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ドットライナー再びの巻

言わずと知れた、コクヨの定番品『ドットライナー』。

文具の大人気商品として、お仕事などでお使いの方も多いことと思います。

実は貼り込みでも、3種の糊のうちの一つ「留糊」としてお世話になっている糊です。

留糊というのは、ちょこっとだけ仮止めしたいときに使うのですが、ドットで糊が出てくるため「5mmだけ出したい」という調整がしやすいのが利点です。

 

また水分を含まないので、ヨレヨレ、ベタベタを気にすることなく、手軽にすぐに接着できるのもうれしい。

私は酸を含まない「アシッドフリー」と説明していますが、正確にはコクヨ独自の基準で「写真や紙の変色の原因となる酸を抑えたのり」という言い方をしています。

 

慣れた人こそ使い方に注意が必要

「でんぷん糊」や「サイビノール」は「水性」なので、どちらも使い方には注意が必要です。

糊で作る物はうまく出来ないという方は、ほとんどの場合その正しい使い方がわかっていないだけで、それらの特性をよく理解して使うと、貼り込みでの物作りはとても楽しいものになります。

でんぷん糊やサイビノールと比べると、ドットライナーはそれほど注意をしなくても使える大変優秀な糊なのですが、使い慣れた人に限ってダメにしやすい。

私は最近、新たに詰め替えたテープを2回続けてダメにしました(涙)。

私のようなハードユーザーは、「スタンダードタイプ(16m)」(画像下)ではなく、「ロングタイプ(36m)」(画像上)を使っていると思います。

スタンダードタイプと比べるとかなり大きいですが、慣れてしまえば安定感があってなかなか良い。

 

これだけあってもすぐに使い切ってしまうので、もちろん詰め替えも常にストックしてあるのですが、最近、詰め替えて間も無くにテープが動かなくなることが2回続きました。

テープが引けなくなってしまった場合は、後ろのコアの側面にある溝にペン先をかませてテープを動かすのですが、そのうちコアを巻いても動かなくなることがあります。

こうなったら、残念ながらもう元には戻らない、、、(泣)。

これを36mの1/3も使っていない状態でやらかすと、やたらと悔しい。

 

その原因を色々と考えたのですが、テープを勢いよく引くと「糊飛び」してついてしまい、フィルムに残ったドット糊を巻き取ることにより、巻き取り側のコアに糊が付いてが動かなくなるのだろうと思いました。

そこでコクヨのカスタマーに問い合わせたところ、やはりそれが原因の一部とのこと。

こうなってしまうと何をしても直りません。

これは慣れているがためのハードユーザーあるあるです。

普通に使っていても本体の劣化により同症状は出やすくなるので、10回程度詰め替えたら本体も変えましょう(コクヨ推奨)。

 

リニューアルされたロングバージョン

ところが、今回ドットライナーを改めて調べたところ、ロングタイプの新バージョンが発売されていたことを知りました!

2023年の1月発売ということなので、ちょうど一年前です。

今月従来バージョンの詰め替えをAmazonで箱買いしたばかりなのに、、、悔しい(でも新しいの買ったよ)。

上が従来型で、下がリニューアルされた「LONG50」です。

従来品の白部分がなくなってツルんとした印象ですが、大きな目玉の付いたずんぐりむっくりした形状です。

 

従来品は青部分をそのまま詰め替えますが、リニューアル版はブルー部分が被せになっていて、これを右側にカパッと開いて、詰め替え用を入れるという構造になっています。

従来品に比べると、詰め替えが骨格だけになった感じです。

従来品と値段はそれほど変わらないので、テープの増量分は、この青色カバー部分が無くなったことと引き換えなのかも?

ドットライナーの発売は2005年ということなので、すでに20年近くも経っているわけで、考えてみれば、そのぐらい長い間使われていれば、リニューアルの一度や二度あるだろうと思いますが、あまりにも目が慣れてしまっているので、デザインが変わるだけでやたらとびっくりしてしまいます。

本体の交換目安も10個から20個になったそうなので、耐久性も増したようです。

フタのバネがやたらと頑丈になったのはわかる。

ちなみに、コクヨの説明によると、

「たっぷり使えてつめ替えの手間を削減する大容量タイプ。ヘビーユーザーにおすすめです。」

くすぐるコピーだわ(笑)。

 

コクヨではすでに従来品は生産終了しているようです。

リニューアル版が発売されて一年も経つというのに、ほとんど従来品しか目立たないのは、多分、どこも従来品在庫が残っているからなのだと思います。

だって、こちらの「LONG50(50m)」は従来品(36m)と比べて断然長いのに、価格がほとんど変わらないので、誰も在庫の従来型を買わなくなるからですね。

今現在、従来型のロングを使っている方は、リニューアル版は従来型と構造が違うため、詰め替えの互換性はありません。

なくなったら詰め替えを買わずにリニューアル版を買ってくださいね。

更に言うなれば、スタンダードタイプ(16m)とも、ほとんどお値段かわりないですからね。

家ではロング50を使い、持ち運びにはスタンダードを使うのがお勧めです。

 

Amazonは色々な販売業者が出品しているので、常に値段が変動していて、まとめ買いより単品で買った方が安いということもよくあることなので要注意です。

Amazonの「LONG50」を貼っておきますが、なぜか本体のカートが出てこない。

(そのうち出てくるのでリンクは貼っておきます)

Amazon「LONG50」

ということで、Amazonプライムのようなものもなく、全品送料無料の「ヨドバシネット」が絶対お勧めです。

そしてAmazonより安い。

yodoboshi.com「LONG50」

 

 

野菜は頭で食べる

上記とは全然関係ない話ですが、最近面白いと思った「野菜」の話題を。

 

我が家の娘は、家族揃って食卓を囲むときは「野菜」を食べるのですが、私がいないときに、各自が小皿に分けて用意しておいたものを食べるという時は、決まって「野菜」の小皿には手をつけません。

完全な野菜嫌いということでもなく、ただ野菜を食べるのは「面倒臭い」のが理由のようです。

小さい頃は野菜を食べなくても、ある程度の年齢になると、美容のため、もしくはダイエットのためなど、体に必要な栄養素と思って食べ始めると思うのですが、二十歳を過ぎても状況はあいも変わらず。

どんなに言っても野菜を無視するので、最近はワンプレートにしているのですが、その時は野菜だけ分けるのも面倒ということもあり、しかたなく食べているようです(その代わりレタスだって一緒にチンすることになるぞ!)。

 

ところが最近、作り過ぎた野菜のおかずを配膳してもらった時に「多い分は明日に回すから、全部盛り付けなくていいよ」と私が言うと、

「昨日から外食続きでほとんど野菜を食べていないから、自分が全部食べるわ!」

と言い出したのでびっくり!

 

どういう心境の変化か?と聞いたところ、現在バイトをしているチェーンの喫茶店で、「サラダ」を注文する人は元気なお年寄りだったり、快活に受け答えするようなお客が多い反面、サラダを注文しない人は、相対的に愛想が悪かったり、わがままな客が多い、ということがわかったからだそうです。

最近は入店したお客の様子を見て、この人はサラダを注文する、しない、の予測を立てて楽しんでいるそうです。

実体験に勝る理解なしですね。

 

ということで、最近とても感心した笠原シェフのサラダをご紹介。

単純なのに美味しい、そんなレシピが好きです。

 

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指貫は友達!

