、このでんがく型を筥迫に差し込むと、一番上の画像のようになるはずがない。
          それなのに、さも当たり前のように間違えている。
          なぜだ〜〜〜。

          仮説1)片側だけでなく、丸形のように全面的に下がりがついていたのか?

          画像からは裏側に回った金具は(ちらりとも)見えていないので、たぶんそれはない。

          仮説2)びら簪の平うち部分を裏表逆にしたのではないか?

          一番上の画像ではちょっとわかりづらいのですが、通常はびらびら金具(一番下の小さな丸い金具)の模様は裏と表で同じなのですが、このびらびら金具は表裏が全く違う模様になっています。
          つまりすごく凝った作りのびら簪だということ。
          ここで参考にしているでんがく型は裏面に模様がないのですが、丸形のびら簪によっては裏面にも模様があるものもあります。


          ということは、この金唐革に付けられているびら簪には、裏表ともに同じような模様が付けられていたとしたら、間違ってこの向きになったとしても不思議ではないということです。
          簪挿しに付いているループ(飾り房を付けるための輪っか)も後ろ側に回っているので、たぶん簪挿しの向きを逆にしたのは間違いないかと。

          江戸時代の筥迫には「簪挿し」がなく、びら簪は天面部分に差し込むだけなので、びら簪の平打ち部分は完全に筥迫から突き出ることになります(すごく目立つ)。
          ですから、この筥迫のように筥迫面に御簾のように下がりがかかることはありません。
          簪挿しを付ける形になったのはたぶん明治期以後なので、この筥迫はその頃のものかもしれません。



          この写真が掲載されているのは、1980年7月に発行された「季刊 江戸っ子 第27号」です。

          インパクト大の表紙ですが、二つ折紙入に施された刺繍なので、実際は胸元に入る程度の大きさしかありません。

          この紙入れは、小さいながら全面相良縫いで縫い潰しされており「途方もないほどの時間と労力を費やす」と説明にあります。
          この時代の人間が惜しげもなく労力をかけて作ったモノというのは、贅沢なものをいくらでも手に入れられる現代人から見ても、あまりにも次元の違う贅沢のように思えます。



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          【2013.12.10 Tuesday 13:57】 author : Rom筥
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          参考筥迫
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            いくら筥迫が小さいとは言っても、東京の狭いマンション暮らしでは保管も大変で、実はかなりの筥迫が処分されています。
            ゴミ箱行きか保管箱行きかは、成功か失敗かの基準にあらず。
            よほどの個性がない限り、筥迫たちも生き残るのは大変なんです。
            「参考になる失敗」や「数々の試行錯誤を試みた」個性ある筥迫たちは、実は保管箱の多くを占めていて、私はこれらの筥迫を「参考筥迫」と呼んでいます。

            今回ご紹介する筥迫も、早々に失敗を自覚しながらも、意地でも仕上げたくなる、そんな個性を持った作品です。
            筥迫作りに励んでいる愛好者の皆さまには、これらの形跡をたどるのも参考になるかなと思い、ちょっと恥ずかしいのですが掲載することにいたしました。

            参考筥迫なので、トップ画像にはしません(笑)。



            柄出しの失敗

            表布はアンティーク漂う薄手の古い帯地です。
            この青緑の布を見た瞬間、一番にイメージしたのは、内布に使ったこの鮮やかな紫色との組合せです。

            しかし、試行錯誤の柄出しが裏目に出て、残念な結果となってしまいました。

            胴締めを外すと、被せの中央(胴締めで隠れるところ)に接ぎが入っています。


            自分用に使うのであればこんな裏技もありかと思いますが、接ぎをしてまでも柄出しをしたせいで、赤の配分が多くなり、青緑のイメージより勝ってしまいました。
            つまり「青緑vs紫」にするつもりが「青緑vs紫vs赤」という、かな〜りうるさい配色となってしまいました、、、。
            柄出しに成功して、色出しに失敗したという事例です。
            私の中では、ど〜〜しても納得いかない!という仕上りになってしまいました。

