『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
日本刺繍の筥迫 〜ままねこさんの作品〜
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    先日の講習会に参加されたままねこさん(静岡在住)が日本刺繍の筥迫をご持参くださいました。

    あまりにも素晴らしい作品だったので、是非皆様に見ていただきたく、今回はこれらの作品をご紹介致します。

     

    バタバタな講習会の合間に撮影したものなので、ライティングもなしでわかりずらいかもしれませんがご容赦ください。

     

     

    まずはままねこさんのご紹介ですが、お住いは静岡県で、筥迫工房の講習会には2016年から通っていらっしゃいます。

     

    日本刺繍を始めてまだ4年だそうで、それでここまで細かい刺繍ができるようになるというのも素晴らしい。

     

    ネットの「日本刺繍」で検索して、そこに出て来たのが今の刺繍の先生と筥迫工房とのこと。

     

    始めは教本を買ったものの、「中身を見て あまりの細かさに気が遠くなり、これは講習会に参加しないと無理」と思い講習会に参加するようになったそうです。

     

    筥迫作るだけなら教本だけでも十分できるのですが、緻密な刺繍の筥迫を作ろうと思ったら、やはり講習会でそれなりの作り方を勉強しないと難しいかもしれません。

     

    最初の携帯裁縫用具入れで、無理だと思ったら筥迫作りも諦めようと思ったのですが、すっかり嚢物と貼り込みの世界にハマってしまいました」(その頃はレベル分けがなかった)

     

    ままねこさんの刺繍の先生(男性)は、残念ながら筥迫にはあまり興味がなさそうです。

    その先生に何とか刺繍の筥迫を認めてもらいたい!そんなままねこさんの筥迫奮闘記です。

    (以下、青字ままねこさんご自身のコメントです)

     

     

     

    菊の筥迫(トップ画像)

     

    昨年の9月に新しくなった「縢襠付筥迫」の講習会に参加させていただき、刺繍裂での仕立てについてヒントをたくさん貰いました。


    帰ってからプリント生地でも復習していたのですが、刺繍筥迫への想いがつのり、あり合わせの留袖地に余りの刺繍糸で思いつくままデザインして、今出来る技法で刺繍し 初めて玉縁を入れて仕立てたものです。


    来年の娘の成人式には刺繍筥迫を!の思いで刺繍をがんばってきましたが、刺繍の先生が「筥迫」にあまり理解がなかったので、それなら まずは実物を見てもらうのが一番いいのではと、出来上がった筥迫を刺繍の先生のところに送ったところ、とても驚かれました。


    しばらくは 娘の成人式用の筥迫作りに専念する旨を伝え、めでたく認めていただきました!

     

    幻想的な美しい菊模様の縢襠付筥迫です。

    日本刺繍には組紐ぬいというものがあるのですが、ままねこさんはこの菊の花びらを「四つ組ぬい」で表現されました(すごい細かさ!)。

    菊の陰部分は「菅ぬい」です。いやはや、、、。

     

     

    花角鹿

    花喰い鳥

    いよいよ成人式用の筥迫を意識してのデザインです。

     

    正倉院宝物の模様の中から、吉祥文様を私なりの解釈で二点、「花角鹿」と「花喰い鳥」。


    ちょうど クリスマスシーズンだったので、鹿がトナカイっぽくなって駆けております。


    「花喰い鳥」は「松喰い鶴」の元になった意匠。
    成人式用なので、「鶴」は遠慮して 結婚式までとっておきます。

     

     

    夜桜

    鹿と鳥の刺繍が終わりを迎えるころ、季節柄、そうだ!桜だ!と思い立ち出来たのが なぜか 夜桜 という成人式用にしては艶やかな筥迫です。


    私は、桜はソメイヨシノよりも 赤い葉と一緒に咲く山桜にいとおしさを感じます。


    月に照らされて咲き始めた山桜、花は二輪、これから咲く蕾がたくさん。
    月もあと少しで満ちる上弦の月です。
    人生のピークはまだこれから、たくさんの花を咲かせてほしいとの願いを込めて。

    で、母はこんなにも思いを込めて筥迫を作ったのに、
    娘からは

    私の着物の柄は椿だから」

    という理由で すべて却下されてしまいました、、、!


    それならと、先日 なんとか椿のデザイン、半襟用も一緒に完成しましたよーー!


    今回は娘にも了解を取り付けて(最初からそうすべきでした)、近々制作に取り掛かります。

     

     

    以上です。
    そして 椿のデザインが終わったので、昨日から次は「三段口」と決めて デザインに取り掛かっています。
    刺繍の先生には了解を得たので しばらく筥迫作りに没頭できそうです。

    また運良く講習会に参加することが出来たら いろいろ持って行きます!

     

     

     

    やっと先生の理解と了承を得るに至り、現在のままねこさんの心境は「感無量!」だそうです(笑)。

     

    私自身は日本刺繍は貼り込みの仕立てを理解するために始めたので、どうしても仕立て寄りになってしまい、なかなか刺繍に打ち込めない。

    周りの人たちからは、そろそろ刺繍はあきらめたら?と言われる始末。

     

    自分はなかなか日本刺繍の筥迫作品が作れなくとも、代わりにままねこさんのように装飾筥迫の作品を作る方が徐々に増えて来たことは夢のようです。

    (いつか筥迫作家さんが出てくるのが自分の夢!と昔語っていたような)

     

    小さなところから始めた現代の筥迫という文化が、周りの人の力を借りながら、細く長く、そして広く、続いて行ってくれることを願ってやみません。

     

     

     

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    【2018.05.29 Tuesday 23:21】 author : Rom筥
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    どっちが上? 二ツ折小被付筥迫
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      以前、講習会受講のためにいらしたK.Wさん(富山在住)が、東京の某ショップで購入したというアンティークの筥迫を持ってきてくださいました。

       

      ちょっと謎の多い筥迫なので、いつかブログに使わせていただきたいと画像を残しておいたので、今回はこちらをご紹介させていただきます。

       

      型としては「二ツ折小被付筥迫」に可愛い日本刺繍が施されたものです。

      何が不思議かわかりますか?

       

      筥迫は「紙入れ」が進化したものです。
      二つ折りは紙挟みタイプの紙入れなので、被せというものがなく、いわゆる「胴」の前面、背面という区別です。

       

      その胴の花の向きが天地逆?

      更に胴締めを付けると、柄が合わない??

