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後藤勝子コレクション vol.13 〜北斎シリーズ (4)〜 鳳凰
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    北斎シリーズ(4) 鳳凰
    装 飾:(日本刺繍)後藤勝子
    仕立て:(折り返し・綿入り)後藤勝子
    サイズ:8×14×3.8cm
    布 :帯地
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    209枚の鱗のような羽根に苦労しました。

    迫力のある目つきに緊張しましたが、この世にないモチーフはファンタジックで心がワクワクした一品です。          (後藤勝子)

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    久々に後藤勝子コレクションをアップしよう!と思い立ったのは、最近、伊藤若冲が話題になったことで、後藤さんの代表作とも言える葛飾北斎の『鳳凰』を思い出したからです。

    若冲(1716-1800)と北斎(1849-1960)は同じ時代には生きていないのですが、なんとなく共通性があるように思います。

     

    しかし、後藤さんのコレクションを連続で掲載してしまうのはあまりにももったいとちびちびとアップしていましたが、前回から半年以上経っていましたね、、、。

     

    元絵は葛飾北斎の大作『鳳凰図屏風』です。

    長野は岩松院の八方睨みの大鳳凰図より10年以上前に屏風に描かれた鳳凰図ですね。

    この鳳凰図は「枕屏風」に描かれているらしいのですが、枕屏風といったら背の低い風除けのような屏風です。

    とてもそんな大きさのものに書いているとは思えない迫力があります。

     

    それを後藤さんなりの鮮やかな色彩で筥迫に仕上げられました。

     

    この眼力。すごすぎる、、、。

     

    筥迫は枕屏風よりももっと小さな画面ですが、そこに表現された鳳凰図とは思えないほど圧倒的な迫力があります。

     

    岩松院鳳凰図の中には「隠し富士」があります。

    そのぐらい北斎は富士山が好きだったそうなので、後藤さんもこの作品で巾着に富士を入れたのでしょうか(お供富士ですね)。

     

     

    私が撮影させていただいた後藤勝子コレクションは全28作品あります。

    私が現在仕立ての依頼を受けている石川の『飾り筥展』の作品は27点。

     

    仕立てだけでも27点は大変な数です。

    それを後藤さんは刺繍も仕立ても全てご自分で制作されています。

    これがどれだけ大変なことか。

     

    私がネット上で筥迫活動を始めたのは筥迫を作り始めて1年ちょっとだったと思いますが、始めからネットありきの活動でした。

    ネットの中で一定の筥迫愛好家がいることは知っていたので、潜在的に筥迫を作りたいと思っている人たちも一定数はいるだろうと踏んで始めたのです。

     

    稚拙な作品を作っていた頃から「人に見られる」という、今思えば恐ろしい状況ですが(あまりにもな画像はさすがに削除しています あせ)評価やご意見をいただきながらの活動だったので、それを励みにここまで順調にやってこられたのだと思います。

     

    私が筥迫!筥迫!と書き続けてきたので、ニッチな市場で少しは筥迫も盛り上がってきたかと思いますが、後藤さんがこれらの作品を作られていた頃は「筥迫を自作する」というムーブメントはありませんでしたし(後藤さんが筥迫活動をされていたのは私が活動を始める以前のこと)、ご自身も「ネットはやらないの〜」と言われていたので、その間、発信もせず、誰からの評価も得ず、たった一人でこれらの圧倒的な作品を生み出していったということになります。

     

    そのような状況でこれだけの作品を作り続けるというのは、筥迫に対するどれだけのエネルギーを持っていたのかと考えずにはいられません。

     

     

    アウトサイダー

     

    その昔、世田谷美術館に「パラレル・ヴィジョン〜20世紀美術とアウトサイダー・アート〜」という企画を見に行ったことがあります。

    あのときの衝撃は今だに忘れることができません。

     

    アウトサイダーアートとは、知的障害者が作り出すアートを指すことが多いのですが、実際には知的障害に関わらず、美術的な教育を受けておらず、評価を目的とせず、何の流派にも俗していないような作家のことを指します。

     

    その中でも有名なのが「ヘンリー・ダーガー」で、一生のほとんどを人と関わりを持たず、その死後、彼のアパートを整理しに入った管理人によっておびただしい数の作品が発見され、初めてその存在が世に知られることになりました。

     

    かわいいキューピーちゃんのような美少女戦士たちが、プリキュアのごとくヒラヒラのお洋服を着て戦闘をするという荒唐無稽な小説と、3メートル以上もある絵が数百枚残されていたそうです。

     

    後藤さんをアウトサイダーと同列に扱うわけではないのですが、地に潜ったかのように孤独な筥迫制作を続け、一瞬だけの華やかな個展で日の目を浴びた後、筥迫活動をやめてしまうという行動が、なんとなくアウトサイダー的なイメージとつながってしまうのです。

    それだけやり尽くしたという気持ちだったこととは思いますが。

     

     

    現代では、SNSの出現によって、生活の中のちょっとした事柄でも安易に人からの評価が受けられる世の中になったので、よけいそう感じてしまうのかもしれませんが、ネットが生活の中心でなかった時代には、後藤さんのように静かに制作活動をして一瞬だけ日の目を浴びるような作家さんたちはけっこう存在していたのかもしれません。

     

    しかし私が後藤さんの存在を知ったのも、たった一つのブログに上がった個展の小さな記事がきっかけだったので、そのおかげで後藤勝子さんという素晴らしい作家の作品を皆さんに知っていただくことができました。

    (後藤さんのせっかくのご厚意でしていることですから、どうか画像の転載や商用使用、悪用などはしないでくださいね)

     

    後藤さんは個展を機に筥迫制作はされておりません。

    私自身はたぶん作家にはならないと思う、、ならないんじゃないかな、、(まちょっと覚悟はしておく)と思うので、これから新たな筥迫作家さんたちに続々と登場していただけることを期待しているわけです。