            飾り房の色探し

            いつもなら、この段階で早々に処分されているはずですが、今回は色が気に入っていたので、とりあえず赤には目をつぶり最後の飾り房まで作ってみることにしました。

            飾り房はこの鮮やかな紫をイメージしていましたが、残念ながら筥迫工房のショップにこの色材料はありません。

            このような場合、「房糸」は「手縫い糸」を使用します。
            今回は、オリヅル印の絹手縫糸を使いました。
            教本で解説されているのはファイン手縫糸ですが、ポリエステルの手縫い糸が一巻き100mなのに対し、絹手縫糸は一巻きが40mなので、一巻き全てを使ってちょうどの分量です。
            手縫い糸は色が豊富なので、色探しに困ることはほとんどありません。
            ※サラサラ感のない「綿糸」は不可。「ポリエステル糸」もものによってはサラサラ感がないので注意。

            問題は「打ち紐」です。
            ショップに色がない場合は、色々なメーカーの色見本帳から探して取り寄せるのですが、この色はなかなか合うものがない、、、。

            始めに使ったのは、ショップで扱っている「牡丹」です(写真ではなんとなく色が合って見えますが、実際にはアンティークに合わないような色)。
            次に使ったのが、アジアンコードの「段染め」(よけいうるさくなる)。


            この時点で行き詰まり、作業台の端に追いやられてしまいました(ゴミ箱に行かない=まだ未練がある)。

            しかしある日、新しい筥迫を作りながら「染めるのはどうよ?」という考えが頭をよぎりました。
            作っていた筥迫を作業台の端に追いやり、PCにすっとんで検索開始です。
            1mm太さの打ち紐1.2mを染めるのに、ダイロンのような染料では大げさすぎるし、、、。
            そしてたどりついたのが「布用絵の具」というものです。
            今回購入した絵の具は、アイロン仕上げのいらない「ソーソフト」です。


            筆で塗るだけのカンタン仕上げです。
            1本252円のお手頃価格もうれしい。
            しかし結びの感触はというと、ゴムを結んでいるみたい、、、
            塗る=コーティングだからでしょうかねぇ。
            もしかしたら、大げさでもダイロンなどでしっかり染めた方が良かったかもしれません。
            しかし、ダイロンを使えば房の段染めも自分でできるってこと?(いつかやってみよう!)。

            仕立て

            使い込まれた生地はとても扱いやすく、久しぶりに折り返しで作ってみることにしました。
            折り返しなら、胴締めに天然綿の二段盛りをしてもそれほど難しくありません。

            ああ、このぷっくり感が愛おしい、、、。


            綿入れの良さがでるのは、やはり柔らかい素材が一番です。
            しかし、材料セットなどに入っている「キルティング芯」では、このぷっくり感は出ません。
            これは「天然綿」を使います。
            材料セットに入れないのは、初心者にはかなり扱いが難しいからです。
            筥迫をたくさん作ってレベルアップしたら、是非、天然綿にチャレンジしてください。

            千鳥掛け用のかがり糸は、ショップの「牡丹」で納まりましたが、色がない場合は、入手しやすいところで「DMC刺繍糸8番」で代用できます。
            かがり糸で綿素材を使うと、毛羽立った感じが安っぽく見えるので、私はあまり使いたくないのですが、、、。

            緒締は、チタンメッキのヘマタイト(天然石)8mm玉です。


            以上、迷宮入りを免れ、命拾いした筥迫の奮闘記でした(笑)。
            いつもながらの長文、最後まで読んでくださった皆さま、お疲れさまでした。



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            【2012.07.05 Thursday 15:02】 author : Rom筥
            | その他の筥迫 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            筥迫の構造 Rom筥作品10-5
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              仕立て:折り返し、フラット
              材 料:木綿縮緬、色合わせ(唐紅)
              飾り房:専用房糸(太撚り)、7段几帳結び


              先日、「筥迫を作ってみたいけれども、筥迫がどのような作りになっているのかわからないので教えてください」という方がいらっしゃいました。
              なるほど、、、(汗)。
              筥迫を作りたいなどという人は、初めから筥迫をよく知っているだろうという思い込みがあったのですが、確かに、筥迫がどんなものかは知っているけれど、中は見たことがない、、という方はいるはずなんですよね。
              今までそんなことにも気がつかず、大変失礼いたしました。