       

      つまり、このような向きで懐中に差し込むのでしょう。

       

      でも紙挟みは「挟む」ものなので、普通に考えて口が上だと思うのですが、、、。

       

      二つ折の場合は、簪は簪挿しごと横から差し込みます(本体に差し込み口がある)。

       

      開くとこんな感じなので、手前の小被せが下向きになるとも考えられない。

       

       

      アンティークの筥迫の中には、被せ本体と胴締めの柄を合わせると、胴締めの天地が逆転してしまうものがあります。

      つまり柄を合わせると、胴締めの巾着を付けた側が上になってしまうということですね(巾着が上からぶら下がる感じ?)。

       

      どうしてこんな間違った筥迫が出回ってしまったのか長年不思議に思っていましたが、ある時、わざとこのように作っていた時代があったということを知りました。

      古い筥迫の中にはけっこう多くあるらしいですよ。

       

      筥迫は被せのついた前部分、紙入れの後ろ部分で二層になっているのが特徴で、江戸時代の筥迫は紙入れ部分に縢り(千鳥掛け)はなく、ただ紙を挟みむだけのものでした。

      そのままだと簡単に開いてしまうので、それらをまとめるための胴締めは留め具のような役割です。

       

      江戸時代の筥迫は現代のものより数倍大きなものでしたが、豪華な装飾を見せるために半壊中していたのは今も昔も同じ。

       

      筥迫は中に色々なものを収めることができるシステマチックな装身具でしたが、中身の詰まった筥迫を不安定な半壊中にするために、必要に迫られて落とし(巾着)がついたことは想像に難くありません。

       

      当時の筥迫の成り立ちを、以下奥女中の心境を現代語に訳しつつ妄想してみました。

       

      A:私らのハイソな七つ道具が全部入る紙入れってないよね〜

        紙入れ師に特注で作ってもらう?

      B:なんかあんた好き勝手なこと言ったんでしょ?

        これじゃ紙入れっていうより箱だし〜(笑)

      A:笑っちゃうよね〜大きすぎて襟から出ちゃうし〜(笑)

      B:ここまで見えんなら、もっと派手にデコっちゃいなよ〜

      A:でもさすがに重くね?これじゃすぐ落っこっちゃうよ?

      B:ここにある巾着ストラップにしてさ、

        帯の中で突っ込んどけば動かないんじゃね?

      A:ちょ〜頭いい!面白い形になってうける〜♡

       

      おばさん無理して妄想したので、色々な時代のギャル語がミックスしてしまいました(苦笑)。

       

      時代が下がって筥迫がどんどん小さくなり、落としの意味も薄れた頃、下から巾着を覗かせるのは無理があるので(すでに落としの意味も忘れられてた?)、それだったら胴締めの天地を変えたら巾着がもっとよく見えるんじゃない?とかそんなノリだったのかもしれません。

       

      それを考えると、この筥迫も「この向きが絶対にかわいい」と決めて作ったのかもしれませんね。

       

      西洋文化が怒涛のごとく押し寄せた明治維新は、10年あまりの短期間でそれまでの日本固有の価値観がことごとく入れ替わった激動の時代でした。

      この明治維新が上手くいったのも(すごく安易な言い方ですが)、日本人の特徴である「新しいものへの強い好奇心」が根底にあったからではないかと私は思っています。

       

      このように、あらゆる価値観を柔軟に取り込んでいたこの明治という時代は、嚢物一つをとっても色々な形状が生み出されました。

       

      ですからこの頃の人は、胴締めの天地を逆にしちゃえとか、開きを下に向けちゃえとか、柔軟に色々なことを考えてたいかもしれないなと思います。

       

      現在にその型が生きていないということは自然淘汰されたからに他ならないのですが、一つの型に統一されてしまった現代では、ちょっとつまらなさを感じてしまうのは私だけではないはずです。

       

      この二ツ折はけっこう素敵な型なので、ぜひ皆さんには講習会で作って伝統を繋げていただきたいと思います。

       

       

      これだけは間違えないでほしい

       

      ちなみに、筥迫の本来の定義は「狭い箱」です。

       

      現代の筥迫の三つ折りの鏡の部分が箱状で、その上から被せが掛かり、現代の筥迫の縢り(千鳥掛け)部分は紙を挟むだけの形状をしていました(つまり縢りはない)。

       

      現代の筥迫は三つ折り部分に申し訳程度に段口があるのみで、袋物としては体をなしていないような形状です。

      このような形状を「あがき」と言います。

       

      ここに「折り襠」と、鏡が「差し込み」になっている型がより本式の筥迫ということになるので、いつか講習会でもこの型を組み込みたいと思っています(仕立てが複雑なので最上級レベル)。

       

      現代の筥迫は、角ばった底部分と、簪挿しの角で全体を箱に見立てているようなものです。

       

      それを考えると、この二つ折は底が角でもなければ、上も角が出るような形状ではありません。

      江戸後期の二つ折の紙入れを簡略化した型に胴締めをつけているだけなので箱ですらない。

       

      以前は「巾着を帯に落とすのは本式か否か?!」なんて議論がありましたが、私としては、筥迫を落としてもいいなら好きなだけ巾着を出せばいい(かわいいは正義)、もっと見せたいなら胴締めの天地を逆転すればいい(ポリシーを貫け)、時代の流れで色々な筥迫が出てきてもいい(評価されなければ自然淘汰)、面白い筥迫をもっと見たいとさえ思う。

       

      だけどこれだけは絶対に主張したい。

       

      胴締めのない筥迫はただの「紙入れ」

      です。

       

      筥迫は紙入れが進化したものです。

      「筥迫は紙入れ」ですが、「紙入れ=筥迫」なワケではない。
       

      私はテレビのドラマはあまり見ない方なのですが、たぶんテレビや映画であの時代の筥迫を忠実に再現して使われることはないと思います。

       

      小道具さんが自作したと思われる簡単な紙挟み(になっているかどうかも甚だ疑問)がほとんどで、アンティークな筥迫が時々使われるぐらいのもの。

       

      あれを見て「打掛を着る時は筥迫の胴締めを外す」と思い込んでいる婚礼業界の人がいることに唖然とすることがあります。

       

      時代の流れの中で、筥迫が本来の箱でなくなっても、胴締めの天地が逆転しても、二つ折りになっても、びら簪が付いていなくても、誰もが筥迫として認識できる形状が「胴締め」の存在です。

       

      最低限「胴締め」がなきゃ筥迫って言わんだろ、と声を大にして言いたいrom筥です。

       

       

       

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      【2018.03.13 Tuesday 11:13】 author : Rom筥
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      田中京子の日本刺繍 Jananese Embroidery
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        今回は日本刺繍「京乃都」の田中京子さんの個展のご紹介をさせていただきます。

         

         

        Japanese Embridery by Kyoko Tanaka

        田中京子の日本刺繍

         

        2017年9月4日(月)〜9月9日(土)

        12:00〜19:00(最終日は17:00まで)

        アートギャラリー石

        東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル206号

        tel : 03-3561-6565 / 080-5506-6565

         



        田中さんは日本刺繍の作家及び講師として精力的に活動をしていらっしゃいます。

         

        毎年銀座の『アートギャラリー石』で個展をされていますが、今年は刺繍筥迫の登場となりました(2点)。

        その他、半襟と帯留めとブラウスを出展予定だそうです。

         

        お仕立ては筥迫工房にご依頼いただきました。

        型は三段口扇襠筥迫です。

         

        装飾を目的とする縢襠付筥迫は、主に被せと胴締めの柄合わせで全面にこってりと刺繍を施しますが、実用の三段口扇襠筥迫は「中を開く」ことが目的のため、被せ下や背面にも図案を凝ることができます。

        まるで絵本を開いていくかのような楽しさ!

