『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
6月5日、6日の両日で『筥迫&懐剣』の体験講座が行われました。
「初心者」に2日間で本格的な筥迫と懐剣を作らせるという離れ業をこなしてきました(笑)。
Y.Oさんの作品(岩手在住)
こんなことができたのも、下準備を全てこちらで行い、房は出来上がった「撚り房」を使ったからです。
「懐剣袋」も縫いではなく「貼り込み」で作るので、これもかなり時間短縮になります。
それなのに、仕立ての完成度もそれなりにある、というお得感。
これまでの講習会は、事前作業をしたり、道具を全て揃えたり、布を選んだりと、多分講習会に参加する前からの準備がとても大変だったと思います。
今回は作業費と道具の貸し出し料が含まれるので以前の講習費よりは割高ですが、「何も考えずに来てしまいました〜」と言う人がいるぐらい、そこが至れり尽せりの「体験」扱いということです。
もちろん講座が始まれば筥迫作りの大変さは変わりはなく、初めて筥迫を作る面々からは、しきりに「緊張する〜」という声が聞こえてきました。
今回は直前の募集だったので結局4名のみの申し込みでしたが、「参加したかったけど、予定が合わず行けませんでした」と何人かの方に言われ、そのまま教室の体験講座に流れた方もいらっしゃいました。
TOP画像のY.Oさんはかつての講習会常連さんで、筥迫の講座もすでに2〜3回は受けているはずです。
それも岩手からの参戦となれば、経験者がなぜまたこんな体験講座に出るの?との疑問が湧きます。
「筥迫工房の講習会は、私にとってアミューズメントパーク(テーマパーク?)のようなものなんです!」とのこと(大笑)。
私は筥迫もいつかオンラインでやりたいと思っているので(なかなか時間が取れず全然進んでいませんが、、、)、
「そうなったらこのような講習会は必要ないと思っているんだけど?」というと、「絶対に対面の講座は残してほしい!」と他の方からも強く言われました。
私が作業の合間合間に袋物に関する様々なウンチクを混ぜ込みながら、受講者は必死になって筥迫を作り上げる。
頭の中はものすごい情報量だったと思います。
2日目の開始時に「昨日は疲れて果てて、即寝落ちしたんじゃないの?」と言う私に対し、「疲れるどころか興奮しすぎて、なかなか寝付けませんでした!」。
体験講座といえども、講習会はかなりのアドレナリンが出るようです(笑)。
M.Iさんの作品(埼玉在住)
今回の講座で作った筥迫は、以前の講習会と同じ基本型(教本の型紙)です。
コロナで講習会を2年お休みして教室に集中していたため、すっかりこの教え方に慣れきってしまった私としては、正直単発での講習会を企画する意義を失いかけていました。
そんなとき、遠方の方から「2日連続でないと行くことができないので、なんとか別枠で筥迫&懐剣を作る講座を開いていただけないでしょうか」とのご提案をいただいたことがきっかけとなり、今回の企画となりました。
教室でも体験講座は常時受け付けていますが、教室では他の方が全員違う型を作っているので、つきっきりで初心者だけを見るわけにはいきません(教室では筥迫だけで2回、懐剣も含めると3回)。
そこで体験講座に限り、事前作業は全てこちらで行い、最後の飾り房はその人の進行状況により、結びだけを作ってもらう、時間がない場合は出来合いの撚り房にするという形式を取っています。
この方法で、全員が同時に作業する講習会であれば(講習会の良さは講師も一緒にデモンストレーションをするので、さらに効率が良い)、筥迫と懐剣を2日で仕上げることができると考えました。
その結果、1日目は17:30終了、2日目は15:00終了という時間内に収めることができました。
内容的には全く「体験」というレベルではないのですが、教室での体験講座の延長で、このような形式の募集となりました。
K.Nさんの作品(大阪在住)
Y.Aさんの作品(神奈川在住)
筥迫は作る以前に、ちょうどよい図柄の布を探すことに参加者は苦労します。
そこで今回は、オプションで筥迫工房にお任せの布を購入できるようにしました。
本当に講座に参加して作るだけというお手軽さです。
貼り込みは道具が多いので、教室のように何でもその場に揃っているという環境に慣れていると、それらを全て持っていかねばならない講習会はやはり大変です。
それでも、皆でワイワイおしゃべりしながら、作業に入ればアドレナリン全開で必死に作る楽しさは講習会ならではです。
以前のような講習会形式は今となっては難しいと考えているのですが、このような体験講座であれば、年に1〜2回ぐらいはやってもいいかなと考えています。
筥迫&懐剣用「貼り箱」のご紹介
最後に、お気づきかと思いますが、この講座の直前に、筥迫と懐剣が一緒に収まる「貼り箱」を新調しました。
以前「桐箱」を用意していたのですが、質が下がっているのに価格は上昇する一方なので、思い切って「貼り箱」に切り替えることにしました。
一番厚い厚紙にしたので、かなり立派な仕上がりで、自作の筥迫が数段上手く見えます(笑)。
(こちらは講習費とは別のオプション料金)
筥迫と懐剣を並べて飾ることもできる作りにしたいとずっと考えていたので、仕切りは私が時間をかけて設計しました(我ながら力作!)。
詳細はショップからご覧ください。
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東京のコロナ禍は、落ち着くどころか少しずつぶり返しているようですが、実際の街の様子は以前のままで、緊急事態宣言が出た当初のような緊張感はないような気がします。
大勢で集まって騒ぐというようなことだけ避けて、通常のソーシャルディスタンスさえ守って静かに行動するしかないという気持ちが出てきたからかもしれません。
講習会のこと
これまで何人かの方から、新しく講習会開催を求める声や、教室参加表明をいただいております。
しかし場所を借りて開催するような「講習会」は、私としては正直なところしばらくはやりたくない。
講習会で人を集めるためには一年前からスケジュールを出す必要があり、そのためのカリキュラムを組んだり宣伝したりという労力は馬鹿にならないものがあります。
しかしこのコロナ禍では一年先がどうなるかなんてわかりませんので、完全に落ち着くまでこれまでの1日で作る講習会のような体制は復活させるつもりはありません。
いつかそんな時が来るんでしょうかね?
2年先とか、、、??