     

    そんな筥迫作家さんたちをバックアップしていくこと、これもまた私の使命かと思っています。

     

     

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    【2016.07.01 Friday 11:09】 author : Rom筥
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    後藤勝子コレクション vol.12 〜華シリーズ (6)〜 雪月花
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      華シリーズ(3) 雪月花
      装 飾:(日本刺繍)後藤勝子
      仕立て:(折り返し・綿入り)後藤勝子
      サイズ:7×13×3.8cm
      布 :羅紗(メルトン)
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      花はみこないの撚り糸で趣を変えてみました。
      月、雪輪は下地に金糸の駒取りで輪郭を入れ、肉糸を施してから金を加えた撚りがらみ糸で仕上げました。
      (後藤勝子)

      久々の後藤勝子コレクションです。
      先日行われた研究会で後藤勝子さんのコレクションの話が出て、そういえば前回からずいぶんと間が空いていることに気がつきました。
      あまりにもすてきなコレクションなので、一気にアップしてしまうのがもったいなさすぎて、出し惜しみしすぎて忘れていました 汗
      ということで、秘蔵の画像から、えいやっ!とご紹介。



      この筥迫を見て気がついた方も多いと思いますが、これはKUIPO所蔵の「黒天鵞絨雪月花文様金糸縫い筥迫」の図案を模写したものです。
      その昔は徴古裳の中村清コレクションのメインだった有名な筥迫です。

      以前、徴古裳(ちょうこしょう)がこれらのコレクションを所蔵していたときは、ネット上にたくさん画像が公開されていたのです。
      私たちはそれらを見て筥迫に憧れたんですね。

      今はKUIPOが徴古裳の袋物のコレクションを所蔵していますので、残念ながらこの筥迫以外はネット上で見ることはできません。

      これを後藤さんは復元してみたのですね。
      実は私が所蔵している江戸型の筥迫にも、あきらかにこれを参考にして作ったのだなと思われるものがあります(後藤さんの作品ほどうまくはない)。

      まぁ気持ちはわかる。
      誰もが模写して作ってみたいと思わせる秀逸なデザインですから。
      私もいつか模写して作ってみたいと思っていましたもの。



      KUIPOの筥迫は画像を見るだけですが、このときは模写とはいえあの筥迫が目の前にある!というのがあまりにもうれしくて、ここぞとばかりに色々な角度から撮影したのを覚えています。


      筥迫に日本刺繍をすると、このこんもり具合が出るのがすてき♡

      後藤さんはメルトンをお使いになりましたが、オリジナルは天鵞絨に刺繍がされています。

      筥迫は被せから天面にかけての折り掛け部分に刺繍が入っているととてもゴージャスに見えます。
      つまり「前」と「上」という二面を効果的に使うことが大切です。

      装飾筥迫の場合は、縢襠付筥迫は天面には簪挿しが乗ってしまうので、せっかくの二面使いができないのが残念。
      刺繍をするという意味では、三段口の方が表現しやすいかもしれません(三段口は胴締めが細いので、刺繍をするなら少し広げた方が効果的です)。


      後藤さんは「みこない撚り」で花びらを仕上げました。

      花びらの長い縫いきりには押さえをかけたくなりますが、押さえをすればこのふっくら感は潰れてしまうので、オリジナルもシベやアクセントの赤糸で押さえを兼ねています。

      単純なデザインなのに、なんでこんなに素敵なんでしょ。

      まだまだすてきなコレクションは続くので、気長〜に期待してお待ちくださいね。



       

      情けないほどのビビリ

      ところで、昨日のNHK杯の羽生くんお見事でした。

      スポーツ観戦に関して極度のビビリである私は、どうしてもリアルタイムで試合が見られない。
      10月のスケートカナダで、羽生くんがまさかの6位発進という結果を知ったときは、二日間虚脱状態に陥り、実は恐ろしくて未だに動画さえ見られないという情けなさ。

      我が家の娘は中学でバスケ部に入りました。
      「あれ?この子スポーツなんてやるんだったっけ?」と私が思うぐらいスポーツからかけ離れたイメージだったので(どちらかといえば美術系)、ミスバスからやっている子たちからレギュラーを勝ち取るなんてことはほぼ不可能。

      以前から「レギュラー取ったら試合見に来て」と言われていたのですが、最近になって急にバスケ熱が冷めたようで、部活をやめると言いだしました。
      おかげで「身内の試合」という最も心臓に悪そうな状況を回避できたことに、内心喜んだ不甲斐ない私です(娘すまん)。

      昨日のNHK杯は実家の父に食事を持っていく時間帯で、フィギュア好きな私のために父がNHKをつけて待ちかまえていました。

      「真央ちゃん二回もミスしちゃったよ。」と話題を振ってくれているそばからチャンネルを消す私。

      「ごめん、恐ろしすぎて見られないから消す、、、、。」
      (おとーさんゴメンなさい)

      フィギュアの話題は避けつつ父と一緒に食事をし、片付けをして寝床につく頃に正座して男子シングルの結果を知ろう(まずはニュースから心臓を慣らし徐々に動画へ)と思っていた矢先、仕事帰りの主人から電話。

      「羽生、世界新記録だね!」

      確実に生放送見られる状況の人が、外からニュースを見た人に結果を知らされ、やっと試合を見ることができるとは、、、。

      我ながらなんて情けない、、、沈

      けど、フィギュアスケートってこんなに怖いスポーツだったっけ??