              筥迫の中を開いた画像は少なく、その構造はあまり一般的でないかもしれません。
              ネットで見かける筥迫画像でも、あらら、、というようなセットの仕方をしているものを見かけたりします。
              簪挿しの左右が逆だったり(飾り房が右になっていたり)、下にくっついていたり、本体の上下が逆だったり、被せが中に入っていたり…。
              ネットで販売されている筥迫でさえそのようなことがあります。
              開けて見たはいいが、元の形がわからない、、、というところでしょう。
              開け閉めだけでそんな感じですから、筥迫を初めて作る人も、自分が今どこを作っているのか、どこが上なのか下なのか、、そんな迷宮に迷い込むのかもしれません。
              そんなあなたに、今回は筥迫分解大作戦!です(笑)。

              「分解」と言えば、組み立て上がったものをバラしていくことですが、筥迫は部品が結合していないので、「組み立てる」というよりは「組み合わせる」が正解でしょう。
              いわゆる「ユニット」という考え方です。
              筥迫はこんなに小さいものなのに、びっくりするほど部品が多いです。
              手作り派の方であれば、腕まくりして挑戦したくなるでしょう。


              胴締め(どうじめ)
              筥迫は、「本体」と「簪挿し(かんざしさし)」、それらをまとめるための「胴締め(どうじめ)」の三つのユニットから成り立っています。
              胴締めは、筥迫の本体にぐるりと巻き付けられた帯のようなものですね。
              本体と胴締めを続き柄にする刺繍は、筥迫の最も効果的な装飾方法ですが、この筥迫のように、本体と胴締めの縦柄の向きを変えて効果を出すこともあります。
              このように、筥迫の装飾は、胴締めを効果的に活用することにあります。

              筥迫工房で販売している「びら簪付き筥迫の作り方」では、この筥迫のように「折り返し」「フラット」仕立てを基本の作り方で解説していますが、応用編では、本体の被せと胴締めに「綿」を入れたり、被せと胴締めの周囲に「玉縁」というパイピングを施す方法も解説しています。




              落し巾着(おとしきんちゃく)
              胴締めの下には、胴締めをゆるめるためのビーズがストッパーとしてついています。
              このストッパーのことを「緒締め(おじめ)」と言います。
              玉であることが多く、緒締玉とも言います。
              実際には、打ち紐とビーズがぴったりと合う物を探すのは難しく、ここではビーズの下で玉結びをしていますが、1mm幅のアジアンコードなら、このビーズを合わせるとそのままでストッパーの役割を果たします。
              ちなみにこのビーズは、唐紅セット用の「ブラウン銀引き」を使っています。
              銀引きとは、口径の内側に銀(このビーズは金)が貼ってあるので、地味な色合いのビーズが、光によって一瞬キラッと光るのできれいです。

              胴締めのユニットは「落し巾着」です。
              この打ち紐の先につながれているものですね。
              「匂い袋」もしくは「落し巾着」と呼ばれています。
              筥迫は襟元に入れただけでは落ちやすいので、この巾着を帯の中に挟んで落ちないようにします。
              その意味では落し巾着ですが、中に香を入れて匂い袋となったのかもしれません。
              「匂い袋」という言葉には、ほとんどの女性が興味を引かれるようですが、実際には綿しか入っていないので、筥迫工房では実用本位で「落し巾着」の方を使っています。
              落し巾着の飾り結びは「二重叶結び」と言います。
              結びの表が口の字、裏が十の字で、合わせて「叶」という字になり、紐を一本で結ぶと「叶結び」、二重にして結ぶと「二重叶結び」となり、願い事が二重に叶うということで、主にお守り袋に使われます。
              また、落し巾着の裏にもストッパー用のビーズがついています。


              筥迫を開くときは、まず「胴締め」を右にスライドして外します。


              簪挿し
              本体の上に乗せた「簪挿し」が外れます。
              茶道で使う「楊子入れ」のような形のものです。
              簪挿しのユニットは、「びら簪」と「飾り房」です。
              筥迫が華やかななのは、この二つのお飾りの役割が大きいですね。