 

今回は「指貫」のお話です。

 

指貫は「袋物」というカテゴリーには入りませんが、一切針と糸を使わずに作るので「貼り込み」というカテゴリーでは一緒です。

筥迫工房では貼り込みで作る物を「縫ったか貼ったかわからないような仕上がり」という言い方をしますが、この立体的な造形は縫いでは作れません。

厚紙、綿芯、糊三種のみで作ります。

この三種の糊をそれぞれの特性に合わせた使い方をするので、こんな小さな指貫でさえ、貼り込みの技法を駆使した作り方をしています。

 

もちろん革や金属の指貫に比べれば耐久性は劣るのですが、なくしてもそこらへんにあるハギレで数分で出来るので、弱ってきたら新しいものを作ればいい(ただちょっと慣れは必要)。

私はもっぱらこの布指貫を愛用しています。

 

 

貼り込みでも縫う場所はある

 

「貼り込み」は基本的に糊を駆使して造形するものなので、「縫い」とは対極にあるものです。

とはいえ、時々は縫いのお世話になるときもある。

貼り込みは「面」で接合するのいに対し、縫いは一辺で接合(縫う)して、引き合う(割る)ような状況で使うので、貼り込みでも時々は縫いが必要になるときもある。

このことから貼り込みでも「裁縫道具」は必須です。

 

教室の生徒さん用に「針セット」というものを用意しています。

・手縫い用 → (和針)四ノ二

・綴じ用 → (メリケン針)短針7

・縢り用 → (刺繍針)#5

この3本があれば、ほとんどの用は足ります。

 

和針メリケン針(洋針)の違いがわからないと言われるのですが、和針は先端まで滑らかに細くなっている針で、運針などで針を進めやすい形状です。

メリケン針は針先が少しずんぐりしている感じで、厚めの布を縫う時や布地を綴じ付けるような時に用います。

貼り込みでは布に貼った芯材ごと縫うので、使う場所を間違えると、針を折るか、針が通らないことになるので、この違いはとてもわかりやすいです。

 

絹というのは番手(糸の太さ)が細いので布目が密になります。

筥迫の巾着は布に張りを出すためにホットメルト紙を貼るのですが、布目が密どころが完全に閉じている、、、。

この縫い合わせにメリケン針を使うと、針通りが悪くやたらと手が疲れるので、これは和針が最適です。

 

同じ巾着で、タックを重ねて畳んだものを一点留めするのですが、布を6枚まとめて留めるので最も力がかかるところです。

また、紙入れなどで開閉の際に力がかかるところを一点留め(力留め)するのですが、ここがは厚紙ごと縫うので細い和針を使うと針が折れてしまいます。

このような力をかけるところには短針のメリケン針が最適です。

 

縢り(筥迫の脇の千鳥掛け)のように太い糸を使うときは、刺繍針のような目処(めど=針穴)の大きいもの(#5)を使います。

 

 

指貫は友達!

 

このように貼り込みでも針と糸は使うのですが、上記のように特に厚紙を留めるような時に多く用います。

つまり力がかかる所に使うので、ここで「指貫」が必要となります。

 

私は実家が仕立て屋(テーラー)だったので、中学の時にはお小遣い稼ぎに裾のまつり縫いをさせてもらっていたのですが(この頃はまだ手作業だった)、初めて針を持った私に父が一言「指貫を使え」。

当時はなんでこんな面倒なものを使わなければいけないんだ!と思っていましたが、私が針を持ったときに指貫を使っていないと、すかさず「指貫を使え」と言われました。

絵に描いたように寡黙な職人だったので、手取り足取り教えてくれるなんてことはなく、ただ「指貫を使え」。

それでも指に付けてさえいれば自然と針が当たってくるようになるもので、いつしか指貫をしないで針を使うことは考えられなくなっていました。

 

 

筥迫工房の講習会や教室に来るような方は、経験を積んだ手芸関連の趣味をお持ちの方が多いのですが、針を持った時に指貫を使わない人のなんと多いことか。

昔は学校や生活の中で和裁や洋裁を習ったので自然に使えていたのかもしれませんが、現代では学校や先生について本格的に和裁や洋裁を習わない限り、指貫を使うことを習わないのかもしれませんね。

昔は生徒さんに「指貫を使った方がいい」と言っていたのですが、生まれてからずっとスプーンやフォークで食事をしていた人が、大人になって急にお箸で食事をするぐらい難しいことだとは思うので、最近はあまり言わないようになりました。

 

 

ところが、最近教室に入ってきたYさんは、これまでほとんど縫い物というものをしたことがない(!)ということで、玉止めさえおぼつかない様子。

縫うこと自体に慣れていないのであれば変なクセもついていないはず。

つまりこれは初めから指貫に慣れさせるチャンス!

 

折りしもその日は生徒さんが二人しかいない日だったので、手の空いた時間で私がささっと布指貫を作って差し上げました。

その人の指のサイズに合わせて作るので、ジャストサイズです。

針を持ったら必ず指貫は使うものと、今のうちから刷り込んでおくことにします(笑)。

 

 

初めから無理やり指貫を使うというよりは、とにかく指にはめて慣れること。

そのうち針が自然に当たってきます。

針が指貫に当たってきたら、もう指貫は針仕事のお友達!いや、大親友。

指貫に慣れてきたら、自分が使いやすい金属製でも革製でも使えばいい。

 

とにかく頑張れ!

 

 

 

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貼り込み周辺の道具たち 〜アイロンマットとテープカッター〜

 

本日より販売の『アイロンマット制作キット』のご案内です。

 

貼り込みで作る袋物制作には、小さなアイロンマットを使います。

カッターマットと交互に使うのですが、カッターマットは敷きっぱなしで、その上にアイロンマットを乗せたり外したりしながら使います。

初心者の場合、夢中になるとカッターマットの上でアイロンを使ってマットを溶かし、アイロンマットの上でカッターを使ってマットを切るというのがお約束です(苦笑)。

 

そして糊を使う作業なので、アイロンのテフロン面は汚れ、カッターマットも汚れます(これはしょうがない)。

アイロンの場合は、過去ブログ「クロバー『パッチワークアイロン』情報再び!」にお手入れの仕方を書いているのでご参照ください。

 

ではアイロンマットのお手入れはどうするか。

これは布を張り替えればOKです。

アイロンマットの張り替えの仕方はこちらをご参照ください。

『アイロン台』を作りましょう!

上記では土台に段ボールを使っているのですが、段ボールの場合は長く使っているとへたってしまいますので、布替えのときは一緒に段ボールも取り替えた方がいいでしょう(というか作り直し?)。

 

 

アイロンマット制作キット

 

工房ではひんぱんに教室もあり、アイロンマットを使う頻度も高いことから、土台には「コルクボード」を使っています。

これなら単に布を張り替えるだけで済みます。

コルクボードは自分で買って作ればいいのですが、指定サイズのコルクボードが手に入らないということから(ネットで買えば送料も高いしね)、ショップで販売して欲しいという声がありました。

そんなことから、今回「アイロンマット制作キット」を販売することにしました(22.5×30cm)。

上記の作り方ページでは大きめのサイズに作っていますが、実際にはこのぐらい小さいものの方が使い勝手は良いです。

(布のシワ伸ばしするときぐらいしか大きなサイズは使わない)

 

コルクボード、フェルト2枚、カバー用布のセットです。

汚れたら布を裏返して使って、それも汚れたらお手持ちの布で張り替えてください。

 

カバーする布は、講習会をやっていた頃はアルミコーティング加工のものを使っていましたが、これはマット自体に汚れがつくのを防ぐかもしれませんが、それは糊が乾くまで布に留まっているということ。

つまり作っている袋物の方に反対に汚れをつけてしまうということなので、今では綿素材一択で使用しています。

アイロンマットに適した布は、薄い布やストレッチ素材の布はNGで、シーチング以上の厚みのあるものの方が使いやすいと思います。

 

布は切りっぱなし状態でOK。

ホッチキスを180°に開いて、上から埋め込むように押さえ付けてタッカーのように使います。(外すのもカンタン)

 

「説明通りに作ったのですが、どうしてもホッチキスが刺さらないです(泣)」と言われたことがありましたが、よく聞いてみると土台に「板」を使っていたようです(苦笑)。

それじゃタッカーじゃないと止められないです。

ここでは事務用のホッチキスを使うので、段ボールかコルクボード程度の柔らかいものしか刺さりません。ご注意くださいね。

 

この「アイロンマット作成キット」単品であれば、クリックポスト(185円)でお安く発送することができます。

ご入用の方はこちらからどうぞ

アイロンマット作成キット

 

 

マスキング用テープカッター

 

最近手に入れた文具をご紹介します。

それはマスキングテープ用のテープカッターです。

 

こちらはニチバンから発売されている「プッシュカット」です。

 

昔からマスキングテープを切るためのカッターを探し続けています。

筥迫を作り始めた当初は一般的なテープカッターを使っていましたが、切り口がギザギザなことが嫌でコクヨの「カルカット/クリックタイプ」に変更。

でも、これはカットした後にテープに巻きついてしまうので、次々にカットする場合はいちいち剥がさなければならないので面倒。

 

次に買ったのは同じく「カルカット」の小型のテープカッター。

これはつい最近まで愛用していました。

 

この時に、通常のテープカッター台もカルカットに変更。

うん、具合よし!

カルカットは使いやすいですよね〜。

 

そんなことでしばらくはカルカットを使っていたのですが、ある日、教室のH.Sさんが「先生〜最近こんなもの買ったんですよ〜」と見せてくれたのがmidoriの「クイックテープカッター」

なんとこちらは、スライドを引くとテープが「2cm」の長さに自動で出てくるので、それをひねってカットするだけ。

これ欲しい!とばかりにすぐにAmazonへ。

同じような押し出し式のテープカッターは、ニチバンからも「プッシュカット」が出ていたのでこちらを買ってみました。

私がこちらを選んだ理由は、とにかくマスキングテープを小さく切ることができるものが欲しい!という理由から。

クイックテープカッターが「2cm」で出てくるのに対して、プッシュカットは「1.2mm」という幅で出てくるという点。

本当はもっと細いのが欲しいので、テープに半分の切り込みを入れて半分ずつ使うかな〜と思っていました。

 

そして届いた後に喜んで遊んでいたところ(楽しくて意味もなくカットしてしまう)、スライドを最後まで引かないで止めると小さいサイズでカットできることに気がつき大喜び(笑)。

 

こちらは下のレバーで引いてテープを送り出し、上のレバーを押してカットします(2アクション)。

クイックテープカッターは1アクションなので、どちらがいいかはお好みです。

どちらも切り口は真っ直ぐきれいです。

 

小さくカットできると、型紙をトレースした後にホットメルト紙からテープを剥がしやすいということ。(テープを大きく使ってしまうと、ホットメルト紙が大きめに破けるのが嫌)

もちろん何度かスライドを引けば、長くテープを引き出すこともできます。

 

最後に、Instagramの方ではメイン画像をテープカッターにしたのは、ビジュアル的にアイロンマットよりテープカッターの方がいいだろうとの判断から。

Instagramにアイロンマットは地味すぎる〜(笑)。

(私的にはアイロンマットの方が大事なので、ブログではメインにしてみました)

 

 

 

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『S目打ち』CLOVER何てことしてくれるんだ!

 

以前にも度々出ていた「目打ち」のお話です。

色物の飾り房や華やかな花嫁の話題から、一気に地味な道具の話題になります(苦笑)。

でもねぇ、モノを作る人にとって道具や材料はとても大事なモノなのですよ。

ブログで一つの話題に執着するのも筥迫工房の特徴ですが、「でんぷん糊」を検索していて筥迫工房に辿り着き、今では教室に通っているなんて方もいらっしゃいます(でんぷん糊はしつこく書いているから)。

筥迫工房のブログを見てクロバーに「パッチワークアイロン」の問い合わせる人が多いので、内容を変更していほしいとカスタマーから直々に言われる等々。

しかしそれぞれに詳しく知りたい人は少なからずいるので、自分が検証しているような情報は積極的に出していくのも筥迫工房の役割かなと思っています。

 

クロバーのS目打ち

 

貼り込みで作る袋物細工を作る上でとても大事な道具の一つとして「目打ち」があります。

綺麗な仕上がりにするためには、きっちりとスジを入れる必要があるのですが、これまで筥迫工房では最もシンプルなCLOVER(クロバー)の「S目打ち」を推奨してきました。

この「S目打ち」がなんと言っても使いやすい、いや一昨年までは「使いやすかった」。

 

貼り込みでは目打ちを多用するので、ある程度使うと目打ちの先が摩耗して丸くなってしまいます。

そうなるとスジがはっきりと付きにくいという状況になるので、生徒さんたちには「目打ちは消耗品なので、スジが引きにくくなったら新しいモノに買い換えましょう!」と言っていました。

それが去年、生徒のSさんから「新しく買った目打ちの先端がおかしいです(涙)」と言われました。

使ってみると、そろそろ新しい目打ちに買い替えたら?と言いたくなるぐらい先端が摩耗したものが新品として売られていたのです。

もちろんこれは摩耗したものを販売しているわけではなく、目打ちの先端の形状変更してしまったということ!

 

 

残念なことに写真に撮るとどちらも先端がピンピンして見えるのですが、実際に指先で触ると新CLOVERの方は「使いすぎた目打ち」といった感じです(筥迫工房的にはもう使えない状態)。

更にプロポーションも先端部分から太めになり、普通体型からぽっちゃり体型になっています。

CLOVERには、あえて先端が尖っていない「なめらか目打ち」というものが販売されているのに、なんでこんなよけいなことしてくれるんだか(怒)。

 

その後、目打ちの先がピンピンしたものを探し求めてあらゆる目打ちを買いまくったのがTOP画像です。

しかし、どいつもこいつも先が丸い!あ〜全然使えない!いつから日本の目打ちはこんなに先端が丸くなってしまったのか!(いわゆるユニバーサルデザインなのか?)

ちなみに、一般の方からすればどこが違うのかわからない程度かとは思いますが、スジ引き命の貼り込みをする者にとっては、先端が尖っているか否かでスジの入り方が全然違うのですよ。

 

 

角利(KAKURI)の目打ち

 

最終的に購入したのは『角利(かくり)』のくじり目打ち。

実はこちらは洋裁用ではなく工具としての目打ちなんですね。

比べてみると完全に形状が違います。

 

柔な洋裁用とは違って、行き過ぎなぐらい先がピンピンです。

これだと慣れない初心者は絶対布を切っちゃうな〜と思いつつ、スジはきっちり引くことができます。

私は教室の時は道具類を「腰バック」に入れて持ち歩いているのですが、入れるのもちょっと怖い感じです。

しかし気がつくと、最近はこの角利の目打ちばかり使っていました(すでにしっかり馴染んでいました)。

 

一番下がクロバーの旧S目打ち、真ん中が新S目打ち、上が角利のくじり目打ち

旧S目打ちは使いすぎてロゴが薄くなったわけではなく、リニューアル版を黒いロゴにして区別しているようです。

 

角利のくじりはいかにも頑丈そうという見た目ですが、Amazonのレビューには「強度不足」などと書かれたいたりします。

でもね、あなたたち(工具使い)とは使い方が違いますから(笑)。

貼り込みのスジ引きにそこまでの耐久性はいりません。

 

前出のSさんも、買ったばかりの目打ちなのにこれじゃ納得いかない!と思ったようでネットで調べたところ、同じような記事を書いているブログ(同志よ)を見つけてくれました。


COUTURE MAISON YURI*TOI-ユリトワ

クロバーの目打ちが丸くなった★メーカーに問い合わせしてみた★目打ち徹底比較

 

 

目打ちの種類

 

以前も書いたかと思いますが、もう一度おさらいで「目打ちの種類」について書いておきます。

ちなみに今回CLOVERのS目打ちをディスってしまいましたが(苦)、あくまで「貼り込みに使えない」レベルであって、CLOVERさんの目打ちは洋裁に使うには大変優秀です。

100円ショップの目打ちを買うなら、CLOVERの目打ちを買った方がソンはないです。

 


 

目打ちの違いは先端の形状の違いです。

貼り込みで使う目打ちは「くじり型」と呼ばれるものですが、先端が細く、持ち手までがなだらかなカーブを描きながら太くなっています。

ただし「くじり」という用語は洋裁ではほとんど出てこないようで、どちらかといえば今回の角利さんのように工具として使われています。

目打ちを斜めにしても先端まで力が加わりやすい形状なので、貼り込みのスジ引きには適しています。

 

CLOVER <S目打>

一番スタンダードな目打ちです。

今回話題の先が(ほんのちょっと)丸くなってしまった目打ちです。

初めて貼り込みをする方にはいいかもしれません。

 

角利 <ステンクジリ 小>

現在私が使っている目打ちです。

形状的に先端が鋭角でかなり力が入るので、スジ引きに慣れていない人が鉛筆持ちをすると高確率で布を切ってしまうので、慣れないうちは「S目打ち」の方がいいかもしれません(帯に短し襷に長しですね)。

大と小がありますが、必ず「小」を選んでください。

 

CLOVER <N目打> 

赤の持ち手タイプは、断面が楕円なので転がらないようです。

先端はS目打ちと同じなのかな?(使ったことない)

 

CLOVER <N なめらか目>

S目打ちより先端が更に丸くなった形状なので、貼り込み用には間違っても買わないでね。

布地の繊維や縫い糸に引っかかりにくく糸割れを起こしにくいようなので、ニット地やデリケートな生地にお勧めのようです。

 


 

ここからは洋裁用の「細目打ち」と呼ばれるタイプのもので、根元まで一定の太さの針軸です。

くじり型と同様ミシンの布送りや、先端で細かい作業をするときに使いますが、深く差し込んでも穴が広げたくないものに使います。

工具用には「錐(きり)」や「千枚通し」と呼ばれる形状です。

スジ引きは斜めにして使うので、軸が細く長い錐形状のようなものは先端に力が伝わりにくいので、スジ引きには適しません。

錐形状の目打ちは真上からの力に対してのみ有効です。


CLOVER <N細目打>

細かい作業に便利です。手にしっくりなじみます。

カドを整える、ミシンがけの時に布を送る、糸をほどく…など細かい作業に使います。

パーツの穴あけ、人形の目鼻などのしるし付け(穴あけ)、小さなチェーンの穴を広げるなどに。

 

角利 <万能千枚通し 小>

 

角利 <四つ目錐 大>

ここまで来ると完全に大工道具ですね。

 


 

ここからは先端が特殊な形状の目打ちになります。

 

CLOVER <カーブ目打>

布送りや縫い目をほどく時、カーブ出しに使いやすい形状です。


CLOVER <ボールポイント目打>

トラプントやブティ用の目打ち。

糸割れせず布の織目を広げるようにして穴あけができます。

 

SEIWA <プロツール菱目打 4本 4mm巾>

目打ちで検索すると必ず出てきますが、これはレザークラフト用だから、、、。

穴を開けるという同じ目的ではありますが。

 

いや〜目打ちってホントたくさんあるのねぇ。

 

 

 

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クロバー『パッチワークアイロン』情報再び!

以前、クロバーの「パッチワークアイロン」をブログに取り上げたことがあるのですが、先日クロバーさんから直接メールをいただきました。

 

このパッチワークアイロンの初期型(販売期間2016年〜2018年)で、持ち手とダイヤル部分の樹脂がポロポロと剥がれ落ちるという事象があり、この初期型を対象に2021年9月末まで無償交換という対応をしていたそうですが、現在このサービスは終了しているので、ブログ内容の訂正をお願いされました。

 

なぜ無償交換をしていたかと言えば、初期型でワイン色のハンドルとダイヤルの樹脂部分が劣化するという事象が起きたからですね。

「樹脂部分の劣化」というのは、ハンドル部分がボロボロと剥がれ落ちて、それが布に着ちた瞬間にアイロンを滑らせてしまうと、布に樹脂がこびりついてしまうからなのです。

 

それで以前、生徒さんが「クロバーで無償交換してくれました!」との情報をいただいたので、ブログでそれをご紹介したことがあったのです。

私も2台ほど剥がれましたが、生徒さんがこのように布を巻いて使っていたのを見て、交換も面倒だし私もそれでいいわと、このように布を巻くだけで対応しています(笑)。

 

交換してくれるなんて知らなかった!樹脂が剥がれてるのにどうしよう!とお悩みの方は、このように布を巻くだけで問題なく使えますのでお試しあれ。(バイアステープを使えばより丁寧かも)

 

ダイヤル部分はどうしようもないですが、初めに温度設定する以外触らないので、ハンドルより影響は少ないです。

 

これまでこのアイロン入手には何度も受難を経験しているので、このアイロンがないとホント困るのでこのぐらいは我慢します。

 

しかし筥迫工房の記事を見て、いまだに無償交換を希望される方が多いとのことで、その記事の訂正(サービス終了の旨)をしていただけないかとクロバーさんにお願いされるとは、こんなニッチなブログが影響を及ぼしていたとは驚きです。

 

でもこれまでクロバーのアイロンに注目して何度もしつこくブログに書いているので、嫌でも引き寄せられるのかもしれません。(デンプン糊でも結構な検索数はあると思う)

 

ということで、大事なことなので最後にもう一度言います。

初期型のパッチワークアイロンの無償交換は終了しているそうなのでご注意ください!

 

ちなみに、最近のパッチワークアイロンは改良されているので、現在は樹脂が剥がれ落ちるということはないので、新しく購入される方はご安心を。

 

 

「断線」問題

 

このパッチワークアイロンでもう一つ困ることがあります。

それは「断線」です。Amazonのレビューでもかなり書かれています。

アイロンの温度が急に上がらなくなってしまったとしたら、それはコードのこの部分が断線しているということです。

 

これはコードが出てる場所が悪く、アイロンを使うたびにコードが色々なものに引っかかるのでとても邪魔なんです。

そしてこの根本が激しく動くため負荷がかかるんですね。

できれば後ろ方向に出て欲しいのですが、そうするとアイロンが立たなくなってしまうのでそれも不便です。

 

そこで私はこのように、コードをハンドルに巻いて後ろから出すようにしています。

(これも生徒さんがやっていたのを真似しただけ)

要はこの根本が動かないように固定して、負荷をかけなければいいのです。

これでハンドルを持っても意外と気になることはありません。

 

以前のブログではこの画像は出していませんでした。

なぜならこんな変な使い方をして、不具合があった場合に筥迫工房の責任にされると嫌だったからです。

でもあれからもう何年も経ちますし、教室で何台も同じやり方で使っていて、これで火が出たとかはないのでとりあえずは大丈夫なようです。

でも真似するなら、あくまでも自己責任でやってくださいね。

 

それでも1台ぐらいは断線したことがあります。

その時は「消耗品だし、しかたないか〜」と処分してしまったのですが、その件でもクロバーさんがご丁寧に説明してくださいました。

 

本体の根元付近を動かしていただき、ランプが点灯と消灯を繰り返す場合は、断線修理が可能です。
元払いで1,100円分の切手とパッチワークアイロンをお客様係までお送りいただけましたら修理を致しております。
返送の際は佐川急便にて、送料弊社負担でお送りしています。(クロバー)

 

保証期間内の無償交換ではないにしても、修理ができるのはありがたいですね。

 

 

パッチワークアイロンをお得に買う方法

 

ハンドルの樹脂が劣化しないようになっても、断線しないように注意をしていても、アイロンは消耗品なのでいつかはダメになります。

それが加水分解のようにいつやってくるかもわからないから困る。

 

そしてこのアイロンは、色々な状況によって年中在庫切れになったりするのですね。

在庫がない、でも欲しい人はいるとなると、値段があがるものです。

以前、Amazonで8,000円ぐらいまで上がったことがあります。

 

急に壊れたり、筥迫工房の教室に通おう!と思い立ったりしても、そのときに確実にアイロンが売っているとは限りません。

高い安いの問題じゃないのよ、このアイロンがないと貼り込みができないのですから。

そのような経験をしているので、教室の生徒さんたちは2台持ちの人が多いです。

でも小さい割に割高というのも事実。

 

そこで @mycatmittan さんが、Instagramでこんなお得情報を教えてくれました。

 

現在(2022.6)のユザワヤの価格が「6,050円」なので、Amazonよりお得ですね。

 

訂正)これは、友の会割引20%引き、ポイント還元20%分で、実質40%オフになるということらしいので、誰もが40%になるわけではないとご指摘いただきました。ご注意ください。

 

 

 

加水分解

 

この持ち手とダイヤルの樹脂が劣化する原因は、

ゲームやテレビのコントローラー同様、長期保管した際、樹脂についた微量な汗などに空気中の水分に反応し、加水分解といった化学反応を起こすためです。(クロバー)

 

皆さん、加水分解(かすいぶんかい)という言葉をご存知でしょうか?

よくあるのは、久々に履いた靴の底がガバッと剥がれることありますよね、あれが加水分解です。

私はこれまで3〜4度加水分解の目に遭っているのですが、へんなところで突然なるのでホント困るんですよね(そしてすごく恥ずかしい)。

 

それを以前、テレビで安住アナウンサーがこれを話題にしていて、その時初めて「加水分解」という言葉を知りました。

安住紳一郎アナ 「笑うに笑えなかった」話を披露「ご焼香の列で加水分解が始まっていて」

 

これがアイロンでも起こっていたということで、ちょっと感慨深いです(苦笑)。


 

アイロンのテフロン面のお手入れ

 

貼り込みをしている以上、アイロンのテフロン面が糊で汚れてしまうのは常です。

 

昔々は「メラミンスポンジ」で擦る、なんて書いたことがありますが、これはテフロンを削ってしまうのでやめましょう(記事も削除しています)。

 

「でんぷん糊」であれば、アイロンが熱い時に濡れ布巾などで擦ると取れます。

 

取れないのは「サイビノール」で、これにはずっと悩まされてきました。

しかし最近、これまた生徒さんが「手の消毒液で落ちますよ」と教えてくれました。

 

そして、なんとよく取れること!

 

実際には「アルコールの入った消毒液」のことで、アルコールが入っていないと取れません。

 

化学系の家人に聞いたところ、

「テフロンと酢酸は仲良しだから付きやすい。でも酢酸とアルコールはもっと仲良しだからそちらにより付きやすい」とのこと。

酢酸というのは、サイビノールの「酢酸ビニル」のことですね。

 

是非お試しくださいと言いたいところですが、これだけは要注意です。

 

・アルコールでテフロン面を掃除する場合は、必ずアイロンが冷めた状態で使うこと。

・テフロンは硬いもので削ると傷がつきやすいので、尖ったもので汚れを削らないこと。

 

ちなみに私はエタノールを買って、アイロンを使う前(電源を入れる前)に毎回テフロンを掃除するようにしています。

 

 

パッチワークアイロンの話題は続くよどこまでも!(笑)。

 

 

—--------------------------------
『日本文化と懐中袋物』 講演と体験講座
—--------------------------------
<講 演>
❶7月9日(土)『日本文化と懐中袋物』
〜筥迫・鏡入にみる女持ちの袋物〜
—--------------------------------
<体験講座/貼り込みで作る袋物>
❷7月23日(土)『利休型紙入と名刺入』
❸7月30日(土)『懐紙挟みと楊枝入』
—--------------------------------
詳細とお申し込みは、「染の里おちあい(二葉苑)」の予約サイトからどうぞ。
https://reserva.be/futabayoyaku28

 

 

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ハサミの正しい持ち方

筥迫工房がイチオシするハサミと言えば、長谷川刃物の『CANARY GX-175』

 

貼り込みで作る袋物細工では、布に「ホットメルト紙」(ホットメルトが塗布された薄い和紙)を貼ったものを裁断するので、布を切る裁ち切りバサミを使うのははばかられます。

 

そこで色々とハサミを試した結果、ホットメルト紙を直線で切るのは「カッターで切る」が一番いいことがわかりました。

 

もちろんハサミも必要です。

小さい作業をするときは、文具ハサミの軽さで、文具ハサミよりも刃先がやや長い『CANARY GX-175』は、小ハサミを使わずとも刃先がやたらと切れるのが何よりのお勧めです。

このようなハサミを使うと、100円ショップのハサミはもう使えなくなりますね。

 

 

大人のハサミの持ち方?

 

今回はそんなハサミのお話ですが、皆さんはハサミをどのように持ちますか?

ポイントは「人差し指」の位置です。

 

 

A:人差し指は穴の「外」

B:人差し指は穴の「中」

 

あまりにも自然にやっている動作のため、ほとんどの方が気にもしていなかったことだと思います。

 

なぜこんなことが気になったかと言うと、「ハサミの正しい持ち方」というページを見つけたからです。

 

正解は「A:人差し指は穴の外」でした。

 

そこで、その時にいたSさんに聞いてみました。

彼女は工芸コースの人なので、基本的に手作業は得意で、一般的に器用と言われる類の人です。

 

意外にも「B:人差し指は穴の中」でした。

 

そこで急遽、教室の皆さんにアンケートを取ったところ、半々の結果となり、「A外」「B中」どちらの使い方もするという方もかなり多かったです。

 

以下は内容を書いてくださった方の意見です。

------------------------------

(AB逆になっていたので、中外も入れて入れ替えました、、、6/11 22:07更新)

 

・「B中」は大きくしっかり切り込むとき、「A外」は鋒(きっさき)だけで切り込むとき、小刻みな方向転換を必要とするとき(曲に合わせて切り絵とか?やりませんけど…)。

・稀に穴(輪)が小さくて、この太い指が2本入らないハサミを使う際は「A外」ですかねぇ。
・裁ち鋏など良く切れる鋏で真っ直ぐ生地など切る場合は「B中」、細かい作業、厚紙やレザーなど比較的力が必要且つカーブなどがある場合なら「A外」です。

・裁ち鋏は全ての指を入れるので「B中」。

・​​自分で持ってみてビックリ!!えー「B中」でしょう!と思っていざ持ってみたら「A外」でした!!ホントに全く意識してませんでした。

・多分「A外」。改めて聞かれると意識しすぎて、分からなくなりましたが、、、。大きな裁ち鋏で長い距離をまっすぐ切る時は「B中」になります。

・多分「A外」。どちらも無意識にしていましたが、大きな裁ち鋏で長い距離をまっすぐ切る時は「B中」になります。

・安定しやすいので「A外」でしょうか。

 

------------------------------

 

どうやら皆さん、「裁ちばさみ」のように穴の大きいものは「B:人差し指は穴の中」、CANARYサイズのものは「A:人差し指は穴の外」という使い分けを自然にしているようです。

 

裏を返せば、裁ちばさみのように大きい動作をする場合は、人差し指を中に入れるように穴を大きくしているということですね。

というか、そのようにしか持てないので、こうなると正しい持ち方も何もないですが(笑)。

 

基本的に「ハサミの持ち方」をネットで検索すると、ほとんどが小さい子供が初めてハサミを持つときの動作を説明しています。

この場合のほとんどが「B:人差し指は穴の中」です。

 

これは、初めて子供がハサミを持つ年では、手が小さすぎて「B:人差し指は穴の中」が安全な持ち方になっているようです。

そして、ある程度手が大きくなった時点で、「A:人差し指は穴の外」に変えるようです。

 

そんなこと習ったかなぁ、、??(小学校入学頃に習うのかしらん?)

 

私は娘にハサミの持ち方なんて教えたことはないで、先日CANARYのハサミを持たせたところ、娘(20歳)は「B:人差し指は穴の中」でした(これはどういうことなんだろう、、、汗)。

 

そして、職業別にもハサミの持ち方は異なるようです。

美容師さんやお医者さんのハサミは穴が小さいので、「薬指」が「穴の中」のようです。

 

詳しくはこちらをどうぞ↓

 

協同組合京浜刃物専門店会

はさみの正しい持ち方

 

 

 

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またしてもアイロン受難

なかなかコロナの勢いが治らない今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は連日、動画、動画の毎日です(あともう少し!)。

 

こんなに大変な思いをしているというのに、誰ヶ袖シリーズの「片袖」がやっとできるという程度ですが(苦笑)。

 

講習会や教室では、初心者の方は貼り込みの基礎である「金封袱紗」を学んでいただきますが、オンライン講座の場合は、この「片袖

」が初心者向けとなります(というより体験版的な扱い)。

 

オンライン講座では「予告動画」も作っておりまして、これは誰でも見ることができるのですが(本編は有料)、ここには「誰ヶ袖とは〜」に始まり、オンラインで使う「型紙と拵え方」の説明や「使う道具の説明」までも解説しています。

 

更には初心者の方が「貼り込み体験」として作れるように、「代用できる道具のご紹介」まで入れるという念の入れよう。

 

これは、講習会の時はさすがにご家庭用アイロンなど持ってこられると困るので(ブレーカーが飛んじゃう!)、初めから細工用のアイロンは揃えてもらっていましたが、オンラインの場合は自分一人でご自宅でやることになるので、大きすぎて使いづらくはありますが、始めは大きなアイロンで試してもらって、貼り込みが続けられそうと思ったらその時は細工用のアイロンを買えばいいと思ったからです。

 

 

 

またしてもアイロン受難

 

このコロナ禍ではありますが、教室ではコンスタントに新しい方が入ってきます。

 

そんな新人さんに私がまず言うことは、「とにかく細工用のアイロンだけは早めに買っておいてね!」ということ。

なぜかと言うと、ここ一年ほどこのアイロンの在庫が非常に不安定だからです。

 

それに過去の悪夢が蘇ってくるからです。

 

ちょうど講習会を始めたころのこと。

初めのころは縢襠筥迫だけの講習会だったので、さすがにそのためだけに細工用のアイロンを持ってきてとは言えないので貸し出していたのですが、そのためにアイロンを購入しようと思った矢先、このアイロンが販売中止になってしまいました。

 

市場には安価な「ミニアイロン」が出回り始めた頃だったので、価格の高い「細工用のアイロン」が売れなくなってしまったからだと思います。

 

しかし「ミニアイロン」(1,000〜2,000円)と「細工用のアイロン」(4,000〜5,000円)では使い勝手が違う。

ヤフオクでは中古品に高値がつき、とても複数台も買えない状況でした。

 

そんなわけで、講習会の出始めはしかたなく「裁縫コテ」を使わざるをえませんでした。

(裁縫コテは柄が長くて力が入れづらい、、、)

 

それから2〜3年間空いて、やっとクロバーから現在のパッチワークアイロンが再発売されました。

それを待っていた人々のAmazonのカスタマーレビューの賑わいはいまだに忘れられません。

 

 

しかし半年ほど前からこのアイロンの入荷が不安定になり、ある時ついにAmazonで入荷がなくなりました。

このことは以前このブログでも書いていたのですが、その後少し経ってまた入荷が始まった時は心から安堵いたしました。


それなのに!!!!!!

 

先月新しく入った生徒さんの話では、Amazonより安いところがあったので注文したところ、一ヶ月経った今でも届かないとのこと。

(以前のAmazonでは4,000円ぐらいで買えていたのが、その入荷が不安定になった後にほぼ定価(5,000円程度)になっていた)

 

「しかたないから8,000円だけど買ってしまおうかなと思っています」

 

というのでびっくり!

 

アイロンが8,000円ですか!!!!

 

もう記念に画像取っておきました。

 

 

小さい文字が見えない方のために拡大します

 

いつか貼り込み細工の袋物を始めようと思っている方は、もしかしたらまだどこかに在庫があるかもしれませんので、もし今入手できるのであればすぐにでも手に入れておいてください。

この状況がいつまで続くかわかりませんから。

 

そして、以前買って今はもう使わないという方は、すぐにヤフオクかメルカリに出せば高値が着くかもしれませんよ。

それでも欲しい人は欲しいですから出してやってください。

 

しかし前回のブログでも書きましたが、「ない、ない、色々な物がなくて作れない!」という状況は、こんなアイロンにもやってきましたね。

 

「鉄がない!」という話は聞いていますが、次は「ハサミ」とかが入手できなくなるのか?と戦々恐々のこの頃です。

 

 

 

アイロンの断線について

 

とにかく貼り込みにはこのアイロンは不可欠です。

しかし「断線しやすい」との悪評があるのも事実。

 

あまりこういう画像は出したくないんですが、アイロンがこんなに入手できなくなった以上、手持ちのアイロンを少しでも長持ちさせるしかありません。

 

私はアイロンのコードをこのようにして使っています。

 

元々はコードの付け位置が悪く使いづらいのですが、ある方が下に出るようなやり方で工夫していたので、当時はちょっと真似してみただけだったのですが、多分コードの付け根が悪いせいでコードの根本が振り回され、やたらと負荷がかかるのではないかと思っています。

でもこれで付け根が動かなくなったので、断線のリスクは減るかも?と勝手に思ったりしているのですが(最近は断線していないし)。

 

でもこれが良いという確信はないので(もしかしたら関係なく断線するかも?)、真似するならあくまで自己判断でお願いします。

 

しかし奥の白のアイロンは10年以上前に買った物ですが、断線はしないし、アイロンのテフロンもダメになる兆しがない。

デザインなんてどうでもいいから、このタイプに戻して欲しいと思う今日この頃です。

 

 

 

 

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「目打ち」を考える

ブログを不定期にしてInstagramと併用する、という生活にも少しずつ慣れてきました。

 

重い腰をあげて始めたInstagramですが、今までブログに取り上げてこなかったような小さなトピックスでもとにかく写真に撮る!を心掛けていればそれほど面倒はない、と思えるようにもなりました。

 

ブログはかなり気合を入れないと書けないので、気が乗らない時はそれなりの負担が多い。

今回のように「目打ち」について書きたい!という気持ちが湧いてきたときこそブログを書くタイミング!にした方が自然ですしね。

 

ブログをアップした時にはInstagramにも同画像を入れて誘導することにします。

(Instagramにはブログへのリンクが貼れないので、あくまでお知らせ程度ですが)

 

 

このところ教室ではかなり慣れた人が増えてきたので、じっくり真剣に「貼り込み」に取り組むというムーブメントが出てきたように思います。

 

これまでは「貼り込みで作る袋物細工」の「袋物細工を作る」ということばかりが着目されていて、作り方さえわかればOKという人が少なくなかった。

そりゃね、私が練りに練った「型紙」と「拵え方(マニュアル)」があれば、ある程度器用な人であれば綺麗な形にできるわけです。

 

以前行われていた「講習会」では袋物をたった一日で作るわけですから、作り方を教えるのがメインにならざるを得なかったのでしかたなかったのですが。

 

しかし私としては「貼り込みで作る」ということの方が教えたかったので、時間に縛られない「教室」に移行していったのは自然な成り行きでした。

 

今では、糊の使い方とか、糊の使い分けとか、直線の取り方とかを、上級になるにつれかなりマニアックに追求して考えさせるようになってきたのですが、それを生徒さんたちもけっこう興味を持って学んでくれるのが有難い。

 

「美しく貼る」ことは人の手が繰り出すテクニックなのですから、是非この沼にはまる快感を味わっていただきたい(笑)。

 

 

 

貼り込みの「目打ち」は消耗品!

 

そんな「美しく貼る」世界で重要な役割をしている道具が「目打ち」です。

 

布を「一直線に折る」というのは結構難しいことで、かなり意識しないとガタガタになります。

 

それを助けてくれるのが「目打ち」の存在で、目打ちでスジを付けると布を一直線で折りやすくなります。

この作業を疎かにしていると、最終的な出来上がりで様相が違ってきます。

 

先日、けっこう慣れた生徒さんなのに、上手く直線が取れていないということがありました。

その原因を探ったところ、目打ちの先が丸くなっていたことに気づき、新しい目打ちを買うことを促しました。

 

「えっ!目打ちってダメになるんですか?!」

 

「えっ?目打ちは消耗品でしょ???」(rom筥)

 

すかさずその場で教室の人たちと目打ちの話題になりました(笑)。

 

確かに手芸や洋裁では、そんなに力を入れて使う場面はないかもしれないので、目打ちは半永久的に使えるという感覚なのかもしれません。

 

でも貼り込みの場合は、スジ引きにはかなり圧をかけて引きますので、確実に先端は摩耗します。

もちろんちょっと見にはわからないのですが、線を引いて比べてみればよくわかる。

 

しかし、手芸や洋裁では、先端が丸い形状のものが「使いやすい」という価値観があるということを今回初めて知りましたよ。

革細工の職人さんなどは、わざわざグラインダーで先を削って使う方もいるようですし。

 

 

以下はどれもクロバーから発売されている目打ちですが、先が尖っていると布にひっかかってしまうので、あえて先がなだらかになっている「なめらか目打ち」があるぐらい、尖っていない目打ちが評価されていたりします。

Clover N なめらか目打 21-131

 

先が曲がっている「カーブ目打ち」は、先が尖っている通常の目打ちより使いやすい!というレビューが多いです。

ミシンの布送りにも使いやすいみたいです。

Clover Nカーブ目打 21-241

 

更に先が丸いボール状になった、キルティングで使う「ボールポイント目打ち」なんてものもあります。

Clover ボールポイント目打

 

 

しかし!貼り込みで使う目打ちは、

しっかり先が尖っているものがベスト! です。

 

つまり上記の目打ちは、ことごとく貼り込みには使えないということ。

貼り込みでは、目打ちは「スジ付け」するために使うので、そもそも使う目的が違うのです。

 

 

 

貼り込みで使う「目打ち」の選び方

 

目打ちは大きく分けて以下の二種類に分かれます。

 

 

左の形状は「千枚通し」「錐(きり)」「細目打ち」「アイスピック」などの、スリムで細長い形状の物です。

 

「千枚通し」と「錐」は同じ形に見えて、実は形状が異なります。

「千枚通し=全体が円錐」「錐=先端が角錐」です。

「文具」と「工具」の違いもあるかもしれませんね。

 

では右のような、持ち手は太く先端が細いずんぐりとした形状で、裁縫でよく使われる目打ちを何というか?

 

くじりと言うそうです。「くじり目打ち」。

私も今回調べて初めて知ったわ、、、。

 

先の三種類は「くじり」の先端が変形したものということですね。

 

「千枚通し」や「錐」は基本的には「穴をあける」ための物。

「アイスピック」は、氷を砕く物。

そして「くじり」は万能に使える物。(三徳的な?)

 

クロバーからも「細目打ち」というものが販売されていますが、貼り込みは先端の金属部分を持ちますので、このように細長い形状の目打ちは持ちづらいです。

細目打ちはあまり力を使わない、ちょこちょこっとした先端作業に使うものだと思った方が良いでしょう。

Clover N細目打

 

 

先日、教室で目打ちを忘れた方がいたので、私が使っている目打ちをお貸ししたところ、

「先生の目打ち、すっごく使いやすい!」と言われました。

 

私が使っているのは、クロバーの一般的なくじり目打ちなんですけどね。

でもこれが一番使いやすいと自分では思っています。

 

実はクロバーからこちらの一般的なくじりも出ているのですが、この黒いラバーがついた「Nシリーズ」は、赤のグリップ部分が楕円形になっているので、目打ちが転がっていかないのだとか。

でも鉛筆持ちならいいけれど、がっつりホールドして使うスジ引きには丸い形状の方が使いやすいのかな?

Clover N目打

 

 

金属部分が下まで太い下のようなごっついくじりは、どちらかというと革細工などに用いる「工具用」です。

 

講習会をやっていた頃は、受講者があまりにも様々な形状の目打ちを持ってくるので、世の中にはこんなにも目打ちの種類があるんだ!とびっくりした記憶がありますが、私も今回調べてやっよその違いがわかりました。

 

工具用はまた山ほど種類があるので、間違ってもホームセンターで探さないこと。

手芸や洋裁を扱うコーナーに行って、先端が尖った「くじり目打ち」を選んでいただければ間違いはないと思います。

 

 

 

「目打ち」の使い方(スジの引き方)

 

では貼り込みに必須の正しいスジの付け方(正しい目打ちの使い方)をご説明いたします。

 

貼り込みでスジをつける目的は、布をまっすぐに折り返すためのクセをつけるためです。

このスジがしっかり付いていると、とても綺麗な仕上がりになるので重要な作業です。

 

基本的には、布に貼ったホットメルトの上からスジを付けます。

直接布にスジをつけたり、紙にスジをつけることもありますが、これを行う際は正しい使い方をしないと全く効果がありません。

 

まず、初めて目打ちを使う人が持つのが左の「鉛筆持ち」です。

 

鉛筆持ちをすると目打ちが立ってしまうので、先端でスジを引くことになります。

結果、ホットメルト紙はガリガリに毛羽立ち、どんなに力を入れても、布が切れるだけで肝心のスジがつかない。

 

ホットメルトをつけていない布にスジを引いた場合、先端が引っかかってまず引くこともできない。

紙はスジがつくどころか、簡単に切れてしまいます。

 

正しい持ち方は、右のしっかりとしたホールド持ちです。

そして、かなり寝かし気味に引きます。

 

ほとんど目打ちが見えないほどに手が覆っているわけですが、ここでちょっと手を開いてみます。

中指が完全に下に付いていますね。

つまり、このぐらい寝かせるということです。

 

目打ちの先端のツンツンしたところではなく、先端から急に勾配が付いた1.5mm程度のところを密着させて強く引くのです。

これでしっかりとしたスジがつきます。

 

 

かなり強く押し当ててスジを引くので、年中使っていたら当然のことながら先が摩耗しますよね。

 

1.5mmのうちの0.5mmぐらいが摩耗しても、見た目にはほとんどわからないかもしれませんが、実際には力が当たるところが広く短くなってしまうので、シャープなスジがつかないということです。

 

スジがつきにくくなったな、、と思ったら、その目打ちは洋裁用に回して、貼り込みでは新しい目打ちに替えてください。

驚くほど使いやすくなると思いますよ。

(私は2年ぐらいで替えるかな?)

 

 

しかし今は「SDGs(持続可能な開発目標)」推奨な世の中なので、「研ぐ!」という選択肢も付け加えなければなりませんね!

私はやったことないですが、挑戦するのであればこちらが参考になるのではないでしょうか?【レザークラフト】耐水ペーパーを使った菱ギリの仕立てと研ぎ方

 

でも研ぐことに慣れない人は失敗する可能性が高いので、必ず新しいものを買ってから試してみてくださいね(笑)。

 

 

それでは、本日の授業はここまで!

 

 

 

 

 

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Cloverパッチワークアイロン&ショップからのお知らせ

今回はCloverのアイロンに関する情報です。

 

 

どちらもクロバー製ですが、奥のシンプルデザインは私が筥迫制作のために初めて買った小型アイロンで未だに現役。

もう一つは2015年にモデルチェンジした現在のアイロンです(画像は2015年当時の新品)。

 

 

初めてのアイロンはご家庭用のアイロンを使いましたが、さすがに大型アイロンを細工物に使うのは非効率的。

 

しかし、小さいくせに5,000円近くするこのアイロンを買うのに悩む人も多いかと思います。(10年経っても値段はそれほど変わらないのね)

 

この二つのモデルの間には確か2〜3年のブランクがあり、この間このパッチワークアイロンが世の中から姿を消していたんですね。

 

ちょうど私が講習会を始めた時期で、細工用のアイロンがない!とパニックになった記憶があります。

もちろん私だけでなく、世の中のこのアイロンを必要とする人々が小型アイロン難民となりました。

ヤフオクの中古品に皆が殺到し、プレミア価格が付いていましたっけ、、、(遠い目)。

 

三段階の温度調節しかできない単純なアイロンですが、それを必要としている人にとっては、その価値は決して値段でははかれないものなのです。

 

結局、講習会を始めた頃に使っていたのはTOSHIBAの「裁縫コテ」。

 

こちらの方が1,000円お安いんですが、ハンドルがアイロンの後ろにあることで、真上からの力を加えにくいという難があります(まぁアイロン側を片手で押さえればいいのですが)。

でもこちらをお持ちの方は、あえてクロバーを買わなくても、とりあえずコテ先が細工に適しているのでこれで使えないことはありません。

 

他のお安いミニアイロンは多々ありますが、貼り込みに適しているアイロンは、とにかくアイロンの先が「コテ」になっているものが最適と覚えておいてください。

 

 

 

ラバーが剥がれ落ちる!

 

満を辞してクロバーさんがこの新型を出した時は、皆が小躍りして喜びました。

かわいいローズ色のラバーもついておしゃれ!

 

そんなことを思ったのもつかの間、経年でこのラバーがボロボロと剥がれ落ちてくることが問題になりました。

それが布に落ちた上にアイロンが当たってしまうと布を汚してしまいます。

 

これ、なんとかなりませんか?

とよく言われるようになりました。

 

実は私はこの型になってからの初号機を、ラバーが剥がれる前に不具合であっさり買い替えてしまったのです。

しかし2台目はすでにラバーが、、、。

 

人によってはここに布を巻いて対処されている方もいます。

これは郁駒屋さんのアイロンですが、バイアステープを巻いているとのこと(サイビで所々くっつけているとのこと)。

手に持ったときのフィット感も良く、これはこれで使いやすそうです。

 

 

そんな様子を見ていたA.Yさんが一言。

 

「私はクロバーに問い合わせましたが、ラバーがボロボロになったと言ったら新しいものに交換してくれましたよ」

 

なんという朗報!

 

最近のものは強化ラバーに素材が代わっているそうです。

強化ラバーになったのがいつ頃のことなのかわかりませんが、保証期間内であれば完全無料で、保証期間を過ぎていたとしても送料負担で新品と替えてくれるとのことです。

 

と書いている私もまだ問い合わせていないので確実ではないのですが、もしこのラバーが剥がれ落ちて困っている方がいらっしゃいましたら、試しに一度クロバーに問い合わせしてみるといいかもしれませんね。

 

初期型の無償交換は2021年9月末で終了しているそうそうです。

現在クロバーさんにお問い合わせされても、交換はできないとのことなのでご注意ください!(2022.6.21)

 

初期型のパッチワークアイロンの持ち手とダイヤル部分の樹脂が劣化するといった現象は、「長期保管した際、樹脂についた微量な汗などに空気中の水分に反応し、加水分解といった化学反応を起こすため」(クロバー)だそうです。

 

 

 

断線とコードの処理

 

上のラバーのことが書いていないかとアマゾンのレビューを見たのですが、ラバーのことよりも「断線した!」という低評価レビューが多かったようです。

 

そういえば私が使っていた初号機も、スイッチを入れているのに着いたり着かなかったりを繰り返し、あまりにもイライラしたので買い換えたのですが、あれは断線だったと今知った、、、。

 

その他レビューでは、コードの位置が悪いと指摘されている方が多かったようですが、これね、コードの位置が関係しているんじゃないかと思っています。

 

後ろから出て欲しいのですが、そうなるとアイロンを立たせることができなくなるので、仕様的には仕方がないことかとは思います。

 

コードが色々なものにぶつかり邪魔に感じるということは、それだけコードの根元に負荷がかかっているということで、それが断線の原因なのではないかと私は考えています。

 

断線を回避するためというよりも、単に右側から出ているコードが邪魔という理由で、前出のA.Yさんがこんなやり方でコードを回していました。

アイロンを持つときはコードごと持つのだそうです。

 

 

これを見て私も真似てみたのですが、私の場合は上の状態からコードをぐるっとアイロンに巻きつけて下に出しています。

 

この画像を載せたいのですが、見よう見まねで変な巻き方をされるとそれこそ断線して責任問題になりかねないので、この画像はネット上にはあげないことにします(A.Yさんのやり方なら危険はないと思います)。

 

どちらのやり方も持った時にコードが手に当たるのが難ですが、コードの根元は固定されているので断線はしずらいのではないでしょうか。

 

コードを巻いたりからめたりがあるので、真似るなら無理なく曲がる程度に調整して、あくまでも自己責任でお願いします。

 

 

 

最後にショップからのお知らせ

 

 9月末の工芸科補習及び講習会に加え、父のホーム入所が重なったことで怒涛の慌しさでしたが、それが過ぎ去ったのもつかの間、実家の片付けと引っ越しの準備でまた大わらわ。

 

というのも、一人暮らしだった父がホームに入居することで、父のいなくなった実家をどうするか問題が勃発しました。

 

兄も私も別に居を構えていますし、かといって父の存命中に実家を立て壊すのも忍びない。

昨今の風潮から空き家にしておくのも問題がある。

 

そんなことから、急遽筥迫工房の工房&事務所案が浮上しました。

 

確かに今の住居はショップ材料や貼り込み用の資料で溢れ返り、にっちもさっちもいかない状況。

当初は「移動」ぐらいにおもっていたのですが、荷物の量からしてどうみても「引越し」ほどの量はある。

 

ということで話はトントン拍子に進み、今、実家の片付けの真っ最中なのですね。

来月の9日に引っ越しを行い、そこから実家を職場として毎日通うことになりました。

 

多分この前後はひっちゃかめっちゃかになっている予定なので、ご注文品の発送など滞る可能性があります。

どうかご了承のほどお願い申し上げます。

 

それと、今までショップで販売していた教本「縢襠付筥迫」と、副読本「貼り込みの基本」の在庫があと少しになっています。

これに伴い改定を行う予定で、新しい版の印刷が出来上がるまで、もしかしたら1〜2ヶ月のタイムラグが出る可能性があります。

(運悪く引越しに重なるので、、、)

 

もし七五三や婚礼でこの秋に急ぎ筥迫を作る予定のかたがいらっしゃいましたら、どうぞ在庫が切れる前にご注文ください。

購入予定だけれども急ぎでない方がいらっしゃいましたら、どうぞ改訂版を待ってご注文いただければと思います。

 

 

 

本日から『帛紗挟み(七宝縢)』の申し込みが始まりました。

受講希望の方はこちらからどうぞ。

 

 

 

筥迫工房の材料販売(ネットショップ)

 

▼筥迫工房の講習会

 

▼筥迫掲示板
筥迫工房の教本や自慢の細工物を、皆さん自身で披露できる掲示板です。写真のアップロードが簡単になりました(一回の投稿で6枚掲載可)。丹誠込めて作った筥迫を大勢の人に見てもらいしましょう!

 

▼携帯からも筥迫掲示板2に投稿をアップロードできます。
こちらのQRコードからアクセスしてください。

 

筥迫工房へのお問い合わせ
※時々ショップからのご注文確定メールが届かないことがあります。
 そのような場合も、こちらからご連絡ください。
 

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貼り込みに便利な道具&材料 2017

貼り込み作業に必要な道具をご紹介いたします。

それぞれにリンクが貼ってありますので、リンク先のショップから直接ご購入いただけます。

※筥迫工房で扱っているものもありますが定価販売なので、アマゾンをお使いのかたはそちらの方がお安いです。

 

お勧めNo.1!


Clover パッチワーク用アイロン


パッチワーク用とは銘打っていますが、基本的には「細工用アイロン」として、細かい作業には必須というアイロンです。
初めの一個はとりあえずご家庭用アイロンでいいとしても、もし貼り込み作業の楽しさを感じたなら、是非ともこのアイロンを購入することをお勧めします。
お安いアイロンは多々あれど、細工用のアイロンは先端が「コテ」として使えるので、細かい作業には絶対的に使いやすい。
また、貼り込みは長時間アイロンをつけっぱなしにして使うので、電力をそれほど使わない小型アイロンが最適なのです。
以前お安いミニアイロンが流行ったときに一時廃盤となってしまったこのアイロンですが、数年の時を経て復活を果たしたことを見ても、このアイロンが支持される理由がわかるというものです。

 

 

お勧めNo.2!


ふたつ折りカッターマットA3


ナカバヤシ:CTMO-A3


オルファ:ネイビー 223BSNV


貼り込み作業はA4サイズのものを多用しますが、カッターマットはA3サイズが最適です。
以前は、講習会参加者のお荷物(不評)ベスト1がこのA3サイズのカッターマット(とにかくかさばる)でしたが、現在ではこの「二つ折りにできるカッターマット」があるのでとても便利になりました。
広げても段差がなく、スムーズな使い心地です。

 

 

お勧めNo.3!


オルファ:ロータリーカッターS型 36B


貼り込みでホットメルト紙を貼った布はカッターで切れますが、布だけを裁断する場合もあります。

小さな布を動かさずに正確に裁断することや、特にバイアスに布を裁断したい時にはロータリーカッターがとても便利です。

切れないな〜と思ったら刃が緩んでいることが多いので、頻繁に刃の中央のビスを閉めるようにします。

それでも切れなくなるので、「替え刃」は一緒に注文しておくとよいでしょう。

 


その他のお勧め品!


カッター(小型刃)

小型刃のカッターがお勧めですが、他の作業で大型刃を使い慣れている方はそれでもいいでしょう。

厚紙を切るので、黒刃よりも耐久性のあるシルバーがお勧めです。

それでも刃はすぐにダメになるので、作業ごとに刃を折る癖をつけましょう。

携帯には、替刃にポキが付いている図のものがお勧めです。

(たくさん作るようになったら、単独のポキがお勧めです)


目打ち

講習会に参加する方は、目打ちは図のような先端が細く、持ち手に従って太くなっている形状を選びましょう。

折り掛け作業にはこの太さが必要ですが、教本で作業には目打ちは使いませんので、その場合は「錐(きり)」でもかまいません。

 

 

「内布」選びに迷ったら!


「内布」は薄物が扱いやすく綺麗にできるのでおすすめです。
以下のショップは無地の色数が豊富なので、迷ったときの選択肢としておすすめしています。

 

都香庵(ポリエステル:綸子 紗綾形)
※小さな嚢物なので、細かい紗綾形をお勧めします。

 

シルク本舗(絹:薄手 無地・柄物 切売り)

※薄手の柄物、無地が多いです。


ブロケード工房(絹:薄手 無地 切売り)

※ブロケード工房は主に縮緬を扱っていますが、内布に縮緬は不可ですので、あくまでも薄手地をお選びください。

 

あざらし堂(レーヨン:縮緬柄物)

※あざらし堂の縮緬は、細工に適した細かい柄物が多いので、筥迫などにお勧めです。

 

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