      今日もどうなることやら。
      とりあえず、羽生がんばれ。

       

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      【2015.11.28 Saturday 15:24】 author : Rom筥
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      後藤勝子コレクション vol.11 〜北斎シリーズ (3)〜 山下白雨
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        北斎シリーズ(3) 山下白雨
        装 飾:(日本刺繍)後藤勝子
        仕立て:(折り返し・綿入り)後藤勝子
        サイズ:7×13×3.8cm
        布 :帯地
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        山下白雨をモチーフに前面平糸で密に刺し縫いし、ビロードのように仕上げました。
        (後藤勝子)

        後藤勝子コレクション11作品目は、北斎シリーズから「山下白雨」です。
        2013年1月に掲載いたしました凱風快晴の「赤富士」に対し、この山下白雨は「黒富士」と呼ばれています。

        山下白雨は「さんかはくう」と読みますが、この「白雨」とは夕立のこと。
        私は「山下」という場所(どこだそれ?)から見た富士だと勝手に思い込んでいたのですが、単純に「山の下が夕立」という意味でした(大笑)。

        実はこの作品には入っていませんが、北斎の元絵には富士の裾野右下に印象的な図形のようなものが入っています。
        これが一体何なのか以前より不思議に思っていましたが、今回改めて調べたところ、これは「稲妻」だということを知りました。
        つまり富士の頂上付近は快晴、山の下(黒部分)は雷雨という、富士山がいかに高い山かということを気象でそれもデザイン的に表現しているんですね。

        また、裾野に「松林」の絵が入ったものがあるので、これは誰かがこの作品を模倣して手を加えた別作品だと思っていたのですが、実は後刷りの際に加えられたものだそうです。
        版画なので人気があれば何版も作り直すでしょうが、途中で絵を変えるってそんなことしていいんですね、、、汗(作家の意図はあったとは思いますが)。
        後藤さんも筥迫のデザインとしてあえて稲妻は入れなかったということでしょう。


        巾着には赤と青の波が描かれ、後藤さんのお気に入りの「富士」と「波」が仲良く入った作品となりました。

        特に赤のあしらい方が美しいですね。
        縁の入れ方も後藤さんらしく個性的です。
        実は今気がついたのですが、被せの裏にも縁が入っているようです(画像左端にちょこっと見えるところ)。
        部分的な縁使いでとても印象的な作品になっています。



         

        面白い縁の使い方と言えば、以前、風来坊さんがこんな縁の使い方を紹介してくださいました。
        筥迫の底部分に小さく縁が見えています。(同系色なのでわかりずらいかもしれませんが、鮮やかな小さな赤部分)

        これ、何か連想するものありませんか?
        実は風来坊さんはグラフィックデザイナーなので、製本の
        「花布(はなぎれ)」からヒントを得て作ったものとのことでした。
        面白い発想ですね。
        色を変えたら、より本に見えるかもしれません。
        色々なところで小さなアクセントを入れられるのも筥迫の面白さなので、自分なりのこだわりを見つけてみてください。
         

        ネットで富士山の絵を見ていたら、娘の小学校の記念誌のことを思いだしたので、今回はその話しを書かせていただこうと思います。

        娘の在学中に創立ン十周年記念行事があり、その年、私は広報委員でPTA発行の周年誌を作るグループで表紙担当をしていました。 

        表紙には小学校の全景を入れることは決まっていたのですが、どのようなアングルで撮影するかで悩んでいました。
        その学校は高台にあり、校歌に富士山が見えるという内容が入っていることから、俯瞰で学校全体を入れながら、その向こうに富士山が見える構図にしてはどうかという意見が出ました。
        ちょうど小学校の裏手にPTA会長がお住まいのビルがあったので、その屋上から撮影させてもらえばいい!グッドアイデア!と話しはとんとん拍子に決まったのですが、その写真は表紙担当の私が撮る、、、んだよね???(大汗)。

        しかし校歌ができたン十年前には見えていた富士山も、現在の東京ではよほど条件の整った日でなければ見えるはずもなく、PTA会長から「富士山が見えるぞ〜!」と連絡があると、あらゆる作業を放り出してその場に駆け付け撮影するという日々が始まりました。
        しかし何度行っても薄らぼやけた富士山ばかりで絵になりません。
        それでもわかる人にはわかるでしょうぐらいの曖昧さで表紙は完成し、あと少しで校了という時期になって、大型の台風が来るかも?という天気予報が出ました。

        台風が過ぎた後は空気も澄んで視界良好のはず!
        かつてこれほど台風を待ち望んだことはないぐらい、皆で必死に台風乞いをしました。
        そして台風一過。
        その日私はどうしても抜け出せない仕事があり、他の人に撮影を頼み、翌日画像を受け取ることになりました。
        果たして富士山は写っているのか、恐る恐るメディアをセットすると、、。

        PC画面いっぱいに広がる真っ青な空、その下に小さくくっきりと現れた富士の姿!
        そして何より私を驚喜させたのは、小学校の校庭で一年生が国語の授業をしている光景が映っていたこと。
        なぜビルの屋上から撮影しているのに、校庭で「一年生」が「国語の授業」をしているのがわかったのか?
        それは校庭に先生が大きな「くじら」の絵を描いていたからです。
        娘の小学校では、一年生の国語の教科書に「くじら雲」というお話があるのです(音読でしつこく聞かさせられるので親もよく知っている)。

        偶然とはいえ、できすぎのシュチエーションで撮影が終わり、あとは画像加工で青空にくじら雲と雲で描かれたタイトルを加え表紙が完成しました。
        皆さんに画像をお見せできないのが残念ですが、これが私の忘れられない富士山の思い出です。
        今見返してみると、遠く遠くの本当に小さな富士山なんですけどね(笑)。



