『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
式部型小物入と講習会のスケジュール変更
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    今月の講習会の紹介をするつもりでしたが、8月20日に申し込みが始まる式部型の詳細を出していなかったこと、また今後の講習会スケジュールの変更があるため、今回はお知らせ優先にさせていただきます。

     

    こちらは御所解きの裂に刺繍をあしらったものです。

    去年の刺繍教室の作品展のため、私が刺繍したものなのでちょっと残念なレベルですが、式部型の画像がこれしかないのであしからず。

    画像では大きく見えるようですが、手のひらに乗るような小さな小物入れです。

     

     

    まずは講習会の変更のお知らせです。

     

    今年の講習会スケジュールで予定されていた

     

    11月(金封袱紗、三段口扇襠筥迫、筥迫装飾)

    12月(四ツ襠紙入、式部型小物入)

     

    は、「中止」とさせていただきます。

     

    予定されていた皆様、本当に申し訳ありません。

     

    11月、12月は別のスケジュールになりますので、後日決まり次第お知らせいたします。

    10月の予定までは通常通り開催されます。
     

     

    それから9月19日開催の『式部型小物入』の詳細を出していなかったのでアップしました。

     

    こちらの詳細を出していなかったのは、「対象者レベル」を結局去年と同じにするかどうかに悩んでいたからです。

     

    筥迫工房の講習会は、全ての講座で「どうやったら全員が時間内に確実に完成できるか」が最大の問題です。

     

    これは最も手間のかかる型ですが、中級を経た人であれば作れるレベルではあると思います。

     

    しかしながら、「慣れ」とは別に、「作業速度」は非常に個人差があるので、今回のように工程の多い型になると終了時間を想定することがとても難しくなります。

     

    対象が「縢襠付筥迫を余裕で作れるレベルの人」というのはあくまで自己申告でしかないので、終了時間を「17時〜19時(午後7時)」と幅を持たせることでとりあえずの解決を図りました。

     

    結局そこか、と思われるかもしれませんが、遠方から参加される方も多く、指定でチケットを買われている方にとって、終了時間を示すことは大事なので、どうかご了承いただきたくお願い申し上げます。

     

    しかし上級の型が増えれば増えるほど同じ問題にはぶつかるので、何か別のやり方を考えなければなと考えてはいます。

     

     

    もう一つの変化

     

    11月、12月の予定を中止(組み直し)にした理由は、別の講習会会場を11月から使えるようになったからで、こちらではお針子会とは違うやり方をしたいと考えています。

     

    現在会場として使わせていただいている「お針子会」は、講習会会場としてとても使い勝手は良いのですが、いかんせん和裁教室や刺繍教室で使われていない日だけを使わせていただいているため、どうしても「単独講習」にせざるを得ません。

     

    「単独講習」には1日で絶対に完成させる!というのが最大の利点ですが、今回の型のようなものにはその良さが難しさにもなります。

     

    そんなわけで、前々から考えていた「連続講習」を開催することになりました。

     

    連続講習の良さは何より「自分のペース」で作れることです。

    そのかわり、単独講習なら1日で作れるものを何日もかかって作ることになるので、遠方の方にはまず利点がないのですが、お針子会を会場とした単独講習も並行して続けていくつもりなのでご安心ください。


    新しい会場では、4名程度の小規模なやり方から無理なく始めようと思っていますし、ある程度の道具類は常備して貸し出しできるようになるとは思います。

     

    そして、全員が違う作業をすることになるので、単独講習のように効率的には進みませんが、楽しみながら「ゆるく」作業したい人には最適ではないかと思っています。

     

     

     

    いづこも同じ状況でしょうが

     

    実は講習会のやり方を変えるに至ったもう一つの理由があります。

     

    私ごとで大変恐縮ですが、最近、実父の介護のレベルが一気に進んだことにより、講習会で丸二日潰してしまうことや、単独講習だけで一年の予定をまとめて出すというような講習会を続けていくことが難しい状況になってきたということがあります。

     

    区切りよく来年からと思っていたのですが、父の状況が急激に変化していること、新しいお教室のお話が同時期に進んできたことなどから、早々に進めた方がいいだろうと考えました。

     

    準備や他の調整などを考えて、9月中には詳細を決めて本年度11月の開始を目標に考えていきます。

     

     

    色々と状況が変わって皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、できるだけ皆様の要望に添えるよう、そして自分にも無理がないやり方で続けていきたいと思っておりますので、何卒ご了承いただきたくお願い申し上げます。

     

     

     

     

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    【2018.08.15 Wednesday 10:17】 author : Rom筥
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    『籠千代田お針箱』プレ講習会に変更
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      講習会の中級コースでは、申し込み後に教材一式が郵送されますので、その中に同梱されている指示書を見ながら下準備をしていただきます。

       

      下準備のある講習会なんてそうそうないとは思いますが、とにかく「1日で仕上げる!」任務を全うするために、ありとあらゆる手を尽くしています(苦笑)。

       

      型紙をホットメルト紙に書き写し、裁断してスジを入れる、という作業が基本ですが、筥迫のように巾着や房を作ってくるというものもあります。

       

      下準備はそれぞれ手の速さが違いますので、家でやった方が自分のペースでできるからいいと受講者には好評のようです。

       

       

      7月19日から申し込みが開始する『籠千代田お針箱』もこの下準備があるのですが、一つ問題があります。

       

       

      中の貼り込み部分はいつもと同じ作業なのですが、上の巾着部分は「自分で製図して縫ってくる」という、これまでとは全く違う準備が出てきます。

       

      筥迫の房や巾着はあくまで任意ですが、「籠千代田お針箱」は巾着部分ができていないと講習自体が成り立たないので、これを確実に作ってこれるかどうかは大問題です。

       

       

       

      縫うことは難しいのか?簡単なのか?

       

      以前ブログで、この型のことを「工作のようで簡単!」と書いた気がするのですが、これはあくまで中の仕切りのことです。

       

      上の巾着部分に限っては、縫うと言っても小さなものだし、ミシンならすぐできるだろうぐらいの気持ちでいたので、そのときはあまり難しさは感じていませんでした。

       

      しかし講習が迫ってくると、受講者全員に一定のレベルで、その日のうちに必ず仕上げさせるというノルマが重くのしかかるので、工程や下準備の内容を具体的に考えるようになります。

       

      どんな人が来るか?どんな布を持ってくるか?どんなトラブルが起こり得るか?をタイムスケジュールの中で考えていくと、眠れないほど思い悩むのが常です。

       

       

      今回は「製図」作業も含まれるので、これを自分一人で作業させてできるものなのか?という疑問が出てきました。

       

      昔はドレメ式だの文化式だのの型紙を使って自分で製図して洋服を作ったので、そんな経験がある人なら問題ない程度の準備ですが、今は手作り服など作る人の方が希少という世の中です。

       

      筥迫工房の講習会に来るような人は基本的に手先の器用な人が多いとは思いますが、筥迫の縢りなどは厚紙を縫うにも関わらず「指貫」を使わない人がほぼ半数もいる。

      貼り込みでは縫う部分がほとんどないので、そもそも各自の縫うことに対するスキルがわからない。

      (ミシンなら指貫を使うことはない?)

       

      和裁の先生からも「昔は初めて和裁を習う人でも、ある程度針を使うことには慣れていたけれど、今の人は針を持つ機会がほとんどないから、昔の生徒とは出始めのスキルが全く違う」と言われ、一人で事前準備させていいのかどうか、今まで発想しなかったことに不安を抱えています。

       

      そこで、今度こそ絶対に講習会をする!と宣言しているので、講習会はやりますが、内容を「プレ講習会」に変更させていただくことに致しました。

       

       

       

      プレ講習会とは

       

      プレ講習会というのは、実際の講習会の前に試験的に行う講習会のことです。

      新しい講座では時々開催しているのですが、非公開で行なっているので、これまでブログで紹介はしていません。

       

      実際の講習会と変わりはないのですが、その内容を元に変更すべきところを考え、実際の講習会に反映させるというものです。

       

      内容や手順の確認という場合もありますし、教材をたくさん用意してその中から好みを聞く場合もあります。

      時間配分を見るためだけに行う場合もあります。

      慣れている人を対象にすることもありますし、慣れていない人を対象にすることもあります。

       

      このプレ講習のおかげで、実際の講習ではほぼ時間内に安定して作業できるのですね(ご協力いただいた方には感謝!)
       