教室のこと
そんな中でも生活はしていかなければならないので、どうやって仕事をしていくかです。
こんなときに教本の改訂版を発売することになり、ショップの注文も少しずつこれまでの数を取り戻しつつあります。
講習会はできないまでも、少人数の教室なら自分の工房でできないことはないので、少しずつ体制を整えつつ「教室」を再開することになり、すでに1ヶ月が経ちました。
6月中は限定2名でテーブルの間をビニールシートで隔てていましたが、、7月からは壁半分だけ隔てた隣の部屋でもう1名を追加して計3名体制にし、ちょうどよい距離感は保てているかなとは思っています。
教室でのリモートも試みてはみたのですが、全く新しい型を言葉だけで作業を指示するというのは難しいということがわかりました。
教室ではそれぞれが違う型を作るので、作業の見本はその人の型を使ってを見せることになりますが、リモートではそれができない。
講習会のように講師がデモンストレーションするような形式なら可能かなとは思いますので、それはそれで今後考えていくことにし、教室は今のところ実践のみとさせていただきます。
それでも今後来るであろうコロナの第二波がどんな大きな波になるかもわかりませんので、やはりリモートや動画配信の道も考えていきたい。
ちょうど今、「丸型小物入」の試作をしているので、これを通信講座として動画配信できないかしらん?と考えています。
まだちょっと時間はかかるかと思いますが、とりあえず行動してみます。
講習会も全くの白紙状態から紆余曲折しながらやってきたので、また一からの出直しになるとしても、自分の中に新しいことに対するちょっとしたワクワク感も出てきているので、楽しみながら少しずつ進めていければと思っています。
初心者向け講座
講習会と教室に新しく参加される方には、当初入門コースの「金封袱紗」を受講していただくことが必須でした。
しかしながら現状では講習会が行われないので、この「金封袱紗」と体験コースの「携帯裁縫用具入」だけは工房で講習会形式で行いたいと思います。
しかしながら、この二つだけは講師がデモンストレーションで一緒に行わなければならないので、定員がどうしても2名のみとなってしまいます。
しかしこのコロナ禍では、この2名さえ集まらない可能性もありますので、それぞれ希望者が2名集まった時点でセッティングするという不定期な講座にしたいと思います。
希望の講座と可能な曜日(今のところ土日で予定しています)をお伝えください。
教室の方でも、お勤めの人などで土日しか都合がつかないという方がいらっしゃいましたら、その旨お伝えいただければ、日程を増やすことは可能です。
とにかく先の見えない今は、その時々に合わせて適宜対応でいきたいと思っています。
筥迫工房の材料販売(ネットショップ)
▼筥迫掲示板
筥迫工房の教本や自慢の細工物を、皆さん自身で披露できる掲示板です。写真のアップロードが簡単になりました(一回の投稿で6枚掲載可)。丹誠込めて作った筥迫を大勢の人に見てもらいしましょう!
▼携帯からも筥迫掲示板2に投稿をアップロードできます。
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※時々ショップからのご注文確定メールが届かないことがあります。
そのような場合も、こちらからご連絡ください。
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コロナの影響で、お針子会での講習会、つたえでの教室をずっとお休みさせていただいておりましたが、緊急事態宣言が解除されたことで、先日恐る恐る筥迫工房での講習を行いました。
現在、新規の講習会申し込みはしておりませんが、4月5日に行うはずだった「四ツ襠紙入」が延期され、臨時講習という形で今回行われました。
お申し込みとお支払いをいいただいた後に、コロナでこれからどうなるのか?!という状況になり、中止か続行かを迫られていたところ、お二人から延期で!との希望がありました。
その後、日程調整して決行というときに緊急事態宣言が出たりでバタバタした中、やっと先日の講習にたどり着きました。
去年10月からこちらに工房を構えました。
東京の狭小住宅なので、お針子会やつたえのような人数でやることはできませんが、2〜3人程度で作業するなら可能な範囲。
乗り換えは有りますが池袋にも近く、駅近の大変アクセスの良いところなので、広ささえあればここで講習会も教室もやりたいところです。
今年いっぱいは確実にコロナに振り回されそうなので、これまでのように場所を借りるような規模での再開は無理ですが、教室は6月後半からこちらの工房で再開することにしました。
とりあえずは2名限定で、ビニールシートでシールドしております。
今後はリモートも同時に試しつつ、できる範囲での再開となります。
Y.Eさんの作品(兵庫)
「四ツ襠紙入」は、四つの折り襠で中の仕切りを挟んだ型です。
作り方はほぼ念珠入れと同じなのですが、仕切りが付く分、内布の長さが必要です。
こちらの作品に使われている裂は無地の「タイシルク」なので、ある程度の長さは取れると思いますが、貼り込みで作る嚢物では限られたサイズの古裂を使う方がほとんどなので、それで柄出しをしようとすると裂が足りなくなります。
そのようなときのために、この講座では「裂の接ぎ合わせ」方を学びます。
この接ぎ合わせを利用して、仕切りに別色を継いでいます。
とてもオシャレで素敵ですね。
K.Eさんの作品(埼玉県)
こちらは内布に「綿ローン」が使われています。
綿ローンは薄さがあって内布には作りやすい素材です。
表布はこのぐらいの厚みがある裂の方が、この型は作りやすい。
失敗しづらい組み合わせです。
綿の厚み
絹は厚みの説明がしづらいので、通常「薄手の綿」で布の厚みを説明しています。
内布に「綿」素材を使う場合は、
ローン>TCブロード>ブロード
までをギリギリ許容範囲としています。
シーチングやCBポプリン以上になると、私的には「無謀」と感じています。
作れないわけではありませんが、正直仕上がりのダサ感は否めない。
小さな懐中物に厚みが加わることによるダサ感という意味です。
表布は着物に合わせたコーディネートなので、どんな素材を使おうが、どんな厚みの物を使おうが問題ありません。
ただし使う素材によって難度が違うので、表布は作る人のレベルに合わせることが大事です。
女持ちの懐中物は、狭く厚みのない襟元に収めるものです。
薄く作る必要のあるものに少しでも「機能」を付け加えるとなると、「口(ポケット)」を増やすことになります。
口を増やすということは、より布を多く使い折りたたんでいくということです。
可愛い柄を選んだつもりが、厚みで全然可愛くない仕上がりになった(泣)ということは多々あることです。
布選びは「色柄」の次に「厚み」を冷静に見極めることが大切です。
絹と綿の組み合わせ
懐中物は着物に装着するため着物の端切れを使うことがほとんどで、必然的に「絹」素材が多くなります。
基本的に表布と内布は素材を合わせた方が間違いはありません。
絹は絹同士、綿は綿同士ということです。
もし異素材で合わせるなら、どれだけ違和感がないかで考えるだけです。
布の糸の太さには「番手」という基準があって、数字が大きくなるほどに糸が細くなります。
先の「綿ローン」は、一般的に60〜80番手という最も細番手なので密度もあります。
絹素材の裂は紬などを除けば比較的細糸を使い密度があるので、綿であっても細い糸を使うため必然的に密度があり、絹に合わせやすいと思います。