              びら簪(びらかんざし)
              筥迫で使う「びら簪」は、正式には「筥迫びら簪」と言い、筥迫専用に作られたものです。
              この筥迫にびら簪は付けていませんが、これはショップの方で販売しています。
              子ども用はいくつかありますが、今のところ大人用は1種類しかありません。
              残念ながらこればかりは作れないので、、、と言いたいところですが、私はびら簪さえも作ります。
              これはこれでまた楽しい世界です。
              いつか別の機会にご紹介いたします。

              飾り房
              飾り結びは、1mm幅の細い打ち紐を使って結びます。
              マニュアルでは、筥迫の基本の結びを「几帳」「菊」「几帳」の3連とご紹介しています。
              しかしお気づきの方も多いかと思いますが、正式にはアジアンノットの「几帳」「吉祥」「几帳」なんですね。
              本来の筥迫の飾り結びは、日本風の花結びと呼ばれているもので、「総角(あげまき)」「菊」「総角」になります。
              どちらもとてもよく似ているのですが、よく見るとちょっと違います。
              菊と吉祥の出来上がりはほとんど同じですが、几帳は紐を一本またいで羽が出るのでふっくらと広がるのに対し、総角は一つの穴から二本の羽が出ているので、羽がつぶれたような(スリムな)感じです。
              何でこんなことになったかと言いますと、実はマニュアルを作った頃はその違いがよくわからなかっただけです(汗)。
              今でも慣れているのでついついアジアンノットで結んでしまいます。
              ごめんなさい、いつか訂正します。

              次に飾り結びの「房」ですが、筥迫では木頭にかがり編を被せた撚り房を使うのが一般的です。
              これを手作りするのはさすがに無理なので、初めは特注で作ろうかと思いましたが、そうなると色数が限られます。
              手作りの良さは、材料の制限を受けずに好みの色で作ることができることにあります。
              それならば自分で房も作れるようにしよう!ということで、このマニュアルでは房さえも手作りします。
              この筥迫で使っている房は、マニュアルで解説しているものとはちょっと作り方が違いますが、これもいつか解説を載せましょう。

              とにかく、これでもか!というぐらいの装飾ですね。
              現代のストラップに通じるものがあります。


              それでは、筥迫本体を開いてみましょう。

              まずは一番上の部分を開きます。これを「被せ(かぶせ)」と言います。いわゆるフタですね。
              お祝い事で筥迫を差し上げる時に、私はこの被せ裏に差し上げる方の名前を刺繍してプレゼントすることがあります。
              こういうことが自由にできるのが自作筥迫のいいところです。
              ちなみに、この筥迫はフラット仕立てなのですが、被せ裏を長めに取って被せの表から見えるようにして、玉縁効果を出しています。
              玉縁が難しくて出来ない人も、これならカンタンにできます。


              胴裏(どううら)
              更に被せ下を開くと、こんな三つ折れ状態になっていることがわかります。


              どきっとするような鮮やかな赤は、筥迫の象徴的な色です。
              「赤」はいわゆる魔除けの色とされています。
              「鏡」も魔除けとして知られています。
              「箱(Box)」という言葉には、女性的な意味あいがありますね。
              このような一つ一つのキーワードが、筥迫に秘密の小箱というような神秘的なイメージをもたらしているような気がします。

              三つ折れ中央には鏡が埋め込まれています。被せ下には段口(ポケット)があります。
              段口の中のハギレは、被せに丸い厚みをつけるためのものです。
              市販のものには、紙で作った薄い詰め物が入れてあります。
              なぜこの筥迫独特の丸みを付けるのだろうと考えることがあります。
              筥迫の「筥」という字は、元々は米を入れる5升入りの丸い竹製のハコのことで、丸みのあるハコを表すときに使われるようです。
              だからこの丸みが必要なのか、、と思ったりもしますが、江戸時代の筥迫にはこの丸みがありません。
              そのかわり、被せのR型がもっと湾曲しているものが多いので、その丸みなのか、、と思ってみたり。
              まぁなんでもいいのですが、このちょっとした丸みを付けることは、写真ではわかりずらいかもしれませんが、筥迫を立体的に見せるためにとても効果的です。