       

      今回、プレ講習会にする目的は「事前作業」にあります。

       

      縫い物に慣れていない人にはこれは無理だとか、この縫い方はわかりずらい等の客観的なご意見がいただきたいので、今回のプレ講習会には、縫い物なら説明をみれば大体縫い方はわかる、という方に来ていただけると大変助かります。

       

      ちなみに、通常のプレ講習会であれば、こちらからお誘いするので即受付なのですが、今回はすでに公募していることもあり、いつも通りの募集で行います。

       

      プレ講習で問題がなければ、以後の本講習でも同じ内容で行いますが、問題が有りと思えることは、以後の講習では大きく変更する場合もあります。(出来上がる形が変わることはありません。あくまで手順等が変わるだけ)

      今後、手順書だけで下準備を説明するか、動画にでもした方がいいのか(!)、はたまた連続講習にした方がいいのかなども考えたいと思います。

       

      今回のプレ講習会の様子は今回はブログでもレポートしたいと思いますが、あまり問題がないようでしたら、今年中に臨時講習を入れる可能性もあります。

       

       

      以上をご了解いただいた上で、『籠千代田お針箱』プレ講習(8/18開催)に申し込むか、以後の正規の講習会にお申し込みいただくかを考えていただければ幸いです。

      (ちなみに、プレ講習会は通常の講習費よりも少しお安くなります)

       

       

       

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      【2018.07.03 Tuesday 14:32】 author : Rom筥
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      2018.6筥迫講習会『筥迫装飾』
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        6月3回目の講習会は、今回から始まった「筥迫装飾」講座でした。

         

         

        過去の素晴らしい筥迫を見れば、筥迫に最も適した装飾方法は「日本刺繍」ということで異論はないのですが、ご存知の通り日本刺繍というのは恐ろしく手間のかかる装飾でして、これだけ筥迫作っている私でさえ、今までに作った刺繍筥迫は10個にも満たない。

         

        小さな画面にここまでの手間暇をかけることを考えれば、刺繍筥迫が特別な装身具扱いされるのも当然のことです。

         

         

        私自身、刺繍筥迫はもうそれほど意欲的に作る気はないので、それは刺繍の専門家たちに任せることにして、もう一方では、どうやったら「刺繍以外の装飾」ができるか?ということを密かに研究し続けてきました。

         

        きっかけは改定した縢襠付筥迫の教本で、表紙で使う筥迫にちょうどよい柄ゆきの布が見つからず、それならば自分で布を操作して柄を作ってしまえ!と思ったのが始まりです。

         

        意外にも効果的で、柄取りのストレスが解消されたこともあり、それからは装飾材料を地道に探し続け今日に至りました。

         

        そこで、今年は1月に「刺繍をする人のための刺繍図案研究会」と、6月には「刺繍をしない人のための筥迫装飾」の二本立てに挑戦することにしたのです。

         

         

        切付け

         

        刺繍以外の筥迫装飾において、特別な材料を使わずに筥迫を劇的に変化させる装飾方法は、何と言っても「切付け」です。

         

        これは柄取りをしているところです。

         

        自分の好みの布を入手できたとしても、筥迫に仕立てたらイメージと違う出来上がりになった、、、という思いをした方は多いはずです。

         

        これは、元の大きな布のイメージを、小さな筥迫に反映できる箇所を探せなかったというだけのことです。

         

        柄取り如何で全く違うものが出来上がるので、本来柄取りにはゆっくり時間をかけたいのですが、実際の講習会ではそんなことを説明している時間はないので、受講者が持ち寄った布は講習会が始まるまでの時間で私が急ぎ「柄取り」してしまいます(初級コースのみ)。

         

        ということで、今回これを独立した講座にし、前半は「柄取り」と「切付け」の考え方をレクチャーする内容にしました。

         

        お互いが持ち寄った布を見ながら、柄取り位置、切付けはどこを持って来るのが効果的か、そして後半に予定している「金装飾」をどこに使うかを意見し合います。

         

        あまりやりすぎるとバレバレになるので、あくまでわからないように切付けるのがコツです。

         

         

         

        筥迫装飾実験室

         

        午後からは一転して「金装飾」を行いました。

         

        「行う」と書くとちょっと語弊があるかもしれませんが、そもそも今回は「講習会」と言っていいのか?という内容のものでした。

         

        いつものように「型を作る」講習会ではなく、かと言って「研究会」でもないので、今回の講習会でやったことをブログで何と表現すればいいのか悩んでいたところ、参加した方から後日「筥迫装飾の実験室のような感じで、とても興味深く楽しく受講できました。」というメールをいただきました。

         

        確かに「筥迫装飾の実験室」は言い得て妙。

         

        これまで私が取り寄せてきた多くの材料の中から貼り込みに適した材料を吟味し、更に色々な組み合わせで比較実験してきた結果を元に、適切と思われる教材を選びました。

        それを金装飾のサンプルとして作りながら、そのやり方をレクチャーするというものでした。

         

        あとは家に帰ってから、自分の筥迫に適した金装飾をサンプルの中から探して試すのみ!

         

         

        ちなみに、これらは「貼り込み」だからこそできる装飾方法であって、着るものや縫い合わせの袋物などには適応しませんのであしからず。

         

        貼り込みだからこそできる自由な装飾方法で、作品作りの幅を広げていただきたいと思っています。

         

        この講座の課題は、作品を2点仕上げて掲示板に画像をアップすることになっていますが(人に見られるのが嫌なら、Rom筥に直接画像を送る)、筥迫以外のもう1点は別の型でもいいことにしたので、どんな作品がアップされるか楽しみに待つことに致しましょう。

         

         

         

        挟み玉縁

         

        サンプル作りでかなりの情報量を詰め込んだため、皆さんお疲れのご様子。

        ということで、最後の「挟み玉縁」は私のデモンストレーションだけにしました。

         

        以前の私は恥ずかしげもなく下手な玉縁作品を掲載していましたが(愚)、誰しも作り始めの頃は何が下手なのかさえわからない「目が不器用」状況なので、「筥迫作れた自分、天才!」ぐらいに思ってしまうものなのですね(いいんですよ、それがモチベーションになるので〜)。

         

        しかし最近は、どうしても玉縁がうまくいきません〜という声が、よく私のところに集まって来るようになりました。

         

        玉縁をきれいに作るコツを言葉で説明するのは難しいので、今回の講座に無理やり組み込んだという次第です。

         

         

        筥迫は「縫い玉縁」が本流なので、最近はこれを「本仕立て」と読んでいるのですが、縫い玉縁は細く作ることがとても難しいので、現在の教本では「挟み玉縁」に特化して解説しています。

         

        この縫い玉縁は誰でもできるものなのですが、厚紙ごと縫っていくので、なかなか極細の玉縁にならない。

         

        現代の筥迫にも縁がついていますが、小さな筥迫に対して縁が3〜4mmもあると、それはもはや「玉縁」ではなくただの「縁取り」です。

        玉縁というのは極細だからこそ玉縁というのです。

        昔の職人が作った筥迫は、この玉縁が見事に細かった。

         

        そこで教本では、誰がやっても極細の玉縁になる「挟み玉縁」にしたのです。

        (大型にはこの挟み玉縁が細すぎてしまうのが難ですが、それはまた後日)

         

        しかしこの挟み玉縁も、極細にはなるものの実は浮いてしまったり、直線にならなかったり、角付けが難しかったり、仕立ても余計な厚みが出てしまったりと、不恰好になりやすい。

        これがやたらと気になってきます(あくまで目が効くようになった人だけの問題)。

         

        こうして挟み玉縁の限界を感じるようになると、結局は「本仕立て(縫い玉縁)」をやらねばならないというサイクルになってくるのですね。

         

        筥迫を彩る玉縁も一朝一夕に上手くはなりません。

         

        時代は何でも簡単に楽できる方向に流れていきますが、アナログな物作りはこんな小さなことに必死になるのですね。

         

        それがとても面白いと私は思うのです。

         

         

         

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        【2018.06.27 Wednesday 00:46】 author : Rom筥
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        来年以降の構想
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          昨日の朝ブログをアップしようとした矢先、大阪での地震を知り手が止まりました。

          時間を追うごとに現地での詳細な状況が見えて来て、講習会にいらしてくれたあの方もこの方もご無事かしらと心配になりました。

          関西地方にお住いの皆様、心よりお見舞い申し上げます。

           

           


           

          翌年の講習会で新しい「型」を出そうとすると、だいたい今頃から準備しなければなりません。

           

          コレクションしている古い嚢物の本から、型をコピーしてまとめたファイルを作っているのですが、どれを作ろうかとうっとり眺めている様は、まるで今時のファッション誌を眺めているようです。

           

          ちなみに、古い嚢物の本に作り方が載っているからといって、それを見て簡単に作れるわけではないですよ。

          旧漢字でほぼ文章のみで解説しているので、現代人には意味がわからない。

          あくまで出来上がり図だけ見て、製図や作り方は自分で考えます。

           

          これらの本に載っている型というのは、あくまでも女子教育用に作られたものです。

          最終章が筥迫というレベルなので、出来上がり図さえあれば作ることは特に問題なし。

           

          江戸時代〜明治初期の懐中物などは、異次元の複雑さなのでレベルが違います。

          私がサンプルとして集めている程度のものだとそれほどでもないのですが、博物館にあるようなものはかぶり付いて見ちゃいますね。

          (見るときは横から襠の構造を見ます)

           

