『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
遅くなりましたが、2022年5月13〜15日で行われた『第4回お針子会刺繍教室作品展』の様子をレポートいたします。
場所は前回と同じく池袋の「ORANGE GALLERY」です。
今年は開催の3日間の天気予報があまりにも悲惨だったのですが(フタを開ければそれほどのこともなく)、でも何より駅の目の前というのが利点のギャラリーです。
右端の額はいつも袋物刺繍でおなじみのM.Wさんの作品で、根津神社の「花御札(はなみふだ)」の図案を刺繍したものです。
私がこれを見ながら「昔から花御札を揃えたいと思っているけれど、毎月神社に行くのもね〜」と言ったところ(一応クリスチャンなので)、もういらないからと元の木札を全部くださいました。ありがたや。
(早速工房に飾らせていただきました。あくまで飾り物としてね!)
こちらの七五三の着物は、お針子会の石井先生の作品。
一見、お地味に見えますが、大人用の総絞りの着物を四ツ身に仕立て直したもので、お花の部分は別の着物にあった柄に刺繍し、それを切り付け(アップリケ)したそうです。
和裁師さんならではの作品です。
袋物コーナーはこちらです。
天気が悪いにも関わらず、多くの方にご来場いただきました。
本当にありがとうございました。
下の棚に置かれているものと、額装のものは新作ですが、額装の間に飾られた作品は過去の作品です。
ちょっと展示数が足りなかったので、過去作も出してよしと先生に言われありがたく飾らせていただきました。
でも結局、後から追加作品が出てきたりで、またしても詰め詰めの展示になってしまいました(汗)。
毎回、もっとゆったり飾ったら?と言われるのですが、生かされていないですね〜
右上の額装は私の作品(今回の新作はこれだけ)。
こちらはまた別の機会に掲載します。
実は私は前回(4年前?)の作品展以降、刺繍教室をお休みしていました。
「Rom筥さんが教室に出てこないと、袋物を作りたいという人が出てこないのよ〜」(矢部先生)と言われました。
でも今はN.Nさんが刺繍教室に加わられたので、私が休んでも袋物刺繍の伝道に励んでくれることでしょう。
私は今回の作品展後にまたしても休むつもりでいたのですが、なんとなく刺繍の楽しさがまた蘇ってしまい、今は引き続き婚礼用の鶴図案で作品作りを始めました。(出来上がりいつになることやら〜)
左の額装がN.Nさんの作品で、下の2点は先ほどのM.Wさんの作品。
定家文庫は今回の袋物コーナーの目玉です。
いつかきちんと撮影した画像を掲載したいと思いますが、今回はこちらの画像だけでお許しください。
それにしても、定家文庫はやはり立派で見応えがあります。
こちらはN.Nさんが苦労して刺繍&仕立てまでをした江戸型の筥迫で、KUIPO所蔵(旧徴古裳コレクション)の写しです。
刺繍は始めてまだ2〜3年ぐらいと思うのですが、ここまで作ったことに本当に感心しました。
玉縁の段ぼかしも、2色の房も、全てN.Nさんが染めています。
黄変した筥迫の地色に合わせて、房の白も薄っすら染めています。
それを教える私も、ここ最近は染めの研究ばかりしていました(汗)。
筥迫工房の教室で教えている袋物細工というのは、「貼り込み」だけではなく、その他の要素も多く含まれています。
専門の人に頼もうにも、こんな少量をやってくれる職人さんなどいないので、結局全ての要素を自分自身で行わざるをえません。
つくづくマニアックな世界だと思いますが、ここでは沼が深ければ深いほど喜んでその身を沈めに来る人たちが集まっています。なんて恐ろしい世界!(笑)。
私以外でこの江戸型を作ったのは彼女が初めてですが、N.Nさんは教室でも工芸コースに属しているので、仕立てにはかなり慣れています。
最近は教室でも工芸コースの人が増えつつあるので、今後はこのような江戸型の筥迫画像がネット上にたくさん出てくるかもしれません。
楽しみですね。
前回、人気のコーナーだった「Madam.K」のSD(スーパードルフィー)の作品はありません。
彼女はファンが多いので、作品展に出す前に売れてしまったそうで、出品するものがなかったのだそうです。
次回は是非出品していただきたいです。(Madam.KのTwitterアカウント:@MadamK13)
定家文庫のM.Wさんも作った作品を次々差し上げてしまうので、作品展まで留めておくのが大変です(苦笑)。
せめて多くの人の目を楽しませてからにしてほしい〜。
作品を画像で見るのと、実物をその目で見るのとでは迫力が全然違いますので。
正統派の日本刺繍作品。
私も日本刺繍を始めて10年近くになりますが(間4年休み)、いまだに着物も帯もバッグも作ったことがありません。
他の教室で日本刺繍を習う人たちも、着物や帯の刺繍をする人が減って、額ばかりをやりたがると聞いたことがあります。
これも時代の流れでしょうかね。
だからこそ、今こそ日本刺繍は袋物細工だ!と一人息巻くrom筥です(笑)。
日本刺繍と袋物細工は本当に相性がいい。
小さい世界にエネルギーが凝縮され、圧倒的な存在感を放ちます。
まるで布と刺繍でできた宝石のようです。
展示をすれば、そこに惹きつけられる人は多い。
いつか筥迫工房主催で、袋物だけの展示会を開きたいと心から思いました。
しかし、このように小さいものばかりを飾るって大変なんですよね。
現在このような展示はここでしか見ることができませんが、今後は日本刺繍に携わる人の間で「日本刺繍の袋物細工」作品を作りたいという流れが起これば、この魅力ある袋物作品をたくさんの方に見ていただく機会を増やすことができます。
しかし「刺繍したから仕立てて」と渡されて簡単に仕立てられる世界ではなく、かなりの打ち合わせを要します。
同時にこの袋物細工を仕立てられる職人を育て、増やしていくことも今後の私の課題です。
まだまだ、筥迫は続くよどこまでも!