        ※これらの画像は後藤さんのご好意により掲載しております。
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        【2014.10.25 Saturday 19:40】 author : Rom筥
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        後藤勝子コレクション vol.10 〜華シリーズ (5)〜 芙蓉
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          シリーズ(5) 芙蓉
          装 飾:(日本刺繍)後藤勝子
          仕立て:(折り返し・綿入り)後藤勝子
          サイズ:8×14×3.8cm
          布  :帯地
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          楚々とした芙蓉の花に、葉とつぼみで躍動感を加えました。
          全面刺しぬい。
          (後藤勝子)


          私のくどい文章が続いてしまったので、爽やかな後藤作品で気分直しです。
          夏になったら絶対にアップしようと意気込んでいた「芙蓉」の筥迫をご紹介いたします。
          爽やかで涼しげ、私もこんな筥迫を作りたいです。


          芙蓉の花は薄い白からピンクのグラデーション。
          濃いピンクはつぼみに。
          そして被せの天面に、つぼみと同じ色の飾り縁が入っています。
          面白い使い方ですね。
          内布も濃いピンクのを使われています。

          巾着には白いつぼみ。
          後藤さんの作る巾着は、一般的なきっちりかっちりの巾着と違い、巾着の折りもゆるやかに、ふわっとした形状です。
          巾着の結びは二重叶結びと同じ形ですが、裏が二重叶結びのように扁平でないので、これは『封じ結び』でしょうか。
          封じ結びは、巾着が開閉できるように、巾着に紐を通してから結びます。



          緒締は大きなトンボ玉で、夏に咲く芙蓉に合わせて涼しげです。
          トンボ玉の下にロンデルを組ませています。




          私には、新婚の頃に住んでいた家(主人の伯母の家で空き家になっていた)の庭に植えられていた芙蓉の思い出があります。
          東京都心の高級住宅街にあった立派な日本家屋で、広い庭がありました(東京の庭なので広いとはいってもたかが知れていますが)。
          しかし、多忙な共働き夫婦にそんな立派な家が管理できるわけもなく、広い庭は雑草でいっぱい。
          お隣さんから苦情が来るたび、休日に夫婦で必死に草むしりするのですが、庭に囲まれて住居があるため、何日かかかけて家を一回りしても、終わる頃にスタート地点の雑草がすでに育っている様を見て、二人でがっくりと肩を落とすという繰り返しでした(遠い目)。

          あまりにも辛く、結局植木屋さんに頼んだのですが、全ておまかせで何十万もかかると聞きびっくりしていると、伯母があっさりと払ってくれました(伯母にとっては当たり前のことだったようで)。
          このような庭を管理するということが、どんなにお金のかかることか思い知りました。

          そんな雑草だらけの庭の中心にあったのが芙蓉の木でした。
          元気に生い茂る雑草に負けないぐらいの大きな木で、薄いピンクの花が咲き誇っていました。
          しかしそれは「まぁ、きれい」というようなものではなく、私にはとんでもない怪物に思えるようなものでした。
          植木屋さんにここまで剪定するか?というぐらい切り詰められたはずなのに(1mもないぐらい)、夏になると庭の物干台を軽く飲み込んでしまうぐらいの勢いで成長していきます。
          この画像を見る度に、芙蓉も一輪ならほんと儚げで美しいのになぁ、、と、あの頃のすさまじい芙蓉の思い出と共にため息の出る思いです。

          芙蓉には、常にピンクの芙蓉と、朝白く夕方になるとピンクに変化する「酔芙蓉」というものがあるそうです。
          あの頃は常に障子を締め切っていたので(とにかく雑草だらけの庭は見たくなかった)、あれが酔芙蓉だったかは未だ不明。
          後藤さんの筥迫もピンクと白のつぼみがあるので、こちらも不明です。

          東京育ちの東京ッ子に広い庭は悪夢です。
          どんなに狭くても、庭のないマンション暮らしは天国です。
          芙蓉は筥迫にして愛でるもの、、、かな(笑)。



          この家の思い出と言えばもう一つ。
          表玄関の引き戸に、外から入るための「鍵穴」がなかったのがとくかく不便でした。
          早く帰った方が裏の勝手口から入り、後から帰った人を玄関を開けて出迎える。
          つまり妻(専業主婦)は常に勝手口から出入りするもので、玄関はご主人様や客人を出迎えるためのもの、ということなんですね。
          昔の日本の家では当たり前だった(?)のかもしれませんが、私の家は自営業で玄関というもの自体ありませんでしたので、こんな家の造りにカルチャーショックを受けたもいい思い出です。



          ※これらの画像は後藤さんのご好意により掲載しております。
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          【2014.08.10 Sunday 14:35】 author : Rom筥
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          後藤勝子コレクション vol.9 〜華シリーズ (4)〜 打ち掛けのはぎれ
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            シリーズ(4) 打ち掛けのはぎれ
            装 飾:(日本刺繍)後藤勝子
            仕立て:(折り返し・綿入り)後藤勝子
            サイズ:7×13×3.8cm
            布  :縮緬
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            明治の打ち掛けのはぎれで作りました。
            刺繍はありませんが、布の力を借りた小さな一品で、これにも飾り職人の鶴をあしらいました。
            (後藤勝子)

            後藤勝子コレクションもこれで9作品目になりました。
            約1/3が終わってしまったということで、やたらともったいない気がして、チビチビとアップしています。

            このコレクションを紹介し終わる頃には、別の筥迫作家さんが出て来たらいいな〜という淡い期待を抱いています。
            いや、今関わっている仕事は、その可能性大かもしれません(あと一年半後ぐらいかな?)。
            後藤さんの作品を見て感化された人たちが自分なりのコレクションを作ってくれて、それを私が次々と紹介する、、、なんて妄想に忙しい今日この頃です(笑)。