         

        このブログで詳細をお見せすることはできませんが、ご興味のある方は是非田中さんの個展まで足をお運びください。

         

        会場は銀座の『アートギャラリー石』です。

        レトロな雰囲気のすてきな建物に、小さなギャラリーがたくさん入っています。

         

         

        田中さんのお教室「日本刺繍 京乃都」には「筥迫部」もあります。

         

        最近は筥迫部の生徒さんが筥迫講習会を受講されることも増えてきました。

        いつの日か自分の手で日本刺繍の素敵な筥迫を作ることを目指してがんばっています。

         

        秋から紙挟みのワンポイント刺繍講座なども予定されているそうなので、ご興味のある方はお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

         

        関西地方の「いち桃」さんにも筥迫部があります。

        日本全国の刺繍教室に筥迫部が開設されるようになるとうれしいですね。

         

        筥迫部導入を検討されている日本刺繍のお教室には、筥迫工房としても是非協力させていただきたと思っています。

         

        少しずつ本来の装飾筥迫を作る人たちが増え、この現代にもまた美しい筥迫を生み出すことができるようになったことを誇りに感じ、純粋に喜びを感じているrom筥です。

         

          

        ▼筥迫工房のお店


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        【2017.08.27 Sunday 07:59】 author : Rom筥
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        日本刺繍の紙入れ Allieさんの作品
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          今回はAllieさんから依頼された刺繍裂で仕立てた四ツ襠紙入をご紹介させていただきます。

          Allieさんは以前もガルーダの紙入れでご紹介させていただきました。

           

          そのときの紙入れはとても気に入って使ってくださっているようで、今回も四ツ襠紙入れをご依頼いただきました。

          こちらはAllieさんの義姉さんへのプレゼントということで、義姉さんの好きそうなオーソドックスなデザインで、義姉さんの訪問着の色に合わせて色合を決めたそうです。

           

          内布はお任せでしたが、かなり悩みました。

           

          紙入れともなると内布に柄物を使うことが多いのですが、このようにかわいいピンク地に合わせるとなると、あまり主張が強い物だと表の「オーソドックスなデザイン」を台無しにしてしまいます。

           

          無難に無地(緑系か紫系か)でまとめれば外すことはないけれど、あまりにも主張がなさすぎてもつまらない、、、。

           

          Allieさんのご指定により、あえて小はぜと掛けはつけていません。

           

          ということで、かわいすぎない程度にかわいいこんな内布を選択をしてみました。

          被せを開いた時にほっこりする気持ちは多少なりとも狙いたいので、あえてギリギリの選択(懐中袋物だもの)。

           

          紙入れは筥迫と比べると外観に特徴がなさすぎるので、通常は襠にこの内布を使って差し色にすることをオススメしています。

           

          しかしながらAllieさんの義姉さん=大きな子供がいるぐらいの年齢の方?と考えると、更には好みもわからない方にかわいい鹿の子柄なんて使えない。

          そのような場合は、襠は表布をそのまま使う方がハズレがない。

           

          表は身につけるその人自身に合わせなければなりませんが、袋物の内布は「羽裏」のような考え方で、年配の人でも派手な〜かわいい〜羽裏は許される。

           

          自分に似合う、似合わないよりも、純粋に好きな柄を楽しんで使う、そんな考え方でよいと思います。

           

          今回のような刺繍物は絶対に表が主役扱いなので奇をてらうような布合わせはしませんが、そうでない場合は「内側の柄を引き立てるための表布」という考え方もあるので、今回はどちらに重きを置くかと考えるのが毎回楽しい。

           

          そのような意味では、江戸型などは表も刺繍ごっちゃり、内布も柄物!という派手派手尽くしにするのがrom筥流。(江戸時代の筥迫で、内布に柄物を使っているは見たことがない)

          徹底的に実用ではないものだからこそ、徹底的に作品にしやすいという考え方です。

           

          「布合わせ」は懐中懐中物を仕立てる面白さの一つであることは間違いありません。

           

          仕立ててから、もう少し被せを長くすればよかった、、、と反省。

           

          この型は四ツ襠紙入の「ペン刺しなし」を使っているのですが、「前金具」をつけることを前提にした型紙を使っています。

          つまり、金具が引き立つ被せの長さに調整しているということです。

          でも金具をつけないなら、あと5〜8mm被せを長くして刺繍面を広くすればよかった。

           

          画像ではちょっとわかりずらいのですが、この表布は地紋があります。

          実は表でこの地紋が「被せと柄合わせされている!さすがrom筥さん!」とAllieさんからお褒めの言葉をいただきましたが、ははは単なる偶然です(冷汗)。

          そんなところまで気を使える余裕はまだない、、、。

           

           

           

          最近は筥迫ではない刺繍の袋物もけっこうご依頼いたくようになりました。

          筥迫は未婚のお嬢さん(花嫁含む)というイメージが強いので、ある程度年を経てしまうと礼装で出かけることも少なくなりますし、このようにあっさりした紙入れの方が気兼ねなく身につけられるから好まれるのでしょう。

           

          懐中物は目立つのでその場に応じたTPOを考えるのは必要ですが、こんな紙入れなら派手な主張はしないので安心。

          だからこそ人の目にはつきにくい内側に最大限の工夫をして楽しんでほしいと思います。

           

          とはいっても、こんな紙入れを派手に扱うこともできます。

           

          江戸時代は筥迫は特権階級の特別な装身具でしたが、明治以降はこんな紙入れに胴締めを付けただけで筥迫扱いするぐらい、筥迫は庶民のものになりました。

           

          筥迫と紙入れの違いは、広義では胴締めがあるかないか、狭義では二層式の角付きかそうでないかぐらいのものです。

           

          びら簪も持ち出し口に挟み込めばいいですし、びら簪が派手ならば引き出し鏡を加えて、そこにブラや房をつけて入れればいい。

           

          このように懐中物は色々な着せ替えができる柔軟性の高い装身具なのです。

           

           

           

           

          お針子会 日本刺繍作品展

           

          今回作品を掲載させてくださったAllieさんは、私と同じ刺繍教室に通うお仲間です。

          私のブログによく登場するつる姫さんmidoriさんも同じです。

           

          刺繍教室の人は比較的ブログ掲載の了承をいただきやすいのですが、今年も二年半に一度の「作品展」の時期がやってきますので、これらの作品も一堂に会します。

           