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私が通う、お針子会の刺繍教室の作品展が久々に開催されます。
はがきができたので、ブログでも掲載させていただきます。
刺繍教室に久々に復帰して筥迫刺繍をした感想、、、日本刺繍ってやっぱりマゾだわ、、、(だから好き♡)
皆さん、日本刺繍やりましょうよ!
そして日本刺繍と袋物細工はとても相性がいい!
もっと日本刺繍の袋物細工が世の中に出回ることを心から願っています。
でもあまりにも手間がかかるから、売り物にするには難しいんですが(あまりにも高価なものになってしまうので)。
だからこそ一般の人が作る価値がある。
と私は思います。
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今年の1月に「講演会」と「手作り体験」が行われました。
この講演会は地域の図書館からご依頼いただいたものですが、上画像の日程は2021年、つまりちょうど一年前のものです。
実はコロナの蔓延防止時期が重なり、2回の延期の後やっと一年後の今になって実現したのでした。
とはいえ当時も今もコロナ蔓延の状況に変わりはなく、定員はささやかに10名のみの募集ということだったので、おかげで初めての講演会は気楽にのぞむことができました。
感染防止のため席の間が広い!
なんて贅沢な会場の使い方。
筥迫工房なので、もちろん女持ちの「懐中物」の筥迫や鏡入れなどの話をメインにしているのですが、ここに「日本文化」とあるように、ただの懐中袋物に絞った話ではありません。
参加者の皆さんにお配りしたのは、当時の浮世絵画像などの他に、江戸時代から今日に至るまでの10年単位で区切ったオリジナル「年表」!
この公演の内容はね、実はこの「年表」がとても重要なのです。
「貼り込みの袋物」は日本文化を知ること
私が筥迫作りを始めたのは、今年成人式を迎えた娘が七五三になる直前からなので、今から12〜3年ほど前のことになります。
その当時であっても筥迫作りを教えてくれる先生などいるはずもなく、何もない真っさらな状態から始めた活動でした。
初めての筥迫(七歳用)作りは、ただ型に仕上げただけの単純な作りだったので、それほど苦労した感はなく、当時テクニカルイラストの仕事をしていたのでマニュアル作りもその延長という感じでした。
講習会が始まると、筥迫を習いに来てくれる人が順調に増えました。
そんな筥迫作りの面白さを知った人たちから、「貼り込み面白い!もっと違う型が作りたい!」と言われるようになりました。
当時、筥迫を作ること以上のビジョンは全くなかったので、そのようなことを求められることがとても意外でびっくりしたのを覚えています。
そこで慌てて作ったのが「三段口扇襠筥迫」でした。
その後は「筥迫を作ったから懐剣がほしい!」との要望を受けて「婚礼用和装小物の作り方」を作り、次は婚礼コンビを離れて「念珠入れ」→「携帯裁縫用具入れ」と作り続けました。
三段口扇襠筥迫は私のオリジナルでしたが、その後は古い本を手当たり次第入手して、昔の袋物の型を再現するための研究が始まりました。
そうなると貼り込みにがぜん興味を持ち出した受講者たちから、貼り込みの更なる技法や歴史に及ぶ質問が毎回出てきます。
これには困った、、、、。
当時の私はただ「筥迫の組み立て方」を教えるぐらいのレベルだったので、そんな専門的な知識はありません。
そもそも私には知識の伝統、伝承をしてくれる先生がいないので、とにかく自分で一から調べなければなりません。
そこからは、貼り込みの技法は無論のこと、着物の世界に関する知識、そして現代人から見るととても不思議に見えるこれらの型が生まれたその時代背景に至るまで、広範囲に渡る研究が始まりました。
最終的には一人でこれらを調べることが立ち行かなくなったので、それまでの間に知り合った知識欲旺盛な方々の協力を経て「筥迫工房資料部」(非公開)を立ち上げました。
そこで一緒に資料を集めまくり、文献に残っていないものまで立証をするまでに至りました。
日本ならではの袋物文化はそれぞれの時代の中で変化していくのですが、この袋物を通して見る日本の歴史がとにかく面白い。
今までこのブログでもその片鱗はかなり書いてきたつもりですが、ブログはあくまでブツぎりのエッセイ形式なので、全体的な流れまでを書き切れるものではありません。
(論文仕立てにするほどの知力もなく)
講習会のときにも色々な話はしてきたのですが、物を作ることがメインの講習会では長々とした解説はできません。
袋物文化が発展し衰退していった中で、筥迫だけが近代でも生き延るきっかけとなった婚礼との関係、それを時代の流れの中で見るといかに納得いくか、そんな話をしたいという思いはずっと持っていたので、講演会のお話をいただいたときは二つ返事でお受けしてしまったという次第です。
人前で話をするのはある程度慣れているとはいえ、私の話を聞くためだけに人が集められるというのは初めての経験です。
果たして地域の図書館を利用する一般の人たちがこんなものに興味を示すのか?という不安もあり、もし全く人が集まらなかったらこのブログで告知しようかなどと考えていたのですが、私の心配をよそに定員はすぐに埋まったとのことで一安心しました。
このフライヤー(チラシ)は私が作ったものです。
たった10名集めるのに随分大袈裟なフライヤーですが、私の意気込みにつられて来てくれたのかもしれません(苦笑)。
今回集まった参加者の年代はたぶん私より年配の女性たちだったので、江戸時代の袋物に知識はなくても、維新以降の近年の袋物であれば、自分やその母親の年代の実体験としてわかる部分が多いので、間違いなく楽しめる内容だったと思いますが。
今時の自国礼賛の風潮に、日本人であることの誇りを感じる人も多いかと思いますが、実は時代の流れの中でバイアスがかかった事象は多く、現代人がイメージする昔の日本人像には意外と誤解も多い。
また現代人が伝統と思っている物の中には、人為的に始まっているものも数多くあります。
自然災害や戦争などをきっかけに、大きく価値観が変わったものもあります。
参加者たちからも「ええっ〜!(それホント?!)」という声が度々聞かれました。
ネットで検索しても普通に出てくるようなことでも、当の日本人に知られていないことってっ結構多いんですよね。
図書館の担当者の方からも「袋物の話かと思ったら歴史の話でびっくりでしたが、面白くて真剣に聞いてしまいました〜」との感想をいただきました。
私が心から面白いと思う内容を、皆さんが同じように共感してくださったことはとても嬉しいことでした。
ただちょっと時間が足りなかったな〜(1時間の予定が1時間半に)。
せめて2時間は喋りたかった(笑)。
手作り体験
手作り体験では「誰ヶ袖(片袖)」を作りました。
一時間で作るというものだったので、ある程度のところまではこちらで用意して、そこから参加者に体験していただくということをしました。
(それでも実際は1時間半かかった、、、)
通常の講習会なら私の周りに集まらせて作業を見せてから、「ではこれを作業してみましょう」という感じで進めるのですが、今はコロナ禍なので密は避けなければなりません。
そこで、大きな紙でできた誰ヶ袖を作って、それを組み立てながら指示をしていきました。
参加者には定規とボールペンだけは持参していただきました。
本当はハサミも持参していただきたかったのですが、図書館ではハサミを持ってきてもらうことは禁止(?)とのことで、上記の道具のみこちらで用意しました。
竹べらは竹串で代用。
100円ショップでくじりの目打ちも売っていてびっくり。
(以前はキリ状の細目打ちしかなかったのに)
講演会では江戸時代からの袋物の話をしたので、誰ヶ袖はそれよりずっと古い「室町時代」のものという話をすると皆さんびっくりしていました。
「誰ヶ袖」を手作り体験にしたのは正解でした。
出来上がって拍手が湧きます。
ああ、こういう雰囲気懐かしいなぁ。
簡単な誰ヶ袖ではありましたが、1日(今回は1時間半ですが)で作る講習会の良さはこの達成感ですね。
図書館でやるのだから、ここは『嚢物の世界』を用意しておいてもらわなくちゃ!
時代の波に消えていった「袋物細工」ですが、筥迫工房の活動はこれを一つの「カルチャー」としてもう一度再生させること。
そのためには、この知られざる「日本の文化」をもう一度見つめ直し、袋物を作りながら共に袋物文化を楽しむというカルチャーに育てていけたらと思っています。
今回の講演は実際にやってみてとても意義のある内容だったので、いつか筥迫工房独自で企画した講演会など開いてみたいものだと思いました。
実現したらいいなぁ。
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先日、念願だった江戸更紗の型染め体験に行ってきました。
東京は下落合にある「染の里おちあい(二葉苑)」さんです。
大正9年に落合で開業した新宿区内でも古い歴史をもつ染色工房です。
東京のど真ん中にこんな場所があるなんて信じられないぐらい、とても雰囲気の良いところです。
テレビなどでも度々紹介されていますし、体験コースも豊富なので、行ったことがある方も多いのではないでしょうか。
入ってすぐ左が染色工房で、右側は藍染体験のための藍がプランターで育てられていました。
その奥には水場があったり、染め物の材料や小物が売られているショップがあるというとても素敵な場所でした。
更紗(さらさ)とは、このようなエキゾチックな図案が特徴的ですね。
これらは全て型を使って染められています。
柄が細かくなればなるほど型(版)の数は多くなり、緻密な模様を描き出します。
部分的に筆描きされているのかと思っていましたが、色の濃淡も全て版を重ねて表現されていると知りました。
(染色体験ではこんな細かい柄はやりませんが)
以前、講習会に来られた方が、更紗の型染めを習っていると言っていたので、多分ここに通われていたんでしょうね。
当時はその話を聞いて、更紗なんて習う人がいるんだ!と思ったのを覚えています。
なぜかそれが強く印象に残っていたんですね。
昔の袋物にも和更紗が使われたものがありますが、その話を聞いてからか、やたらと更紗が可愛く見えてしまって、いつかやりたいと思っていました。
コロナでなければきっともっと多くの方が体験にいらっしゃるんでしょうね。
型は全部で14枚だったか?
順々に色を重ねていきます。
一枚ずつはこんな感じの版ですが、一色加えるごとに表情が変わっていくのが面白い。
1版ずつ撮影しようと思ったのに、つい夢中になって、気がつけば全部終わっていたという、、、。
季節によって配色はかわるそうですが、私はかなり薄めだったようで(刷りの力加減によって色の強弱が変わる)、なんだか水彩画みたいに仕上がりました。
お隣さんはもうちょっと濃い色に仕上げていて、それだけで随分と印象は変わります。
もう少し濃くてもよかったかな?
至れり尽くせりに準備されているので、お気軽な体験ながらかなり満足感がありました。
通常は左の蒸し器で蒸してから、ここで水洗いするようですが、体験のものは5分蒸すだけで出来上がりでした。
ショップでちょっと商品を物色している時間で出来上がるといった感じ。
更紗の端切れも販売していましたが、それほど数はなく、毎年1月に端切れ市のようなものが開催されるそうなので、その時にまた是非来たいと思いました。
(更紗の袋物作りたい!)
この窓の裏にすぐ川が流れています。
「落合」という地名の由来は、「神田川と妙正寺川が落ち合う場所」から来ているそうです。
その昔はここで染色したものを洗い流していたのでしょうか。
落合ならほんの数時間で行って帰れる距離ですが、それでも仕事の用事以外で出歩くことなんてホント久々です。
天気もよく、束の間の初夏の爽やかな日差しに幸福感を感じてしまいました。
またこれから引きこもりの自粛生活に戻ります、、、(は〜)。
早くこのようなことが気軽にできる世の中に戻って欲しいですね。
テーブルセンター更紗型染め体験 2時間:2,900円
オンライン講座 進捗状況
5月にはオンライン講座を公開するとか言っておきながら、
当初は自分で単純な動画を作るはずだったのですが、
講座の動画以外にも、他のコンテンツ(
それに加え、初めはどのようなやり方がいいのか試行錯誤で、
多分それも初めのうちだけと思うので、やり方が確立してしまえば後はコンスタントに進めることは出来ると思
しかしこんなのばっかりやっていると、
動画の初めは誰ヶ袖の「片袖」からなのですが、先日教室の生徒さんとそんな話をしていたところ、
袋物として作りやすいとか、楊枝入れが上口からの出し入れだったりで問題なく作業していましたが、言われてみれば確かにそうですね。
しばらくモノを作っていなかったので、ここぞとばかりに上口なしの一枚布仕立てというパターンも作ってみました。
しかしながら、一枚布で作ると「ひっくり返し」が前提になるので、「貼り」よりは「縫い」だろうということで、こちらは「縫い」パターンにしてみました。
「片袖」は簡単に作れるので、大量に作って周りの人に配りまくる!という方が多く、それなら「縫い」の方が遥かに時間短縮で作ることができます。
ということで、この「縫い」のパターンを講座のおまけで付けてみるかな?と思案中です(まだ未定)。
しかしこの「片袖」に限っては、
こんな単純で小さな袋物ですが、そんな思い入れの詰まった型なので、
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6月に入ったある日、掲示板でお馴染みのあちはさんから、
「銀座のはこせこ姫美術館に行ってきました!」
との報告をいただきました。
それは何ぞ?と思ったのですが、お話を聞いてみると、私もかすかにその存在を知っていた日本一の筥迫コレクターが、今年2月に私設の美術館を開廊されたとのことでした。
そのコレクターの名前は杉本(清水)国子さん。
私がその存在を知ったのは数年前で「なでしこきものサロン」というお名前で存じ上げていたので、私は杉本さんのことをつい「なでしこさん」と呼んでしまうのですが、はぐれ猫さんによりますと、骨董業界では精力的に筥迫収集をされている方として有名なのだそうです。
なでしこさんがいつか本を出すという情報までは掴んでいたものの、その後の消息は不明。
ネットで筥迫をうたった目立った活動はされていなかったので、連絡を取るきっかけもなく今に至っていましたが、先日あちはさんからそのなでしこさんが美術館を開いた話を聞き、ついにこの日が来た!と身が引き締まる思いがしました。
どんな方かもわからない、だけど想像するだけでとんでもなく凄そうな筥迫コレクションを見ることができる!という期待と。
そして早速なでしこさんに連絡させていただき、先日訪問を果たしたのです。
この訪問に先立ち、一人で行くよりも研究目的で何人かで行った方が良かろうと思い、かねてより私が勝手に妄想していた資料部のメンバー3名に声を掛け(許可なく勝手にメンバーにしていたということ)、急遽実現化した面々と共に「はこせこ姫美術館」を訪れたのです。
はこせこ姫美術館は、銀座一丁目から徒歩1分の立地にあります。
メルサのそば、KIRARITO GINZAの裏という感じです。
アンティークモール銀座からも近いです。
詳しくは以下ご覧ください。
直接ご連絡の場合はこちらから。
Facebookからの連絡はこちらから。
開館時間は、基本的に第二水曜朝10時半〜16時。
金・土曜の13時半〜17時半。
日曜日は隔週予定。
これ以外の日時は、個人美術館のため時間指定や延長が可能ですのでご相談下さい。
また、ご来館の際は事前に電話かこちらのページへのメッセージで連絡を下されば、確実です。
(なでしこきものサロン・はこせこ 姫美術館 概要より)
ビルの中の小さなお部屋に可愛らしく展示されていますが、実際にはとんでもない数のコレクションをお持ちなので、常に展示は変えていかれるのではないかと思います。
筥迫以外にも色々な活動を精力的にされている方なので、正直お会いするまでは不安な気持ちもありましたが、資料部のメンバーがきゃあきゃあ♡と筥迫に歓声を上げている姿を見てとても喜んでくださり、最後はとても和やかな気持ちで美術館を後にしました。
なでしこさんの最大の功績は、貴重な筥迫をまとめて所有しているということだと私は思います。
分散して個人のコレクターの手に渡ると、その作品を見る可能性はほとんどありませんから。
大きな美術館、博物館でさえ持ち得ないほどの価値あるコレクションを、何十年もかけて相当のご苦労をされて収集されています。
しかしながらここを訪れる方は筥迫に関心がある方ばかりではなく、これまで心ない言葉を掛けられることも少なからずあったとのことでした。
このブログを見ているような方なら一も二もなく「行ってみたい!」と思われるかもしれませんが、貴重なお時間を割いて、無償で価値のあるコレクションを見せてくださるのですから、それをよく理解した上で敬意を持って訪問していただければと思います。
(個々に対応されるので、必ず予約してから行ってくださいね)
筥迫工房資料部発足!
なでしこさんも長年筥迫の研究をされていらっしゃいますが、私の研究は筥迫や袋物を作る立場から探るものなので、また少し方向性が違います。
いつもブログを書きながら色々なところから引用を用いますが、その資料をまとめるでもなく、何となくこんなことが書かれていた、だけどどの本に書いてあったかわからない、、、ということで、毎回積み上げた本類をひっくり返しながら資料を探し回ります。
こんな時、筥迫資料のデータベースがあったらどんなにいいかといつも思っています。
私が講習会やブログなどで、こんなものを探しているんだよね、知りたいんだよね、興味あるんだよねという話をすると、それに食いついてきてくださる方がいます。
いつもこまめに資料や情報を提供してくださるはぐれ猫さん、浮世絵や絵画の中から袋物を探してくださるN.Nさん、そして出版物や著作権を専門とする潮さん。
この三人で勝手に筥迫工房資料部の打線を組んでみました。
今までたった一人でコツコツと資料を探し回っていた私にとって、このような方々の存在はとてもありがたいものです。
当初はただ娘の七五三ために筥迫を作ってみたいと思って始めた活動でしたが、手芸から技芸になり工芸に至り、その間で色々な資料を探し回り袋物に対する考え方を学びました。
私に師匠はいないので、これらの古い資料が命です。
過去に完全に消え去ってしまったものでさえ、現代の情報社会ではいとも簡単にそれを模したものが再現され巷に溢れます。
筥迫職人はいなくなったとはいえ、実際巷には筥迫はいくらでも出回っています。
ではこの筥迫職人という人たちが作っていた筥迫とはどのようなものだったのでしょうか?
筥迫は江戸と維新後、戦前と戦後で大きく異なります。
江戸型の筥迫はほぼ美術品、戦前の筥迫は工芸品です。
そして現代の筥迫は、、、手芸品、下手をすればおもちゃぐらい雲泥の差があります。
相応のサイズで胴締めでもつければ、いくらでもそれっぽくは見えるのでそんな物が溢れるのでしょう。
しかしそれが本当に筥迫なのでしょうか?
私も初めはただの手芸品として筥迫を作りましたが、そこから工芸に至る道を歩むことになるきっかけは、当時の資料などからそれらを作っていた職人たちの職業観、それを用いていた当時の日本人の価値観が見えてきたからです。
筥迫をただ作っていただけでは辿り着かない、そんな資料がたくさんありました。
その当時の筥迫や袋物を知ることは、当時の人々の生活や考え方を知ることです。
同じ日本人なのに、同じ土地に住んでいた人たちなのに、時代を違えて全く違う生き方をしている。これがまた面白い。
昔の日本人ってこんなことを考えていたんだ!そんなことにいちいち感動しながら筥迫や袋物を作ってきたような気がします。
現代だからこそ古い資料を簡単にネットから調べられたり、入手できたり、この時代だからこそ私が筥迫を作る意味があるのでしょう。
いつかこのような資料をまとめたいですね。
それには私一人の力では到底かなわないことなので、今後この資料部のメンバーの活躍が期待されるわけです。
とりあえず私は今、近代史を勉強しているところです。
こんなことなら子供のときにもっと歴史の勉強をしておくべきだったと痛感しますが、今私たちが土台さえ作っておけば、その後の人たちはそれを元に更に昇華していくことができるでしょう。
それを願って黙々と研究と研鑽を重ねるのみです。
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撫松庵さんからご依頼をいただき、デニム着物に合わせた筥迫を作りました。
本日2018年10月12日〜13日の二日間で、日本橋プラザビル3Fで開催される『ちょい、遊び展』に出品されると担当の方からお誘いいただいたので見に行かせていただきました。
正直、事務作業がたまりまくっている今、のんきに外に出るのもどうなのよと思いましたが、ちょっと変わった筥迫だったので、どのようにコーディネートされているのか興味もあり。
その前にプレスが出ているのを今日見つけ、なるほど〜と予備知識を入れてから出向きました。
いた、いた、入り口入ってすぐのところに。
撮影してブログに掲載してもいいですか?と聞いたところ「どーぞ、どーぞ」ということだったのでありがたくアップさせていただきます。
こっちのお姉さんの筥迫アップ撮るの忘れてしまったのでが、金のスタッズ付き!の筥迫です。
え〜っと、実は半襟もスタッズ付き!
びっくりするような発想ですわ。
数年前、最近はデニムの着物なんてものがあると聞いたときは、へ〜そんな素材が着物になるんだ〜などと漠然と思っていたものですが、まさか自分がその筥迫を作るはめになるとは。
(いつかデニムで作ってとか言われそう)
デニムに玉縁か!と思ったら、縁だけ色を挿しているようです。
こちら企画担当のAさん。なんておしゃれ♡
後ろ姿だけ撮影させていただきました。
「皆さん珍しがって触るものだから、もう入れ方がわからなくなっちゃって、、、」
う〜んほんとだ。
しゃちょこばって斜めに入っていたので、まずは中の型芯を取り外し、あら〜胴締めが逆さまだわ〜とセットし直し、奥に入り込んでいたびら簪を引き出しました。
刺繍の筥迫だったらお客さんも絶対触ったりしないものですが、こういうもので作ると気軽に触っちゃうのね〜とちょっと新鮮な驚き。
こっちなんてパイソン(蛇!)の筥迫ですわ。
その余った端切れで作ったのが二ツ折小被付筥迫です。
存在感出すためにちょっと大きめサイズに。
ジーンズということで、房は微妙に鉄紺と黒のコンビにしてみました。
帯はパイソン一匹分(3m!)なんだとか。
「こういう帯買う人ってどういう人なんですか?」とおそるおそる聞いてしまいましたが、これけっこうヒット商品なんだとか。
普通の着物にも合わせたりするそうです。
帯に仕立てているというよりも、ほぼヘビ皮のそのままのような始末の仕方。
折り返したらどうにも厚みがでるけれど、ままで使えば「作れるかも」と思ってつい引き受けてしまったのが運の尽き。
もともとサイビは革の材料店で売っているものなので、革の接着は問題なし。
仕立ても意外と問題なし、、、と思ったら、そうだ革といったらコバの処理が必要なんだった。
ということで、途中で必死に革の処理を調べまくってなんとかそれなりのものができました。
そういえば、これを作る前は日本刺繍の筥迫を作っていたというのに、なんたる素材の違いよ。
まぁ面白かったですが。
途中、新装大橋の社長さんにも紹介いただき(撫松庵やながもち屋は新装大橋のブランド)、もっと筥迫作って欲しいな〜なんてことを言っていただきましたが、いかんせん今のところ職人見習いが一人いるぐらいなので、なかなか数を作るのも難しいことをお伝えしました。
しかし、撫松庵のこんなかぶいたコーディネートを江戸時代の人が見たら、きっとすごく興味を持つでしょうね〜とそんなお話をしました。
ところで、撫松庵の男性用デニムは、社長さんと会長さん自らモデルされているんですね。
今日は会長さんはいらっしゃいませんでしたが、社長さんは蝶ネクタイにポップな柄のシャツの上からデニム着物、そして革の帯(ベルト)でした。
「ちょい、遊び展」は明日までなので、もし行かれる方がいればということで大急ぎで記事を書いてました。
これから実家の父の世話にいかなくては!
では、書き捨てごめん!
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▼筥迫掲示板
筥迫工房の教本や自慢の細工物を、皆さん自身で披露できる掲示板です。写真のアップロードが簡単になりました(一回の投稿で6枚掲載可)。丹誠込めて作った筥迫を大勢の人に見てもらいしましょう!
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作品展が終わり、しばし腑抜けていたrom筥です。
作品展前日までの孤独な戦いを終え、赤い目をこすりながら作品展初日を迎えました。
お見苦しい姿をお見せし、来ていただいた皆様には失礼をばいたしました。
おかげさまで作品展も無事終了し、作品展の追い込みでためまくっていた事務処理をこなしてから、落ち着いた気持ちで今回の作品展を振り返ってみます。
お針子会刺繍教室の第一回目の作品展が行われたのは、今から7年前の2010年のことでした。
その当時の私は、日本刺繍の筥迫を初めて作った!というレベルで、作品展では筥迫8点(矢部先生1点、midoriさん3点、rom筥4点)のみをただ棚に置くだけという極めてシンプルな展示でした。
それでも珍しい筥迫の展示に、
「きゃ〜筥迫だわ〜♡」
と人の輪が絶えない人気コーナーとなり、それが当時の私の励みになったことを思い出します。
びら簪を使った筥迫の展示は、びら簪が垂直に垂れる様が美しいので、どうしても壁面展示になります。
筥迫以外の嚢物は、型がシンプルなこともあって「背面」まで刺繍することが多いのですが、前回はそれら見えない面の画像をファイルにしてそばに置くことにしました。
その時の「裏まで見えたらいいのに〜」というお客様の声から、今回はそれらの作品を生かすため「鏡」を用いることにしました。
おかげさまでお客様からの評判は上々でした。
途中、若い男性が通りすがりにぶらっと入って来られました。
髪の毛を逆立て、高いブーツを履いた今時の若い子といった佇まいです。
嚢物コーナーで長く脚を止め、
「きれいですね〜!!いかにも日本の工芸って感じです!」
とやたら関心していた姿が印象的でした。
若い男性でも、こういうものを見ると素直に美しいと感じてくれるのだなとうれしくなりました。
壁面上段左から)
金風袱紗、江戸型筥迫、縢襠付筥迫(成人式用)、縢襠付筥迫(婚礼用)、四ツ襠紙入れ、縢襠付筥迫と懐剣セット(成人式用)
壁面中段左から)
縢襠付筥迫と懐剣セット(婚礼用)、紙挟み、紙挟み、四ツ襠紙入&扇子入&名刺入(三点セット)、縢襠付筥迫(七五三用)、携帯裁縫用具入れ
鏡棚左から)
三段口扇襠筥迫、櫛入れ、紙入れ、念珠入れ、式部型小物入、式部型小物入、延べ鏡
合計19点の展示となりました。
個々の詳細画像は、またゆっくりとこの後のブログでご紹介していきたいと思います。
同じお教室であっても、第一回は3名、第二回は5名、そして第三回目となる今回は11名の方が嚢物コーナーに参加してくださいました。
日本刺繍をする方でも、嚢物はせいぜいハンドバッグを仕立てに出すぐらいで、このような懐中物や小物の存在さえ知りません。
こうやってまずは地道に、自分の周りから嚢物というカルチャーを発信していくことの必要性を感じます。
中央で解説しているのは、ブログでもお馴染みのつる姫さん。
今回、嚢物コーナーには3点の作品を出品してくださいました。
もちろんその他の作品もたくさん作られていて、当日のお着物も帯も日本刺繍が施されたものです。
そりゃ日本刺繍の作品展なんですから、刺繍教室の面々の着物や帯に至るまで作品のうち。
えっ?私?
直前まで作品作りが常なので、自分の格好を考える余裕などなく、ど〜でもいいとばかりにいつもの格好。
見にきてくれた知人や家人曰く、
「こんな物作ってるんだから、もう少し自分もおしとやかなイメージを作った方がいいんじゃない?」
とありがたい忠告をいただきました(苦)。
いかにも筥迫を作っています!というイメージは嫌なので、あえてそうならないように心掛けております。
まだお会いしたことのない皆様には、変な先入観を持たれませんようお願い申し上げます(笑)。
左の帯は、今回の案内はがきに使われた矢部先生の作品です。
筥迫より大きいとはいえ、それでも気が遠くなるような手の込んだ豪華な作品です。
そういえば、このショールの房は私が依頼を受けて付けたものでしたっけ。
極細の打ち紐を使った七宝編みです(一度やってみたかった)。
そのままでは使えないので、あの手この手で房になるまで苦労しました。
は〜美しい帯の数々。
私は日本刺繍を初めて8年ほどになるというのに、未だに帯も着物も刺繍したことないという珍しい人間です。
マダムKの「SDコーナー」(スーパーフドルフィー)も相変わらずの人気でした。
若冲の図案を元にして作られた額作品。
とても刺繍したものとは思えない。
こちらもお馴染み、和裁教室の石井先生のこだわりの作品。
野菜作りがご趣味の石井先生は、趣味が高じて畑仕事用の別荘を持つほど。
ご自分の畑で作られた玉ねぎの皮2年分を使って染色し(染色もご自分でされている)、そこに日本刺繍をあしらって(もちろんこれもご自分でされたもの)、それを自分で仕立て(本業)、それを自分で着るという究極の手作り派。
玉ねぎでこんな深い色になるまで染めるというのは、相当量の玉ねぎが必要だそうです。
日本刺繍は恐ろしく手間のかかるものです。
簡単な手芸というには、ちとレベルが違う。
矢部先生曰く「どんなレベルの人も、10年やっていれば大概上手くなる」そうです。
刺繍教室の人たちも、ゆっくりと上達していくことを楽しんでいるようにも見えます。
効率が美徳とされる現代社会において、決して実用的でないと思われる日本刺繍。
こんな手間暇をかける自分に呆れてしまうこともありますが、それでも絹糸の光沢感から生み出されるこの美しい作品を、自分の手で作りあげたのかと思うと、日本に生まれて良かったという満足感を感じずにいられないのですよ。
日本刺繍と嚢物。ちまちまと美しい世界。
ただ眺めているだけで、忙しかったそれまでの時間が吹き飛んでしまいます。
お忙しい中ご来場くださった皆様、本当に本当にありがとうございました
2018年筥迫講習会スケジュール
2018年度の講習会スケジュールをショップの方にアップしました。
詳細はまだありませんが、日程はこれで確定です。
1)申し込み開始日が入りました。
とりあえず、年明け1月の講習会申し込みは以下の通りです。
1月6日(土) ◎2 金封袱紗(懐紙挟み)(申込:2017.12/4)
1月7日(日) ○1 指貫と糸切ハサミ入(申込:2017.12/7)
1月8日(月祝) ☆4 携帯裁縫用具入(申込:2017.12/12)
2)日程変更になったところがあります。
11月開催が未定になっている「筥迫装飾」の講座ですが、前回ブログで公開した23日から18日に変更になりました。
6月の同講座が決定されれば11月も確定になるのですが、4月頃までにがんばって用意します、、、。
3)予約方法を戻します。
今年から予約を「専用画面」にしていましたが、講座数が増えたことによりそれぞれの申込日が近くなってしまうという不具合が、、、(つまり次の画面に変えられない)。
ということで、やはり元の「詳細画面」(それぞれの講座の詳細画面)での予約に切り替えることにいたします。
(※やはり今年の申し込み方法でいきます。情報が錯綜してごめんなさい。2017.11.24)
申し込み時の「カート」ボタンがわかりにくいようで、申込日の朝になると「カートが開かない!」というクレームが多かったので(夜中の内に満席なんだけどね)、もう少し目立つようにと今年はやり方を変えました。
色々と行ったり来たりですみません。
コース説明や予約の方法を近日中にわかりやすく作り直しますので、もう少々お待ち下さい。
▼筥迫工房のお店
▼筥迫掲示板
筥迫工房の教本や自慢の細工物を、皆さん自身で披露できる掲示板です。写真のアップロードが簡単になりました(一回の投稿で6枚掲載可)。丹誠込めて作った筥迫を大勢の人に見てもらいしましょう!
▼携帯からも筥迫掲示板2に投稿をアップロードできます。
こちらのQRコードからアクセスしてください。
▶筥迫工房へのお問い合わせ
※時々ショップからのご注文確定メールが届かないことがあります。
そのような場合も、こちらからご連絡ください。
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お針子会刺繍教室の作品展が昨日(11月11日ポッキーの日)より開催しております。
詳しいレポートはまた後日として、本日は取り急ぎ筥迫関連のトピックスのみで失礼いたします。
嚢物コーナーは前回展示の場所から、向かい側の壁面に展示されています。
反対側の同スペースだと思い込んでいたのですが、実はパネル1枚分広いということに当日になって気がつき焦る、、、(汗)。
会場前の約3時間で会場を準備するのですが、予想外のことが重なりお客様が待つ開催時間ギリギリでなんとかセッティング終了。
前回は余裕で終わって、会場前の時間に隣のレストランで昼食をしていたはずなのに、今回は昼食抜きでお客様をお迎えすることになりました(途中でつるひめさんにミニおにぎりをもらって空きっ腹を満たす)。
今回の嚢物作品は背面までフルに刺繍が埋め尽くされたものが複数あったため、これをファイルのみで見せるのはあまりにもったいない(嚢物の中を説明するための画像は展示棚下にファイルを用意)。
そこで今回は「鏡」を使って背面までしっかり見えるように展示することにしました(要は合わせ鏡ですね)。
通りがかった外国のご婦人が、布を埋め尽くして刺繍を見て感嘆の声を上げていました(ご自身もクラフト系のホビーをしているとのこと)。
小さな作品に込められたエネルギーは、見る側にも大きな作品に劣らない威力を与えると思っています。
前回までは筥迫中心の展示でしたが、今回は様々な型が出品されています。
現代ではすっかり途切れてしまったカルチャーなので、まずは自分の身近な人たちの理解が何よりも必要です。
しかしながら、小さな筥迫とはいえ仕立てにはバッグを仕立てるぐらいの(もしくはそれ以上)の料金がかかることにも理解が必要。
そんなことから、初めの頃は刺繍教室の人たちでさえ嚢物に興味を示す方はほとんどおらず、初回の作品展では矢部先生とお馴染みmidoriさんが筥迫を作ってくれるのみでした。
それが3回目ともなると色々な方が作品を作ってくれるようになり、やっとここまで来たなとまたしても感慨に浸るrom筥。
(刺繍教室の皆さんにも感謝!)
暗い我が家の作業室でチクチクと刺繍していた作品が展示の照明に照らされると、平糸のグラデーションや細かい金糸使いがライトやガラスの反射で小さくキラキラと光り、全く違う作品に見えるのが不思議です。
「刺繍教室で見た時より、形になると何倍も素敵に見えるわね」(刺繍教室の友人)
たぶんそれ、照明の効果も何割かはあるとおもいますけど(笑)。
いつもブログで作品を見てくださっているという方も何人かいらっしゃいました。
「実際の筥迫ってこんなに厚みがあるんですね。画像だけで見ていたのでずいぶんと印象が違います」
確かに、画像というのは立体感を表現するのは難しい。
実物の印象はかなり違うようです(私は見慣れているからわからないけど)。
また、日本刺繍の美しさは絹糸の美しさなので、光が当たる様々な角度から見ていただけると表情が変わります。
是非一つの視点からだけでなく、視点を移動させながら見ていただけると、その美しさがより一層理解していただけると思います。
こちらはお馴染みマダムKのスーパードルフィー(SD)。
今回の展示は2体。
お出かけ着と室内着だそうです。
このような作品群は他ではまず見られないと思いますし、今回は他の刺繍作品も華やかなデザインのものが多い。
ご興味にある方は是非足をお運びいただければ幸いです。
マダムKもrom筥も毎日おりますので、是非お声がけくださいね。
開催時間は12:00〜18:30まで。
最終日のみ閉場が17:00になりますので、お時間お間違いなく。
他の作品も作品展後に詳しくレポートさせていただきます。
今回は取り急ぎこれまで。
私はこれから会場に向かいます。
それでは会場でお会いいたしましょう!
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今回は私の通う刺繍教室の作品展のご案内です。
11月11日(土)〜14日(火)まで、池袋のオレンジギャラリーで開催されます。(11月11日はポッキーの日!覚えやすい)
今回の嚢物コーナーは定家文庫などの大物の出品はないのですが、花嫁筥迫2組を含め小さな袋物が色々と出ます。
こんなときに限って
7月末、手を着いて立ち上がろうとしたところバランスを崩し、右手親指にグキッと嫌な音が、、、。
当初はそれほど大したことはないと思いテーピングのみで対処していたのですが、結果「捻挫」と診断されました。
すぐに処置しなかったことで「治るのに当分かかるよ」と言われ、がっちり包帯で固定された手と、次々と納品される刺繍裂の山を見て焦る毎日。
無理に使えば腱鞘炎かバネ指になると脅され、和裁の先生や刺繍の先生がそれらで苦労していたのを思い出す。
あれだけは避けたいと思いつつも、こういうときに限って作品展以外の仕事も重なっているもので(泣)。
それでも仕事は待ってはくれない。
親指の付け根を包帯でぐるぐる巻きにして固定していれば、指先は使えるのでやりにくくはあるものの作業ができない訳ではない。
私が扱う物が全て小さく軽いものだということが本当にラッキーでした。
縫うのは貼るより辛い
意外に辛かったのが針を持って「縫う」作業。
「かがり」はヤットコで引き抜いて何とか作業したものの、困ったのは懐剣入れ。
婚礼用和装小物の教本では、ミシンで縫ってひっくり返す方式で解説していますが、これだと厚みのあるものはできない。
(マイナーチェンジの印刷が遅くなっていてごめんなさい)
最近まで貼り込みで作っていたのですが、仕上がりが固くなるので嫌というご意見もあり、今は手縫いで作っています。
今回作業したのは、つる姫さんからご依頼いただいた婚礼用筥迫&懐剣セット。
婚礼用の筥迫といえばお決まりの白の「塩瀬」。
貼り込みでも刺繍でも塩瀬はよく使う生地だけれど、こんなに縫いにくいものだとは思わなかった、、、
後日、つる姫さんに「縫い物だったらやってあげたのに〜」と言われ(和裁の人)、友達のよしみで頼めばよかった。
そして何とか先週の土曜日に、第一弾の計7点を納品することができました。
と思って家に帰ると、すでに次回の刺繍が届いていた、、、。
直前納期のものを来月に控えているので、これはとにかく今月中に仕上げてしまおう。
ありがたいことに手は段々と良くはなっているので、これからの作業はもう少し楽になることでしょう。
自分のものは後回し
こんな状況なので自分のものは後回し。
去年のらりくらりと刺繍していた「櫛入れ」。
面積は狭いのに刺繍がやたらと細かいとはいえ、こんなものに一年もかけていた自分が馬鹿だった。
これをさっさと仕上げていれば、仕事で依頼されていた舞台用の筥迫を出品できたのですが(許可済み)、これは残念ながら没。
とりあえず時間稼ぎに御所解模様のはぎれにあしらいをした「式部型小物入れ」の刺繍裂はできた。
今は依頼物と講習会の合間に、細々と「扇子入れ」「名刺入れ」「四ツ襠紙入れ」の三点セットを刺繍しているところ。
しかし今は秋の婚礼シーズンで、一年の中で筥迫教材の需要が増える時期。
ネットショップの準備はヘタをすると1日がかりになることもあり、こればかりは読めないので、今年は駆け込みで筥迫を作る花嫁さんが多くないことを祈るばかり。
実は先月の講習会前に実家の父が倒れることもあり、入院はなんとか回避したものの超絶焦りました。
父のことに気が取られ、講習会で包帯巻いているワケにもいかず、自分の手を放置していたんだっけ。
こういうときは福沢諭吉先生の、
「とかくあまり人生を重くみず、捨て身になって何事も一心になすべし」をつぶやくのでした(遠い目)。
一心は心掛けても腱鞘炎に移行しないよう、慎重に作業しようと思います。
講習会申し込み近況
とはいえ、現実は合間合間に講習会も入ってくるワケで。
最近はやっと講習会の申し込み状況も落ち着きをみせています。
相変わらず入門コースの「金封袱紗」は取りにくいようですが、初級コースの携帯裁縫用具入れは現在まだ席が空いています(残1席)。
筥迫コースも満席ではありませんので、今後は講習会直前でも空いている可能性が大です。
開催側とすれば席がフルに埋まっている方が良いのですが、予約開始と共に席が埋まってしまうという殺伐とした状況は、予約が取れない人たちの不満を抱え込み、講習会にピリピリとした雰囲気も出てしまうので、今後は席が埋まらずとも気楽な雰囲気でやっていきたいと思っています。
来年初めは金封袱紗をまとめて入れようと思っていますし、そうしたら来年はもっと気軽に(夜中に待機しなくても)お申込みいただけるようになるのではないかと思っています。
そういえば、来年のスケジュールもそろそろ出さねばならないんでしたっけ。
う〜ん、もう少し待って、、、。
▼筥迫工房のお店
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筥迫工房の教本や自慢の細工物を、皆さん自身で披露できる掲示板です。写真のアップロードが簡単になりました(一回の投稿で6枚掲載可)。丹誠込めて作った筥迫を大勢の人に見てもらいしましょう!
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