            今回のコレクションは見ての通り刺繍作品ではありません。
            水面に桜(?)そこに飛ぶつがいの鶴。

            かつて後藤さんは、こんな金具を骨董市などでたくさん入手したそうです。
            「昔はたくさん売っていたのよ。」
            ご自身はネット等はされないそうなので、筥迫材料は骨董市等を歩いて地道に探して来られたのでしょう。


            筥迫にびら簪ではなく、こんな簪をさりげなくひょいとアレンジしてくださいます。
            何に使えるものでもありませんが、その時の状況に合わせてちょっとした絵に納めてしまいます。
            このあたりに後藤さんのセンスを感じずにはいられません。


            被せは明治期の縮緬の打ち掛けということですが、外箱は違う素材が使われています。
            たまにこのような異素材、色の違いで組み合わされた筥迫を見かけますがすてきですね。

            外箱と落し巾着は同じ素材のようです。
            巾着には淡いグラデーションがかかっていて、やわらかい雰囲気を感じさせます。
            そしてここにもまたかわいい飾り金具が。


            前回ご紹介した、柾女さんの佐賀錦の筥迫でも、巾着は内布が使われていました。
            実際に佐賀錦で小さな巾着を作るのは大変でしょうから、使いやすさからも内布が使われたのかもしれませんが、なかなかすてきなアイデアだなぁと感心してしまいました。
            私などは既存の筥迫を見慣れ過ぎていて、それが足枷となって作品作りにおいての殻を破れませんが、他の人が作る筥迫を見ると色々な表現方法があることを改めて知ることができ、少しずつ自分の殻をやぶることに楽しみを感じております。




            伝統工芸というものは、連綿と続く技術の伝承であり、技術を支えて来た先人たちの技が、その時代の職人の手によって再現されているようなものです。
            半面、色々な規制も多いでしょうし、その中で作品作りをしなければならないのはかなり大変なことだと思います。

            そういう意味では、筥迫には技術の伝承はなく、その独特の意匠だけが受け継がれてきました。
            後藤さんも私も、誰かに教えられて筥迫を作ってきたわけではないので、受け継ぐという感覚もなく、過去のサンプルにただただ純粋な憧れを持ちつつ自分なりの表現をしています。

            伝承されていないということは、一面において大胆な自由さをはらんでいます。
            日本刺繍の技術を習得しようと思うと、それだけで表現することが大原則ですが、筥迫や嚢物という三次元の表現方法が加わることにより、作品の中に押し絵と刺繍を組み合わせたり、ラインストーンやビーズを組み合わせたり、金具を埋め込んだり、色々なコラボを楽しもうという発想が出て来ます。
            私たちが作る物には伝統の重みはないかもしれませんが、だからこそ自由な発想とゆるい楽しみ方ができるのではないでしょうか。

            そんな筥迫を、これからもたくさんご紹介できればいいなと思っております。



            ※これらの画像は後藤さんのご好意により掲載しております。
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            【2014.04.30 Wednesday 08:54】 author : Rom筥
            | 後藤勝子コレクション | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            後藤勝子コレクション vol.8 〜玩具づくしシリーズ (2)〜 一葉
            0

              玩具づくしシリーズ(2) 一葉
              装 飾:(日本刺繍)後藤勝子
              仕立て:(折り返し・綿入り)後藤勝子
              サイズ:7×13×3.8cm
              布  :羅紗(メルトン)
              ------------------------------------------------------------------
              一葉をイメージしました。
              顔は辛撚り糸で一本づつもじり押さえをし、顔つきもキモノも当時の庶民の情感がただようように工夫しました。
              香袋のめかしこんだお福さんがとても気に入っています。
              (後藤勝子)

              後藤勝子コレクションもvol.8になりましたが、まだまだ先はありますよ〜(全27作品)。
              出し惜しみしつつ、気がつくと前回から五ヶ月近くたっていました、、、ファンの方ごめんなさい。

              今回は一葉をイメージして制作されたという筥迫です。
              ふっくらとしたメルトンに、精密に一葉さんが刺繍されております。
              一葉さんのお顔が、淡い色の組合せでちょっとハレーションをおこしてわかりづらいのですが、それが淡く儚い表現となって、短い人生だった一葉のイメージにダブります。
              この体型が夢二風なので、よけいそんな雰囲気を感じるのかもしれません。


              一葉さんとは対照的に、元気に愛らしい巾着のお福さん。
              丸い巾着いっぱいに大らかなお福さんが表現されています。


              後藤さんの筥迫は大きいというイメージがあったのですが、こちらは7×13cmとそれほど大きいというわけではありません。
              筥迫工房で販売されているびら簪付筥迫の本体が7×11.5cmなのですが、近日発売予定の三段口扇襠筥迫は広幅なので7.3×13cmと、この筥迫とほぼ同じサイズです。
              最近は振袖に対して基本形の筥迫が何だか小さい気がして、少し大きめのサイズで襠付(折り襠)を作っております。
              こちらは7.5×12.5cmで、アンティークの筥迫にはこの大きさのものがけっこうあります。

              江戸時代に比べ維新後の筥迫はかなり小さくなりましたが、それでも現代でアンティークと呼ばれる古い筥迫をしていた頃の花嫁さんは、150cmほどの身長に、現代のものより一回り大きめの筥迫と、長く立派な銀製のびら簪を挿していました。
              それがハレの日を象徴する「特別」な花嫁さんのイメージなのですが、それと比べると、現代のちゃちな筥迫をした花嫁さんはいわゆるコスプレの感が拭えません。
              襟が崩れるぐらいなんだ!筥迫がやたらと目立つのがなんだっていうんだ!立派な筥迫入れてたら目立たせたいだろうが!と一人叫ぶあいかわらずのRom筥でした。

              ただし厚みは(一葉)3.8cm、(びら簪付綿入)2.5cm、(三段口)1.8cm、(二つ折)1.2cmと相当違うので、この筥迫が大きいと思う所以は、ひとえに厚みにあるのかもしれません。