          私は刺繍に関しては真面目にやっているとは言い難いのですが、なんとか櫛入れ、四ツ襠&扇子入、式部型小物入、江戸型筥迫を作成予定です。

           

          今年は定家文庫のような大物はありませんが、今まで袋物に興味のなかった方々も少しずつ参加してくださるようになったので、細かいものが色々と出ます。

           

          マグロなmidoriさんは日本刺繍の風呂敷(!)を作る予定でしたが、風呂敷に仕立てるにはあまりにも無理があると相談を受け、3箇所あった図案をそれぞれ袋物に仕立てることになりました。

          そのうちのメインは若冲の虎。

          それをこれから金糸駒取りで平埋めする(和宮さんの袋物を参照)とのことで、それを金風袱紗に仕立てるのが私の仕事。

          (平埋めの袋物なんて仕立てたことないので今からドキドキ)。

           

          最近よく袋物仕立ての依頼が来るM.Wさん。

          手が早いので次々と作品を作ってくださるのはうれしいのですが、嫁ぎ先が決まっているものばかりなので作品展に並ばないのがすごく残念、、、。

          まだご了承いただいていませんが、いつか画像だけでもブログで掲載させていただければと思っています。

           

          マダムKもあいかわらずSD着物で参加です(今回は人形筥迫も付けるらしい!)。

           

          まだご案内はがきはできていませんが、もしご都合のつく方は是非予定を開けておいでくださいませ。

          場所はいつもの池袋のオレンジギャラリー(南口出てすぐ!)です。

           

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          第3回 お針子会 日本刺繍教室作品展

          2017年 11月11日(土)〜14日(火) 

          於:ORANGE GALLERY(池袋)

          ===========================

           

          私もこれから作品展に向けて必死に刺繍に励みます!

          (予定のものが全て仕上がるかは神のみぞ知る、、、)



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          【2017.06.25 Sunday 09:47】 author : Rom筥
          | 日本刺繍の筥迫 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          日本刺繍の筥迫『夜露ときりぎりす』
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            なんだかすっかり忘れていましたが、2015年5月に行われた「お針子会日本刺繍教室作品展」に展示したきりぎりすの筥迫をご紹介させていただきます。

             

            なぜって、秋が終わってしまうから!(もう終わっている?)

             

            この筥迫は、この作品展の自分の作品の中では、最もメインに据えていた筥迫です。

            作り上げて展示してしまった後はすでに忘却の彼方、、、そして今に至る(汗)。

             

            こちらは三段口扇襠筥迫で仕立てています。

             

            一般的に「ザ・筥迫」といえば縢襠付筥迫が圧倒的なイメージです。

            びら簪を入れるための簪挿しが頭にど〜んと乗るために、図案が「被せ」+「胴締め」のみにきっぱりと分れてしまう。

            パーツがたくさんで、刺繍よりもその形状が印象的です。

             

            それに比べて三段口扇襠筥迫は紙入れに近いので、簪挿しもなく「天面」までしっかりと刺繍が入るので、刺繍をする者にとっては表現の幅がぐっと広がるわけです。

            更には「底面」まで柄を繋げられるという守備範囲の広さ。

             

            被せのRを鋭角にしているので、「被せ下」まで柄合わせする必要があり、表現の幅は更に広がります。

            まぁ立体的に刺繍で遊べるというわけです。

             

            着物や帯は平面表現ですが、筥迫はページをめくっていくように表情を変えることができる立体表現で、これが筥迫装飾の楽しさなのです。

             

            それがこの小さい面積で展開するのですから、乙女心がくすぐられること、くすぐられること(かつての乙女ですが)。

             

            こちらの表地は古い紬のハギレを使っているのですが、その様子は以前のブログでもご紹介しているのでそちらをどうぞ。

            刺繍教室作品展に向けて

            近頃刺繍で頭がいっぱい

             

            まぁ私が刺繍が頭がいっぱいになることなんて、作品展のときぐらいしかないのですが(笑)。

             

            仕立てに関しては、内布は相変わらずの縞柄を使いたかったのですが、被せを開いたときの刺繍と対になる部分は縞柄は合わない。

             

            そこで、ちょっとわかりづらいですが、被せ裏は「黒」を使っています。

             

            黒といっても、少しでも反射してしまう布だと黒が黒らしく見えない。

            あくまでここに「真っ黒」を使うことで、この筥迫のイメージにつながるので、この真っ黒の布を探すのもまた苦労しました。

             

             

            派手な「虫籠」は右に配し、主役のきりぎりすは風景の中に溶け込むようにするというのが、この図案のこだわりです。

             

            基本的に筥迫の図案というのは、襟元から出る左部分をメインに柄を配するものなのですが、三段口扇襠筥迫は、普段着の着物や、年配の人でも違和感なく懐中することができるようにと作った型なので、外に出る部分に赤い紐が見えたらおばさん(私)はちと恥ずかしい。

             

            そこでこのように派手をわきまえない好き勝手な柄は、見える部分には配しません。

            メインのきりぎりすも、ダイレクトに虫感が伝わると気持ち悪いので、リアルでありながら影のように使うことで目立たなくしています。

             

            もっとうまい人が刺繍をしたら私の言いたいこともはっきりと伝わるものでしょうが、残念ながら私の刺繍の腕前はあくまで趣味の域。

            文章で補足しないとうまく伝わらないのが悲しいところです。

             

             

             

            キリギリスについて

             

            私は虫が嫌いです。

            でもデザインとしての「虫」は好き。

             

            さすがに虫メインにするのは何なので、真紅の組み紐を付けた美しい虫籠がメインに見えるように(しかしあくまで主役はきりぎりす)。

             

            そして虫籠に入れる虫といえば「バッタでしょう!」とバッタの画像を検索したのですが、ん、ん、、、???

            私のイメージしていたバッタはこんなずんぐりしている子じゃなくて、もっと触覚がぴーんと長くてカッコイイやつ。

             

            調べてみると、それはキリギリスというヤツでした。

             

            これまでの私の認識では、バッタ(和名)、キリギリス(英名)だと思っていたよ、、、。

             

            似ているようで違うこの二つの科を判別するのは、

             

            (バッタ)  触覚が短い、目が大きい、昼に活動

            (きりぎりす)触覚が長い、目が小さい、夜に活動

             

            バッタは比較的草食の種類が多く、雑食のキリギリスはより肉を好むということもあるようです。

             

            言われてみれば、仮面ライダーがきりぎりすじゃないのは一目瞭然(笑)。

             

             

            あとは鳴き声。

            鳴く虫といえばきりぎりすらしいのですが、実際はバッタも音を出すようです。

            でもそれは「足をすり合わせる」音であって、鳴く虫には分類されていないようです。

            きりぎりすは「羽をすり合わせる」ことによって複雑な音を出すので、鳴く虫に分類されるのだとか。

             

            日本人はこれらの音を「鳴き声」といいますが、西洋人は「音」それも「雑音」としか認識しないといいますね。

            日本人は虫の鳴き声を言語と同じ左脳で捉え、西洋人は音楽と同じ「右脳」で捉えるかららしいです。

             

            日本語環境の中で育つと、虫の声はセンチメンタルな気分になるものですけどねぇ。

             

             

             

            「きりぎりす」と「こおろぎ」

             

            「キリギリス」が自分的に「英名」と認識してしまったのは、ひとえに「カタカナ」で表記していたからだと思うのですが、実際には百人一首にもすでに登場しています。

             

            きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣片敷きひとりかも寝む

             

            そういえば、こんな句ありましたね(今更記憶が蘇る)。

             

            つまり「ひらがな」で表記すればいいのだよ。

             

            しかしながら、この時代のきりぎりすは「こおろぎ」のことだとか。

             

            ではこの時代、きりぎりすのことを何と呼んでいたか?