              ところで、この三つ折れの形、何かに似ている気がしませんか?
              私には「封筒」を開いた形に見えます。
              手紙を出すことを「投函」と言います。
              投函の「函」の字もハコという意味です。
              箱の定義は「物を入れるフタのある入れ物」ですが、例えば「文函(ふばこ)」とは封筒のことで、こんなに薄くても、手紙を入れるのはハコなのです。
              筥迫には「函迫子」という書き方もあります。とにかく薄っぺたい箱ということが言いたいのでしょう。
              面白いですよね。

              三つ折れをひっくり返すと、こんな形になっています。


              紙入れ(かみいれ)
              筥迫工房では箱芯を使っていますが、実際にはここに懐紙を入れます。
              とは言っても、懐紙をそのままのサイズで入れることはできませんので、入れるなら箱芯のサイズに懐紙を切って入れてください。
              筥迫の前身は「紙挟み(紙入れ)」です。筥迫に似ていますが、紙だけを入れるシンプルな作りです。
              この紙挟みに、鏡を合体させ、物を入れるところを作ったり、びら簪までつけて、胴締めごとまとめて装飾するまでに進化した形が筥迫なのです。

              側面の編み込みは「千鳥掛け」(千鳥かがり)と言います。
              甚平の身ごろや袖付けのときに使う飾り編みですね。
              筥迫では「つがり糸」というものを使いますが、打ち紐をもっと細くしたようなものです。
              アジアンコードの一番細いコードでも代用できます。
              ただ、筥迫の千鳥掛けは厚紙と布地ごと針を通すので、つがり糸を使うとかなり力がいります。
              また打ち紐と違って、つがり糸は高価…。
              そんなことから、筥迫工房では太いより糸を使っています。
              この方が扱いやすいし、何より細かい千鳥掛けができるので、つがりでがっつり編み込むのとは違う繊細な美しさがあります。

              この内布はただの「赤」に見えるかもしれませんが、実際にはくすんだ赤(エンジに近い)です。
              前回の金襴筥迫で使った赤ともちょっと違います。
              筥迫を作り始めると、内布に微妙な違いの「赤」色をたくさん揃えるはめになります。
              材料セットに入れている「紅色」は基本の真っ赤ですが、この赤を使うのは、婚礼用の白布に合わせるときか、子ども用筥迫を使うときぐらいかもしれません。
              実際に、大人用の筥迫だと、このぐらいの微妙にくすんだ赤を使うことが多く、色合わせセットで言うならば「唐紅」色(エンジ系)を使うことが多いような気がします。

              筥迫工房で販売している「色合わせ」セットは、この千鳥掛け用の「かがり糸」、飾り房用の「打ち紐」「房糸」、落し巾着用のストッパーに使う「ビーズ」の色を同色で合わせたものです。
              もちろんこれを全て違う色で作るなんてこともできます(笑)。
              その場合は、単品でご注文ください。

              でも、これで筥迫の構造はよくわかりましたね?
              「びら簪付筥迫の作り方」では、これら全ての部品の作り方が解説されています。
              それでは筥迫の「初めの一個!」作ってみましょうか。

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              ▼筥迫が作りたい方はこちらへどうぞ

              筥迫工房のネットショップ 材料販売
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              【2010.11.28 Sunday 18:52】 author : Rom筥
              | その他の筥迫 | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |
              金襴筥迫 Rom筥作品10-4
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                金襴筥迫です。

                玉縁、フラット仕立てです。
                写真ではかなり赤が強く出ていますが、内布、玉縁は「レンガ色」ぐらいの落ち着いた赤色です。





                厚地の場合は、外箱、簪挿し、巾着にも玉縁を施しています。



                他の方から「できました〜」の画像をもらうと、うれしくてホイホイと更新するのですが、こと自分のものとなると、写真を撮るのが面倒でいつもUPが遅くなってしまいます(苦)。
                【2010.11.04 Thursday 16:21】 author : Rom筥
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                村井さんの作品(2)
                0