              筥迫刺繍というのは小さい画面にその意図を詰め込むのですから、作業自体はかなり細密になります。
              私が筥迫の図案を描く際も、もったいないとばかりに色々なものを詰め込もうとするので、小さくても作業時間は決して短くはありません。
              刺繍教室の方には、帯や着物に比べたら筥迫なんて小さいんですから、ちゃちゃっとできちゃいますよ!と勧誘するのですが、この細かさが無理!と撃沈されています(笑)。

              小さいチマチマとした世界がお好きな方は、是非筥迫装飾に挑戦してみてください。
              (現実は細かい世界が嫌いな人の方が圧倒的に多そうですが)



              特に意味はないのですが、近くにあった古裂と一緒に撮影してみました。


              細かい筥迫刺繍の話をした後で何ですが、一葉自身は針仕事などの労働に対する蔑視が強かったそうで、自分にできる他の収入の道として小説家を目指したそうです。
              24年の短い生涯の中で、実際の作家生活は1年2ヶ月とあまりにも短く、大つごもり、たけくらべ、ゆく雲、にごりえ、十三夜、裏紫を執筆した期間は「奇跡の14ヶ月」と呼ばれています。
              針仕事なんてしなくても許す!と言いたくなるような濃密な短い人生です。



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              【2014.02.05 Wednesday 10:50】 author : Rom筥
              | 後藤勝子コレクション | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              後藤勝子コレクション vol.7 〜北斎シリーズ (2)〜 赤波青波
              0

                北斎シリーズ(2) 赤波青波
                装 飾:(日本刺繍)後藤勝子
                仕立て:(折り返し・綿入り)後藤勝子
                サイズ:7×13×4cm
                布  :羅紗(メルトン)
                ------------------------------------------------------------------
                赤い波と青い波を刺繍したいと思っていました。
                波はダイナミックで躍動感が素晴らしいです。
                撚り糸で波頭を、立つ波を平糸で、波の音が聞こえてくるような勢いで刺繍しました。
                (後藤勝子)

                お待ちかねの後藤勝子コレクションです。
                今回は季節に合わせて「波」から選んでみました。
                今夏に掲載を予定していたものは2点あり、これはそのうちの1点です。

                猛暑続きのこの夏も、先日から一気に秋が訪れたかのような爽やかな日が続いたので、やっと一息〜〜と思ったのもつかの間、後藤コレクションの夏が終わってしまう!とあせって用意しました。
                でも今日はまた蒸し暑い夏の気候でしたね。いつまで続くんでしょうか、この暑さは、、、。



                実は「波」は北斎シリーズに3点あります。
                同じく「富士山」も3点あります。
                そしてこの筥迫には、その2つの要素が入っています。
                後藤さんのお好きなモチーフ満載といったところですね。

                このダイナミックな波も、今では東日本大震災の津波を連想してしまうのが悲しいところです。
                我が家では海といえば、春は潮干狩り、夏は海水浴に行くのが恒例でしたが、震災以降、海に近づくのが怖くなりぷっつりと行かなくなりました。
                私だけでなく、そのような人は多かったのではなかったでしょうか。

                しかし今年は海に行きましたよ!春の潮干狩りも夏の海水浴も!
                やっぱり海はいいですね。
                こんな荒々しい波のない穏やかな海でしたが。
                そして、さすがにといいますか、浜辺にも宿にも、津波の際の避難経路が目立つ場所に掲げられていました。
                ライフセーバーもアナウンスを終えたら直ちに非難します!(延々と非難勧告しないという意味)とアナウンスされていたのも印象的でした。



                この筥迫に使われている「羅紗(メルトン)」は、今ではとても貴重な生地だそうです。
                私も後藤さんから端切れをいただきましたが、薄いフエルトをものすごく柔かくしたようなうっとりするような手触りです。
                海なのに暖かそうな素材だなぁ、、と思いつつ、そうだ海は夏だけのものじゃなかった!と今さらながら気がつきました(汗)。

                それにしても、この羅紗という生地は50cmだけのお値段でも相当高価で、びっくりしたのを覚えています。
                一つ一つの素材にこだわり、一針一針に心を込めて刺繍をし、そして筥迫を仕立てる。
                筥迫というのは、本当に愛おしくなるほどの工程で作り出されるものだなと感じます。



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                【2013.08.30 Friday 17:58】 author : Rom筥
                | 後藤勝子コレクション | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                後藤勝子コレクション vol.6 〜華シリーズ (3)〜 蓮の花
                0

                  華シリーズ(3) 蓮の花
                  装 飾:(日本刺繍)後藤勝子
                  仕立て:(折り返し・綿入り)後藤勝子
                  サイズ:8×14×3.8cm
                  布  :帯地
                  ------------------------------------------------------------------
                  聖らかな蓮の花を中心に、全体を瑞々しい感じに仕上げました。
                  全面刺し縫い。
                  (後藤勝子)

                  お待たせしました、後藤勝子コレクション第6弾です。
                  今は筥迫ネタでブログを書けない、、、と思っていたのですが、そうだ!後藤さんの作品がありました。
                  もったいなくて出し惜しみぎみでしたが、こんなときこそすばらしい後藤さんの作品で心ときめきましょう(笑)。

                  今の季節に合わせて蓮の花を選んでみました。

                  “聖らかな” 蓮の花を表現するには、こんな白い空間と特徴的なつぼみは欠かせません。


                  “全面刺し縫い” の艶感が蓮の花にふさわしい。

                  筥迫の仕立ては「玉縁」が最上と思われがちですが、刺繍などの装飾は「折り返し」仕立ての方がその良さを際立てることが多いような気がします。
                  たとえ綿を入れなくても(つまり基本の折り返し、平面仕立て)、刺繍のぽってり感だけで筥迫が際立ちます。

                  このぽってり感を出すのに一番重要なのが、胴締めや被せの折り返した側面部分。
                  つまり胴締めに回り込んでいる厚み部分ですが、ここまでしっかり刺繍が入って被せの絵につながることによって、筥迫刺繍の立体感や重厚感が出ます。
                  それには、被せと胴締めは折り返し線よりも2〜3mmはよけいに刺繍をしましょう。


                  後藤さんらしい大きな緒締です。
                  爽やかな青いとんぼ玉は、水面と蓮のイメージでしょうか。

                  私の巾着はきっちりぱっきり丸い型を作りますが、後藤さんの巾着は大事なものをふわりと中に包んだような作り方です。
                  巾着は作る人の個性が最も出やすいパーツですね。


                  -----------------

                  昔、仕事で「こんな蓮(はす)の絵がほしいんだけど」とモネの絵を渡されたことがあります。

                  「これ睡蓮(すいれん)ですが、、、?」

                  相手の人が間違うのも無理ないのですが、蓮と睡蓮はよく似ています。
                  でもあきらかに違うところがあります。
                  モネの絵のように水面にぺた〜んと花と葉っぱが貼り付いているのが睡蓮。
                  花も葉っぱも水面からぐぐ〜んと立ち上がっているのが蓮。
                  まぁ色々な種類があるので、あくまで大雑把な見分け方ですが。


                  私は6年ほど前から「ビオトープ」をしています。
                  ビオトープとは、

                  「有機的に結びついた生物群。すなわち生物社会(一定の組み合わせの種によって構成される生物群集)の生息空間」(Wikipedia)

                  とややこしい説明がされていますが、Rom筥風超適当解説では
                  「ものぐさメダカ飼育法」となります(笑)。

                  熱帯魚などを飼うのはとても手がかかるというイメージがありますが、ビオトープは「野外」「水草」という自然の水質浄化作用を利用し、水換えをしなくてもエサをやらなくてもメダカが生きていける環境を作り出します。
                  水は蒸発するので常に継ぎ足しをしますが、私の場合、掃除(水換え)は年一回、エサは卵を産む春と夏だけ、冬は全くの放置(エサなし)。

                  それでも思い出したように春に水鉢をのぞき込むと、メダカたちはしっかり生きています。
                  この頃にメダカは卵を生むので、これを機に年一回の水換えと新しい水草を投入します。
                  しかし、仮住まいのための新しい水をバケツに作り、メダカたちを移し替えた頃に母の容態が悪くなり、水鉢も掃除されないまま現在まで放置されています。



                  まぁ新しい水草は入っているし、このままでも問題なく生きてはいけるのですが、第一は見た目の問題ですね。
                  昨日から実家の父にヘルパーさんがついたし、せめて日に一往復数時間ぐらいの頻度になれば、少しずつ元の生活が取り戻せるのではないかと思うのですが。

                  我が家の夏には、目にも爽やかなビオトープと妙珍火箸風鈴の涼やかな音色は不可欠です。
                  この生活が少し落ちついたら、第一にビオトープの環境を整えて夏に備えることにします。

                  昔、ビオトープに睡蓮を入れてうまく育たなかったのですが、またいつかこの水鉢にきれいな睡蓮が浮かんだ光景を見てみたい、、と後藤さんの筥迫を見ながらしみじみ思うRom筥でした。
                  (あくまで後藤さんの筥迫は『蓮』ですが)




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                  【2013.06.13 Thursday 21:31】 author : Rom筥
                  | 後藤勝子コレクション | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  後藤勝子コレクション vol.5 〜椿シリーズ (1)〜
                  0


                    椿シリーズ<1


                    装 飾:(日本刺繍)後藤勝子
                    仕立て:(折り返し・綿入り)後藤勝子
                    サイズ:7×13×3.8
                    布  :縮緬
                    ------------------------------------------------------------------

                    花は全面撚り糸の刺しぬいです。
                    (後藤勝子)

                    本日、体調を崩したという実家の母の世話をしに、一駅分の道のりを自転車で走ってきました。
                    時は4月。日差しのわりに風が冷たいものの、さすがに外は春の匂いがぷんぷんです。
                    先日の嵐であっという間にソメイヨシノは散ってしまいましたが、所々で全開の八重桜が咲き誇っていました。
                    そんな華やかな八重桜の側に、赤い花をつけた椿が静かにたたずんでいるのが目に止まりました。
                    そういえば、後藤勝子コレクションの「椿シリーズ」はまだ出ていなかった!と思い出し、家に帰ってからさっそくブログを書き込んでいます。

                    後藤さんは椿が大好き!とおっしゃっていました。
                    私は正直、椿はなんだか地味な花のような気がして、今までほとんど関心がありませんでした。
                    4月まで咲いているものなんだと今気がついたぐらいで、、、。



                    こうして椿の花が刺繍作品になってみると、なんだか今まで知らなかった椿の可憐さがあらためて見えてくるのも不思議です。

                    私の椿のイメージは、花よりもこの縮緬の生地のような濃い緑の葉っぱの方が強いです。
                    堅くて、つるつるに磨いたように光沢のある葉っぱは、型で抜いたかのような、とても自然にできた形には見えないのです。
                    そんな強く堅いがんこなイメージとして脳裏に焼きついています。

                    椿の名の由来は、厚みのある葉、光沢のある葉が特徴のことから、「厚葉樹(アツバキ)」「艶葉樹(ツヤバキ)」が訛ったとされているそうです。
                    椿の葉の寿命は1年ぐらいだそうですが、みるからに耐久性はありそうです。



                    椿のぽってり感がかわいいですね。
                    緒締は金属のロンデルでしょうか。八印か十印の紐であれば太さはちょうどよいかもしれません。


                    私が小学生の頃、近所のお宅の庭に面した場所が登校班の集合場所に指定されていて、そこに4〜5本の椿の木が並んで植えられていました。
                    子どもだったので、その濃い緑の椿の木はとても大きく感じられ、それがまたうっそうとした雰囲気を持っていたのです。

                    今考えれば、あんなに大きな椿の木があったのに、6年間チャドクガの被害にあった記憶がないのが不思議です。
                    大事に手入れされていたのでしょうか。
                    椿は常緑樹で、寒さに強く、日陰でも生育し、最も花の少ない冬に咲く植物として便利だったのでしょう。
                    市街地の公共施設の街路樹や公園等に安易に増やした結果、近年のチャドクガの猛威に繋がったようです。
                    なんでも簡単な方向、楽な方向にばかり考えてはいけませんね。


                    最近、娘がハムスターを飼い始めました。
                    一般的なジャンガリアンハムスターですが、一匹なんと980円(×2匹)!
                    娘はまだ生き物を飼った事がないので、この値段がそのままハムスターの価値に思ってしまったら怖いと思い、
                    「命はすごく高いものなんだから楽な気持ちで考えちゃだめよ!責任を持って育てなさい!」と言いました。
                    すると、こんな標語を見つけて毎日呪文のように唱えるようになりました。
                    「かわいい一瞬、世話一生!」(娘)
                    ちなみに、ハムちゃんたちの名前は「加藤さん」と「須藤さん」です(どうしてそんな名前つける?)。


                    きれいな椿の筥迫から、なぜかチャドクガ→ハムスターの話になってしまってごめんなさい。
                    椿シリーズは全5作品あります。
                    今後をお楽しみに。



                    =========================
                    筥迫工房 筥迫ワークショップ

                    筥迫を作ってみませんか?
                    =========================

                    ■装飾筥迫 びら簪付筥迫の作り方


                    第1回:2013年5月3日(金・祝)10:00〜18:00
                    第2回:2013年5月4日(土・祝)10:00〜18:00


                    ※こちらのコースは定員に達しましたので、
                     受付を終了いたしました。ありがとうございました。




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                    【2013.04.12 Friday 15:29】 author : Rom筥
                    | 後藤勝子コレクション | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    後藤勝子コレクション vol.4 〜玩具づくし (1)〜 御所人形と鯛車
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                      玩具づくし<1>『御所人形と鯛車』


                      装 飾:(日本刺繍)後藤勝子
                      仕立て:(折り返し・綿入り)後藤勝子
                      サイズ:8×14×3.8
                      布  :塩瀬
                      ------------------------------------------------------------------

                      御所人形のふっくらした体や手足を甘撚り糸で、子どもと同じくらい大きな鯛車も可愛く、ひもには駒肉入れを施し立体的に仕上げました。
                      (後藤勝子)

                      成人式のもう一つの筥迫画像をアップしようと思いましたが、後藤勝子コレクションがご無沙汰で、後藤ファンにはちょっとさみしい思いをさせていたかと思いますので、ここで一つ挟ませていただきます。



                      玩具シリーズは6作品あります。
                      今回はその1作目です。
                      全体の写真がこれしかなくごめんなさい。
                      短時間で数多くの筥迫を撮影していたため、たぶん最後の方で撮影していたものは、疲れてピンぼけで変なアングルになってしまったようです、、、(汗)。
                      すみません、雰囲気だけ感じ取ってください。

                      着物の襟元からのぞいているふっくらとした御所人形。
                      筥迫をさっと引き抜くと、反対側には鯛車が、、、。
                      楽しそうですね(笑)。

                      赤の塩瀬は、刺繍筥迫の定番ですね。
                      とても使いやすい(筥迫も作りやすい)ので、初めて刺繍筥迫を作られる方には、是非塩瀬から初めて下さいと言っています。

                      赤という色は、筥迫がウキウキして見えます。
                      赤の筥迫というだけですぐ買ってしまうのも私の悪いクセ、、、。
                      でも赤の塩瀬でまだ筥迫刺繍したことがなかったっけ、私(こんど作ろう!)。




                      落し巾着


                      どうです、このすてきな巾着!
                      牡丹は御所人形の前掛けの柄(牡丹)にかけています。

                      後藤さんが作る筥迫の巾着は、筥迫工房の型紙よりもかなり大きいですが、後藤さんの巾着に対する主張を感じます。
                      筥迫作りにとって巾着は個性の見せ所です。
                      決して巾着を添え物にしません。
                      今時の市販筥迫の残念なところは、巾着をかなりないがしろにしているところ。
                      巾着は筥迫のもう一つの大事な顔なので、思いを込めこだわりを込めて作りたい小道具です。

                      私は巾着や簪挿しに凝った刺繍をするほどの力がないので、とりあえずかっちりきっちり丸みにこだわったフォルムを出すことをこだわっています。
                      巾着ばかり何十個も作っていた時期がありました。
                      アンティーク筥迫の巾着を毎日毎日ながめ、なぜこの形にならないのかため息をついた日々もありました。
                      最近になって何となくコツがつかめてきたような気がします。
                      対して後藤さんの巾着は、ゆったりとふくよかなフォルムで綿入れも最小限です。
                      とてもやさしい感じですね。

                      赤にがっちりとした紫の江戸打ち紐が映えて美しい。
                      黄色の緒締が玩具シリーズによく相まって、遊び心を感じさせます。

                      いくら落し巾着は帯の中に入れるものと言ってはいても、こんな巾着なら外に出して見せびらかしたくなる気持ちはよくわかりますね。



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                      【2013.02.19 Tuesday 20:06】 author : Rom筥
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