             

            古語辞典によると

            きりぎりす【螽斯】

             

            虫の名。今のこおろぎ。

             

            <注意>

            今のきりぎりすとは別物。

            今のきりぎりすは、平安時代には、その鳴き声が機織(はたお)りの音に似ているところから、「機織り」「機織り女(め)」といった。

            そしてこおろぎは、秋鳴く虫の総称であったらしい。

             

            だそうです。

            「機織り女」とはまた風流な。

             

            ちなみにきりぎりすの英名は「long-horned grasshoppers」つまり「触覚の長いバッタ」。

            そのまんま、情緒なし(笑)。

             

             

             

            「キリギリス」と「セミ」

             

            ところで、キリギリスといえば「アリとキリギリス」を思い浮かべる人も多いかと思いますが、イソップ童話の原題は「La Cigale et La Fourmi 」つまり「アリと蝉」なのだそうですよ。

             

            イソップは紀元前の人なので(知らなかった)、口伝で伝わっていったことにより、蝉があまりいないヨーロッパの方では、地域によってトンボ、コオロギ、キリギリスに変わっていったとか。

             

            そして、キリギリスは食べ物もなく死ぬというのが一般的で、蟻に救済されるという結末は日本とスペインだけらしい。

             

            蝉曰く「歌うべき歌は、歌いつくした。私の亡骸を食べて、生きのびればいい。」

             

            非情、、、(泣)。

             

             

            蝉がいない地域の人が日本の夏に来ると、あのすさまじい蝉の声にびっくりするそうです。

             

            確かに蝉の声は大きくなるほど暑っくるしいですが、私は「あ〜夏!」という気分になります。

            蝉の声とともに、近くの公園のジャブキャブ池から聞こえる子供たちのはしゃぎ声は「あ〜夏休み!」という気分にもなります。

             

            でも最近はこの子供たちの声が「雑音」に聞こえる人が多いらしく、保育園建設のネックになっているそうで。

             

            日本人が子供のはしゃぎ声を右脳で捉えるようになってきたってことですかね。

             




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            【2016.10.30 Sunday 12:22】 author : Rom筥
            | 日本刺繍の筥迫 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            日本刺繍の筥迫 江戸型『稲穂雀』
            0

              装 飾:日本刺繍『稲穂雀』(製作:矢部博子)
              仕立て:江戸型筥迫(一つ口)平肉、玉縁(製作:筥迫工房)
              打ち紐:正絹、唐打ち紐(十印)
              緒締め玉:天然石(琥珀)
              びら簪:アンティーク
              ------------------------------------------------------------------

              矢部博子先生が刺繍された江戸型の筥迫です。

              新宿伊勢丹での展示販売でいくつかは売れてしまったのですが、こちらは運良く残ってくれたので、ブログでご紹介させていただくことができました。

              以前も書きましたが、江戸型というのはそのような名称が一般的にあるのではなく、明治維新を挟んで筥迫の型が大きく変わってしまったので(特にサイズ)、現代の型と区別するために私が便宜的に付けている名称です。

              以前、この型を再現してみたときは、この型を現代で使うことはないので、あくまで興味本位で始めたことでした。
              (正確には、歌舞伎の舞台ではこの大きさのものが使われている)

              しかし、これが意外と需要がある。
              一体どんな人に?

              それは日本刺繍をされている方々です。

              現代版の筥迫は、刺繍をするには「小さすぎる」。
              というよりも「作品にするには小さすぎる」ということです。



              通常の筥迫は「被せ&胴締め」の二面柄合わせですが、江戸型の場合は「被せ&胴締め&被せ下」の三面柄合わせをします。



              もっと本格的に作るならば、背面も柄合わせをするので「被せ&胴締め(表)&被せ下」に「胴(背)&胴締め(背)」を合わせた五面柄合わせになります。

              この型の難しさは、形をつくることよりも柄合わせをする難しさにつきます。
              柄合わせが三面以上あると、刺繍をする人の糸の締め方や刺繍の歪みがあるので、型(接着芯やホットメルト紙)通りに仕立てることはできません。
              ほとんどアタリだけを付けて、その場で微調整しながら貼り込んでいきます。

              筥迫は前部分は箱襠の付いた物入れ、後ろ部分に紙挟みのついた二部式で、これを胴締めでまとめます。


              江戸時代から受け継がれているこの形状が、筥迫という不思議な単語と共に人々の心に焼きつくのかもしれません。
              (特に小さい頃にこの意匠を見て強烈な印象を持つ人が多い)


              そして江戸型の最大の特徴は、この大きさと側面の「箱襠」の存在です。
              これが筥迫の「筥(箱)」たる所以ですね。


              現代の筥迫(縢襠付筥迫)は全体的には江戸時代の筥迫の雰囲気が残っていますが、実際にはこのこの箱襠部分が省略されているので、「どこが箱?」と思われるのも当然のことです。

              以前、私が作った「開き扉」は、当時の筥迫の中を実際に見たことはなかったので、あくまでも空想の中の型を具現化したものでした。

              その後筥迫の中を見る機会は増えたので筥迫の謎に決着が着きましたが、江戸型で最も多いのは、今回の筥迫のようにただ箱に被せが付いただけの単純なものでした。
              私はこの形を便宜的に「一つ口」と呼んでいます。

              ただ、記述として残っているものには「三つ折り」「差し込み」があったそうです。
              たぶん地位が上の人たちはそのような凝った仕様のものをお金をかけて作らせ、そのもうちょっと下の地位の人がこのような一つ口を使っていたのかもしれません。
              とは言っても、筥迫を持てるというだけで相当の地位かお金持ちなんですけどね。


              正面、背面の柄合わせとは別に、巾着のように箱襠部分にもワンポイントを施します。
              これがまたかわいいmoe

              ここは通常柄合わせはされていないのですが、このぐらいの厚みがあれば柄合わせも可能ですよね(誰か挑戦してください)。

              立体と空間を感じさせる、帯や着物のように平面を対象とする日本刺繍にはかつてなかったような作品作りをすることができます。


              巾着のワンポイントは「俵」です。
              巾着は何といっても筥迫のmoeポイント。
              筥迫刺繍をしようと思ったら、このmoeポイントは手を抜いてはいけません。



              玉縁は筥迫の妙

              今回、仕立ての面での特徴といえば「斑暈しの玉縁(まだらぼかしのたまぶち)」を使ったことです。
              美術館などで当時の江戸型筥迫を見たことのある方はお気づきだと思いますが、江戸型の装飾的特徴の一つがこの縞々に染めた玉縁を使っていることなんですね。

              これに私は昔から強い憧れを抱いていました。
              いつか実現したいと何年か越しの夢を叶えました。

              素人見には何てことなさそうに見える縞々ですが、職人さん的には非常に難しい技術なんだそうです(サンプルを見せるやいなや即座にお断りされること度々)。

              他の色も欲しいのですが、お金をかけて染めに出していたら正直儲けなんてない。
              そんな私のこだわりを知って、講習会に参加しているH.Sさんから現在色々な方法を提案していただいております。

              最終的には、職人さんに頼むよりも私自身が染色を勉強したほうが早いという方向に向いているのですが(これだけを教えてくれる先生を探している)、何事も習得には時間がかかるので、まだしばらくは職人さん頼りの斑暈しの玉縁です。


              ちなみに、今回の玉縁は「縫い玉縁(包み玉縁)」です。

              初めの頃の教本にはこの縫い玉縁のやり方で解説していたのですが、かなり細い玉縁のためミシンの技術が必須なことから、現在の教本では「挟み玉縁」のみを解説しています。

              縫って細い玉縁にするのは至難の技ですが、挟み玉縁なら初心者でも失敗なく極細の玉縁を作ることができます。
              ある意味画期的な方法ではあるのですが、挟み玉縁は「薄い布」でこそ生きる技。
              少しでも厚みのある生地を使うと、途端に仕立ての限界にぶちあたります。

              それが嫌で、私は今は縫い玉縁オンリーです。
              細い玉縁さえできれば、縫い玉縁は断然スマートな仕上がりになります。

              縫い玉縁は難儀で試行錯誤の連続でしたが、あるときフとした閃きから解決の糸口を見出し今に至りました。

              何年悩んでも解決しないときは、ちょっと休んで寄り道(挟み玉縁)していると、あるとき急に天から閃きが降ってくるものなんですね。
              このように、細い玉縁一つにも長い苦労があるのです。


              それでも、お客様が「筥迫ステキだわ〜ハート」と歓声をあげている姿を見ると、報われた、、、と思うのです。

              しかし筥迫を見たご婦人方が一様に発するあの歓声は何なんでしょうね。あのミーハー感(笑)。
              いや、それがうれしくて言ってるんですけどね。

              そういう歓声を上げさせてこそ筥迫!という作品を、これからもたくさん作っていきたいと思っています。


              ------------------追 記------------------

              大阪の刺繍教室『いち桃』さんが、筥迫工房の刺繍台を使った独自の方法を考案してくださいました。
              ご興味のある方は是非ご参照ください。
              小物用日本刺繍台の張り方 その1

              『筥迫用 刺繍台の使い方』にリンクを貼ってくださいましたが、
              実はこれは以前の台で、今はここに『糸止め』というものが追加されております。
              たぶんいち桃さんがその後に解説してくれると思いますが。
              (他人任せ、、、汗)



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              【2016.04.07 Thursday 15:58】 author : Rom筥
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              2015.12 江戸型筥迫『蝶々結び』
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                今年5月の作品展に出した江戸型筥迫です。
                ブログで紹介するのがすっかり遅くなってしまいましたが、もしかしたら近々手放さなくてはならない可能性が出てきたので、その前にご紹介させていただきます。


                以前から言っていますが、「江戸型」というのは私が便宜的に付けている名称です。
                (そんな広くない)世間一般でそのような使われ方がされているわけではないのでお間違えなく。

                ただ維新前と維新後では明らかに筥迫を取り巻く環境は変わり、筥迫の型も大きく変化しました。
                私たちが目にしている一般的な縢襠付筥迫は、維新後の小さくなった筥迫であって、元々はこの大きさが筥迫の出発点です。
                ということで、これらを区別するために江戸時代の筥迫=江戸型と呼んでいるのです。

                現在の着付けでは胸元に入れることは不可能ですが、あまりにも素敵な型なので、被せに取っ手を付けて巾着を短くして、クラッチバッグに使う方法を以前ご紹介したことがあります。


                私が持っているびら簪の一番大きなものを合わせてみましたが、本来の江戸型のびら簪は平打ち部分がもっと大きいです。
                たぶん直径4cm以上はあるのではないかと思います。

                一番初めの画像でびら簪をへんなところに付けていますが、これは側面の刺繍を見せるためで、実際にはハコと被せの天面の間に挟み、筥迫から飛び出すような感じで挿し込みます。

                簪挿しのようなものがありますが、これは楊枝入れのつもり。
                美術館などに展示されている筥迫にはありませんが、以前「直球写真館」で見た筥迫を身につけた女性の画像で、筥迫に「飾り房」がちらりと見えていました。

                これは現在の縢襠付筥迫の簪挿しのようにお揃いの部品ではなく、たぶん単体の「しおり」か何かを挟んでいたのだと思います。
                それが今日の飾り房につながったのではないかと私は考えました。

                筥迫は依頼人のこだわり満載の特注で作るものでしたから、どんな型にしても間違いというものはなく、人と違うからいいという意味において、何でも有りなのではないかと思います。


                縢襠付筥迫と同じように内面に「鏡」を嵌め込んでいますが、本来の筥迫は鏡は単体で箱部分に入れるものでした。
                嵌め込み式の鏡は「携帯用筥迫」に使われていたそうです。

                江戸型筥迫の装飾の良さは、「被せ」「胴締め」「被せ下」の三面で柄合わせをするところと、「襠」部分に刺繍ができるところです。
                これが他の筥迫にはない豪華さ、華やかさを持った筥迫です。
                日本刺繍をする筥迫好きには最も作品にしてみたい型ではないでしょうか。


                中はあくまで私の想像で作っています。
                今度「引き出し」式のものを作ってみたい♡


                江戸型は巾着も大きいので刺繍のしがいがあります。
                金糸で「クマ蜂」をデザインしたつもりなのですが、誰にもわかってもらえませんでした(苦)。

                緒締めは8mmの珊瑚玉です。
                刺繍の江戸型筥迫は天然石の緒締めにも凝れるので、色々なところに創作の楽しみがあります。


                今は石川県の刺繍グループの作品展に向けて江戸型をたくさん作っています(この情報はまた後日)。
                これだけ作るとさすがにこの頃の筥迫とは仕立て方が変わってきていますが、そんなことを日々研究していくのが私にとっての楽しみでもあります。




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                【2015.12.28 Monday 09:58】 author : Rom筥
                | 日本刺繍の筥迫 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                日本刺繍の筥迫『婚礼高肉牡丹蝶々』
                0
                  作品展に出品した作品のアップをすっかり怠っておりました。
                  今回は婚礼用筥迫のご紹介です。

                  装 飾:日本刺繍『婚礼高肉牡丹蝶々』(製作:Rom筥)
                  仕立て:平肉・挟み玉縁 折り襠縢付 仕立て
                  飾り結び:人五紐筥迫用 <白>撚り房筥迫大人用
                  緒締め玉:天然石<真珠> 8mm玉
                  びら簪:アンティーク
                  ----------------------------------------------------------------

                  こちらの作品は、以前ご紹介した『留袖に懐中物 〜花嫁の母 H.Yさんの作品〜』と連動して制作したものです。
                  ことの発端は「結婚式に筥迫がしたい〜」のH.Yさんの一言。
                  ただ問題は、H.Yさんご自身は遥か昔に婚礼をすませた方だということ(汗)。
                  つまり、ご自分の息子さんの結婚式に、花婿の母として、留袖に筥迫がしたい〜ということ。

                  う〜ん、いくら筥迫伝道師のRom筥もそればかりは、、、と押しとどめ、折り襠付紙入れ(念珠入れ)を作ることをお勧めしました。
                  そして、H.Yさんの希望をほんのちょっと叶えるため、花嫁とお揃い(の図案)というアイデアを盛り込み、花嫁用の筥迫をRom筥が作ることにしました。



                  牡丹と蝶々というのは、筥迫のびら簪の平打ち部分によくある図案です。
                  H.Yさんの母の紙入れは、通常の刺し縫いで仕上げてもらい、私が作る花嫁の筥迫は「白」なのに「派手」をコンセプトにして制作することになりました。
                  そして、色を抑えて派手な印象にするために、刺繍を「盛り上げる」ことにしました。

                  刺繍を盛り上げてより立体的に表現にするために、日本刺繍では「肉入れ」という技法を用います。
                  太めの木綿糸で肉となる芯を作り、その上から刺繍をするとふっくらとした立体感が出ます。

                  江戸時代の筥迫にはこのような肉入れの刺繍が施されていて、それに憧れて真似てはみるのですが、二段、三段と盛っても思うような盛り感には至らない。
                  私がしたいのはふっくら感なんてものじゃなくて、ごてごてのインパクトある立体感。

                  そこで思い立って芯に使ったのが「フェルト」。
                  これを二段、三段に重ねていくと、面白いように立体的な刺繍になりました。
                  フェルトなので刺し縫いもできるし。
                  ただし、それなりに細い作業なので、好き嫌いは分かれると思います(私は楽しすぎて夢中になってしまったけど)。
                  牡丹はより立体的になるように工夫した肉入れをし、蝶々は平面的にぺったりと肉入れしました。

                  このような立体刺繍は通常の着物や帯で使われるものではなく、どちらかというとお相撲さんの化粧回や、祭礼で使われる幕などで専門の職人さんの手によって作られているものです。
                  長崎刺繍も最近どこかで展覧会やっていたようですね(見に行きたかった、、、)
                  もちろん本格的な立体刺繍は古綿だとか張り子紙だとかを使うものであって、私のように安易にフェルトなんて使いませんけどね(笑)。


                  中もH.Yさんの作った母の紙入れとお揃い。
                  日本刺繍なら折り襠を付けてきちんと作りたい。


                  簪刺しもワンポイントでなく、断ち切り柄で派手に。
                  裏面も牡丹と蝶々。
                  牡丹は菅縫いで軽く仕上げました。

                  最近は日本刺繍を施した裂には、天然綿を使った綿入れではなく、平肉で柔らかい面に仕上げるようにしています。
                  平肉には「ネル」を使っていますが、もう少しいい素材はないか模索中です。

                  江戸時代はしっかりとした高肉で装飾されていた筥迫も、明治以降は面自体を綿によって盛り上げるようにして、なんちゃって高肉の雰囲気を残しつつ大衆化されていったのかもしれませんね。


                  最近、日本刺繍の筥迫は左のサイズで仕上げるようにしています。
                  右は前回の作品展に初めて出した筥迫で、これが通常サイズ。

                  かなり大きさが違うように見えますが、中に入れてしまえばほとんどその差はわからない程度。
                  でも日本刺繍の図案を描くのに、この通常サイズはあまりにも小さくて作品になりにくい。
                  もちろん昔の筥迫にあった大きさを元にしているので、実際に使われていたサイズでもあります。
                  昔の人はもっと背も低かったのに、こんな大きな筥迫を入れていたんですよ(日本髪をゆったら今の人ぐらいの身長にはなるのかもしれませんが)。
                  娘の十三詣りの筥迫もこのサイズでしたが、ほとんど違和感なしだったので実用できます。


                  筥迫の迫力

                  私が筥迫を作った際に一番初めに感想をもらうのが家族たち。
                  今回は通りすがった家人に「どうだ!」と印籠のように見せつけたところ「(Rom筥が付けるには)迫力が足りないね。」

                  つまりこの筥迫を付けるなら、見るからに立派な存在感のある人でなければ似合わないと。
                  もちろん花嫁の筥迫ですから、特別な衣装をまとった人ということでその意図にはあっていると思うのですが、私がイメージしたのは、恰幅よく胸を張って堂々と歩いているような(そんな地位にある)おばさん、、、、。

                  う〜ん、正直花嫁さんより、そんなおばさんにこそこの筥迫を付けてもらいたい〜と思ってしまったRom筥でした。

                  ============================
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                  【2015.08.02 Sunday 17:47】 author : Rom筥
                  | 日本刺繍の筥迫 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  日本刺繍の筥迫『赤地白細菊』Rom筥作品
                  0

                    装 飾:日本刺繍『赤地白細菊』(製作:Rom筥)
                    仕立て:平肉・折り返し 三段口扇襠 筥迫仕立て
                    打ち紐:筥迫用 <緑系> 千草 江戸打ち紐(22)
                    緒締め玉:天然石<チャロアイト> 8mm玉
                    びら簪:アンティーク
                    ----------------------------------------------------------------

                    久方ぶりのRom筥作品です。

                    この図案は、私が昔手に入れた筥迫が元になっています。
                    すてきな図案!刺繍もうまい!なのに仕立てがまずい!というのが残念な一品でした。
                    あまりにももったいなくて、この図案にあった型があるはず!と、いつかこれを私なりに再現することが夢でした。
                    今回の作品展でそれがやっと実現したというワケです。

                    私が図案を描くと、画面をびっしり埋め尽くしてしまうのが常ですが、これはうまく空白を使ったあっさりとしたデザインが秀逸です。
                    もちろん私なりに図案に手を加えていますが、それでも元の図案の雰囲気を壊さないよう心掛けました。


                    あっさり見えても、被せを開くと実は手が込んでいるというのが、この筥迫の特徴です。(オリジナルは被せ下に柄はない)

                    何と、たった1〜2cmの菊の下の図案を見せたいがために、被せ下にも同じ図案を続けています(完全に同じではないのですが)。

                    しかしこうしてみると、なんかヤクザな雰囲気が〜(入れ墨を連想するのは私だけ?)。


                    つまり表は三面柄合わせなんですね。
                    作品展なので、このぐらいしないとつまらない。
                    でも、実際は閉じたまま展示するので、筥迫を作っている人でないとなかなかわからないと思うのですが、そこは袋物職人の心意気ってやつです(笑)。


                    装飾筥迫と違い、この『三段口扇襠筥迫』は底や山に「角」を付けていないのですね。
                    つまり「箱型」ではないということ。
                    芯も薄めを使って、柔らかい雰囲気を出しています。
                    角がないので、天面、側面ともしっかり柄が見えて、刺繍のデザインがしやすい型です。

                    実はこの筥迫で一番悩んだのが「襠」の色合わせ。
                    繊細な図案なので派手な色は使いたくない。
                    表布をそのまま使おうかとも考えましたが、あまりにも平凡すぎる。
                    しかし作品展まで時間もないので、手持ちの布で間に合わせるしかありません。

                    とりあえず、その他の色を決めてから最後に襠を決めることにしました。
                    まずは打ち紐の色から。
                    これは「千草」で決まり。
                    緒締玉は、日本刺繍の筥迫なので、是非「天然石」を使いたいところです。
                    手持ちの石の中から、インスピレーションですぐに「これ!」と決めたのは「チャロアイト」。
                    三大ヒーリングストーンの一つですね。
                    この石すごく好きなのですが、個性があって今までどの筥迫にも合わせられなかったのですが、意外とあっさりデザインに合うのかもしれません。

                    千草は江戸打ちなので、かなり大きめの穴を空けなければならないかと心配しましたが、意外と硬度は高くなかったので、穴開けはあまり問題ありませんでした。


                    緒締が決まったところで、襠の色合わせもあっさり解決。
                    薄い紫が入った鹿の子柄で決まり。
                    紫は全面に入れたくなかったので、上半分に入るように柄取り。

                    巾着の結びは二重叶結び以外のもので〜と考えて「蝶々結び」にしてみました。
                    上の羽を横に潰した形で、蝶々というよりは蝉か蜂みたい。でもいい感じです。


                    中はこんな感じですね。



                    実は裏にも柄合わせされていたりしてびっくり
                    返してびっくり、恐怖の5面柄合わせなのでした、、、。


                    裏を合わせるのはホント難しいんですよ。
                    刺繍も仕立ても難しいことはやっていないのですが、とにかくこれは柄合わせをするためだけに、いくつも試作を繰り返しました(たった一枝のためなんですけどね、、、)。
                    それでも布の貼り方だけでもずれてしまうので、完全には合っていないのですが、そこは肝要な気持ちで(オリジナルも合っていないし)。

                    でも、とりあえずは出来たので、めでたしめでたしということで


                    ▼筥迫工房のお店


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                    【2015.06.16 Tuesday 23:56】 author : Rom筥
                    | 日本刺繍の筥迫 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    日本刺繍作品展 初日報告
                    0
                      本日、お針子会日本刺繍教室作品展の初日が無事終了しました。

                      画像をアップしたかったのですが、カメラを会場に忘れてきてしまい本日は画像なしで(これでも)短いコメントを。

                      前回の筥迫コーナーは8点の展示で、それらをただスタンドに並べただけだったのですが、あの当時はまだ自分自身が筥迫刺繍を始めたばかりということもあり、展示の方法まで全く頭がまわらなかったのですが、今回は私が関わった袋物18点プラス5点と数が多かったことから、展示をどうしようかと相当悩みました。

                      通常、日本刺繍の作品展といったら着物や帯がメインで、あとはバッグや半襟刺繍、額などが「小物」の範疇。
                      しかし筥迫はそれらの小物より更に小さい。
                      これを同じレベルで並べるとかなり貧弱になってしまうので、やはり展示方法は考えなければなりません。

                      そこで前回見に来てくださった方からの「背景は黒がいいのでは?」というご意見を思いだしました。
                      もしかしたら、私がブログに掲載する画像のバックがいつも黒だったのでその印象があるのかもしれませんが、実際もその方が筥迫の存在が際立つのではないかと考えました。
                      そして、スタンド置きはびら簪の流れが垂直にならず本来の雰囲気が出ないことから、壁面に垂直に留める方法してはどうかと考えました。

                      その結果、何とかイメージに近い形で展示することができたかなと思います。
                      ただ、当日、飛び込み参加の作品があったことから、予想外に詰まった雰囲気になってしまいましたが、スカスカよりはまだいいだろうとの判断により、他のコーナーよりかなり密度が高い状態での展示になりました。

                      来てくださった方々の半分以上は日本刺繍関係者でしたが、このブログを見て来てくださった方もかなり多く、毎回こんなにコテコテの長文を書いているにもかかわらず、けっこう読んでくださっている方が多いということにも驚きました。

                      「ブログを見ていると、見に来てくださいオーラがすごくて、つい見に来てしまいました〜」

                      いやはや、オーラ出し過ぎてごめんなさい。
                      ブログの画像に関してはなかなか思い通りの作風に撮影することができず、本物はこんなんじゃないのにな〜とストレスに感じることが常日頃から多かったので、自分の技術はさておき、やはり本物を見て欲しいという気持ちが強くありました。

                      それなのに、直前まで制作に追われて色々な人に作品展のご案内葉書を全く送れず、実は今回の作品展の葉書が手元に届いた方は刺繍教室の方から送られたものなので、コメントの一つも入れられず申し訳ありませんでした。

                      遠くて来られない方のために、明日は何とか少しの画像ぐらいはアップできればと思っています。

                      刺繍関係者は一様に「筥迫の刺繍がしてみたい!」と言ってくださるので、それはそれで大変うれしいことではありますが、刺繍教室メンバーのお友達という方から「刺繍をしてみたいとも筥迫を作ってみたいとも思わないのですが、これは見ているだけで幸せな気分になりますね」というお言葉をいただきジーンとしてしまいました。

                      筥迫なんて、世の中にあってもなくても何の問題もない物だとは思うのですが、「ただ見ているだけで幸せな気分になる」というのが、今の私にとって一番の賛辞なのだと感じました。
                      ありがとう、そう言っていただけるだけで本当に幸せです。

                      作品展はこれからまだ3日間続きます。
                      私は毎日いますので、ブログを見てきてくださる方がいらっしゃいましたら、是非お礼を言いたいのでお声を掛けていただければ幸いです。

                       
                      【2015.05.16 Saturday 23:28】 author : Rom筥
                      | 日本刺繍の筥迫 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |