『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
撚り房 販売再開
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    しばらく販売中止にしておりました「撚り房」(単品)を販売再開することにいたしました。

     

     

    ネットショップがあってこそ

     

    筥迫工房のネットショップでは、筥迫を手作りする人たちを支援するための材料販売をしております。

     

    ここで売られている材料で、筥迫用に作られている物は「びら簪」ぐらいしかありません。

    その他は、私が筥迫に適しているものを一つづつ吟味して時間をかけて探しに探しまくった材料です。

     

    それでもあまりにも適切なものが見つからなくて、特注で作ってもらっている材料などもあります。

     

    最近はこのような和の房も既製品がけっこう出回るようになりましたが、筥迫用の撚り房は頭が小さくて房が長いのが特徴なので、既成のものではバランスが悪い。

    ということで、この撚り房も特注で作ってもらっているものの一つです。

     

    筥迫の教本を作るより何より、この材料探しというのが一番労力を使います。

     

    材料探しの迷宮に陥ると膨大に時間を費やすことになるので、正直私にとっては大きな足かせでもあるのですが、それでも材料が揃っていてこそ成り立つ筥迫作りなので、ネットショップがなかったらたぶんこんなに筥迫を作る人は増えなかったことでしょう。

     

    インターネットの普及は、これまでの世の中の仕組みを一大転換させました。

     

    特に宣伝などしなくても「筥迫」というキーワードだけで検索して日本全国から人が来てくれます。

     

    ネットショップが可能になった世の中だからこそ、私のようなものが筥迫なんてものを仕事にできるのだということを痛感せずにはいられません。

     

     

    だけど面倒もたくさん

     

    ネットショップがありがたいと思う反面、予想もしなかったことが次々とおき始めるようにもなりました。

     

    筥迫(もしくは貼り込みの袋物)のために始めたショップなのに、最近では筥迫を作ることと全く関係のない人たちからの問い合わせに大きく振り回されるようになりました。

     

    想定もしていないものに使われ、それがうまく使えなかったりすると色々と言われたりするので(しらんがな)、今はその対応が一番の悩みどころです。

     

    商品説明に「本来の用途とは違う使い方をされる場合の保証はできません」等々の長い免責事項を見かけますが、書きたくなる気持ちは痛いほどよ〜〜くわかります。

     

    自分の使いたいことに適していてほしい!という思いは、常に筥迫材料を探し回っている私としては共感しなくもないのですが。

     

    「このびら簪を髪に付けたいのですが、なんとかできませんか?」

    「これは筥迫専用に作られたびら簪なので、頭髪用には使えません」

    「でもこの形が気に入っているので、何とかできませんか」

    「筥迫以外に使ったことがないのでわかりません」

    「どうやったらできそうですか?」(以下ループ)

     

    トップページから来てさえくれれば、ここが手作り筥迫のための材料販売をするショップだということがわかるとは思うのですが、検索エンジンからダイレクトに商品ページに来る人にとっては、簪といえば「髪につける飾り」以外の発想ができないのでしょう。

     

    そのようなことを想定して各々のページを作る必要はあるのでしょうが、この大量のページでそれぞれ起こりうる事象を想像しながら免責事項を書く、そんなことに時間を費やすのもほんとバカらしい。

     

    筥迫(または袋物)を作る人以外は来ないでとも言えないので、そこが悩ましいところです。

     

     

     

    房の販売は特に面倒が多い

     

    そんな中で、最も手を焼いてきたのが「房」の材料です。

     

    筥迫にとって、房はいわば脇役のようなものであり、貼り込みとは全く違うカテゴリーのものです。

     

    江戸期の筥迫には房は必須ではありませんでしたが、維新後の筥迫にとっては必須の存在になってしまったことから、いわば二時的に扱っているようなものです。

     

    特に「切り房」や「打ち紐」は色数が多いことから、最も手間がかかるのに儲からない材料の代表格です(とほほ)。

     

    ところが近年は「タッセル」目的で房糸を注文する人が出てきました。

    予想もしない色をまとめて注文されると、仕入れがけっこう面倒なんですね。

     

    房を専門に扱っているわけではないので、このようなことにばかり手間がかかって時間を取られるようになると、大変申し訳ないのですが「在庫切れ」という扱いをさせていただくこともあります。

     

    実際には在庫していることもありますので、在庫切れ状態が続いているときはとりあえずお問い合わせください。

     

     

    ただし「切り房の完成品」は今後も販売はいたしません。

    これはもう書ききれない事情があり、手を出さないのが一番という結論に達しました。

     

     

    「懐剣用の撚り房」はぎりぎりクリックポストで送ることができる厚みなのですが、緩衝材などで保護するとサイズオーバーになってしまいます。

     

    クリックポストで緩衝材に包まないで入れればクレームが来る、緩衝材に包むと「はこBoon」で発送することになるので送料が高くなったとクレームが来るという状況で、これも扱いが面倒で販売を停止していた理由。

     

    しかしこれでは房を作れないで困っている人の逃げ場がないので、懐剣用の撚り房に関しては、緩衝材に包んで「はこBoon」発送に統一することで販売再開することにしました(筥迫用の撚り房はクリックポストで発送できます)。

     

     

    このような事情により、純粋に筥迫を作りたい方には諸々ご迷惑をおかけしますが、どうかご理解いただけますようお願い申し上げます。

     

     

    ▼撚り房のご購入はこちらから

    撚り房(房単品):懐剣用 2個組

     

     



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    【2017.04.16 Sunday 22:31】 author : Rom筥
    | 筥迫材料-飾り房 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    飾り房 <青・紫系><緑系><黒白>
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       飾り房『赤系』『黄系』に引き続き、『青・紫系』『緑系』『黒白』のご紹介です。

      ■飾り房 <青・紫系>7色

      今回、「京紫」「藤」「紫紺」が新しく入荷しました。
      紫系は以前より増やしたかった色です。
      紫ってきれいですよね〜。

      「菫」は一番始めの色材料で揃えた色です。
      玄関幕、お守り袋の紐等に使われている色です。
      この鮮やかな紫は、エンキ染めという染方をしており、日光による変色、水分による脱色があります。
      とてもきれいな色なので、以前この房をつけたまま筥迫を部屋に飾っていたところ、何ヶ月かたったときに、何か色が違うと思い保管してある元の房糸と比べて見ました。
      外に飾っていた房は、ところどころがほんのりピンクがかった紫に変色していました。
      製造元に問い合わせたところ、上記のような返答が返って来ました。
      以来、保管する時にはしっかりと紙に包んで遮光するようになりました。


      打ち紐:筥迫用 <青・紫系>7色

      私は「紫紺」という色が大好きです。
      装飾筥迫ではまず使わない色なので、今まで指を加えて見ているだけでしたが、今回入荷できて一番うれしかった色です。
      画像ではわかりにくいのですが、黒に近い紫です。
      「しこん」という音の響きもすてきに感じます。

      「紺」は装飾筥迫でも使いやすい色ですが、「鉄紺」は黒に近い紺なので、実用筥迫に使いやすいと思います。

      「空」は婚礼衣装で挿し色に使われることが多いので加えた色ですが、残念なことにこれに合う房糸がありません。
      先にもご説明いたしましたが、そのような場合は手縫い糸で代用します。
      でも懐剣房を手縫い糸で作るのは考えただけで大変そうなので、残念ながら作ったことはありません。
      根性がある方はどうぞ挑戦してみてください(笑)。


      ■飾り房 <緑系>5色


      打ち紐:筥迫用 <緑系>5色

      これまで緑系は、婚礼用の挿し色として使いやすい「若草」しかありませんでしたが、今回新たに4色増えました。

      「千草」は青みがかった薄い緑ですが、これは帯地などの生地に合わせやすいです。
      「鶯」(うぐいす)は若草よりも暗い色です。
      「濃鶯」「濃緑」とも使いやすい色ですが、こちらは今後売れるようなら房糸を揃えるかもしれません。
      なので買ってくれるとうれしい(笑)。


      ■飾り房 <黒白>2色


      打ち紐:筥迫用 <黒白>2色

      最後は「黒」と「白」です。
      「白」は装飾筥迫では定番で、まぁほとんどの色に合います。
      特に玉縁に白を使うことが多いので合わせやすくなるのですが。

      「黒」は始めの頃から要望の高かった色です。
      「筥迫に黒なんか使うの?」と始めは思ったものですが、実用を作るようになってからかなり使うようになりました。
      他の色と組み合わせたり、緒締等の玉(大穴ビーズ)をかませたりすると、かなり表情が変わります。



      ■打ち紐について

      以上、打ち紐を基本にした27色展開となっています。

      「房糸」は色がなければ手縫い糸を使います。
      「かがり糸」は色がなければ、DMCの刺繍糸の#5の太さで代用できます。
      ただ刺繍糸は「綿」なので、ぼそぼそと毛羽立った感じが難ではあります。
      「緒締玉」はどんなビーズでもいいのですが、二本の打ち紐が通る穴というのは、身近な手芸店では見つけづらいかもしれません。

      これらの色材料の中で、最も探しにくいのは「打ち紐」なので、かなり力を入れて揃えました。
      以前から色々なメーカーのものを取り寄せ、試行錯誤の末、やっと5つのメーカーに絞り込みました。
      どんなにほしい色の紐があっても、使いづらいメーカーの紐は排除し、第一に筥迫房としての結びやすさ、次に筥迫に合いやすい色を絞り込んで、やっとこの色数で落ちつきました。
      メーカーの別は、A〜Eまでで表示されています。

      「A」「B」「E」は唐打ち紐です。
      「A」「B」は1mm太で、一般的にレーヨンの唐打ち1mm紐は「人五紐」と呼ばれています。
      1mmの唐打紐を作る場合のトータルデニールが約5000デニールになるところからきていると聞いたことがあります(デニール:糸の太さを表わす単位)。
      「人」は「人絹(レーヨン)」の略ですね。
      そして「E」はそれよりも太い「人八紐」です。
      人五紐を1mm、人八紐を2mmと書いてあるものもありますが、メーカーによって太さが違うのでmmで表すのは難しいです。
      メーカーによっては「A」「B」よりも細い人五紐もあるのですが、これがまた使いづらい、、、。

      「C」「D」は江戸打ち紐で、唐打ち紐よりもがっちりしています。
      唐打ち紐を使い慣れていると、唐打ち紐はロープを締めているみたいに感じてしまいます。
      唐打ち紐は中が空洞になっているので、その空洞を潰して締めるという感じですが、江戸打ち紐はロープのごつごつにからめるというイメージです。
      江戸打ち紐は「紐を締める」という感じではないので、中心の井桁部分が大きくなり、全体的に結びも大きくなります。
      使う長さも、唐打ち紐で70cmならば、江戸打ち紐は75〜80cmぐらい取らないと足りなくなります。

      「C」はアジアンコードの1mm太なので、細いほどにロープのような質感は弱まりますが、「D」は1.5〜2mmほどの太さがあるので、数を作っていると爪が欠けたりします(苦)。

      実は「紅」だけ「正絹」の唐打ち紐を扱っています。
      打ち紐:筥迫用 唐打正絹 <紅>
      正絹の唐打ち紐は、とにかく結びやすい。
      やさしい正絹ならではのほろほろとした手触りと扱いやすさ。
      ただし、力を入れただけ締まるので、中心の井桁の形を作る時に出来上がりの形をイメージして作らないと、花びらばかりが大きく中心がやたらと小さい形になってしまいます。
      全体的に井桁が小さくなってしまいますが、小さい結びがつながってできるプロポーションは、それはそれで美しい気がします。


      筥迫作りが初めての人にとっては、筥迫の本体を作るのと同じぐらい飾り結びは大変です。
      もちろん慣れてしまえばどうってこともないのですが、初めて筥迫を作るのに、本体と同じぐらいの労力が必要となることに二の足を踏む人も多いのではないかと思います。
      そんな方のために、出来合いの「飾り結び房(切り房)」の画像も揃えました。
      金糸、銀糸を入れることもできますので、筥迫作りはハードルが高いと思われる人は、本体だけがんばって、房は出来合いのものを使うというように、気軽に筥迫作りに挑戦していただければと思います。
      飾り房完成品(販売)



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      【2013.03.14 Thursday 18:45】 author : Rom筥
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      飾り房 <赤系><黄系>
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        今回は『飾り房』のご紹介です。

        「打ち紐」や「切り房専用糸」は、紐だけ、房糸だけよりも、全て飾り房に仕上げてアップした方がイメージがわかって選びやすいというのはわかっているのですが、いかんせん取り扱う「色」を決めるのに今まで時間がかかっていました。

        きっかけになったのは、今回の「実用筥迫ワークショップ」です。
        今までメインだった装飾筥迫は、子ども〜若い人の振袖に合わせることを目的としているので、かなり使う色が限定されていました。
        しかし実用筥迫は、幅広い年齢層の人たちが使え、色々な着物に合わせられるので、使う色が一気に増えます。
        また、実用筥迫はびら簪を使わないので、装飾としての房の役割が大きいというのもあります。

        そこで筥迫に使えそうな色を一気に揃えて飾り房のサンプルを作ることにしました。
        しかし現在すでに27色、、、。
        27個の飾り房を作るのはけっこう疲れる、、、。


        ■飾り房 <赤系6色>


        「牡丹」「珊瑚」など、房の付いていないものは、切り房専用糸のないものです。
        これらは市販の手縫い糸で代用できます。(切り房専用糸独特の質感はないのですが、見た目は同じです)

        「紅」は材料セットで使われている基本の赤です。
        装飾筥迫にはよいのですが、実用筥迫となると「唐紅」の方がなじみやすいと思います。
        「濃紅」は画像ではほとんど紅と変わりなくみえますが、赤ではない少しピンクに傾いた色の布はけっこう多いもので、その場合、この色が大変役にたちます。

        筥迫が純和風のものなので、色の名前も日本の色で付けています。
        しかし、このピンク色に見合う名称だけがない、、、。
        このような色味のピンクは、もともと日本の色にはないのかもしれませんね。
        ということで、ピンクだけカタカナなのです(苦)。

        懐剣用の色材料が揃っているのは「唐紅」「紅」「濃紅」「ピンク」です。


        ■飾り房 <黄系7色>



        「橙」は「紅」についで筥迫の房に多い色です。
        しかし実用となると「柿茶」の方が馴染みやすいと思います。

        以前「黄色」を入れていましたが、筥迫にこの黄色は合わせにくい。
        ということで、黄色より少し赤みがかった「山吹」を入れました。

        「金茶」はおなじみですね。とても使い勝手のよい色です。
        こちらは懐剣用の色材料も揃っています。

        「煎茶」と「薄杏」は新しく仕入れた色です。
        こちらも生地に馴染みやすい色ですね。

        「焦茶」も私の大好きな色です。
        これも実用に使いやすい色です。


        ワークショップでは、これらのサンプルを直に見ながら好きな色を選んで房を作ることができます。
        房や緒締を選ぶ時の、皆さんのキラキラした目を見ると、女性ならではの楽しみだな〜とつくづく感じます。
        次回は、<青・紫系7色><緑系5色><黒白>をご紹介いたします。

        次の日曜日は、実用筥迫ワークショップ2日目です。
        前の日曜日に1日目の「本体」を無事作り終えました。
        前回の反省を含め、せめて「お茶の時間ぐらいは設けよう!」と時間短縮をねらったのですが、やはり出来上がったのは6時ぎりぎり、、、。
        皆さんさぞお疲れだったことでしょう。
        でも楽しかったですね。
        色々な生地を持ち寄って、装飾とはまた違った筥迫たちが出来上がりました。

        こちらの様子も、二日目が終わりましたらご報告いたしますね。



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        【2013.03.13 Wednesday 23:47】 author : Rom筥
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        『打ち紐』続き
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           前回の続きです。
          打ち紐の種類で画像を入れ忘れたので追加です。
          メーカー別にA、B、C、Dと分けています。
          D1とD2は同じメーカーで太さが違います。



          細い順にご紹介します。

          <D1> 江戸打ち紐 5m/190円
          とても細い江戸打ち紐です。
          また滑りやすいので、初めての人にはちょっと扱うのが難しいかもしれません。

          <A、B> 唐打ち紐 5m/150円
          「人五紐」と呼ばれるものです。
          AとBというメーカーがありますが、ほぼ同じ仕上りです。
          筥迫工房の打ち紐の中では、一番色数があります。
          材料セットなどの基本の紅色がこちらになります。

          <C> 江戸打ち紐 5m/270円
          いわゆるアジアンコードです。
          堅めの紐で、唐打ちのように結んでいる際の戻りがなく、形が作りやすいと思います。
          ただし、中央の井桁がある程度の大きさになってしまうので、小さい結びを作ることは難しいようです。

          <D2> 江戸打ち紐 5m/190円
          やや太めの紐です。
          びら簪をつけないタイプの筥迫であれば、このぐらいの太さの紐の方が存在感があってよいかもしれません。
          また、几帳結びや菊結びより複雑な結びをする場合は、1mmの唐打ち紐では形が作りづらいので、アジアンコード以上の太めの紐を使うとよいでしょう。


          唐打ち紐で結びを作る場合

          材料セットで使われている基本の紅色は唐打ち紐ですが、飾り結びを初めてするという方にとっては、この1mmの唐打ち紐を使うことはかなり難しいようです。
          というのも、唐打ち紐は引っかかりがなく滑りやすいからです。
          それで1mmの紐なのですから当然ですね。
          私も初めての頃は、5mmぐらいのアクリル紐で練習していました。

          一番イライラしてしまうのが、次の結びをしている間に、先に作った結びがゆるんでしまうことです。
          糊を付けるのは、三段ができて全体を調節した後にしたいので、先の結びがゆるむのが心配ということであれば、指先にちょっとの水滴を垂らして、結びの中央だけに付ける方法です。
          濡れている間は堅くなっているのでゆるみません。
          慣れてくれば、紐を潰さないで早く結べるようになりますので、水を付けなくてもゆるまずにできるようになります。



          【2012.02.29 Wednesday 21:42】 author : Rom筥
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          『打ち紐』新色ご紹介
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            実は、こっそりとショップに筥迫材料の色数を増やしております。
            基本となる「打ち紐」のカラーサンプルを作りましたので、全色ご紹介いたします。
            全17色、同じ色で材質が違うもの2種類を含めると19種類あります。

            ◆打ち紐(全19種類)


            最近、ネットや実店舗などで、以前より筥迫を見かけるようになったと思うのは私だけでしょうか。
            筥迫愛好者としては、大変望ましい状況です。
            しかし手作り派の方には、市販の筥迫にはない「色」で差をつけていただきたいと思います。
            刺繍や装飾ができなくたって、色を使い分けることによって、かなりオリジナルな筥迫を作ることができます。

            しかし販売する側としては、打ち紐を一色増やすということは「房糸」「かがり糸」「緒締め」でも同色を揃えなければならないので、けっこう大変です
            ほしい色が同じメーカーで全色揃えられないというのも悩みどころ。メーカーが違うということは、材質や太さが微妙に違い、結びの感触もまた違ってきます。


            ◆紐の種類

            筥迫で使う打ち紐は、通常1mm〜1.5mm程度の太さのものを使います。
            材質は正絹であれば一番いいのですが、正絹は色数が少ないのが難。
            その他は人絹(レーヨン)が多いですが、アジアンコードなどはポリエステルなので、ちょっと感触が違います。

            筥迫では「唐打ち紐」が多く使われますが、「江戸打ち紐」を使っているものもあります。
            あくまでお好みですが、筥迫工房では唐打ち紐で揃えられない色を江戸打ちで揃えています。
            唐打ちも江戸打ちも1mm太では違いがわかりずらいのですが、正確には江戸打ちは「8打ち(やつうち)」、唐打ちは「16打ち(ジュウロクウチ)」という組み方で編んでいます。
            数字はそれぞれの糸の数で編んでいるということです。
            江戸打ちは8本の束でがっつり編んであるのでゴツゴツとした感じ、唐打ちは16本の細かい糸で編んだツルツルした感じです。

            初めて飾り結びをする人には、1mmの唐打ち紐はすべりやすくてちょっと扱いずらいかもしれませんが、筥迫の結びとしてはちょうどよい大きさに仕上がります。
            唐打ち紐に比べると江戸打ち紐はロープのような感触なので、唐打ち紐が「結ぶ」というイメージなら、江戸打ち紐は「組む」というイメージかもしれません。
            そのため、江戸打ちではどんなに小さく作ろうとしても、仕上りはある程度の大きさになってしまいます。
            小さく作りたいなら唐打ち、大きく目立たせたいなら江戸打ちという感じでしょうか。

            唐打ちも江戸打ちも、紐の中はストロー状になっています。
            唐打ち紐で初めて結びをする人が苦労するのは、紐を強く引っぱりすぎて、この空洞を潰してしまうためです。
            平たくきしめん状態になると、空洞がストッパーの役割を果たさなくなるため、ツルツルすべってよけい結びにくくなってしまいます。
            なるべく空洞を潰さないように優しく扱うと、それほど結びにくくはないと思います。
            すべって結びにくいと感じたら、潔く新しい紐で作り直しましょう。
            江戸打ちは外側が堅いので、強く引っぱってもそれほど結びにくくなることはないような気がします。

            材質的に最も扱いやすいのは「正絹」です。
            正絹まで色数揃えると大変なので、ショップの方では「紅」のみの扱いです。
            レーヨンやポリエステルに扱い慣れた手には、正絹はホロホロとした切ないまでの柔らかい手触りです。
            締まりがとてもいいので、戻りがなく結びやすくはあるのですが、反対に力加減を考えないと菊結び等は中心の井桁が閉まりすぎてしまいます。
            ですから、1mm太の正絹で大きな菊結びを作ることは難しい気がします(できても菊の雰囲気にならない)。
            また、正絹の打ち紐には「堅組」と呼ばれるものもあります。
            中に堅い芯を入れているため、ピンが刺さらずに飾り結びを作ることができないので注意が必要です。


            ◆メーカーの違い
            A、B、C、D、というのは、メーカーの違いです。

            「A」と「B」のメーカーは、材質、感触、太さはほぼ同じで、どちらも「唐打ち紐」です。
            ※同じメーカーでも、実は「色」によって感触は違います。
            「C」はいわゆるアジアンコードなので、江戸打ち紐です。
            ちょっとロウを引いたような堅めの紐で、ABの唐打ち紐よりも太めです。
            「D1」と「D2」は同じメーカーで、太さの違う江戸打ち紐です。
            Cのアジアンコードよりは、ちょっと柔らかい感じです。

            実は「A」「B」「C」「D1」はどれも1mm太なのですが、実際に比べてみると、これで同じ太さ?というぐらい違います。
            「D」は特注で作ってもらっているものなのですが、D1は細すぎて私には使いづらかったので、今回ちょっと太めのものを作ってもらいました。それが「D2」です。
            唐打ちのABと比べるとかなりごっつい感じですが、太い方が結びやすくはあると思います。

            細い方から順番に、「D1」→「A、B」→「C」→「D2」です。
            C以上を使う場合は、教本に解説している結びのサイズを、各5mmほど大きめに取るとちょうどよいと思います。(教本で解説しているのは、Aの唐打ち紐です)



            ショップの方にどうやってアップしようか、、、とか、その前にショップを見やすく作り直すことが先決!とか考えていると頭がパンクしそうになり、ついつい筥迫作業に逃げてしまうという状況が続いています。
            そんなわけで、打ち紐以外の写真は徐々にアップしていくつもりですが、「打ち紐」「かがり糸」「房糸」は同色で揃っているので、画像がなくても同じ名前であれば、打ち紐と同じ色だと思ってください(ごめんなさい

            ※切り房専用房糸は、5番の牡丹と、13番の空色はありません。
             その代わり、同色の手縫い糸を用意しているので、そちらで
             よければ組み合わせてみてください。
             空色の場合、房糸の「浅葱」とは色味が違うのですが、懐剣用に
             手縫い糸で代用するのはかなり大変そうなので、色味が違っても
             よければ組み合わせてみてください。

            懐剣用打ち紐」は、筥迫ほどは揃えられないにしても、多少色数を増やしました。



            しかし「緒締め」だけはまだ時間がかかりそうです。
            けっこう種類はあるのですが、、、。
            緒締めっていうのは、胴締めと落し巾着の間にある、小さな二つのビーズのことです。
            緒締めは、筥迫の中ではそれほど目立たない部品ですが、印籠やたばこ入れなどでは、根付けと同じようにコレクターズアイテムです。
            始めはマクラメビーズで代用していましたが、やはり丸玉が王道です。
            この緒締めで一番重要なのが「穴径」で、どんな玉でも使えるというワケではありません。
            この苦労話は長くなるため、また別の機会にゆっくりと話題に出したいと思います。



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            【2012.02.27 Monday 17:10】 author : Rom筥
            | 筥迫材料-飾り房 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            撚り房 販売開始
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               やっと、「撚り房」の販売を開始いたしました。

              撚り房(よりふさ)と、切り房(きりふさ)については以前ブログにも書きましたので、詳しくはそちらをご覧ください。


              『房』について<その1> 〜専用房糸の使い方〜

              『房』について<その2> 〜撚り房と切り房〜

              切り房は自分でも作れるので、是非、教本を見て手作りしてください。
              タッセルとも違う、和風の房独特のプロポーションはとてもステキです。
              芯を作って、しっかり腰を付けてくださいね。

              しかし、世の中には「そんな面倒なもの作れない!」という方の方が圧倒的に多いのではないかと思います(筥迫や切り房を手作りしようなんて人は、まさに手作りオタク)。
              そんなわけで、手作りは極力簡単なレベルでチャレンジしたいという方のために、出来合いの撚り房を用意いたしました。
              房さえあれば、筥迫作りも懐剣入れ作りも、ハードルがグッと下がること請け合いです。

              今回は単品の撚り房のご紹介です。
              サイズは3種類、「懐剣房」「筥迫房(大人用)」「末広房」ですが、末広房は「筥迫房(子ども用)」を兼ねています。
              色はそれぞれ「紅」「白」「紅白金」があります。



              筥迫房は一つで使いますが、懐剣房、末広房は2つで1組として使います。
              懐剣房、末広房は既成のものでも何とか探せなくもないのですが、筥迫房の長さが既製品にない、、、。
              筥迫房の12cmとは、筥迫の横幅より少し長くなっていて、桐箱に入れたときに横にしてぴったりの長さなんですね。

              そこで、それぞれの長さを指定して、特注で作ってもらいました。
              (こんなことばかりしているから儲からんのだな、、、

              切り房も撚り房も頭のプロポーションが命と私は思っています。



              安物の婚礼用筥迫セットなんて買いますと、この頭の木芯の形状がすごく適当。
              今回仕入れたメーカーのものは、まだ中国半分、日本半分で作っているようなので、木芯の形状はしっかりしています。
              編み込みもきれい(末広と筥迫はもっと細い糸使ってほしいけど)。
              出来の善し悪しは別にしても、撚り房の値段はピンキリです。
              これはまぁリーズナブルな価格ではないかと思います。

              懐剣房(2個組)………単色(1,470円)、紅白金(1.670円)
              筥迫房(大人用)………単色(350円)、紅白金(450円)
              筥迫房(子ども用)………単色(330円)、紅白金(430円)
              末広房(2個組)………単色(620円)、紅白金(820円)

              この単品の房の使い方は簡単。
              打ち紐をこの穴の中に通して、房の下で玉止めして接着剤でほどけないように固定するだけ。
              更に「懐剣房だけなくしてしまった」とかいう方には、飾り紐付きのものも販売予定です。
              【2011.10.31 Monday 21:53】 author : Rom筥
              | 筥迫材料-飾り房 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              『房』について<その2> 〜撚り房と切り房〜
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                またまた房のお話です。
                あいかわらずの地味ネタで、更にあいかわらずの長文、読んでくださる皆さまには、ホントご苦労さまと言いたいです(苦笑)。

                一般的に房というものは、専門の職人さんによって作られます。
                「房職人」「房師」など、いかにも専門職らしい響きがあります。
                しかし、量販品の七五三筥迫、婚礼用筥迫に使われる房などは、たぶん99%(もしかしたら100%)は海外で作られているかもしれません。
                筥迫工房で販売予定の市販房も、撚り糸部分は中国で、組み立てだけ日本で行なわれるとのことでした。
                そうなると、どこまでを本物の房職人というのかは難しいところがあります。
                たぶんそんな現象は、どこの職人の世界でもおこっていることとは思いますが。

                房と言いましてもその種類は多く、職人さんによってそれぞれ名称も違うと思います。
                更には西洋風のタッセルとも異なります。
                あくまでも、筥迫周辺の房に限定したテーマとご理解ください。

                房というものは「紐」と一体になってこそ成り立つものです。
                紐と房の最も単純な形は「帯締め」などの形にみられるように、紐の先端をほどいただけの、紐と房が同化した形です。

                一方、房を豪華に見せるために、房だけを単独に作って紐に付けるものを「足し房」と言うそうです。
                より装飾性を高めるために「頭」を付けたものが一般的です。
                これを「房頭」といいますが、芯を入れないものと、芯を入れたものがあり、使う芯の種類によって「木芯」「紙芯」と呼ばれるようです。

                この芯を使う房の代表に『撚り房(よりふさ・よりぶさ)』と『切り房(きりふさ・きりぶさ)』があります。



                上が筥迫工房で作り方を解説している「切り房」です。
                下が市販の筥迫で一般的に使われている「撚り房」です。
                この二つの房は、実際にアンティークの筥迫に付いていた筥迫房です。


                ◆撚り房(よりふさ)

                撚り房とは字のごとく、糸を撚ってある房のことです。
                糸の先が小さなループ状になっているのが特徴で、「撚返し房」とも呼ばれます。



                撚りを返す=ほつれない、つまり耐久性があるということです。
                撚り返し房は何十年でもそのままの形を保つことができるというのが最大の特徴です。

                房頭は同色の糸でかがり編みをして房頭を包み込んでいます。
                芯には金の紙が貼ってあるので、編み込みの間から薄っすら金が除きます。
                日本人にとってはあまりにも見慣れた形状ですが、あらためてよく見ると、先人たちはよくもまぁこんな面倒くさい意匠を考えたものだなと思ってしまします。

                実はこの撚房には、とても似た形で2つの種類があります。
                使われている芯の形が違います。


                左は筥迫や一般的な房に使われる撚房です。
                土台となる芯にくぼみがあり、そこで糸の処理を行ないます。
                仕上りはウエストをギュッと締めて腰が張ったようなグラマラスなプロポーションです。
                ここでは比較しやすい房を探しましたが、実際にこの形状が筥迫房というわけではありません。
                あえて筥迫房と定義づけるとするなら、この木芯に紅白の糸(+金)を使った意匠のことをいうかもしれませんね。

                対して右は、『数珠房』『念珠房』とよばれるものです。
                長細い房頭の中から真っ直ぐに房がおりてていて、なんだか長細いキノコのようなプロポーションですね。
                最近は色々なパワーストーンを使って自分で念珠を作られる方も多いので、念珠房は色数が揃っています。
                ほんとうらやましい限りです。

                昔、この房の違いがわからなくて、嬉々として色々な念珠房を購入して使ってみましたが、いざ付けてみると何だか雰囲気が違う、、、。
                房頭の形状も細長、丸形、平丸形と微妙に違うので、筥迫房に近いものもありますし、念珠房の頭を使って、下芯に紐を巻いて何となくスカートを広げている筥迫房もありますので、何が正しいというものではないのかもしれませんが、筥迫に付けてみると、やはり念珠房は違和感を感じます。
                使うものの性質によって微妙に芯の形が違うというのも、いかにも日本人らしいこだわりかもしれませんね。

                ◆切り房(きりふさ)


                切り房はまず房を仕上げてから、最後に希望の長さに切って作ります。
                文字通り、これが「切り房」です。


                切り房の頭は、芯に単純に房糸をかぶせた形です。
                糸をそのまま切りっぱなしにしているので、時間が経てば糸の先がほどけてくるため、撚り房に比べて耐久性は劣ります。
                しかし、切り房の最大の特徴はその「しなやかさ」です。
                切り房に比べると、撚り房は「ごっつい」という表現になるかもしれません。
                房を持った時の感触で言えば、圧倒的に切り房に軍配があがるでしょう(安価な撚り房はまるでプラスチックのようにギシギシしています)。

                わたしがサンプルで集めた多くの筥迫は、ほとんどが撚り房を使っています。
                そんなことから、筥迫には撚り房!という先入観があり、当初はしかたなく、代替え品として切り房を作っていました。
                そんなとき、ふとしたことで切り房を使ったアンティークの筥迫を入手しました。
                初めは筥迫にばかり目が行っていたので気がつきませんでしたが、この切り房に気がついた時に、いわゆる「目からウロコが落ちた」と感じました。
                そのぐらい美しいと思ったのです。
                それが画像の切り房です。
                写真ではわかりにくいかもしれませんが、今までの自分が適当に作っていた房と比べると(比べるのも恥ずかしいほど)雲泥の差です。
                後にも先にも、いかにも職人が作った切り房の筥迫房を見たのはこれだけです。
                更には、芯は「紙芯」を使っています。
                この頃は、日本で、職人の手で、筥迫の房が作られていたんでしょうね。
                その後、私の房の師匠はこの切り房になり、これを真似して真似して今に至っています。

                切り房は使用頻度によって糸の先端が多少ほずれはしますが、サラサラの手触りがなんとも言えません。
                筥迫の胸元で涼やかに揺れる様がなんとも美しいです。
                撚房を自分で作るには、それこそ専用に教本を作らなければならくなりますが、切房なら誰でも作ることができます。
                では先端がどうしようもなくほずれてきたら?
                そこは自作筥迫の良いところで、いくらでも作り直すことができます(笑)。
                まぁ筥迫は念珠のような使い方はしませんから、そこまでひどくほずれることはありませんのでご安心ください。

                ちなみに、このアンティークの切り房、買ったときのボサボサのまま保管していました。

                撚り房も材質によりヨレヨレになることがありますが、ここまでひどくはならないでしょう。
                でも、どんなにボサボサの切り房だって蒸気にあてればこの通り。

                蒸気にあてるときは、筥迫房が小さいからといって少しのお湯では満足な蒸気がたちません。
                ある程度たっぷりのお湯でモクモクに湯気をたててくださいね。

                このように、どちらの房を選ぶかは、それを使う目的、頻度によって分けることができるでしょう。
                【2011.08.11 Thursday 15:50】 author : Rom筥
                | 筥迫材料-飾り房 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
                『房』について<その1> 〜専用房糸の使い方〜
                0
                  毎日、房、房、房、、、に明け暮れているのですが、フト房糸について説明していなかったことに気がつきました(汗)。
                  ということで、今更ですが筥迫工房で販売している『専用房糸』の使い方についてご説明いたします。



                  市販の筥迫に使われている房は『撚り房(よりふさ)』と言います。
                  しかし筥迫工房は「自分で作る」がコンセプトなので、撚り房のような複雑な房は、素人が作る利点がありません。
                  となると方法はただ一つ、『切り房(きりふさ)』を作ることになります。

                  筥迫工房で販売しているのは、この切り房を作る専用の房糸です。
                  この専用の房糸がなかった当初は「手縫い糸」をオススメしていました。
                  もちろん専用房の色数は限られますし、そこらで簡単に手に入るものではありませんので、今でも教本でご紹介しているのは手縫い糸を使った房の作り方です。

                  かつて、房糸にふさわしい糸を色々と探しまくりました。
                  手縫いの絹糸、アクリル糸、レーヨン糸、、、
                  とにかく切り房は「サラサラ」であることが命です。
                  房が一塊になって「もっさもっさ」と胸元で揺れるよりも、一本一本がサラサラと揺れる方がずっとステキです。


                                        (画像は懐剣房)
                  そんな中、とある製造元から「筥迫を作っているなら、房糸は必要ありませんか?」と見本の糸が送られてきたのが、この房糸との出会いでした。
                  それまで、房糸なるものが存在することすら知らなかったので、これはまさに衝撃的な出会いでした。
                  この房糸、それはもうステキな触り心地です。
                  それまではけっこう適当に作っていた房ですが、この房糸との出会いをきっかけに、私の房作りにかける情熱も高まっていきました。
                  筥迫程度の大きさでは、手縫い糸とそれほど違いがわからないかもしれませんが、この房糸がなければ懐剣房なんて作ろうなどという発想もわかなかったでしょうね。

                  この筥迫用の房糸は一束から約4本の房が作れます。
                  ここでは、この筥迫用房糸一袋を4束に分ける方法をご紹介します。


                  まず、房糸を取り出します。
                  「モール」が同封されていますので、これを4等分に切り分けます。
                  ※初めに入っていた紙と袋は残った房を保管するために使うので捨てないでください。


                  束の中心(こよりで止めているあたり)を半分に分け、中心から5cm程度のところをそれぞれモールで止め、こよりを外します。
                  ※できるだけ正確に半分に分けてください。等分するのに自信がない場合は、こよりを外した後に計りではかってもよいです。


                  房糸を半分に折ります。
                  この中心をカットして二つに分けるので、カットする前に片方もモールで止めておきます。
                  房糸を半分にカットします。


                  これで4つに分けることができました。

                  使わない残りの3つは、モールを付けたまま紙にくるんで、再度ビニール袋に入れて保管してください。
                  そのままにしておくと、かなりボサボサになってしまいます。

                  こよりやモールを止めた跡がクセになっていたり、作業中にボサボサになることがありますが、最終的に蒸気に当てれば、元のきれいなサラサラ状態に戻りますのでご安心ください。

                  ---------------------

                  房(タッセル)と言えば「アトリエバンディーニ」さんが有名ですが、以前ほしい色がなくて、このアトリエバンディーニで房糸を購入したことがあります。

                  ■手作りタッセル用カセ(糸)


                  とりあえず、ポリエステルとアクリルの房を注文してみました。
                  しかし届いた商品を見ると、ポリエステルは綿糸のようなもさっとした感じ(タッセル作りはこのような糸を使うということでしょうね)、アクリルはフワフワでした。
                  残念ながら、切り房を作るためのサラサラ感がありませんでした。
                  後日、電話で直接問い合わせてみたところ、すれがよいのはレーヨン(6274)とのことでした(6275はかなり細い糸とのこと)。
                  結局そのまま買わずじまいですが、もし試してみたい方は、どうぞ直接バンディーニさんへご注文ください。

                  ちなみにこのアトリエバンディーニは、ちょっとの注文でも色見本などをたくさん同封してくれます。
                  通常、糸見本等は購入するものなので、これで利益になるのかな、、と心配してしまうほどのサービスです。
                  電話でも面倒な素振りなく、とても詳しく教えてくださいます。
                  お客さんに対してこのような対応ができるというのは、単なるサービスというよりも、自分のお店で扱っている商品に対して愛情を持っていないとできないことだなぁと感心してしまいました。
                  とても好感の持てるお店でした。

                  房については、この後もちょくちょく登場すると思います。
                  とにかく今は房に凝っているので(笑)。
                  【2011.07.15 Friday 16:12】 author : Rom筥
                  | 筥迫材料-飾り房 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  飾り結びのお話
                  0
                    今回、教本の再版で内容を改訂したのは、几帳結びを総角結びに入れ替えたことです。
                    そんなわけで、今回は筥迫に飾る結びを取り上げてみます。

                    <几帳結びと揚巻結び>
                    私が結びを初めた頃はアジアンノット全盛で、几帳結びと総角結びが似たような形だと知ってはいましたが、それがどのような違いなのかわからず、前版までは筥迫の一段目、三段目を几帳結び、二段目を吉祥結びで解説していました。
                    (筥迫作りに頭がいっぱいだったので、正直結びは二の次だったこともあり…)
                    しかし、年月が経つにつれ、どうしても私が思い描く結びにならないことに悶々とした日々を過ごし、ある日やっと几帳と総角は違う!ということに気がついたのです(なんだかね〜)。



                    左が几帳結び(きちょうむすび)、右が総角結び(あげまきむすび)です。
                    わかりやすいように江戸打ちで結び、画像にアウトラインもかけてみました。
                    実際、こうやって並べて比べればわかるものですが、それぞれ離して別の画像で見るとよくわからない程よく似ています。
                    几帳は左右に出た耳の部分が中心の井桁の一辺をまたいでいるのでプクッとした丸い仕上りです。
                    総角は左右に出た耳が、上下同じ場所から一緒に出ているので、潰れたようなぺしゃっとした仕上りです。
                    几帳に慣れた方が総角を結ぶと、ちょっと物足りなさを感じるかもしれません。
                    一般的に、総角は中心の井桁になった部分が「入」の形になった「入型」を使いますが、武具に使う場合は「人型」で結ぶそうです。
                    『結』総角結び

                    そうやって見てみると、几帳は「人型」ですね。


                    以前、アンティークの筥迫の結びは小さくて控えめな形と書きましたが、これは単に総角なので「潰れた=小さい」形に見えたのですね。
                    更に小さい結びになってしまうのは正絹の唐打ちで作っているからです。
                    筥迫工房で使う基本の打ち紐は1mm幅の唐打ちですが、正絹の1mmの唐打ち紐を使うと、中の井桁型がキュッと締まり、耳を大きくしようとすると全体のバランスが崩れて菊に見えません(絹の唐打ち紐には念珠などに使う硬打ちもあり、反対にこちらは硬すぎます)。
                    結び用に開発されたアジアンコードはしっかりとした堅めの作りなので、井桁部分を小さくするのが難しく、耳とのバランスを取るとどうしても大きくなってしまいます(アジアンコードで結ぶ際は、教本の指定のサイズより長めにとってください)。
                    筥迫に対して、どのようなバランスで飾り結びを仕上げたいかにより、紐の種類や太さを選ぶことになります。

                    <吉祥結びと菊結び>
                    几帳と総角のように、菊結びと吉祥結びもほとんど同じ形です。
                    というより、几帳と総角よりも更にその違いがわかりづらいかもしれません。
                    前回の教本にも、吉祥結び=菊結びとしていました。

                    一般的には、
                    ・一周目と二周目を逆回りで結ぶのが吉祥結び
                    ・一周目と二周目を同じ方向で結ぶのが菊結び
                    なのですが、
                    仕上げの形成は、吉祥結びは真ん中の耳を長く、菊結びは真ん中の耳を短くします。
                    筥迫に使う菊結びは、一般的な菊結びより更に上下段の耳を強調した(真ん中を短くした)、丸々とした菊花をイメージするような形が多いようです。



                    しかし、どうもそれだけではないような気がしてならない。
                    と探してみたところ、こんなブログを見つけました

                    日々のたのしみ 〜吉祥結びと菊結びの違い〜

                    なるほど〜。中心の井桁の形状に注目です。
                    吉祥:正方形
                    菊 :風車型

                    吉祥は二周目を逆方向に結んでいきます。
                    菊の場合は同方向に結んでいきます。
                    これによって正方形か、風車型かの違いになるようです。

                    更に、吉祥の初めの回転は、上の紐を右下にします。
                    菊の場合は下の紐を右上にします。
                    これによって、人型か入型かの違いになるようです。

                    裏側にして全体を見ると、この中心の形状の違いがよくわかります。



                    吉祥は上下の紐が左右にきっちり分かれることにより完全な四角形です。
                    そのため中心線がずれたような感じです。
                    対して菊は、なで肩のようなラインの井桁になり、風車のような形状です。
                    そのため上から下にすっきり中心線が通ったような感じです。

                    更には、正方形の場合は表と裏が逆の型になり、風車型の場合は表と裏が同じ型になります。
                    なんだか頭が混乱してきたので表にしてみました。



                    あ〜、すっきりした(えっ?私だけ?)

                    もう一度表に返して見てみましょう。
                    全体的には、几帳&吉祥はふんわりした感じになり、総角&菊は全体に真っ直ぐ背筋正しい感じです。



                    このように、今回の改訂では『几帳結び&吉祥結び』から、筥迫本来の『総角結び&菊結び』に入れ替えました。
                    これが一般的な筥迫の飾り結びではありますが、筥迫を自作するメリットは、作る方の趣向に合わせたオリジナリティあふれる意匠にできることです。
                    総角で結ぼうが几帳で結ぼうが、あくまで作る型のお好み次第です。

                    どの結びもとてもメジャーな結びなので、ネットを探せばたくさん出て来ます。
                    それでもご希望の方がいらっしゃいましたら、結びのページだけPDFで送りますので、ご一報ください(ただし2010年までに教本をご購入いただいた方限定です)。

                    ちなみに、今作っている『婚礼用和装小物の作り方』では、懐剣袋の紐を菊結びで解説していますが、こちらの菊結びは「クサビ結び」というものです。
                    クサビ結びは菊結びのように簡単にはほどけません。
                    しかし、くさび結びは表と裏が違う形になってしまうので、筥迫の房のように垂らして裏表なく見える飾りには菊結びを使い(接着剤必須)、懐剣袋のように頻繁に出し入れし表向きに固定するような場合にはくさび結びを使うのかもしれません。

                    私自身、結びは本で見て習った程度であまり詳しいとは言えませんので、正確なところを知りたい方はこちらの本をどうぞ。



                    飾り結びの本はたくさん出ていますが、私はこれが一番参考になりました。
                    かなり種類がありますので、それぞれの結びの違いを見るにはとても役に立ちます。
                    全二巻ですが、二巻はあまり実用的でないので、一巻だけでも充分参考になります。
                    【2011.02.22 Tuesday 09:26】 author : Rom筥
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                    飾り房
                    0
                      先日、筥迫工房のよき理解者、SAKURAのyayaさんから前回の梅の筥迫についてのご意見がありました。

                      先ほどピンクの梅の筥迫拝見しましたが房が縮れていました。
                      薬缶の口から出る蒸気に当てるときれいになります。
                      両端を引っ張るようにして櫛ですくとすぐ真っ直ぐになって艶が出ますよ。



                      なるほど〜、ちっとも気がつきませんでした(苦)。
                      いつもためになるご意見ありがとうございます。
                      そしてやってみました。
                      こんな感じかな?


                      すぐにぼさぼさになりそうなので、保管する時はまとめておくことにします…。


                      ところで、房はやはり絹糸が触りごこちもよくいいのですが、
                      いかんせん静電気がおきやすく、つねにメデューサ状態になってしまいます。
                      綿100%はもさっとした感じになって、房にはよくありません。
                      今のところポリエステル100%の手縫い糸を使っています。
                      でもやはり筥迫には絹糸を使いたいですね。
                      機会を見て探してみることにしましょう。
                      【2009.11.02 Monday 18:32】 author : Rom筥
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