          嚢物、特に懐中物の類は資料も乏しいのですが、本や古い実物の嚢物を見ながら、それらが作られた頃の世相に照らし合わせて考えると、日本人の生活や価値観がどのように変化していったのかを知ることができて楽しい。

           

          そんなことを考えながら、自分なりの解釈で現代版の嚢物を再現しています。

           

          女子教育の一環として作られていた嚢物の本には乙女チックな型が多いですし、江戸時代のマニアックな型だとか、戦前まで作られていた精密な型だとかを、これから徹底的に再現して行きたいと思っています。

           

           

           

          10年ひと区切り

           

          私が筥迫を作り始めてから今年でやっと10年になります。

           

          「まだ10年しかやっていないの?」と言う人もいるかもしれませんが。

           

          どんな世界でも、一つの道を追求してきた人間には、この「10年」という区切りはとても大きな意味を持っていると思います。

           

          正統な技術を持つ師匠に導かれての10年ではなく、私の場合は資料があってもほぼ100年前(!)という、限りなく独学に近い状態で始めたので、長年その負い目を持ち続けていたように思います。

           

          しかし、いつかは経験という年月がこの負い目を消してくれるだろうと信じて、とにかく10年続けることが目標でした。

           

          どんなに調べてもわからず、長年悩んでいたことを講習会に来た人があっさりやっている、なんてことも多々ありました(苦笑)。

           

          それをやっている本人は、知識として知っていたというよりも、自然とこうなるだろう的な発想で手を動かしていたので、技術の発露とでも言いましょうか、案外先人たちも同じような発見を積み重ねて技術の元を築いてきたのかなと思うこともあります。

           

          周りの人に追いまくられながら、教わりながら、気がつけばあっという間に目標の10年が経ちました。

           

          おかげさまで、今はそれなりに落ち着いて物事を考えられるようになってきたような気がします。

           

          切磋琢磨しながら色々な人たちと関わっていると、自然と自分が何を求められているのか、これから自分が何をすべきかもわかってきます。

           

          貼り込みという概念さえ薄れた現代で、筥迫という原石だけを手掛かりに、木々に覆われた遺跡をかき分けながら、現代でも使えそうな石(技術)をかき集めて積み直し、ささやかな砦を築いた、今はそんな心境です。

           

           

           

          今後の展望

           

          2012年の薬王院から始まった筥迫工房の講習会も、2013年から本格的に始動し、こちらも気がつけば6年目です。

           

          筥迫1講座のみから始めた講習会も、1年で2〜3講座づつ増え続けて、6年経った現在は16もの講座に至りました。

           

          先日、これから作りたい型をリストアップしたところ、少なくとも20以上はありそうで、更にはまだ発掘していない型も存在するとは思うので、実際の数はいくつになることやら。

           

          そう考えると、今のやり方でできるわけもなく、どうやって組み立てていけばいいのか想像もつきません。

           

           

          講習会当初はランダムに人を受け入れていましたが、4年後(2017年)にはレベルごとのステップアップ講座にシフトしました。

           

          自分としては格段に教えやすくなったのですが、最近、入門講座の金封袱紗に基礎を詰め込み過ぎて、かえってハードルを上げているのかもしれないと悩む日々。

           

          あれもこれも教えておきたいというサービス精神から来るもので、私自身はとてもお得な内容と思っているんですけどねぇ(苦笑)。

           

           

           

          「入門講座」の変更

           

          今までは自分自身が貼り込みの技術を極めることに必死だったこともあり、より正確な技術で精度の高い物を作らせることを追い求めていたような気がします。

           

          これからも複雑な型も次々出て来ると思うので、そのためには相当数の作り込みが必要でしょう。

           

          しかしながら、実際にそこまでのレベルを求めて講習会に来る人は少数です。

           

          結局のところ、女子教育としての嚢物と、職人が作る嚢物とでは大きく世界が違ったわけですし、それぞれに存在価値がある。

           

          講習会で貼り込み体験してみたいと思っている人たちに、のっけから貼り込みの真髄など教えなくても、まずは糊で貼り込むことを楽しんでもらうだけでもいいんじゃないかと思うようになりました。

           

           

          そんなことから、来年からはこの入門講座を「月見型縢襠紙入」に移行することに致しました。

          難しくないのにデザインが秀逸。

           

          「月見型縢襠付紙入」と命名してみました。

           

          お月様型に鏡が付いているのがかわいい。

          この鏡は嵌め込み式でなく、取り出し式にしているとこが筥迫工房のこだわり。

           

          金封袱紗は極シンプルな意匠ですが、真剣に取り組まないとアラが目立つ。

           

          それに比べこの型は、意匠で見せるのでそれほどアラは目立たない(気がラク)。

           

          一般的な縢襠(かがりまち)の紙入に、しっかり貼り込みした感も味わえ、気を使う折り掛け処理もなし。

          あえて難しさがあるとすれば襠の縢りぐらいですが、皆さん縢襠には一定の憧れがあるようなので、そこはがんばっていただきましょう。

           

          こんな型から貼り込みを始めたら、初心者には楽しいのではないでしょうか。

           

          入門講座では、とりあえず教材の説明と、道具の扱い方、そして「正確に切る」ことをメインに学んでもらおうと思っています。

           

          「糊の扱い」を学ぶのは、受講者自身がもうちょっと真剣になってから、自主的に金封袱紗を受講してもらえばいいかなと考えています。

           

           

           

          「本科」と「副科」

           

          真剣にやりたい人と楽しくやりたい人の間には、少なからず軋轢が生じます。

          型が難しくなればなるほど、これは顕著になってきます。

           

          筥迫工房の講習会でも、少しずつこのような現象が出て来ました。

          この住み分けをどうするかが、ここ1〜2年の私の悩みでした。

           

           

          そんな矢先、以前から作りたいと思っていた月見型をきっかけに、ここから目的を分けた2構成にすることを思いつきました。

           

          技法を積み重ねていく必要があるのは、金封袱紗を基本とする折り掛けのある紙入や、筥迫などの肉物類。

          これらの型を学ぶコースを「本科」とし、これまでのステップアップ講座と同じ方向性で、糊の扱い方を本格的に学び、課題提出は必須。

           

          これに対し、気軽に貼り込みを体験できる「副科」を設けようと考えています。

          コースの中からランダムに作りたい物を選べ、少しぐらい糊がはみ出てもいいいじゃないかぐらいの気楽さで、貼り込みの楽しさを学ぶことがメイン。

          かつての女子教育と同じですね。

          条件は入門コースの月見型のみ必須で、その他の条件は一切なし(課題もなし)。

           

          例えば、人気の「携帯裁縫用具入」などは、実は積み重ねは必要ないので「副科」。

          「念珠入(折襠付紙入)」は、ほぼ紙入れ系の基本になるので「本科」という具合です。

           

          もちろん本科を受講している人なら、合間に副科の講座を受講するのは自由。

          副科の人が貼り込みの楽しさを知って、真剣に貼り込みを学んでみたいと思えば、いつでも金封袱紗から初めてもらえばいいわけです。

           

          ちょうどたくさんのサンプルを作っている時期なので、講座数が増えてきたからこそできる発想だと、10年の積み重ねと共に実感しています。

           

           

           

          講習会場

           

          「お針子会」でできる枠もほぼ上限に達しているので、講座数が増えるということは、年一回のレア講座が増えることになります。

           

          別会場を借りることも考えていますが、単発講座全てで安定した受講者を集められるかを考えると、赤になる可能性が高く、それほど簡単にも考えられない。

           

          来年どこまでやれるかはわかりませんが、予定を出すまでもう少し時間はあるので、小まめに情報収集してみます。

           

          もし新たな場所が見つからなかったとしても、これからは講師養成もしていく予定なので、副科ぐらいの内容で5人以上でご依頼いただけるのであれば、将来的には講師を派遣することもありえるかなと考えています。

           

           

           

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          資料保管用クリヤーブック 販売

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          現在、ショップで販売されている教本に使われている「クリヤーブック」を販売することにいたしました。

          以前は100円ショップで販売されていたものを使っていたのですが、廃番で入手できなくなり、今は別メーカーのものを仕入れています。

          背幅のない超薄型のクリヤーブックなので、講習会などで配布された資料を型ごとに分けて管理するのに便利かと思い、改めて販売することに致しました。

          必要な方はどうぞご注文ください。

          (10冊までクリックポストで発送できます)

           

          極薄クリヤーブック

           

           

           

           

          筥迫工房の材料販売(ネットショップ)

           

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          【2018.06.19 Tuesday 16:35】 author : Rom筥
          | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          2018.6筥迫講習会『念珠入(組入)名刺入』
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            6月の講習会2日目の講座は『念珠入(組入)名刺入』でした。

             

            珍しく3名だけのこじんまりとした講習会でした。

             

            去年までは入門の『金封袱紗」を通過しないと他の講座を受講することができなかったので、初級あたりでかなり渋滞していたのですが、今年は前半に山ほど金封袱紗をいれていたせいか、渋滞も解消されようで、来年からはバランスよく色々な講座を振り分けてスケジュールを立てられそうです。

             

             

            J.Yさんの作品(神奈川県在住)

             

            2名だと最低遂行人数に至らず中止になってしまうのですが、初めの頃はそんなこともよくあったなぁと思い出しました。

             

            現在は遠くから参加される方が多くなったので、切符を買ってからお断りするのも申し訳ないことから、申し込み開始から3日間ぐらい申し込み者がいないときは、すぐに中止にしてしまうこともあります。

             

            ですから、絶対に中止にしないで!と思われる方は、できるだけ早めに申し込んで意思表示してくだされば、ある程度は考慮いたします。

             

            少人数講習では、講師も受講者もかなりリラックスしてできますしら、細かいところまで説明ができるので、参加される方にはお得感があるかもしれません(人数が多いとトラブルも多いので、致し方なく端折る説明もある)。

             

            「今度から最後までカートが開いている講座を目指して申し込みしようかな♪」(受講者)

            (私は人が集まってくれないと困るんですけどね、、、)

             

             

            C.Mさんの作品(山形県在住)

            最近は、初級コースでまだ布選びに慣れていない人たちのために、私が家にためている端切れを持参して安価で販売するようにしています。

            C.Mさんが作られたこの作品も、急遽この時用意した端切れの中から表布、内布とも選んで作ったものです。

             

            嚢物を上手に仕立てるためには、柄よりも何よりも、それに適した厚みや手触りの生地を見つけるのが一番大事です。

            適した生地を使えば、初心者でも上級者でもそれほど違いはでません。

            薄すぎる布、厚すぎる布になって初めて上級者との仕立ての差が出てくるのです。

             

             

            柾女さんの作品(東京都在住)

            こちらの表裂は雨コート地で、表はテカテカすぎるので裏地使いにしたそうです。

            Rom筥からは、この縦線を活かすことをオススメしました。

            ちょっとしたアクセントで素敵ですね。

             

            柾女さんは布を最後まで始末することに力を注いでいるそうです。

            小さくなった布をどこまで何に使えるかを考えるのが楽しいそうです。

             

            ご興味のある方は、柾女さんの着物にまつわるうんちく満載のブログ「たるしるみちる」を是非のぞいてみてください。

             

             

             

            端切れ

             

            私は端切れのほとんどはネットで購入します。

            まとめて山ほど購入して、使えるもの、使えないものに厳選します。

             

            全てが使い道があるわけでもありませんし、自分の好みに合うワケでもない。

            好みであっても全て作れる量でもない。

             

            そこで、最近は初級コースのときは使わない端切れを持っていくことにしたのですが、これが意外と好評なので、これからは講習会用に端切れを仕入れてみようかと考えています。

            (毎回持っていけないかもしれないので、確実に端切れが欲しい方はあらかじめご連絡ください)

             

            嚢物なんてのは、とにかく数を作らないと手が慣れないのに、ほとんどの人は「最良の一枚」などを探すことに躍起になってしまうようです。

            結局布を探すことに疲れ、嚢物も作れずの悪循環。

             

            自分のイメージに合った布を探すなんてのは、白馬に乗った王子様のようなもの。

            布も人も一緒「出会い」です。

             

            理想の相手を必死になって探すより、運が良ければいつか出会えると思って、色々な布とお付き合いしてみましょう(笑)。

            気にも留めなかった布でも、使ってみるとその良さがわかったりするものです。

             

             

            最近「東京袋物協同組合沿革史」という本を読みました。

             

            江戸の時代から、嚢物というのは「革仕立」と「帛仕立」に別れていたのですが、昭和30年代に入ると一気に「合成皮革」や「ビニール」といった素材が氾濫するようになります。

             

            「丈夫で長持ちするようなものでなければ売れなくなった」とあります。

             

            布帛の嚢物は大事に扱わないと角が擦れてすぐにダメになってしまいます。

            古い布であれば、それこそ大事に扱わなければなりません。

             

            昔の日本人はそのように嚢物を扱ってきたのです。

            母がハンドバッグをネルの袋に入れて大切に保管していたのを思い出します。

             

            現代人はよほどのブランドバッグでない限り、袋に入れて保管などしないでしょう(私もしていません)。

             

            丈夫で壊れにくい物に囲まれて育ってきた現代人には、壊れないよう大事に嚢物を扱うという気持ちはわからないかもしれません。

             

            先日講習会で、ある方がご自分で作られた四ツ襠をお持ちになりました。

            バッグに直接入れていたので、ジップロックに入ったそれが目に入り、皆で大笑いしました。

             

            バックの中では色々なものと一緒にシャッフルされてしまうので、その気持ちは良くわかります。

            私もサンプル品はいつもジップロックに入れていますし。

             

            でも実際に実用として持ち歩くとなると、大事そうに扱っているものがジップロックに入っているというギャップが、アンバランスで微笑ましく見えてしまったのですね。

             

            そういう時のために、昔の人は「外入れ」という専用のカバーを作って入れてたんですよと言うと、とても関心していらっしゃいました。

             

            使い古され現代まで生き残ってきた端切れたち。

            手をかけて嚢物に仕立てて、それをまた大切に扱う気持ちも忘れないでいたいですね。

             

             

            次年度講習会新規講座

             

            来年度の講習会で新しく出る講座を何にするか、何点か試作を作っております。

             

            以前から作りたいと思っていた「月見型縢襠紙入」がほぼ完成品に近くなりました。

             

            両縢りの単純な懐紙入れなのですが、デザインが秀逸です。

             

            縢襠付筥迫の事前準備として縢りの練習にちょうど良いし、抱き合わせもほとんどなくて簡単なので、来年からの初級コースに入れることを考えております。

             

            もう一つ「七宝縢り」の懐紙入れもやってみたいのですが、これは諸々の状況を考えるとまだ不確定。

             

             

            筥迫も「折襠付筥迫」か「持出襠筥迫」のどちらかを出したいとは思っているのですが、これはどちらも上級コースになりそうです。

             

            自分的に今一番作りたいのは「外日の出型紙入」。

            小被せに二種類の襠のうち一つは、ちょっとおしゃれな本脇の漏斗襠にしようと思っているので、複雑になることは確実。

             

            最近は少しずつ難しい型も出てきましたし、ついて来れそうな受講者もちらほら出てきましたので、そろそろマニアックな型も再現していきたいと考えております。

             

             

             

            筥迫工房の材料販売(ネットショップ)

             

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            【2018.06.11 Monday 00:09】 author : Rom筥
            | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            2018.6筥迫講習会『扇子入とハサミ入』
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              いよいよ梅雨に入ろうかという時期になりましたが、皆様いかがお過ごしですか?

               

              梅雨が明けたら一気に夏!ということで、講習会では今月、来月と『扇子入とハサミ入』を企画しております。

              これは、夏扇子がこの時期でないと探しにくいからです。

               

               

              K.Nさんの作品(石川県在住)

              よく「絽を嚢物に使えませんか?」と聞かれることがあります。

              しかし夏場の懐中は蒸れる。

              湿気(汗)でヨレヨレになるのは嚢物が可哀想とつい思ってしまうのですが、扇子入れにならぴったりの使い道ですね!

              素敵なアンティークの絽は端切れとしてもよく出回っているので、夏場は絽で小物を揃えて、バッグインで持ち歩くとおしゃれかもしれませんね。

              絽は透けるので、心材や下地の色を考えながらお使いください(基本は白)。

               

               

              H.Kさんの作品(東京都在住)

              この「扇子入れ」と「ハサミ入れ」は、「差し込む」という考え方において同じですが、何を差し込むかによって使う素材が変わってきます。

              扇子入れは「布」を使っておりますが、ハサミ入れは「フェルト」を使います。

              ハサミ入れのフェルトは教材として支給しますが、このように扇子入の内布に合わせたい方は、ご自分で色フェルトをご用意ください。

              扇子入れとハサミ入れをお揃いにしたところで、一緒に持ち歩くような場面は、、、なさそう(笑)。

               

               

              K.Nさんの作品(兵庫県在住)

              この二つの型は昔からの嚢物というわけではありません。

              一般的な布製の扇子入れは簡単に中から飛び出てしまいますが、この扇子入れは自分で引き出さない限り絶対に飛び出てくることはありません。

               

              貼り込みの考え方で作っているので、縫って同じものを作ろうと思っても絶対にこの型にはならない。

              貼り込みだからこそできる特徴的な嚢物です。

               

              これは筥迫工房の講習会でオススメしているCANARYの「GX-175」専用のハサミ入れなのですが、講習会では皆が同じハサミを使っているので、目印としてハサミ入れの生地を巻きつけておくとわかりやすいかと思います(細い布に切ってサイビノールで簡単に接着できます)。

               

              同じ初級の嚢物でも「念珠入れ」などは正統派嚢物なのでそれなりに大変ですが、この「扇子入とハサミ入」はほぼ堅糊だけで手貼りで作る工作物なので(アイロンは最後の仕上げのみ)、気楽に楽しめる講座かと思います。

               

               

              J.Yさんの作品(東京都在住)

              この扇子入れ用の扇子は、いわゆる「涼を取るための扇子」を指定させていただいておりますが、扇面が「紙製」がベスト。

               

              しかしながら、最近はこの紙製があまり市場に出回らなくなってしまったようです(一昨年あたり浅草橋のシモジマには山ほどあったのですが)。

              今回は、どこにもなかったので、、という方が布製の扇子をお持ちになりました。

               

              「布製」というのはこのような扇子ですね。

              要から扇面の先までが同じ幅という形状です(寸胴?)。

               

              実は扇子がこの形だと、用意した製図方法では入らない。

              ということで、布を貼る前に急遽製図変更。

               

              とりあえず扇子が入る形にはできましたが、形は流線型というよりも「ボックス型」という感じです。

              入れる時に扇子の先をちょっと押さえて入れることになりますが、落ちることはありません。

              (紙製はなにもしなくてもスポンと入ります)

               

               

              M.Kさんの作品(東京都在住)

              こちらも布製の扇子でした。

              M.Kさんはお仕事がパタンナーさんなので、製図変更も簡単に対応してくださいました。

              しかし「先っぽがもっとかまぼこ型がかわいかった〜」そうです(画像はほぼ長方形)。

              確かにこのようなものは出来上がりのフォルムが大事ですね。

               

              直接店頭で扇子を探すときは違いがわかりやすいですが、ネットで購入ではわかりずらいので、必ず畳んだ形状の画像を確認してください。

              中央から先の幅が変わらないのが布製、中央より先が細くなっているのが紙製です。

               

              7月16日(月祝)開講の「扇子入とハサミ入」は、6月18日申し込み開始です。

              参加希望の方はそれまでに探しておいてくださいね。

               

               

              I.Hさんの作品(福井県在住)

              こちらの扇子入れはボックス型のようですが、扇子は紙製だったような、、、。

              男物の大きな扇子をご自分で使われるということでしたが、長さがあってもその扇子に合わせて製図するので対応可能。

              他の方がカボッションをお持ちだったので、上にちょっと置かせていただきました。

              こんなものをアクセントに付けても素敵ですね。

               

               

              郁駒屋さんの作品(福岡県在住)

              いつも掲示板でご活躍の郁駒屋さんです。

              今回は扇子の製図を間違えてしまったとのことで、ご本人曰く「掲載不可」だそうです。

              しかし、このブログをアップする前に、ご自宅で作り直したものがすでに掲示板に載っておりました(早っ!)。

              扇子入れはどうぞそちらをご覧ください。

               

               

               

              初級の中では気楽な工作系なので、午前中に「はさみ入れ」、午後に「扇子入れ」を作ります。

              はさみは「GX-175」を指定しているので、下図は皆が一緒のものを使えるので簡単に作れます。

               

              しかしながら、ある程度形状の指定はあるものの、扇子はそれぞれ長さも形状も違うため、こちらは各自製図をしていただかなければなりません。

              扇子入れの作り方もそれほど難しくはないのですが、製図でサイズなどを間違えてしまうと、もちろんジャストフィットにはでき上がりません。

               

              でも懐中物などに比べれば、作り直しはそれほど痛手にはならないので、どうぞお気軽に考えていただければと思います。

               

               

               

              中山きよみ先生の刺繍教室

               

              中山きよみ先生が刺繍の筥迫をご持参くださいました。

              前回のままねこさんに引き続き、美しい日本刺繍の筥迫を愛でることのできる幸せよ。

               

              このびら簪は、一本足の簪部品を透かしパーツ二枚で挟んで作ったものだそうです。

              なかなか素敵ですよね。

              中山先生のブログ「日本刺繍 nui.nui」には、美しい刺繍筥迫が多数掲載されています。

               

               

              中山きよみ先生は個人でもお教室をお持ちですが、今年から久々にカルチャースクールでも教えることになったそうです。

               

              刺繍に慣れてきたら是非刺繍の筥迫を目指していただきたいですが、初心者には小さな嚢物などの刺繍も考えておいでのようなので、気軽に日本刺繍を始めるにはよい機会かもしれませんよ。

               

              北陸中部地方の方、この機会に日本刺繍を始めてみてはいかがでしょうか?

              ================================

              北國新聞文化センター
              <金沢本部教室>
              石川県金沢市南町2番1号 北國新聞会館9F
              金沢福祉専門学校 ハピ専>
              石川県金沢市久安3丁目430

              ================================

               

              最近、日本刺繍を始める若い方々は、着物や帯に刺繍をすることにそれほど興味を示さなくなったような気がします。

              うちの刺繍教室も、別のものに刺繍をすることを目的にしている人たちが多いですし。(私もその筆頭!)

               

              貼り込みの袋物は芯材を使うため、布を張らせてかっちりとした仕上がりになります。

              そのため刺繍がよく映えるので、貼り込みと刺繍はとても相性が良いと思っています。

               

              刺繍した作品をプロの仕立てに出すのも良いですが、自分で形にするというのもまた違った楽しさがあります。

               

               

               

              筥迫工房の材料販売(ネットショップ)

               

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              【2018.06.06 Wednesday 09:38】 author : Rom筥
              | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              新講座『籠千代田お針箱』(旧名称:雅籠裁縫道具入)
              0

                今年新規の講座として登場する「雅籠裁縫道具入」を、

                「籠千代田お針箱(かごちよだおはりばこ)」

                に改称してご紹介させていただきます。

                 

                 

                講習会では人気の「携帯裁縫道具入」講座もありますが、実際に家で使う裁縫道具入れは、複数の色糸を一緒に収納しなければなりません。

                 

                当初、私自身は手元にあった安価な籠に簡易な袋を付け、色糸と針刺しを入れただけの裁縫道具入れを使っていました。

                 

                しかし、袋物を教えている人間がこんな適当な裁縫道具入れを持ち歩いて恥ずかしくないか?という気持ちに苛まれ、意を決して凝り性全開で作ったのがこのお針箱でした(初めはあくまで自分仕様)。

                 

                いかにして縫わずに嚢物を作るかが貼り込みを専門とする私のテーマですが、それでも力がかかるところで針と糸を持つ場面からは免れない。

                とはいえ、がっつりお針仕事をするワケではないので、最低限の色糸、針山、マクラメピン、指貫、糸切りハサミさえあれば十分。

                 

                身蓋一体型なので、持ち運ぶときや使わないときは、巾着をキュッと締めるだけでまとまります。

                 

                巾着はコンパクトに折り畳める仕様なので、開いた袋が邪魔になることもない。

                 

                 

                「紐飾り」は結びにした方が閉じた時のバランスは良いのですが、畳んだ時に邪魔になりそうだったので、飾りの細工で処理しました。

                 

                糸切りバサミはストラップがないと取り出しにくいので、ここは「しじみの根付」を付けることに(総角の帽子付)。

                 

                通常は中の仕切りを表布と共布で作りますが、今回使った古い縮緬は硬めのシボで滑りが悪かったので、針箱の下は内布を貼ってみました。

                このような型は、ある程度滑りのよい薄手の生地を用いた方が使いやすいですね。

                 

                このお針箱にはすでに弱っている古裂を使っているので、現代の裂を使うよりは劣化は早いでしょう。

                その場合は、仕切りははめ込んでいるだけなので簡単に取り替えられますし、巾着も取り外して作り直すことができます。

                 

                 

                 

                二段構造の針箱

                 

                当初、針山は一段でしたが、「加賀ゆびぬき」を作っているNさんに

                「これが二段で下に指貫を入れる形だったらいいのに」

                というアドバイスをいただき、二段構造の針箱にバージョンアップ。

                 

                 

                アタの籠はバリで作ってもらったものですが、出来上がってきた籠がちょっと小さめで、仕切りのサイズを調整したため指貫は入っても3個ぐらい。

                (前回「タイ」と書きましたが「バリ」の間違いでした。

                 すみません、、、沈

                 

                手作りによる個体差があるので、誤差は仕切りの長さを調節します。

                 

                 

                結びに必要なマクラメピン

                 

                このお針箱の特徴は、飾り結びを作るために必要な「マクラメピン立て」があることで、この納め場所をどう作るかが一番の課題でした。

                 

                マクラメピンは針山に刺せないので、これだけ別の箱に入れて持ち歩くのが面倒で、なんとか針山の側にあって簡単に使えないかと試行錯誤した結果この形にたどり着きました。

                 

                ※マクラメピン立てはあくまで貼り込み作業者仕様。

                一般の方へのプレゼントなら、ピン立ては付けないで処理するとよいでしょう。

                 

                日常生活で携帯するなら「携帯裁縫道具入」。

                お針を使う講習会には「籠千代田お針箱」で持ち運ぶ。

                 

                携帯裁縫用具入れが「おままごとの世界」とすれば、この籠千代田お針箱はさしずめ「道具(ドール)ハウスの世界」といったところでしょうか。

                 

                 

                 

                「籠千代田お針箱」に改称したワケ

                 

                日本袋物史では、「信玄袋」のコキを使わない形を「千代田袋」と言っていますが、カジュアルな袋に対してフォーマルな(女性用の)袋という感じかと思います(袋物概史では「上品な布地を用いた高尚なもの」と有)。

                 

                この千代田袋に籠が付いた型が「籠千代田」になるのですが、袋物の本の中にはこれを「利休袋」とするものもあります。

                しかし、籠がなくても利休袋といっている本も有りで、いったいどれが正解なのさ。

                 

                懐中物でも「利休紙入」というものがあるのですが、この形が一般的に利休型で通用していたかは少々疑問です。

                 

                Rom筥的には、それぞれの流派で、一般的によく使われる型のものに「利休」という愛称を付けたのではないかと解釈しています。

                (利休紙入=念珠入れの型に深口が付いたものに多い)

                 

                 

                また、この手の巾着袋には、口の処理として「通し紐(通し襠?)」「布ループ」「口ベリ」を使ったものがあります。

                 

                受講者には「通し紐を使う袋がいい!」と言われそうですが、紐やループは閉じた時に針をひっかけそうなので却下。

                中の裁縫道具がガチャガチャと動かないように布でしっかり押さえつけたかったので、布に紐を通す形にしました。

                 

                このような場合は「口べり」(巾着の紐を通す部分に別の布をつけたもの)を付けるのが一般的ですが、この型は口べりを付けることが難しいので、あえて付けていません。

                 

                実際のところ「千代田袋」の口は絶対これ!という確証がなかったので、当初は勝村左右治(かつむらそうじ)先生の本にあった、利休でも千代田でもない「みやび籠」という曖昧な名称をいただいたのですが、このブログを書いている最中に、古き良き名称を復古してみるのもいいかなという気持ちに至り、改称させていただきました。

                 

                信玄袋に籠がついたものを籠信玄といいますし、千代田籠ではなく籠千代田という響きが個人的にツボです。

                 

                ついでといっては何ですが、携帯裁縫用具入れと名称がダブルのは紛らわしいこともあり、お硬い響きの「籠千代田」に対して、優しい響きの「お針箱」を当てました。

                 

                「籠」と「箱」が被ってしまいますが、表は籠千代田、開ければお針箱という二面性のある袋物ということでご理解いただければと思います。

                 

                 

                 

                「籠千代田裁縫道具入」のレベルは?

                 

                前回の紹介で「貼り込みというより工作ぐらいの気楽さ」と書きましたが、作り方の資料を作り始めると違った難しさが出て来ます。

                 

                人に作り方を教えるということは、完全に「理屈」の世界です。

                 

                自分で作っているときはさほど難しさは感じなくても、「人に説明する」という工程が入ると、製図がやたらと複雑になり、全てに辻褄を合わせていくとやたらと難しい物を作っている気分になります。


                 

                布を貼って作る箱といえばカルトナージュですが、日本固有の趣味で作る袋物ではたぶんあのような作り方はしないと思うので、あくまで自分が思う貼り込み的な考え方で作っています。

                 

                これまでの金封袱紗を基本にした懐中物の貼り込み方とは異なり、仕切り部分はあくまで箱物の作り方。

                 

                考え方さえわかれば工作の世界なのですが、今までの袋物とは違う考え方が出てくるので、初めての人にはちょっと複雑に思えてしまうかもしれません。

                 

                 

                筥迫工房の講習会はステップアップ講習なので、型によっては基本からの応用形というものもありますが、その他は「どのレベルの人なら1日でできるか?」を基準に考えています。

                 

                このお針箱は「中級レベル」ならできるのではないかと思っているのですが、何ぶん今回が初めての講座なので、実際に受講された方の様子を見て、難しいようであれば上級にする可能性もあります。

                (どのぐらい時間がかかるかわからないので、とりあえず初回に参加予定の方は終了19:00で考えていてください)

                 

                 

                こんなものでも講習会で全て作るとなると二日がかりになってしまうので、「巾着部分」はご自宅で作業してきていただきます。

                今まで縫い物の説明はしたことがないので、皆さんにどう伝えられるかちょっと不安はありますが。

                 

                通常の貼り込み準備のように、前の日に慌てて作業するのは難しいと思うので、余裕を持って作業してくださいね。

                自宅作業から講習会が始まっているような講座だと思ってください。

                 

                また、表布、内布はご自身で用意していただきますが、今回の巾着の「紐」は筥迫工房のショップでは扱っていません。

                指示された別のお店から各自購入していただきます(この打ち紐は「式部型小物入れ」にも使用)。

                 

                 

                開催日は8月18日、お申込みは7月19日からです。

                『籠千代田お針箱』の詳細はこちらからどうぞ。

                 

                は〜、これでやっと今年の新規講座の詳細が揃いました。

                やっと本来の仕事に入れる、、、。

                 

                初回は籠が入手できず中止になってしまいましたが、もし後半で入れられるようであればどこかで臨時で入れたいと思ってはいるのですが、後半はけっこうスケジュールが詰まっているので、もしできたらということで、そのときはまたブログで告知させていただきます。

                 

                 

                 

                筥迫工房の材料販売(ネットショップ)

                 

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                【2018.05.22 Tuesday 14:49】 author : Rom筥
                | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                筥迫講習会2018.5『縢襠付筥迫』
                0

                  今月の講習会は、「金封袱紗」「巾着&房」「縢襠付筥迫」の三連続講習でした。

                   

                  地味系の嚢物が多い中で、さすがに縢襠付筥迫は華やかな生地で作られる方が多く、それだけでテンションが上がります。

                   

                   

                  H.Sさんの作品(神奈川県)

                   

                  今回の講習会では、2回目参戦の方も数名いらっしゃいました。

                  頻繁にバージョンアップしているので、以前参加された時よりも随分違っていると感じられたかもしれません。

                   

                  前日は「巾着と房」の講座が行われましたが、巾着や房は「造形」なので、筥迫以上に反復や慣れが必要ということから、こちらも何度も繰り返し参加する方が多いです。

                   

                  講習会で筥迫を作る意義は、かつての筥迫職人たちが作っていたような完成度の高い筥迫作りを目指しているということでしょうか。

                   

                  より深く、より本格的な筥迫の作り方を追求しているので、使う厚紙の種類も違いますし、工程もより多く、細部に至るまでこだわりの技を詰め込んでいます(更には頻繁なるバージョンアップ)。

                   

                   

                  K.Nさんの作品(兵庫県)

                  ※この筥迫は柄合わせしていません。

                   

                  紙入れが進化したものが筥迫ということを考えると、現代で市販されているような筥迫は、そこから逆行してより簡易に退化して行っているような気がします。(ただの紙入れをなぜか筥迫扱いしていることがそもそも間違いなのですが)

                   

                  そのような意味では、初心者用とはいえ、教本も本来の正当な型で作ることができますので、婚礼や七五三など、一度きりのハレの日を彩るには十分かと思います。

                   

                  講習会でも当初は教本と同じ作り方をしていました。

                  しかし数を作っていくと、より高スペックな筥迫を求められてくる。

                  かつての筥迫職人たちが作っていた時代の仕立てですね。

                  筥迫工房の講習会では、そんな筥迫作りを目指しています。

                   

                  教本で作る筥迫と講習会で作る筥迫はあくまで同じ型ですが、完成度の違うものを作っているとお考えください。

                   

                   

                  I.Nさんの作品(福岡県)

                  縮緬の筥迫

                   

                  教本の筥迫の作り方では被せに接着芯を貼っていますが、講習会で作る筥迫には接着芯は使いません。

                   

                  教本では、柔らかいキルティング芯に対し貼りのある接着芯を使っていますが、この型では硬い綿に生地の持つ柔らかさで膨らみを表現しています。

                   

                  教本はあくまで初心者用の作り方で、講習会で作るこの型は少し貼り込みに慣れた人用の作り方です。

                   

                  ただし綿入れに時間がかかってしまうので、他の講座よりも説明の時間が長くなってしまうのが難。

                   

                  丸みがあるのに非常にかっちりとした仕上がり。

                  これが本来の縢襠付筥迫の特徴です。

                   

                  膨らみを持ちながら決して柔らかくなく、曖昧なところがなく全てがかっちり納まっていくこの仕立ては、作った後に爽快感さえ感じさせてくれます。

                   

                   

                  H.Tさんの作品(神奈川県)

                  ※この筥迫は柄合わせしていません。

                   

                  今回の縢襠付筥迫の講習会では、私が手順をすっ飛ばしてしまったことがあり、参加者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。

                   

                  「柄合わせ」なのに、肝心の柄合わせ用の胴締め型をの取り忘れてしまったという、、、沈

                   

                  柄合わせというものは布の厚みによってズレるものなので、確実に合わせようと思ったら本体を作ってから合わせていくしかありません。

                   

                  私自身はどんな状況からでも柄合わせをすることは慣れているのですが、それを講習会に来た人にやらせてしまう羽目になろうとは、、、。

                  参加者にとっては気が遠くなる作業だったと思います(ホントごめんなさい)。

                   

                  ポイントとなる「目安線」がないというのはこれほど面倒なのかと思われたかもしれませんが、反面、2本の目安線さえあれば柄合わせはそれほど難しくはないということです。

                   

                   

                  Y.Oさんの作品(東京都)

                   

                  急にカメラの話

                   

                  今回はカメラを忘れてしまったので、残念ながらipadで撮影。

                  (更に終了が遅かったので、慌てて前面撮影のみ)

                   

                  スマホのカメラも性能がいいので、最近は専用のカメラを使う人も少なくなりましたね。

                  でも「ブツ撮り(小物の撮影)」は絶対に一眼レフがお勧めです。

                  昔に比べて一眼レフはホント安くなったし!

                   

                  私はかつてイラストの仕事をしていたのですが(実は筥迫よりキャリアは長い)、デジカメやPCのなかった時代は、納品する前のイラストはカメラで撮影していました。

                   

                  いわゆるバカ×××と呼ばれるカメラもありましたが、自分の描いたイラストを少しでもよく見せたいなら断然一眼レフです。

                   

                  デジカメが出始めた時代には、それこそカメラのイラストを描く仕事をしていたので、会社では強制的に一眼を持たされていました。

                  しかし私自身はメカ音痴なので、興味がない上に学ぶ気もない。

                  撮影はあくまでカメラ任せのオート撮影で、色はPCで補正というなんちゃって使い。

                   

                  しかし、カメラに興味がなくても、オート撮影であっても、自分の描いた絵や自分の作ったものをきれいに撮影したいなら絶対一眼レフがお勧めです(色も違ければ質感も違う)。

                   

                  一眼レフはかさばって持ち運びが面倒というのが一番の難なのですが、最近使っていた一眼レフが壊れたので、これを機にミラーレス一眼に買い換えました。

                   

                  今までの一眼のあの重さに慣れていたので、あまりのコンパクトさに、これが一眼か?という不安を覚えましたが、作り方の資料を作る際は片手で作業、片手で撮影という曲芸をしているので、そのような意味ではすごく楽になりました。

                   

                  もう一つ、撮影には「ライティング」がとても大事です。

                  ライティング如何で、実物より写真の方がよく見えることもあります。

                   

                  もし皆さんがご自慢の筥迫を撮影するなら、ご家庭の卓上ライト一つでもいいので、フラッシュは使わないで撮影してみてください(光源が2つ以上あれば尚良)。

                   

                  講習会は光源が蛍光灯しかないので、帰ってからPCで明るさを調節するしかないのですが、いつか小さなライト見つけて持っていくかな、、、と密かに考えています。

                   

                   

                  T.Aさんの作品(東京都)

                  こちらの飾り房は、ご自宅で作られて来たものです。

                   

                  房糸は「絹ミシン糸30番 ステッチ糸」を2色より混ぜて作られたそうです。

                  一眼で撮影したら、もう少しこの素敵な質感がわかってもらえるのにな〜と思うとちょっと残念です。

                   

                  話題違いのカメラの話を書いたのもこの房がきっかけ。

                   

                  ちょっと変わり種のびら簪も素敵です。

                   

                   

                  K.Wさんの作品(富山県)

                  こちらもアンティークのびら簪。

                   

                  ショップでびら簪の長鎖を販売するようになったとはいえ、やはりアンティークのびら簪の存在感にはかないません。

                  市場にびら簪が出回らなくならないうちに、是非一本は持っておきたいものです。

                   

                  それにしても、アンティークの振袖などを扱うレンタルショップでは、古い刺繍筥迫や長鎖のびら簪のものが使われていますが、あんなに簡単に貸し出していたらいつかは劣化するでしょうに、貸してもらえるのはありがたいですが、作る側からすると正直もったいないと思ってしまいます。

                   

                  複数の人が入れ替わり立ち替わり懐中すれば擦れますし、時代のものなので消耗したら替えのものはありません。

                  古い筥迫をレンタルできるのも今のうちということでしょう。

                   

                  筥迫工房の講習会から次代へ残せる筥迫を作ってくれる人が増えることを望んではいますが、その頃には今のように古い筥迫が安く手に入るという時代はなくなっていることでしょう。

                  (絶滅危惧装身具)

                   

                   

                   

                  ================================

                  念珠入(組入)名刺入

                  ================================

                   

                  開催日:6月3日(日)

                   

                  申し込み受付中! ※詳細はこちら

                   

                   

                   

                  筥迫工房の材料販売(ネットショップ)

                   

                  ▼筥迫工房の講習会



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                  【2018.05.14 Monday 21:50】 author : Rom筥
                  | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  新講座『筥迫装飾(切付・金装飾・挟玉縁)』
                  0

                    5月は3〜5日で三連続講習会が開催されましたが、6月24日初開催の『 筥迫装飾(切付・金装飾・挟玉縁)』の申込日が押し迫っていることもあり、こちらを先にご紹介させていただきます。

                     

                     

                    縢襠付筥迫は実用的な装身具ではありませんが、この筥迫を堂々と使えるのが、婚礼を迎える花嫁さんや成人式の振袖といったハレの日の主役たちです。

                     

                    実際に「使う」という意味においては、この方々にとっては「実用」なのかもしれません。

                     

                    しかし、世の中には主役の時期が過ぎた人たちであっても、筥迫を作ってみたい!という熱烈な思いを抱いている人がいます。

                     

                    筥迫にある種のノスタルジーを感じている人たちですね。

                    (そう、あなたのことですよ!)

                     

                    講習会にもそんな人たちがたくさんやってきます。

                     

                    初めての筥迫が出来上がると、

                    「こんなものが自分で作れるなんて!」

                    と感激しきりな人たちであっても、実はその後も筥迫を作り続けられる人たちは極少数です。

                     

                    所詮使う場がなければ、人に見てもらう機会もありませんし、プレゼントしようにもお嫁さんや成人式のお嬢さん以外、貰って喜ぶ人は少ない(ほぼ迷惑なだけ?)。

                     

                    苦労して作っても、それが評価をされなければ、筥迫を作り続ける目的意識を持てないのも当然です。

                     

                    しかし、日本刺繍をする人たちは次々と筥迫を作り上げていく。

                    この違いは何なのか?

                     

                    刺繍をする人たちには「作品を作る」という目的があるからです。

                     

                    装身具として「使う」機会はないにしても、「作品を作る」という明確な意義を持っていれば、自分に似合うかどうかを考えたり、使う人の好みを考えたりすることなく、自由に好きな装飾で筥迫を作ることができます。

                    (私も筥迫を身につけたはたった一度)

                     

                    筥迫に興味のない人には、筥迫の形を評価をすることは難しい。

                    しかしそこに明らかな装飾が施されていれば、装飾には評価しやすいものです(たとえ建前であっても)。

                     

                    江戸時代中期の筥迫の出現は、紙入れに豪華な装飾を施したものとして進化したことを考えれば、筥迫の最終形態というのは、「装飾」と「仕立て」という双璧で考えるべきものなのですね。

                     

                    装飾を施した筥迫は、人に見せて満足するというよりも、何より自分自身を喜ばせてくれます。

                    あくまで自分のコレクションのために、筥迫を作り続ける明確な目的意識を持つことができます。

                     

                    筥迫と最も相性の良い日本刺繍は、それなりの年月をかけて技術を習得しなければならないので、一から学ぶのはハードルが高い、と躊躇する人が多いのも事実。

                     

                    しかし、刺繍するだけが筥迫の装飾ではない!

                     

                    かつて筥迫は、刺繍に切付け、刺繍に象嵌、押し絵、皮、佐賀錦などを使い、ありとあらゆる装飾、素材を使って作られました(紙であっても作ることができる!)。

                     

                    そこで、筥迫の可能性を紹介するためにも、刺繍ではない筥迫装飾に特化したこの講座を企画してみることにしました。

                     

                    体験としての筥迫から、作品作りとしての筥迫へ。

                     

                    そんな楽しみを持つ人たちが増えれば、筥迫の可能性はもっと広がるのではないかと考えています。

                     

                     

                    切付け

                     

                    筥迫に刺繍をする利点は、この小さな画面に好きに図案を配置できることです。

                    しかし、着物用に絵付けがされているハギレで筥迫を作ると、どんなに小さな柄物を選んだとしても、刺繍のように柄を当てることは困難です。

                     

                    柄合わせできる布であればいざしらず、どんなに柄取りをしたところで、左、右、中央の胴締めに都合よく柄が当たるかどうかは柄行き次第。

                     

                    曲がりなりにも刺繍をする私にとって、これを思い通りに切り付けをすることは極自然の成り行きでした。

                     

                    「切付け(きりつけ)」とは、現代的にいえばアップリケのようなものですが、私は平裂(※)で筥迫を作るとき、ほとんどの場合「切付け」を駆使して作品作りをします。

                    ※刺繍のように布の上に別の装飾をしているものを「装飾裂」、装飾されていない布を「平裂」とします。

                    あくまで便宜的にこれらを区別するための造語です。

                     

                    当初は、技法というよりはズル?と思うほど単純な表現しかできませんでしたが、最近は柄を複雑に組み合わせることができるようになってきたので、あえて筥迫装飾として講座の中に取り入れてみてもよいかと考えるに至りました。

                     

                    サンプルを作るため、筥迫にちょうど良い大きさの柄ゆきの古着の留袖を買って見ました。

                     

                    できるだけ筥迫の大きさに合うような柄行きのものを選んでみましたが、このままでは筥迫の小さな画面にこの雰囲気を出すことは難しい。

                     

                    しかし切付けと金糸を駆使すれば、このようにポイントを集中させて作品を作り上げることができます。

                    装飾でも針と糸は一切使いません。

                     

                    切付けは単純なものから複雑なものまで、それぞれのレベルに合わせて創作することができますが、金糸を貼るタイミングも貼り込みの糊のタイミングに通じるところがあるますし、きれいに仕上げるための組み合わせには仕立ての知識が必要です。

                     

                    講習会でレクチャーするのは技法のみなので、しっかりと一人で作品を作り上げることができる、上級レベル以上の方が対象です。

                     

                     

                    金装飾

                     

                    本来の金彩は溶剤を使うので、一般の人が扱うにはこれまたハードルが高いものです(使い終わった溶剤の処理をするだけで大変)。

                     

                    そこで、この講座では溶剤を使わない、一般の人でも扱いやすい材料を使って金装飾を行います。

                     

                    当初「金彩」としていましたが、本来の金彩ではないので「金装飾」としました。

                     

                    日本刺繍の駒取りを糊を使って行ったり、筒描きで盛り上げ金をしたり、金色をそのまま着彩したり。

                     

                    これは教本の表紙で使っている筥迫です。

                    この頃から切り付けと盛り上げ金で装飾しています。

                     

                    金や溶剤を使う本格的な金彩ではないので、扱い易く懐にも優しい。

                     

                    あくまで筥迫に適した画材や材料を選んで作る筥迫工房オリジナルの技法ですが、これはこれで「あり」な平裂の装飾方法と考えています。

                     

                    ただし、盛り上げ金は筒描きを使いますので、それなりに練習が必要。

                    しっかり練習して作品作りに臨んでいただければと思います。

                     

                    そして、これをきっかけに日本刺繍を始めたり、本格的に友禅の金彩を学んだり、または独自の装飾に展開していく人が増えていけば、私としては本望です。

                     

                     

                    挟み玉縁

                     

                    講習会で作る縢襠付筥迫は、教本の型紙より大判のものを使います。

                    より装飾がしやすく、作品作りに適している大きさです。

                     

                    しかし、通常の「挟み玉縁」では細すぎてしまうので、ここに少し手を加える方法をご紹介します。

                     

                    また、筥迫の特徴とも言うべき「玉縁」が、きれいにできないという声をよく耳にします。

                    そんな方のために挟み玉縁のコツをご指導いたします。

                     

                     

                     

                    対象レベル

                     

                    この講座では、他の講座のように「型」には仕上げません。

                     

                    それぞれに持ち寄った生地をどう「柄取り」するか、どんな「切付け」を用いるかを皆で一緒に考え、金装飾を練習するまでが講座の内容です。

                    その場で作品を作り上げるようなことはしません。

                     

                    この講座で学んだ技法を用い、ご自宅でゆっくりと作品に仕上げていただき、その作品を画像で提出することが課題になります(掲示板かメールに画像を添付)。

                     

                    「細密用のピンセット」や、人によっては「拡大鏡」が必要になるぐらい非常に細かい作業です。

                    手先に自信のある人、絵を描くことが好きな人には楽しい世界だと思います。

                     

                    装飾の仕方がわかると、筥迫作りは一生の趣味になることでしょう。

                     

                    お申し込みは、今月28日〜です。

                     

                    ================================

                    筥迫装飾(切付・金装飾・挟玉縁)

                    ================================

                    開催日: 6月24日(日) 申し込み:5/28

                         11月18日(日) 申し込み:10/22

                     

                    ※詳細はこちら

                     

                     

                     

                    筥迫工房の材料販売(ネットショップ)

                     

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                    【2018.05.07 Monday 22:04】 author : Rom筥
                    | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    雅籠裁縫道具入 カゴ来た~〜!
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                      雅籠裁縫道具入

                       

                      4月開催予定の『雅籠裁縫道具入』では、籠が入荷できず中止になってしまいましたが、その後なんとか別の入荷先を探し当て作ってもらうことに。

                       

                      サイズだけ言って本当に指定通りのものができるのか?とハラハラしましたが、昨日無事到着しました〜(それもタイからの国際郵便!)

                      これで何とか8月18日(土)の講座は開催決定です!
                       

                      『雅籠裁縫道具入』の外観はこんな感じです。

                      この手の一般的な袋と違うのは、上に高さのないぺたんとした形であること。

                      これが今回のこだわりでもあるのですが。

                      古い縮緬なんぞ使うと超かわいい。

                       

                      でもこれは柔らかモノの袋なので、私的には専門外。

                      この手の袋物の作り方とはちょっと違うのですが、色々と試行錯誤した結果、この型にはこの作り方が良いと判断致しました。

                       

                      講習会の詳細は5月中にアップする予定ですが、これは中級コースなので、自宅でこの上の袋部分だけを縫って来ていただくことになります。

                       

                      筥迫工房の講習会には、縫い物は苦手なので貼り込みを習いに来たという方がよくいらっしゃいますが、今までの貼り込み講座とは違うので、そのような方はよく考えてお申し込みくださいね。

                      (手順書を見て自宅で作れる方であれば何とかなるとは思いますが)

                       

                      ミシンで縫ってもいいですが、手縫いでもできます(私は手縫い派)。

                       

                      中を開くとこんな感じです。

                      実際に講習会で作るのは、針山の右側に「マクラメピン」が入るタイプ。

                       

                      貼り込みの袋物は紐を使うことが多いので、マクラメピンが必須なのですが、マクラメピンはけっこう収納しにくい。

                      ということで、何とかうまく収納できる形を考えました。

                       

                      外は縫い合わせですが、中の仕切りが貼り込みです。

                      いや、貼り込みというほどのものではないかな?

                      まぁ工作ぐらいの気楽さです。

                       

                      縫い物が得意な方であればそれほど難しさはないと思いますが、とにかく面倒なのは籠の綴じ付けです(途中で投げ出す人が出るのではないかと心配)

                       

                      「携帯裁縫用具入れ」は一人で何十個も作る人がいますが、これはいくつも作る気にはなれない手間のかかる嚢物です。

                      そういうものほど、出来上がると何とも愛しく感じるものです。

                       

                      そしてこの型の一番の萌え所は、針山が蓋になっていて、下に「指貫」が収納できるところ(指貫ももちろん貼り込み)。

                      こんなに小さいのに結構システマチック。

                       

                      こちらのお申し込みは7月19日開始です。

                       

                       

                      筥迫装飾(切付・金彩・挟み玉縁)

                       

                      この前に、6月24日(月祝)の『筥迫装飾(切付・金彩・挟み玉縁)』もあるのですが、こちらも開催決定しています。

                       

                      サンプルをどう作るかでちょっと時間がかかっているので、こちらの画像及び詳細も5月になります(直前で申し訳ない)。

                       

                      こちらの講座は縢襠付筥迫の型を使いますが、実際の講習会では「型」は作りません。

                      日本刺繍以外の筥迫装飾のための技法を学ぶ講座です。

                       

                      色々な材料を当日分と持ち帰り分お渡ししますので、教材費はちょっとお高めになりますが、自分で単品を色々買い集めるよりは割安です。

                       

                      かなり細かい作業になりますので、そういう作業がお好きな方には楽しい世界です。

                       

                      「柄取り」も練習しますので、何種類か柄布をお持ちください。

                      お安い古着の留袖あたりも練習にはよいかと思います(できるだけ小さい柄でね)。

                       

                      この講座は縢襠付筥迫が完全に作れる人用の上級コースです。

                      「事前」の課題はありませんが、受講後にこの技法を使った筥迫を画像提出していただきますので、「事後」の課題になります。

                       

                      講習会にくればとにかく形には仕上げてくれる!といつもの調子で気楽に考えていると、自分で仕上げられずに困ることになるので、こちらもよくよく考えてお申し込みくださいね。

                       

                      こちらのお申し込みは5月28日開始です。

                       

                       

                       

                      筥迫工房の材料販売(ネットショップ)

                       

                      ▼筥迫工房の講習会



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                      【2018.04.23 Monday 00:18】 author : Rom筥
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