「綿ブロード」は一般的にい生地とされますが、絹に合わせるには番手(40〜50)も織りもざっくりしていて木綿感がありありで、私的にはちょっといただけない(あくまで内布としてです)。
しかし、無地で、この薄さで、この色がほしい!といったピンポイントで布を探したいときには、絹の端切れで探すのはとても困難です。
他方、木綿であれば薄さも色も大変探しやすい。
そこで私がいつもお勧めしているのが「T/Cブロード 」です。
綿ブロードが綿100%に対して、T/Cブロードは大体ポリ65、綿35%ぐらいの素材の違いです。
多分一般の人は、この違いを見ても触ってもよくわからないと思うのですが、常に厚みと戦う私としては大きな違いです。
微妙にブロードより薄く密度がある。
この密度が絹に合わせやすい。
しかし服地としてのT/Cブロードは、乾きやすいとかシワになりにくいとかで割烹着などに使われる、どちらかといえば安っぽい生地のイメージなので、洋服地に詳しい人には「え〜絹と合わせるの〜?」と思うかもしれません。
でもシワになりにくいということは張りがあるということなので、薄くて張りがあれば内布には大変使いやすい。
絹に合わせてもあまり違和感はない。
人間という大きなフレームと、懐中袋物という小さなフレームでは、見方や考え方を変えるのが大事だと私は考えます。
貼り込み作業でとても重宝しているのが「引き出し式ゴミ入れ」です。
これまで自宅で作業していたときは、机の引き出しをそのままゴミ入れとして使っていたのですが、これにあまりにも慣れていたので工房の机にも自作で取り付けました。
訪れる人にいつもご好評いただいております(笑)。
なんとなく気分鬱々でブログ更新が遅くなりました。
それでも毎日アクセスしてくださる方がいることに励まされます。
世間がこんなに閉塞感に満ち溢れている中で、呑気に筥迫の話題なんて書いてていいのかとも思いますが、結局私はこんな話題しか書けませんし、今は誰もが別の話題が欲しい時だと思いますので、粛々と筥迫&袋物の話題を続けるのみです。
この時勢で結婚式を取りやめる方々がいることをテレビで見て、どんなに無念だろうかと思っていたところ、手元には3月の講習会『装飾技法』で教材として入手した「刺繍半襟」がけっこう余っている、、、。
季節柄ぴったりの桜柄だったので、そんな方々を思いながら筥迫を作ってみました。
刺繍半襟の半分を使い、切り付けを駆使して作りました。
刺繍半襟&玉縁はとてつもなく厚みが出るので、今回は綿なしで作っています。
本当は玉縁さえしない方が良いのですが、ちょうど色味がぴったりの内布があったため無理して作ってみました。
「刺繍半襟」&「挟み玉縁」は、いかに厚みをなくして仕立てるかがミソです。
それには糊の技を駆使し、厚みが出やすいところを徹底的に潰していきます。
刺繍半襟は筥迫を作るのにちょうどよいサイズなのですが、それなりに「切り付け」を使わないと、この画像のような桜満開の柄行きにはなりません。
刺繍半襟はゴージャスな柄行きのものもありますが、それだけ見て安易に買ってしまうと仕立てが難しすぎてまず挫折します。
筥迫作りに慣れている人であれば、柄の割り方などを考えて仕立てやすい方法を考えながら作ることができますが、筥迫初心者はそのようなゴージャスな柄行きの半襟を選んではいけません。
以前、ショップで販売されている教本(現在品切れ&改訂中)を買われた方から、こんな刺繍半襟を買いたいのですが、と画像が送られてきて唖然としてしまいました。
半襟幅の2/3は占めようかというごってりとした刺繍です。
筥迫を作ったことのない人がいきなりこんな刺繍半襟を仕立てたらどんなことになるのか、それを説明するのも難しく頭を抱えてしまいました。
それ以来、刺繍半襟の話題を出すことはしなくなりました。
下手に画像を出してしまうのも考えものです。
しかし今回、教材にするにはちょうどよい柄行きの刺繍半襟を見つけたので(それもかなりリーズナブル)嬉しくなって装飾技法の教材に入れてみました。
さぁこの面だけで筥迫を作りますよ!
このぐらい柄が小さく、広く散らばっているものが筥迫には仕立てやすい(切り付けしやすい)ですね。
半襟の半分で無理やり作るので、「胴締め」「巾着」「簪挿し」の柄は全て切り付けしています。
半襟の下の方で「胴」を取って、柄の一番いいところで横に「被せ」を取って、中央の空白のところで「胴締め」を取る。
縁の空白で「簪挿し」、残りの空白で「巾着」を取り、どちらもワンポイントの切り付け。
残りの刺繍を駆使して胴締めに切り付けます。
教材なので半分しか使えませんでしたが、一枚丸々あれば懐剣まで作ることができます。
刺繍なら周りを駒で縁取りすると思いますが、貼り込みの場合は糊を駆使して、あくまでわからないように処理します。
『装飾技法』講習会
「切り付け」というのは単純にアップリケのことです。
アップリケするだけなら自分でもできそう!と思われるかもしれませんが、普通にやったら貼り付けていることがありありとわかってしまうのでご注意を。
それ以前に糊で汚して全てを台無しにしてしまう可能性大ですね。
それなりのやり方があるので装飾技法の講座に取り入れているのです。
これまでの金装飾の教材を厳選し、種類を少なくした分刺繍半襟に予算をかけることができたのですが、時間的にあまりにもタイトで、いつものことながら受講者をへとへとにさせてしまいました(苦)。
半襟刺繍を切り付けしながら筥迫に装飾するには流石に時間がかかりすぎるるので、装飾技法は「金装飾」と布「切り付け」のみにして、この刺繍半襟の筥迫はフリークラスにした方がいいと反省、、、。
この刺繍半襟は「ピンク」「白」「黒」の三種類用意しました。
まだ残っているので、この教材が欲しい方、または金装飾の方でもよりやりやすい教材に変わっていますので、購入ご希望の方はご連絡ください。
作り方、使い方は購入しただけではわからないので、かつての受講者、教室に通われている方に限りますが。
もしくはフリークラスが開始できるようになることを願いますが、その日はいったいいつやって来るのでしょうかね、、、(遠い目)。
教本改訂
この筥迫は限られた用尺で作ったので、販売している教本の型で作りました(講習会で作っているのは大型)。
いつも大型で慣れていたので、なんだか子供用を作っているようなサイズ感でした。
今、この教本の改訂を少しずつ作っています。
前回までは厚紙は0.7のみを使用しましたが、今回は0.7と0.25を併用します。
0.25を初心者に使わせるのはちょっと不安だったので、貼り方も少し変えています。
貼り込みにしてはイレギュラーな方法を用いますが、初心者に薄い厚紙を使わせても失敗のない方法です。
教本はあくまで筥迫の作り方であって貼り込みを教えるわけではないので、これはこれでありかなと思いっています。
もちろん講習会でしっかり貼り込みを習っている方は、いつも通りのやり方で作ってくださいね。
あとは「巾着」も少し大きめにし、上のラインが真っ直ぐになる折り方に変えています。
一番変わるのが「切り房」の作り方です。
今まで中の芯材にティッシュを使っていましたが、今回は別の芯材を使います。
ティッシュは塩梅で作るところが多く、筥迫に慣れている人でも房はうまく作れない〜と言う人が多いのですが、今回何人かの方に試作してもらいましたが、以前よりずっと作りやすい(わかりやすい)とのご感想をいただいております。
日本固有の嚢物に使われる切り房は、頭がペチャンコに潰れた形をしています。
始めて見たときは衝撃的だったなぁ、、、。
以前のようにティッシュを芯に作ると、このような形状に作るのは難しいのですが、今回の作り方であればそれほど難しくなくできます。
そして一番の難関だった綴じ糸の金糸も、滑り落ちることなくピンポイントに位置に巻きつけることができます。
改訂とは言っても、このようなマニュアルを作り直すのは気が遠くなるような作業です。
すぐにはできないとは思いますが、気長にお待ちいただければと思います。
気がつけば今日は4月1日です。
エイプリルフールだなんて浮かれている風潮が全くない今日この頃。
満開だった桜たちはかなり葉が出始めていますね。
今後桜が咲くたびに、悲しく立ち止まって見るしかなかった今年の桜を思い出すかもしれません。
▼筥迫工房の講習会
▼筥迫掲示板
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先週末、講習会が早く終わった日の帰り道に撮影したもの。
朝早く通った時には蕾だったのに、暖かい日だったので帰りには一気に咲いていてびっくりしました。
お針子会講習会
季節は桜満開なのに、社会全体はどんよりした閉塞感に満ち溢れていますねぇ、、、。
3月の講習会は三連続でしたが、申し込みが少なかったり、しっかり埋まっていた日でも直前に大量キャンセルが生じました。
こんな時期ですから、ちょっとでも不穏な状況が身の回りにあれば休まざるを得ないのはよくわかります。
とはいえ、これでは講習会を続行するのは難しい。
世の中があまりにも先の見えない不安定な状況なので、
2020年度の4月以降の講習会は全て中止
とさせていただきます。
今年中にもし回復の兆しがあれば、そこからまた少しずつ再開するかもしれませんが、現時点では完全に白紙状態です。
もしいつか再開するとすれば、多分体験コースの「携帯裁縫用具入」からになろうかと思います。
つたえ教室
先週末の世の中の様子では、日本はこのまま穏やかに収束するのではないかしらん、、、とさえ思える感じだったので、講習会は中止にしても、「つたえ」の教室は細々と続けていこうと考えていました。
しかし急転直下、つたえの教室もコロナの影響でしばらく使えなくなることになりました。
しかたなく昨年秋に開設した筥迫工房の工房(変な言い方)を開放することに。
つたえほど広くはないので、とりあえず定員3名ならなんとかなるか?と思いながら、講習会後に週明けにあたふたと動きまわっていたのですが、、、。
昨日の小池都知事の発言に、もう明日のことさえ予測できない状況になってきました。
とりあえず次の教室は4/14なので、そのときまでどのぐらい状況が変化しているかわかりませんが、臨時教室は私の工房なので一人も来ないとしても場所代はかかりません。
たとえ予約を入れていたとしても行かない方が良さそうと思えば当日であってもキャンセルしてくださってけっこうです。
(当分の間、キャンセルポリシーはなしとします)
今の状況では、教室をやっていいのか、いつからならやっていいのかさえわからないので、私は毎日工房にいますので、来たい方は来ていただければいつでも対応いたします。
ということでしばらくの間、教室は筥迫工房で行います。
新しい工房のこと
これまで自宅で仕事をしていましたが、去年の秋から実家の父が老人ホームに入居したことで、現在その家を筥迫工房の拠点にしています。
家族と一緒の家でネットショップの商材を扱っていたので、引越しをしたときの物の多さにびっくりしました。
今までどんなに家族に迷惑をかけていたのかと申し訳なく思いました。
しかし今では、自分だけの大きな作業台があって、その日のやり残しをそのままの状態で次の日に続きができることの有り難さを痛感しています。
本来、ネットショップの住所も変更しなければならないのですが、住所を公にしてしまうと「お店まで直接買いに行きたい!」と言う人が出てきます。
今まではネットショプはWEB上のもので「実店舗」はありません!この住所は住宅なので来てもらっても困ります!というやり取りは結構ありました。
お針子会が実店舗と勘違いして来られた方もいらっしゃいました。
ネットショップを対面販売と勘違いしていらっしゃるのだとは思うのですが、そのような方は買い物と一緒に話をしたくて来ることが多いので、毎日時間に追われて仕事をしている私としては、急に来られてもとても相手をすることができない、、、。
ということで、もし直接会ってお話をしたいと言う方がいらっしゃいましたら、どうかお問い合わせからアポイントを取っていただければ大変助かります。
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なんとか明るい気持ちを探したくなる今年の春です。
皆さんは何を見ると春を感じるでしょうか?
私は何と言ってもこの香りです。
沈丁花(じんちょうげ)は見かけは何とも地味ですが、この強烈な香りで「私を見て!」と主張してくる花です。
しかし、工房に通う道にあるこの沈丁花が最近主張をしなくなりました。
近づくと花先が少しずつ茶色に変化して、匂いの終わりを告げていました。
もう一つの春は、我が家の娘の花粉症が大幅改善されたこと!
去年の秋頃に「舌下免疫療法」をためしたところ、現時点で「今年って花粉飛んでる?」というほどに劇的改善。
毎年「花粉症じゃない人がいるなんて世の中不公平だ〜!!」とわめくぐらい顔を腫らしていたので、本人的にはこの世の春という感じのようです。
今後の花粉の飛散状況により「やっぱり、、」ということがあったとしても、症状が重い人にとっては一時期だけでも気分が休まればありがたいことでしょう。
教室のこと、講習会のこと
コロナの自粛期間を受けて教室でも人数調整をし、10日は「できれば参加したい」という3名のみで行いました。
この日、これまで講習会に通っていた方が初めて教室に参加されました。
講習会に数年通ってきた方だったので、講習会同様のイケイケモードでテキパキと作業されていました。
しかし、いつのも教室メンバーはマイペースでゆったりした雰囲気に慣れているため、かなりテンションが違う(笑)。
それに影響されてか、コロナの自粛ムードもあってか、おしゃべりも控えめで作業に没頭するその日のメンバーたち。
こんなふうにできるだけしゃべらなければ飛沫も抑えられるかも、、、などと思ったりしてしまいました。
ということで、次週の教室からしばらくの間、テーブルの対面に人を配置しないよう定員を4名に限定し、換気を心がけるようにして小規模で続行することにしました。
とは言っても、ホントこの先どうなるか正直わからないのが辛いところですが、、、。
4月の講習会中止
来週末の3月講習会まではとりあえず開催いたしますが、
4月の講習会は「中止」とさせていただきます。
4/4 月見型紙入
4/5 四ツ襠紙入
申し込み日にカートが出ないという失態をおかしたものの、その後申し込みも伸び悩んだので、昨今の状況もあり早々に中止にいたしました。
そして希望者は私の「工房」で少人数対応することにしました。
5月の以下期間の講座は開催するかどうか検討中です。
5/3 縢襠付筥迫1(初級)
5/3 縢襠付筥迫2(初級)
5/4 フリークラス5-1
5/5 フリークラス5-2
このような状況になったときに果たして申し込み希望者がいるのかどうか、単発の講習会は予定が立てづらく難しいです。
もし上記講習会に希望されている方がいらっしゃいましたら、申込前に「お問い合わせ」より参加表明いただけないでしょうか。
それによって開催するかどうかを考えますが、問い合わせがない場合はしばらく中止する可能性もあります。
もしくは工房で少人数対応するか、いまだに悩む悩む、、、。
教本「縢襠付筥迫」改訂します
こんな時こそ、家にこもって袋物細工にいそしみましょう!
とお勧めしたい所ですが、実はショップで販売している教本の在庫がある数冊というこの事実!
もっと早くに増刷すればよかったのですが、講習会とのからみで迷いに迷って遅くなってしまいました。
講習会、教室、一般販売の教本と、実はこれらの状況が微妙にからみあっているのですね。
マニュアル作りの手間隙がばかにならないので何とか併用できるようにとの考えからでしたが、そうなると一つがつまづくと全体に影響が出てくるという、、、。
ということで、いっそ完全分離することで進めることにしました。
つまり「縢襠付筥迫」を改訂します。
これから新しく作り直すので、現在の在庫がなくなった後は次回販売まで2〜3ヶ月かかるかもしれません。
あしからずご了承ください。
あれもこれもすんなりとはいかず、コロナ以外にも色々と悩める今日この頃です。は〜、、、
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いつも講習会の申し込みは、開始日の0:00にカートが開くように設定しています。
しかし今回はPCの設定を間違えていて「月見型紙入」も「四ツ襠紙入」も開かず、、、
四ツ襠申し込みぐらいの人になるとメールをしてくれるのですが、月見型は初級なので満席になったと思われたかもしれません。
ということでカートは開いていますので、よかったらお申し込みください。
「帛紗挟み」「二ツ折小被付筥迫」も詳細出ていなかったので出しました。
あれもこれもで、本当に申し訳ありません。
キャンセルポリシー
とはいえコロナ騒動でどこもかしこも活動を自粛している昨今、なかなか講習会に参加しようなんて思えないかもしれませんね。
筥迫工房の講習会にはキャンセルポリシーがあるのですが、今月の講習会に申し込まれている方には、体調に少しでも不安を感じた場合は当日でも絶対に休んでくださいと言っています。
そのかわり、今月、来月に限っては、当日でもある程度は返金することにしました(まだ率は決めていませんが)。
これが今月、来月で済めばいいですが、どう考えてもそれですまなさそうで。
かつて当日キャンセルでも返金をしていたのですが、予約だけして直前にキャンセルする人が続出し、満席なのに実際の参加者は半数しかいないということが何ヶ月か続きました。
そんなことをしていたら講習会が成り立たないので、それ以降はしかたなくキャンセルポリシーを作ることにしました。
でもそんなことを言っていられないのが昨今の状況です。
今のところ講習会は開催しますが、今後世の中の状況によって中止にしり、中止にしないまでも申し込みがあまりにも少ないようであれば取りやめたりする可能性もあります。
(どうしてもやってほしいという方の場合は、私個人の工房で個別に対応するかもしれません)
こんなとき、教室なら簡単に「振り替え」できますが、講習会は振り替えができないのが難しいところです。
やはり単発のステップアップ講座は難しいと改めて感じざるを得ません。
今後の講習会のやり方を根本的に考え直すきっかけになりそうです。
帛紗挟み
今後、講習会が中止にならなければという条件付きでしか言えないのが辛いところですが、以下「帛紗挟み」についてお知らせいたします。
「帛紗挟み」の対象は「丸型小物入」を受講した方になっているのですが、これは「事前作業に縢り糸を撚ってくる」という条件があるからで、その縢り糸の作り方を丸型小物入れでやるからなのですね。
しかしながら「すでに日本刺繍をしているから、わざわざ撚り方を習わなくてもいいわ〜」とか、「撚るのは難しそうだから市販の縢り糸を買いたい」という方もいらっしゃるとは思うので、その場合は「中級講座2以上」を受講していれば対象と致します。
1)講習会の「丸型小物入(レベル14)」を受講する
自分で糸撚りをしたことがない方、自分で撚った糸を使いたい方は、是非この講座を受講してください。
自分で糸撚りすることができれば、手縫糸を買うだけで縢り糸を用意することができます。
2)市販の縢り糸を購入する
「糸撚り」をしたことのない方、「丸型小物入(レベル14)」を受講していない方は、市販の撚り糸をご用意ください。
入手方法は申し込み後に送られる内容を参照の上、各自で入手してください。
ただし、必ず指定のショップのものをお使いください(絶対に適当なもので代用しないでください)。
価格は(1400円+送料)程度です。
3)自分で糸を撚る
日本刺繍などで日常的に糸撚りに慣れている方に限ります(日本刺繍よりもかなりきつく撚りますので、日常的に慣れている方でないとレシピ通りに撚ることはできません)。
事前作業で送られる「糸撚りのレシピ」を参照の上、各自で糸撚りをしていただきます。
ただし糸は「手縫糸(絹)」を使っていただきます(「釜糸」は不可)。
額縁処理
本来、袋物の角処理は、表布と内布を「組み合わせ」て仕上げるので、市販している縢襠付筥迫の教本ではこのやり方は解説していません。
ただでさえ工程の多い筥迫なので、教本だけで作る人にそこまでやらせたらうんざりされるだろうと思ったのですが、近々改訂予定の教本でこれを入れるかどうか判断に悩む、、、、。
しかし講習会では金封袱紗からこの組み合わせを習います。
内布の引っ掛け(オス)に対して、表布は額縁(メス)に処理します。
この表布の額縁は、通常の講座では「折り返しの額縁」にしていますが、これは初心者でもリスクなく一番簡単にできる方法です。
しかしこれは厚地には使えません。
そこで前回の講習では、バッグなどによく用いられる「突き合わせの額縁」にしてみたのですが、袋物細工のように小さいものはよほど綺麗に仕上げないと目立ってしまうことから不評でした(リスクはないんですけどねぇ)。
そこで、プレ講習の時だけやった「切り落としの額縁」に戻してみようと思います。
これはかなりリスクのある作り方なので、練習に時間をかけねばなりません。
それで前出の「縢り糸」までこカリキュラムに加えるのは不可能と考え、そのかわりこの「切り落としの額縁」の練習に時間をかけることにいたします。」
私自身は少しでも厚みがあれば迷わずこの額縁処理をしています。
切り落としの額縁が上手く出来るようになると、ある程度の厚みのあるものも問題なく仕立てることができるようになると思いますので、是非チャレンジしていただきたいやり方ではあります。
また、去年まではこの帛紗挟みはこちらでサンプルの表布と内布を用意していましたが、今年は初級の「利休型紙入」ですでに「錦地」を指定しているので、今回から帛紗挟みではもう少し厚めの「金襴」なども可にしてみます。
それでもあまりにも厚く硬い帯地、裏に糸が渡りまくった帯地などは使えないものもありますのでご了承ください。
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ちょっと思い立って久しぶりに縢襠付筥迫を作ってみました。
筥迫を作るといったらほぼお客様からの依頼品(刺繍裂)なので、このように普通の着物裂で作るのは本当に久しぶりです。
なんか見たことがある?と思われたかもしれませんが、これはショップや教本でトップ画像に使われている筥迫と同じ裂で作ったものです。
私が筥迫を作り始めた当初、四つ身の反物全てを筥迫の試作とマニュアル作りに使い果たしたのですが(段ボール3箱ぐらい作ったさ)、最近メイン柄のところだけが少し残っていたのを見つけました。
上手くなった暁にはこれを使おうと思ったのかどうか記憶がありませんが、使うなら今だと思いました。
右側は極初期の頃の仕立てなので稚拙な作りです(この頃は本仕立て=縫い玉縁)。
左側が今回の現在の仕立て方で、こちらは教本で解説している挟み玉縁です。
画像でもある程度違いはわかりますが、手に持てばその違いは一目瞭然です。
現在この仕立てを講習会で教えているのですが、右側の筥迫もショップで販売している教本を見ればこの程度には出来るので(ただし挟み玉縁)、これはこれで有りかなとは思います。
最近ここにきてなぜか「筥迫を作りたい」をいう人たちの声が耳に入るようになりました。
いや、これまでも教本はショップで販売しているし講習会でも教えていますが?と思ったのですが、どうやらそういう意味ではないらしい。
講習会を始めた当初は「教本仕様」の筥迫を「初心者対象」で教えていたのですが、年々型が増えるとレベルを分けないわけにはいかず、そうなるとどうしても基礎が必要となり、いつしか筥迫は上級になってしまいました。
筥迫を作りたくて受講した方々にとって、筥迫は遥か遠く、、、が現状。
つまりそういう意味での「筥迫を作りたい」だったのです。
初めの頃に初心者対象で講習会が成り立っていたのは、私自身が筥迫を組み立てること以外で何か教えることある?程度のレベルだったということ。
つまり余計なことまで教えないで済んだというのが大きく、今のように余計なこと満載で教えても、誰もそこまで求めちゃいないよという自虐的境地に達しつつあります。
体験コース(携帯裁縫用具入)
そんな閉塞感から脱却したい気持ちも少なからずあり、今年は初めて初心者対象の「体験コース」を開講することにしました。
こちらが先日の「携帯裁縫用具入」の様子。
これは私のトライアルでもありました。
アイロンやカッターマットなどは全て貸し出し(受講料に含)、事前作業などはこちらで全て用意するので、講習会ではただ貼り込み作用を体験するのみ!
そして私はただ作り方を教えるだけ!
いつもならカッターの持ち方が違う!正確に線を割る!なんて受講者はうるさく言われているとは思いますが(ごめんなさい)、今回は指切らなきゃ好きにして〜という仏の境地で。(どこが)
しかし参加者の楽しそうなこと。
事前作業はされているとはいえ、外部の講習会のように2〜3時間で出来るような体験ではなく、事前作業以外は通常の細かい貼り込み作業です。
こんな小さなものでも手間がかかる。
それでも手順通りに行えば、どんなレベルの人でもしっかりその形に出来上がることを知ってもらうことが目的。
これだけでも誰もがちょっとした感動を味わえると思います。
この体験コースは5月23日、8月22日にも行われますが、今後は体験コースのみ「お針子会」ではなく西巣鴨の「つたえ」で行います。
実はこの「つたえ」での講師は私(Rom筥)ではなく、別の講師(Rajyoさん)が教えることになります。
今回の体験コースは私のトライアルでしたが、今後も同じように、体験を含めた全ての講座を私一人ではどう考えても無理があります。
これまでは少しずつ人が育ってこれるのを気長に待つしかありませんでしたが、このRajyoさんを始め、職人見習いだったA.Yさんもかなり出来るようになってきて、今では少しずつ他の人の手が借りられるようになってきました。
そのような状況で、体験コースを現実として考えられるようになってきたのです。
そして私の本当のトライアルは、今後「筥迫コース」を開講することにありました。
かつてのように全くの初心者に筥迫を教えるということは今年はさすがに無理だとは思いますが、せめて入門コース(金封袱紗)を終えた人がすぐに受講できる「縢襠付筥迫(初級)」を開講することです。
教本(ショップ販売)の改定
実はこれまでショップで販売していた「副読本」の在庫があと少しで切れるのですが、色々と思うことがあり、今回は重版ではなく大きく改訂することにしました。
副読本がなければ教本は使えないので、つまり教本自体を改定することになります。
これまで教本と副読本に分けていたのは、別の型も販売しようと思っていたからなのですが、教本や型紙の取り扱いに緒問題がおこり、やはり一般の方に販売するのは縢襠付筥迫だけにしようと思うようになりました。
また、講習会の人たちにも使えるように基本的なことを副読本にまとめたのです。
この縢襠付筥迫の教本は「結婚式のためにぶっつけ本番で筥迫を作る!」という人が対象なので(苦笑)、講習会や教室に来ている人にはこの教本を初級扱い、講習会ではもっと高度な内容を教えることで棲み分けをしていました。
しかし体験講座をやってみて気がついたのは、初めての筥迫はうんうん唸りながら一人で作るより、楽しみながら皆で作りたい!というのが実情なのでしょうね。
とは言っても、工芸的筥迫の復活を目指してこの10年ひたすら研鑽を積んできたrom筥としては、それも後世に引き継いでいかねばならないという使命を持っています。
つまり「体験としての筥迫」と「技術で作る筥迫」です。
これが冒頭の二つの筥迫画像というわけです。
教本向けの作り方は、一度だけ作る人のための言わば「体験としての筥迫」なので、講習会の初級筥迫はこの教本に完全にリンクした内容で行うことを考えました。
その場合「技術で作る筥迫(1柄合せ・硬綿)(2襠付・玉縁)」はフリークラスで行うことになります。
筥迫講座
オリンピックの影響で8月の三段口扇襠筥迫を中止にしたことで、講座のスケジュールをいくつか変更せざるを得なくなりました。
これまでの「三段口扇襠筥迫」は筥迫の登竜門扱いでしたが、これがなくなると直接「縢襠付筥迫(あがき)」を受講することになるのでこれはかなりハードです。
そこで今年は「縢襠付筥迫(あがき)」はフリークラスへ、そこに「縢襠付筥迫(初級)二日コース」をトライアルで組み込んでみることにしました。
そこで、以下の5月を以下のように変更させていただきます。
(急に変更して人が集まるのかどうかわかりませんが、、、)
2日(土)型抜名刺入と延べ鏡 ←縢襠付筥迫(初級)初日
3日(日)縢襠付筥迫(あがき) ←縢襠付筥迫(初級)2日目
TOP画像にいいところを使ってしまったので、あまりものを駆使して柄取り(苦)。
以前は2日で巾着と飾り房までを作っていたのですが、終了がいつも8時過ぎという無謀さだったので、今年は「事前作業有」で飾り房を除いた「本体と巾着まで」を2日で作ることにします(終了5時予定)。
この初級筥迫は教本に準じた内容なので、本体綿はキルティング芯を使うためそれほど難度はありません。
巾着も単仕立てで、綿はただ詰めるだけにします。
「柄合わせ」はせず(柄取りのみ)折り返し仕立てで作ります。
その方が色味をたくさん使えるので実は華やかに出来上がります。
対象は「入門講座を受講」した人になるので、スケジュールさえ合えば2回目には筥迫にトライできますので、是非お気軽に筥迫体験してみてください。
フリークラス
となると、フリークラスに進級するための課題「縢襠付筥迫(あがき)」がなくなるので、今年の課題は「三段口扇襠筥迫も可」に変えさせていただきます。
まぁ難度が低くなるので受講者には願ったりでしょう。
ただし「縢襠付筥迫(初級)」は課題にはなりませんのでご注意ください。
フリークラスの詳細もアップしましたのでご参照ください。
※フリークラスのみで受講できる型の詳細もアップしました。
フリークラス受講料+それぞれの教材費は
※「縢襠付筥迫(あがき)」は以後「縢襠筥迫(硬綿・柄合せ)」と名称変更し、フリークラスに移動します(詳細画面は後日変更)。
・縢襠筥迫(硬綿・柄合せ)中級
・小被付四ツ襠紙入 ←5月はちょっと無理そう、、、
・誰ヶ袖型櫛入 ←5月に新しく入るかも(未定)
5月以降のスケジュール変更ですが、多分こんな感じになると思います。
まだ確定ではないので、まだ実際のスケジュールには反映しませんが、早くから予定をしている方もいるとは思いますので、今後はこのように変更の可能性有と思っていていただければと思います。
確定になったものから実際のスケジュールに反映してお知らせいたします。
<3月>
20日(金祝) 貼り込みの基本「金封袱紗」
21日(土) 念珠入(組入)名刺入
22日(日) 装飾技法(切付・金装飾)
<4月>
4日(土) 月見型紙入
5日(日) 四ツ襠紙入
<5月>
2日(土)型抜名刺入と延べ鏡 ←縢襠付筥迫(初級)1
3日(日)縢襠付筥迫(あがき) ←縢襠付筥迫(初級)2
4日(月祝)フリークラス5-1
5日(火祝) 〃 5-2
23日(土)携帯裁縫用具入
<6月>
6日(土)貼り込みの基本 金封袱紗
7日(日)丸型小物入
<7月>
4日(土)利休型紙入
5日(日)帛紗入(七宝縢)
<8月>
1日(土)三段口扇襠筥迫 ←中止!
2日(日)筥迫巾着と飾り房 ←中止!
22日(土)体験コース/携帯裁縫用具入
29日(土)型抜名刺入と延べ鏡
30日(日)縢襠付筥迫(あがき) ←筥迫巾着と飾り房
<9月>
20日(日)貼り込みの基本 金封袱紗
21日(月祝)フリークラス9-1
22日(火祝) 〃 9-2
<10月>
3日(土)念珠入(組入)名刺入
4日(日)二ツ折小被付筥迫
<11月>
7日(土)月見型紙入 ←三段口扇襠筥迫
8日(日)丸型小物入
21日(土)四ツ襠紙入
22日(日)フリークラス11-1 ←縢襠付筥迫(初級)1
23日(月祝) 〃 11-2 ←縢襠付筥迫(初級)2
<12月>
5日(土)貼り込みの基本 金封袱紗
6日(日)帛紗入(七宝縢)
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2020年の新型『利休型紙入』の講習会が先日行われました。
一般的な袋物の教室で帯地のような厚手の生地を使うことは普通ですが、講習会で作る「袋物細工」はバッグよりもかなり小さいので、ちょっとした厚みの差でとんでもなく作りづらいものになることから、特に初心者であれば厚地の生地はお勧めしていませんでした(できなくはないが慣れた人が使うもの)。
これまではとにかく着物地のような「薄地」をお勧めしていましたが、それは「襠(まち)」が「支え」になっていたので薄くても形にはなっていました。
しかし今回のように「襠なし」の型ではそうはいきません。
ということで、今回はこちらからの「布地指定(購入先指定)」で布を用意していただきました。
黒の「小はぜ」に蒔絵に見立てた装飾も講習会で行います。
こちらの材料一式は全てお持ち帰りできますので、ご自分作った小はぜを付けて是非お友達にプレゼントしてください。
きっと喜ばれると思いますよ。
K.Nさんの作品(埼玉県在住)
袋物の生地選びは「柄」や「色」だけで選びがちですが、本来は「布ありき」で、その布に合った型を選ぶというのが理想です。
つまり、布選びはまずはその型の特徴をよく見極めることが大事なんですね。
複数の人と一緒に作ることにより、どんな生地が作りやすいのか、作りにくいのか、失敗しやすいのかを、その日1日で見ることができるという意味では講習会は大変有意義です。
K.Eさんの作品(埼玉県在住)
今回の講座では、あえて仕覆(しふく)などに使われる「錦(にしき)」を指定させていただきました。
講習会でこの錦を持ってくる人はあまりいません。
錦に馴染みがないという人も多いとは思いますが、着物のハギレに比べたらずっとお高いので選ばないというのもあるかもしれません。
縫い物は失敗したらほどけばいいですが、貼り込みの場合は糊を付けたら一発で布をおじゃんにしてしまいますから。
Y.Eさんの作品(兵庫県在住)
帯地というと「金襴」を持って来たがる人が多いのですが、金襴は厚みも柔らかさも扱いやすさもピンキリなので、どれが袋物細工に適しているか判断するのは初心者には難しい。
そこで今回はあえて「錦」を指定させていただきました。
錦はそれほど厚みもなく一定していますし、目も詰まっているので扱いやすく絶対に失敗しない。
その人に技術がなくても、布自体がその出来を助けてくれるようなありがたい生地です。
地味な色柄が多いというのが袋物細工にはちょっと残念なところですが。(上の黄色は珍しく派手な色)
R.Sさんの作品(東京都在住)
こちらはちょっと厚みのある硬い生地だったので仕立てるのが大変でした(錦ではない)。
この講座は「初級」なので、表布は接着芯(厚)をベタ貼りします。
本来はこのような生地に接着芯は使用しませんが、講習会では型を正確に綺麗に作ることを第一に考えているので、初級コースではどんな布でも接着芯を使っています。
本来こんな生地だったら迷わずフラシで使うんですけどね、、、。
A.Yさんの作品(埼玉県在住)
こちらは厚手の着物地を使われました。
厚手とはいえ、この型には薄かったようです。
講習会では足並み揃えないとならないのでイレギュラーなことはあまりできないのですが、このような生地を使う場合は「背芯」と「持出口芯」を加えます(背芯は2枚になる)。
Y.Fさんの作品(埼玉県在住)
こちらの内布は「都香庵」の綸子です。
錦に合わせるには味気ないですが、絶対に仕立てを失敗しない生地です(折り掛けに何のシワももなくできる)。
持参された内布があまり適していない場合は、私が持っていきたこの生地を使っていただきました。
表がテカって安っぽく見えるので、あえてマットな裏を使っています。
この型は「表布の重厚感」とアクセントの「小はぜ」が見せポイントなので、内布はこのぐらい特色のない色味を持っているとどんな表布にも合って重宝します。
K.Wさんの作品(富山県在住)
こちらは「金襴」です。
本当は使いたくなかったのですが、あまり厚みはなかったので良しとしました。
金襴は薄くてもほつれやすいものが多いので、角の処理もうまくやらないとボロボロになります。
去年の「袱紗挟み」はサンプル布をこちらで用意しましたが、こちらは上級コースですし、初級の人よりは布に慣れているので今年はこの「錦」や「金襴」なども可にしようかと思っています。
利休型紙入「通信講座」準備できました
「通信講座」の準備ができましたので、「四ツ襠紙入」を受講した方であれば申し込むことができます。
ご希望の方はこちらからどうぞ↓
応用型の『利休型紙入(襠付)』も出来ましたので、よかったらご一緒にお申し込みください。
(ただし必ず基本型を作ってから作業してください)
こちらは当初「型紙のみ」を販売するつもりでした。
というのも初めに作ったときは問題なくスラスラ作れたので型紙だけでいいかと思ったのですが、しばらく間が空いて最近作ってみたところ、あらわからない、、、。
私が迷うなら確実に他の人はマニュアルがないと作れないということで、急遽マニュアル(最近は拵え方といっています)作り。
マニュアルを作るということは、型紙のようにそのまま売るというわけにはいかないので、急遽こちらも「通信講座」にいたしました。
基本型のマニュアルには、初心者は「接着芯のベタ貼り」、慣れている人は「三河芯のフラシ」でと書いていますが、やはり初回はベタ貼りで作った方がいいです。(その後はフラシでどうぞ)
応用型は「三河芯のフラシ」での説明になっています。
これまでの四ツ襠のマニュアルとは少しやり方が違うかとは思いますが、今はこのような作り方をしているということで少し詳しく解説しています。
『三段口扇襠筥迫』『筥迫巾着と飾り房』 中止のお知らせ
8月1日(土)三段口扇襠筥迫
8月2日(日)筥迫巾着と飾り房
突然ながら上記の2講座は中止とさせていただきます。
理由はオリンピック期間真っ最中で、東京の交通網がどうなるかわからないという不安があり、色々な方からご指摘いただいたからです。
お針子会は「池袋」なので会場とは離れていますが、ターミナル駅では電車が止まって人があふれる可能性があるそうで、皆さんどこからやってくるかわからないですしねぇ、、、。
当日来られないのも困りますが、帰れないのはもっと困るということで。
ホテルなどはまず取れないでしょうから、遠方の方が東京の状況を知らないで間違って申し込んだりしないように、用心して早々に中止にさせていただきました。
こんなマップがあるんですねぇ。
この期間、道路も混むでしょうし、宅配便もどこまで届くかわからない。
ショップも仕入れができなくて在庫切れが増えるかもしれませんので、皆様もご注文品はできるだけオリンピック前にして、期間中は袋物を作りながら自宅でまったりテレビ観戦いたしましょう。
とにかく特段の用事がない限り、東京には近づかない方が賢明です。
皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、あしからずご了承ください。
クリックポスト
2020年4月1日より、クリックポストの料金が188円から198円に値上げされます。
2018年9月に164円から185円に値上げし、更に2019年10月1日の増税で185円から188円に値上げし、今回188円から198円に値上げしました。
もう値上げが忙しいわ〜
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2020年初の講習会は「三段口扇襠筥迫」と「筥迫巾着と飾り房」でした。
筥迫巾着と飾り房は一回作って形が取れる人は実は少なく、袋物とは違う造形の世界なので、何回か繰り返して出る人も多いという講座です。
しかし一昨年はこの講座に申し込みをする人が少なかったので、講座数も年々増えてくることだし、需要のない講座は教室に回ってもらえばいいか、、、と去年はこの講座を止めていました。
Y.Fさんの作品(埼玉県在住)三段口扇襠筥迫
ご自身がン十年前に着たという七五三の着物を筥迫に仕立てた物。
しかし今年は6月に新しい型である『丸型小物入』があり、そこでこの『房』が出てきます。
丸型小物入は「本体」以外に「縢り糸を撚る」というカリキュラムもあるので、房にはあまり時間をかけたくない。
ということで、今年はその前哨戦となる「筥迫巾着と飾り房」を復活させることにしました。
J.Yさんの作品(神奈川県在住)三段口扇襠筥迫
講習会に来ていただければわかりますが、「筥迫巾着」は教本などでは説明のしようもないというものです。
「造形」はその人のセンスがもろに出るので、これを苦手とする人は多いですね。
筥迫は本体を作った時点で満足してしまう人が多いのですが、実はこれらの小物の出来が全体の雰囲気を左右するというとても大事なパーツです。
もしアンティークの刺繍筥迫をお持ちの方がいらっしゃいましたら是非巾着にも目を向けてみてください。
完璧なフォルムで作っているものが多いです。(もちろん下手な職人さんもいますが)
あのような価値観は現代ではなくなってしまいましたね。
せめても私がその意思を継いでこの形を継承しようと思っています。
C.Mさんの作品(岩手県在住)三段口扇襠筥迫
「三段口扇襠筥迫」は筥迫の中では最も難度の低いものです(ただし貼り付けの工程は多い)。
一番初めに筥迫を経験するのであれば、こちらから始めると良いと思います。
対象は「初級コースを2講座」出ていることとなっていますが、できれば襠を勉強できる「念珠入れ」を受講しておいてほしい。
念珠入れは四ツ襠紙入の受講にも必須なので、中級、上級を目指す人には大事な講座です。
M.Wさんの作品(東京都在住)三段口扇襠筥迫
こちらの筥迫を作った方は通常は教室で学ぶ生徒さんです。
巾着と房は教室で続きをするそうです。
J.Yさんも教室で三段口扇襠筥迫を作り、房と巾着は講習会を受講しました。
教室は自分の苦手なところやわからないことをじっくり聞けるので、講習会のようにわからなくてもどんどん進んでいってしまうというようなことがありません。
しかし講習会のように講師が一緒にデモンストレーションしながら教えるということはしないので、双方をうまくからめながら参加していくる理解が深まるのではないかと思います。
Y.Oさんの作品(岩手県在住)三段口扇襠筥迫
三段口扇襠筥迫にびら簪を装着する場合は、段口の一番上に引っかかるように横刺しにしますが、実用として付ける場合はびら簪が揺れることによって負荷が増して落ちやすくなるので、びら簪の差し込み部分に厚紙(0.25)を通し、それを半分に折って段口に差し込むと安定するかもしれません。
以下の2作品は、以前の「縢襠付筥迫」に参加された方の作品です。
C.Iさんの作品(東京都在住)縢襠付筥迫
Y.Aさんの作品(愛知県在住)縢襠付筥迫
フリークラスと課題
これまで「確実に1日で仕上げる」というやり方を貫いてきた講習会ですが、ここまで型が増えてきて(更に今後も増える予定)より複雑なものが出てくることが確実なので、今年からは1日で仕上げる=講習会、その他=フリークラスという区分けになります。
去年まで「課題」を出していた理由は、とにかくこの「1日で仕上げる」という重い足かせがあったからですね。
上級になって工程の多いものが増えてくると、慣れている人と慣れていない人では作業に雲泥の差が出てしまうので、全ての人を1日で仕上げさせる自信が私にはない。
そこで上級以上は二日連続のフリークラスを設けることにしたのですが、フリークラス進級に限っては「課題」提出が必須です。
家で復習できない人は、二日がかりとはいえ上級の複雑な型をその時間内でさえ仕上げられないからです。
その課題の二つが「縢襠付筥迫(あがき)」と「筥迫巾着と飾り房」です(あとは金封袱紗と四ツ襠紙入)。
下手でもなんでもいいので、とりあえず「自力」で作ったものを提出してください。
ある程度形になってさえいれば合格にするつもりではいますが、あまりにも独創的な仕上がりのものはもう一度講座のやり直しを促すかもしれません。
どうかご了承ください。
▼筥迫工房の講習会
▼筥迫掲示板
筥迫工房の教本や自慢の細工物を、皆さん自身で披露できる掲示板です。写真のアップロードが簡単になりました(一回の投稿で6枚掲載可)。丹誠込めて作った筥迫を大勢の人に見てもらいしましょう!
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