                  村井さんの筥迫第二弾の画像が届いたのでご紹介させていただきます。
                  (cマークはご自身で入れられているのでそのままです)
                  今回は「綿入れ」に挑戦されたそうです。
                  綿が入ると、ホンワカかわいい感じになって、つい頬ずりしたくなりますよね。
                  ↓ご自身のブログでも紹介されています。 
                  ファッション的着物のすすめ

                  さすが簪販売されているだけあって、びら簪の加工はお手の物ですね。
                  びら簪に凝り出すと、つい行き過ぎてしまうことがあるのですが(←自分のこと)、村井さんの筥迫はシンプルな浴衣地なので、アクセントの赤(赤珊瑚とのこと)が映えてとってもステキです。

                  内ポケット(段口)の表裏が逆になるという失敗があったそうですが、ここは前回の作り方のときも指摘されたところで、私自身ちょっと責任を感じてしまいます。
                  う〜ん、説明の仕方が難しい…。
                  ポイントは、チャコで線を引いた側(面)を上にして折り返していくというところでしょうか。
                  でも、内布の貼り込みはうまくできたそうで、確かにここがビシッときれいに貼り込まれていると、なんとなく腕が上達したような気分になります。
                  村井さん、立派に筥迫作りにはまりましたね〜。うれしいです。
                  どんどん、自分なりのオリジナル筥迫をこの世に生み出してください。

                  前回のものは1日で制作したのかと思いびっくりしてしまいましたが、やはり3日かかったそうです。
                  飾り結びに難儀されたそうですが、私も初めは泣く思いでしたよ(笑)。
                  当時は「花結び」や「飾り結び」なんて言葉もしらなかったぐらいなので、アンティークの筥迫を毎日見つめながら、これが一体何というものなのかネットで探して、図書館で探して、やっと花結びや飾り結びというものだとわかったときは本当にうれしかったです。
                  (ホントそんなレベルでしたよ…トホホ)

                  次に困ったのが、結びごとの連結です。
                  花結びなどはある程度太い組紐を使うので、手を使って結んで行きますが、筥迫の結びはやたらと細い1mmの紐で、これを手で結んで行くのは実に難儀です。
                  そして次に探し当てたのが「アジアンノット」という言葉でした。
                  (またしてもそんなレベルでした…トホホ)
                  ここまで来れば後は簡単でしたね。
                  私はそんなところから始めたので、皆さんはまだマニュアルにまとめて書いてあるのを見て作れるだけラクなのだと思ってがんばってください。

                  とは言っても、初めての人は筥迫の本体で四苦八苦したあげく、やっと付属品にたどり着いたと思った途端にこの飾り結びが出て来ると、ほんと泣きたくなるでしょうね(笑)。
                  筥迫の飾り結びは几帳結びと菊結びという基本的な結びだけなので、アジアンノットを一度はやったことのある人ならどうということはないんですけどね。
                  だからすぐに慣れます。大丈夫です。

                  ちなみに、大正時代の嚢物の作り方にのっている筥迫の作り方には、飾り結びの作り方は書いていません。
                  筥迫の作り方だけをほぼ文字だけで解説し(それも旧漢字だらけ…)、それだけで10ページ近く使っています。
                  テキストだけで飾り結びはできませんものね〜。

                  飾り結びに慣れて来ると、たぶんもっと複雑な結びをしたくなります。
                  飾り結びはいわゆる「元祖ストラップ」ですから、根付けといい、日本人にはたまらない細工系装飾です。
                  びら簪を付けない筥迫なら、飾り結びに思いっきり凝ってもいいと思います。

                  いつかギャル系の筥迫作りが現れて、くまちゃんやリボンを吊るした簪挿しに、キラキラデコ系の筥迫を作ってくれるのではないかと、そんな面白い筥迫画像がいつの日か送られてくれることを密かに期待していたりもします。
                  きっとスタジオアリスから、ベッキーの着物に使いたいとオファーが来ますよ(笑)。
                  ああ、もうどんどん空想が広がって行く…。

                  もちろん私としては、何よりも正統派日本刺繍筥迫の画像送ってほしいと切実に思っています。
                  (私はまだまだ日本刺繍は初心者なので、皆さんの前に出す腕前にはなっていないし)
                  筥迫はね、作るのも楽しいですけど、人が作った筥迫の画像を見ているだけで幸せになれるのです。
                  私が「筥迫の作り方」なんてものを販売しようと思ったきっかけの一つは、すでにあるアンティークの筥迫画像は見つくしているし(鶴と亀はもうあきた…)、筥迫コレクターになるほどの財力もなし…でももっともっときれいな筥迫を見たい!という思いがあったからなのです。
                  自分も作るけれども、他の人でも作る人がたくさん現れれば、もっともっと色々な筥迫が見ることができます。
                  そんな一石二鳥な動機で、もっともっと幸せな思いが味わえると思ったからです。

                  皆さん、どんどん装飾筥迫にはまってくださいね。
                  そしてそれを多くの人に見せてください。
                  あなたの筥迫を見て、幸せな気分になれる人がたくさんいるのだと思って。
                  【2010.08.15 Sunday 09:44】 author : Rom筥
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                  村井さんの作品
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                    改訂版をご購入してくださった方の中で、一番乗りで画像が届いた村井さんの作品をご紹介いたします。
                    浴衣地の筥迫だそうです。

                    村井さんがご承諾くださったので、現在、筥迫を制作中の方や、これから筥迫を作ろうという方に、ご参考までに村井さんと私のメールのやり取りをご紹介させていただきます。

                    村井さん(赤)
                    Rom筥(青)
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                    昨日届き、ファイルを見ましたが、ちんぷんかんぷんでした。
                    5回くらい読めば理解できるかも知れませんが、とりあえず、説明の一通り試してみます


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                    前回購入者さまが、それほど質問という質問もせず、筥迫を作っていらしたので、作り方さえあれば意外と簡単に作れるものなのかな…と思っていました。
                    そんなわけで、調子にのって今回はサービス精神たっぷりに細か〜く書いたつもりですが、かなり難しい内容になってしまったかもしれません。
                    初めはワケがわからなくても、書いてある通り作ってみて、慣れてきたら写真だけ見て作った方がわかり易いかもしれません。

                    以前、画像をアップしてくださったreinaさんはフルタイムの仕事をされているWMですが、毎日仕事と家事を終わらせてから、コツコツ作って一週間かかったとおっしゃっていましたよ。


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                    昨日2時までかかって、朝、写真を撮りましたので、画像を添付させていただきます。

                    意外と簡単?とんでもないです。
                    途中でやめる訳にもいかず、まるで難解なパズルのようでした。
                    他のことが手につかず、根をつめました。
                    形にはなりましたが、正しいのかどうかも判りません。
                    とても大変なことだ、という事は理解出来ました。
                    しかし、こんな風に形になると嬉しくて、また作りたくなります。

                    今、冷静になってみると、次に気をつけたいのは「糊付け」です。
                    糊の濃度が難しかったです。
                    薄すぎて、何度も剥がれ、濃すぎて伸びなかったり・・・
                    手もアイロンも大変なことになってます。
                    特に飾り結びは、誰かに結んでほしい位、すごい時間がかかって結んだので、2度と結べない気がして、そのままGOしました。

                    大きな失敗は、蓋の曲がる所です。脇の左右が同じ幅にならず、
                    片方は成功?で、もう一方が浮いてる感じです。糊を使わない所です。
                    切り込みのほつれ(猫ひげ)も出ています。
                    (回数をこなすしかないかと思いますが…)

                    【アドバイスをお願い致します】

                    ①糊の濃度:説明難しいですけれど・・・どんな具合でしょうか?
                     アイロンを当てると、剥がれてしまって、追加糊してました。
                     途中で乾いてしまうのだと思いますが、小分けにつけた方がいいでしょうか?

                    ②新聞紙は、ずっと入ったままですか?

                    次は、きらびやかにするか、渋くいくか、欲が出てきます。
                    筥迫は、袋物の中でも、別格に綺麗ですもの・・・。
                    ありがとうございました。

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                    初めはね、何がなんだかわからない模型を作っているようなものですよね(笑)。
                    沢山作って慣れてきたら、記号は入れない方がわかりやすかもしれません。
                    私が入れるのは、胴締めの「前」印だけです。
                    でも、マニュアルを見ないで作れるようになるにはかなりの数を作る必要があります。
                    こういう難解さが楽しめれば、筥迫作りにはむいています。
                    もちろん、慣れれば難解でもなんでもないんですけどね。

                    それにしても、一日で作り上げたのですか?
                    すごいですね〜。
                    お疲れさまでした!

                    大丈夫ですよ。きれいな形になっています。
                    大変なのは初めのうちだけです。
                    細かい手作業の良さが「癒し」に感じるようになるとうれしいのですが。

                    糊の加減は難しいです。
                    鞄職人の大元は嚢物職人ということで、以前、趣味で革細工を作る人たちのサイトを覗いたこともありましたが、糊の付け方に難儀している様子などが書かれていました。(皮細工はゴム糊など、もっと色々な糊を使うようですが)
                    「職人はヘラでスーッと塗って一発で決める!さすが!」というようなことが書いてありました。

                    薄糊がアイロンをあてて剥がれてしまうのは、水が多すぎます。
                    水が多いのはシミの原因になるので注意です。
                    水加減は、何グラムに何ccと書くより、とにかくご自分で試行錯誤して慣れてください。
                    でも薄糊は貼っておいた方が後の作業がラクという程度なので、所々ついているぐらいでも大丈夫です。
                    仕上げ的にはできれば薄糊も使いたくないぐらいですが、薄糊で留めないできれいに仕上げるのは職人レベルにならないと難しいです。

                    途中で乾いてしまうのは、ひとえに手が遅いからだと思います。
                    マニュアルをじっくり見ながら作っていれば、その間にたぶん乾いてしまうでしょうね(笑)。
                    一番いいのは、薄く塗って剥がれない。
                    これには手際が必要です。
                    手際よく作るようになるのは慣れです。慣れしかありません。
                    一つ作るたびに、少しずつ上達します。

                    私が筥迫を作るときは、マニュアルの順序では作りません。
                    マニュアルは初めての人にわかり易い手順で書いているので、たくさん作って慣れて行けば、自然に自分なりの手順になっていきます。

                    型箱は、中に詰め物をしていないと崩れるので、新聞紙は入れたままです。
                    もちろん型箱を懐紙に入れ替えてもいいですよ。
                    新聞紙の代わりにお守りや手紙や、まぁ何でも詰めてください(笑)。

                    被せの曲がり部分の処理が実は一番難しいのです。
                    ここで筥迫の出来が決まると言っていいでしょう。
                    私も未だに失敗します。
                    でもここが決まるようになると、腕が上達した気分になります。
                    アドバイスにもなりませんが、ここも慣れしかないです。
                    補助棒をうまく使いこなしてください。

                    それから、飾り結びも慣れればどーということもありません。
                    5〜6個もつくれば慣れます。
                    大丈夫です。

                    画像もありがとうございました。
                    筥迫工房のブログで使う筥迫画像には(C)マーク(著作権表示)を加工して入れさせていただきますね。
                    私もそうですが、よくネットで気に入った画像があるとすぐに自分のPCにコピーしてしまいます(汗)。
                    自分のPCで持って見て楽しんでいるだけならそれほど問題はないでしょうが、これを他のサイトで使ったり、印刷に使われたりすることも実際にはよくあると思います。
                    私はデザイン系の仕事をしていますが、お客さんの中には、ネットから持って来た画像を「この写真を使って印刷物作って」などと言って渡されることがたまにあります。
                    とりあえず注意を促しますが、わからないで使ってしまっていることも多いと思います。
                    大きな会社のサイトでは、画像をコピーできないよう作っているところもありますが、スクリーンキャプチャを取ることだってできますから、インターネットという性質上、画像をアップする側で注意できることはしておいた方がいいと思うからです。


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                    村井さんは簪を販売していらっしゃいます。
                    【ファッション的着物のすすめ】
                    いつか、オリジナルの筥迫びら簪を制作販売していただきたいですね〜。

                    【2010.08.13 Friday 12:31】 author : Rom筥
                    | その他の筥迫 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |