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金沢 『飾り筥展』レポート その3
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    金沢『飾り筥』展を離れて、金沢記を書いてみます。

    金沢は初めて訪れた地ですが、京都などとは違う、これまた次元の違う文化の街という印象を感じました。

     

    ほとんどは会場に詰めていたので、ゆっくり金沢を堪能とまでは行きませんでしたが、これから金沢を訪れたいという人の参考になればと書いてみます。

     

    10月14日(金)

    つる姫さんと二人で大宮から新幹線に乗り10:00ごろ金沢到着。

     

    まずは金沢駅中の名店街『あんと』をリサーチ。

    ここだけで、すでにお上りさん気分が上昇するほど名菓が充実していました。

     

    私のお目当は、いつも中山先生が東京に来られるときにお土産にいただく、芝船小出の『山野草』。

    芝船が有名なようですが、私はこの山野草が大好きです。

     

    金沢に行く日が決まってすぐに、講習会の常連さんH.Sさんから「不室屋のランチに行きませんか?」とのお誘いがあり、ホテルや新幹線の予約を取る前に、ここのランチの予約を取ってくださいました(人気のお店なのね)。

    私たちはタクシーで向かったのですが、そのタクシーで運転手さんから夜の食事どころ情報を収集。

     

    金沢おでんを食べたかったので、会場近隣でオススメの店を聞いたところ、運転手さんからは「三幸(みゆき)」と「あまつぼ」を押されました。

    果たして当日予約は取れるのか、、、。

     

    H.Sさんとは不室屋前で待ち合わせ。

    中の写真は不可だったのですが、なんとも可愛らしいすてきな御膳が並びました。

     

    三人とも介護生活なので、年寄りへの贈り物は、甘いものより、カロリーがなく、手軽で、柔らかいものが一番、ということで、お土産用に「玉の麩」を購入。

     

    そのまま三人で会場入り。

    多くの筥迫関係者においでいただき、ひとしきり筥迫談義。

     

    夕方までに集まった、マダムKを含めた面々で夕食時まで近くを散策。

     

    旧中村邸の裏側へ回り込むと、この不思議な空間はいったい何?という場所に通じていました。

    来館者自らが思索する場として利用することを目的に開設されたという「鈴木大拙館」の敷地に通じていたのでした。

     

     

    そのまま、近くのアンティークショップなどがありそうな商店街へ。

    東京のアンティークショップとは何かが違う時の流れとマニアックさ。

    地元の掘り出し物があるかと思ったのですが、以外とお値段高め。

    けっこう東京の方がお安いものなのね、、、。

     

    結局、希望していた金沢おでんの「三幸」も「あまつぼ」も予約が取れなかったので、プラス13の皆さんに勧められた居酒屋「長八」へ。

    お麩料理と治部煮などを堪能いたしました。

     

    さて、私以外の面々は何をお土産に買ったのかと聞いてみると、Eちゃんは地元限定色の糸と糸巻きを、つる姫さんは小さなお針セットを見せてくれました。

    そういえば、先に帰ってしまった刺繍職人のH.Sさんも、針を買い占めていましたっけ。

    金沢に来てそういうものばかりに目が行く面々って、、、。

     

    ホテルはつる姫さんが会場近くで予約してくれた香林坊の「東横イン」へ。

    お値段お安めで探してくれた宿でしたが、清潔感もあり、簡単な朝食も付いていて、泊まるだけなら何の問題もなしというホテルでした。

     

    ちょうど大相撲の金沢場所期間だったようで、おなじホテルにお相撲さんが歩いていました。

     

     

    10月15日(土)

    翌日は朝食を食べてすぐに、ホテルの裏手にある「武家屋敷街」を散策。

     

    つる姫さん曰く、このあたりの今の時期は 「弁当忘れても傘忘れるな」と言われるほど天気は不安定なようですが、この両日はなんとも爽やかな秋晴れで、気持ちのよい青空が景色に映えて写真日和でもありました。

     

    道すがら、おしゃれな外観に引き寄せられ立ち寄ったのは

    茶菓工房「たろう」。

    おしゃれな和菓子。おしゃれな包装。

    な〜んか東京とは違う。

     

    軽く21世紀美術館だけ覗いて、兼六園は時間がなくてあきらめ、二日目の会場に向かったのでした。

     

    あっと言う間の二日間でしたが、金沢って東京とほとんど変わらないような大都会でびっくり。

    ただし、一つだけ違うな〜と思ったことが。

     

    それは「自動販売機」が少ない。

     

    1分も歩けば次の自動販売機があるような生活に慣れていたので、喉が渇いてどうしよう、と思ったことがない。

    でも金沢に自動販売機が少ないんじゃなくて(たぶん普通にはある)、きっと東京が多すぎるんでしょう、、、。

     

     


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    【2016.10.16 Sunday 13:48】 author : Rom筥
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    金沢 『飾り筥展』レポート その2
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      金沢から東京に帰ってきました。

      たくさんのお客様に足をお運びいただき、黒子としても我が事のように喜んでおります。

       

      慣れないipadで撮影したところ、どれもピンボケでちょっと残念ですが、いつか作品を一づつ掲載させていただきたいとは思っておりますので、今回は雰囲気だけ感じていただければと思います(2016.10.15)。

      (どうやらiPadのアプリからの更新に対応できていないようだったので、再度画像入れ替えました2016.10.16)

       

      この『飾り筥展』によせて、主幹の中山きよみ先生のご挨拶文がありますので、今回は写真を交えながら転記させていただきます。

       

      -----------------------

       

      ごあいさつ

       

      本日はご来場くださいましてありがとうございます。

      今回の作品展「飾り筥」は、少し大げさに申し上げれば、40年の想いが詰まった作品展になりました。

       

      41年前「銀花」(1975年文化出版局刊)に16ページにわたり記載されている言葉に心打たれます。

       

      ちょうど同じ頃、ふっくらと、艶やかな絹糸で刺繍された、古い小袖や、筥迫、定家文庫、懐中物、などの嚢ものを、美術館、博物館でガラス越しに見た時、こんなに大事にされる美しい品々を、自分の手で作れたらどんなに素敵だろう、、、と思ったのが、日本刺繍入門の原点です。

       

       

      小袖では、実物大では大きくて一般の家庭では飾りにくいので、縦半分、横半分で製作しました。

      現在13枚できました!

       


       

      小袖と並行しながら、筥迫の夢も追いかけていましたが、お仕立てをお願いする方を探せないまま、30数年が過ぎていました。

       

       

      4年ぐらい前、ある方のブログから「筥迫工房」を知りヒットした時、「クイーポ資料館へ筥迫を見に行きましょう!!」の呼びかけを目にして、惹かれる想いで上京しました。

       

       

      この時お会いしたのが、今回、筥迫、定家文庫のお仕立てをお願いした「山崎先生」です。

      半分、押し付けるようにお仕立てをお願いしてから、4年近く沢山のご指導を頂きました。

       

       

      〜筥迫〜筥迫〜と、筥迫と心中するような毎日でしたが、終わってみれば本当に楽しく充実した日々でございました。

       

       

      後で分かったことですが、、、。

      上記の「銀花」に記載されていた「中村清コレクション」の作品は、「クイーポ資料館」に納められている事を知りました(同じ作品を2度見たことになります)

       


       

      41年前の「銀花」と「クイーポ資料館」が、ここで一つに重なり「筥迫工房」へと繋がり、今回の「飾り筥展」へと更に繋がりました。

      不思議なご縁で結ばれ、熱くなる思いでございます。

       

       

      沢山の方に助けて頂き、日本刺繍「飾り筥」展を催すことが出来ました。

      今回、「中山きよみプラス13」とグループ名を付けましたのは、この佳き日を全員で迎える事が出来ますように、、、との祈りでございます。

       

      そして今日、この場所で沢山の皆様にお会いできましたことを心より感謝申し上げます。

      ありがとうございました。

       

      ----------------------

       

      このご案内は受付のところに置かれていたものです。

       

      「これ是非読んでみて〜」と中山先生に手渡されるまで、接客に忙しくて目を通す暇がありませんでした。

      中山先生とももう4年近くものお付き合いになるのですが、改めてこのようなご縁があったことは必然と感じてしまいます。

       

      一言で筥迫展とは言いましても、これだけの数を制作し展示することは並の情熱ではできないことです。

       

      一般的な日本刺繍の作品展とは違うので、このように小さな展示品だけを展示する方法さえ試行錯誤だったと思います。

      一つのテーマを持って、更にこんな小さな作品群の集まりだからこその難しさ。

      これは、指導する先生の献身、生徒さんたちとの信頼、長年の理解、そして多くの人の協力がなくてはできなかったことだと思います。

       

      改めて、今回の「飾り筥展」の開催、心よりお祝い申し上げます。

       

      この規模で筥迫展を開催することは難しいとは思いますが、この作品展を通して筥迫に触発される方が増え、今後他の刺繍教室でも(もしくは他のカテゴリーでも)一点、二点と筥迫が含まれるようになり、一人でも多くの方に、かつて存在していた本来の絢爛豪華な筥迫を知っていただけたらうれしいな〜と小さな期待を持ったRom筥でした。

       

       

      そして、こちらは本日の北國新聞に掲載された記事です。

       

      (拡大)


      飾り筥展は、明日10月16(日)までです。

      16:00には終了してしまいますので、お時間にご注意ください。


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      【2016.10.15 Saturday 23:58】 author : Rom筥
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      金沢『飾り筥展』レポート その1
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        やっと迎えた、中山きよみプラス13の『飾り筥』展(金沢)。

        出不精の私としては、新幹線に乗って遠出をするなんて何年ぶりか。

         

        そこで突如問題発生。

        当日、ブログを更新したい私は、実はガラケー派(ほとんど外に出ない仕事だからスマホは必要なしとの理由)。

         

        でも直前にスマホ持ちになるのは辛い。

        ということで、とりあえずiPad+キーボード併用することにし、慣れないブログの更新に挑戦してみました(2016.10.14)。

         

        iPadのアプリから画像をアップしたところ、画像が粗々になってしまったので、後日PCから画像を入れ替え、また文章もいつも通り盛りだくさんで更新しなおしました(2016.10.16現在)

         

        それでは行ってみましょう。

        会場となる金沢の旧中村邸は、こんな木立ちを抜けたところにあります。

         

        お!見えてきた、こんな素敵な日本家屋!

        入り口に見えるあの見慣れたポスターはもしや、、、びっくり

         

        うわっ!あのご案内ハガキの特大版ですよ、、、あせ

        もうこれだけで圧倒されます。

         

        二階では21世紀美術館の展示もされていました。

         

        それでは入ってみましょう。

        受付の横に展示されていたのは、刺繍がされた小さな「香袋」と、江戸時代の打掛。

         

        初日はたいへんな人出で、これでも人が空いた場所を見計らって撮影しています。

        こちらのブースにはミニ小袖が4点。

        ミニとはいえ、相当の刺繍量です。

         

        そのお隣の一角にも、小さな守り巾着と香袋。

        小さいとは言っても10cmぐらいはありますよ。

        筥迫の巾着から見るとかなりの巨大版です。


        守り巾着は、お宮参りのときに、赤ちゃんの掛け着に付ける掛けるでんでん太鼓や犬張子と一緒に使ったものです。

        本来はここにお守りを入れるので、結びは二重叶結びでも「封じ結び」を使います。

        実際には中に詰め物をしてしっかりとした形を作りますので、そこにお守りを入れる人はいない〜。

        古くは、子供の迷子札(住所を書いたもの)を入れて、兵児帯などに下げていたようです。

         

        いよいよ、筥迫の登場です。

        こちらは「江戸型筥迫」です。

        元祖ともいえる筥迫で、実際に大奥ではこんな大きさの筥迫を懐中していたのですよ。

        一つづつ台に乗せられているなんて、なんて豪華、、、。


        現代の筥迫は、せいぜい被せと胴締めの二面に柄を配するぐらいですが、江戸型の場合は、被せ+胴締め+被せ下+天面+側面まで刺繍をびっちりと埋め尽くします。

        落とし巾着もワンポイントなんてものではなく、しっかりと本体にからめた図案がなされています。

         

        その上、今回の作品群のほとんどは、背面+胴締め(背面)まで柄があるのですよ。

        (仕立師としては気が遠くなる仕事)

         

        刺繍師たちも仕立師も苦労した背面ですが、残念ながらそれを展示で見せることはできないので、今回は背面や内面をモニターで次々とスライドショーにして見せていました。

        お客様たちから「こんな風になっているのね〜」という声があがります。

         

        作品によっては、このように胴締めを外し、すこし中を見せているものもあります。親切な展示ですね。

        びら簪は江戸型に合うように、全て鎖を長く太いものに付け替えています。

         

        こちらは壁面を使って筥迫&懐剣セットが展示されていました。

        これは私たちの刺繍教室でも展示した方法ですが、垂直に展示すると、びら簪と懐剣房が真っ直ぐ下がることで、実際に花嫁さんがつけている美しい状態で見ることができるのです。

         

        こちらは定家文庫です。

        床の間に置かれているので、皆さんしゃがんでゆっくりと見ていらっしゃいました。




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        【2016.10.14 Friday 21:05】 author : Rom筥
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        飾り筥展 最終納品!
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          先日、金沢の『飾り筥展』の最終納品、定家文庫3点、その他副資材一式の発送を完了しました

           

          作品展までほぼ一週間前でのぎりぎり納品、、、。

          私にとって、今年明けからの怒涛の半年がやっと終わったのでした。

           

          9月中に全てが納品できるはずだったのですが、土壇場になって定家文庫の紐の指定を間違えていたことに気づき、業者さんにお願しまくって超特急で紐を作り直してもらいました。

           

          中山先生と生徒さんたちには、こんな時期になってはらはらとした思いをさせてしまい、本当に申し訳ないです、、、。

           

          そんな訳で、つい最近まで手元にあった定家文庫をちょびっとだけTOP画像でご紹介させていただきました。

          これは房を付けて最後の綴じをするところです。

           

          (中山先生のブログ「日本刺繍nuinui」にも先行お披露目の作品が載っていますので、文中にそちらのリンクを差し込ませていただきます)

           

          本物はもっと豪華な作品なので、是非実物を見ていただきたいと思いますが、筥迫も定家文庫も、小さな筥に空き間なく刺繍が敷き詰められているものの、立体なので展示して見えるのはせいぜい三面という悲しさ。

           

          見えないところに凝る、というのが私は袋物細工の妙だと思っているのですが、作品展ともなるとやはり全部見てもらいたい〜というのが本音です。

          日本刺繍nuinui:江戸型筥迫の中のお披露目

           

          このような作品を展示する場合、つい方向から見たプリントも一緒に飾りたくなるのですが、それでは筥迫本来の美しさが散漫になってしまいます。

           

          私が所属する刺繍教室の作品展では、背面や中の様子はファイルにプリントしたものを入れて見てもらうことにしましたが、この飾り筥展では会場にモニターを設置して、背面や中の画像をスライドショーで流すことにしたそうです。

          確かにそれが一番いい展示方法かもしれませんね。

           

          今回の作品展では、江戸型筥迫が15点、懐剣付き筥迫が9点、定家文庫4点、それとミニ小袖数点、巾着などが展示されるそうです。

           

          筥迫や定家文庫は小さい面積に刺繍がぎゅっと凝縮されているのですが、実際の刺繍面積は帯の刺繍ぐらいのボリュームはあるにもかかわらず、それを飾るとなるとやたらと小さい、、、。

          日本刺繍nuinui:守り巾着壁にぶつかる!

           

          特に今回の会場である「旧中村邸」は畳敷きの日本家屋で、それも何部屋かに連なった場所に飾られるとのことで(なんと贅沢な!)、そこに小さな筥迫を一つづつ台に乗せて飾られるんだそうですよ。

           

          一般的な日本刺繍の作品展を想像して来られた人にはちょっと寂しく感じるかも〜、と中山先生は心配そうにおっしゃっていました。

          日本刺繍nuinui:守り巾着のおしり

           

          ということで、みなさん、通常の日本刺繍の作品展に行くというイメージではなく、素敵な日本家屋に小さな宝箱のような筥迫が贅沢に並べられている作品展を見に行くんだ!と思って行きましょうね。

          日本刺繍nuinui:筥迫!出来上がり

           

          最後に、この飾り展を私の個展と勘違いされている方がいらっしゃるようですが、私は単に仕立てのお仕事をいただいただけの黒子ですのでお間違いなく!

          主役は中山きよみ先生と、その刺繍教室に通われている13名の生徒さんたちですから!

           

          そして秋の金沢は行事が盛りだくさんのようです。

          仕立てから解放されて、毎日秋の金沢を妄想しつつ、お待たせしまくっている他のお仕立てに取り掛かかろうと思っております。

           

           

          ネットショップお休み

           

          この飾り筥展を見に行くため、大変申し訳ありませんが10月14日、15日はショップをお休みさせていただきます。

           

          10日〜13日までにご注文の方は、初回のお客様であっても先に発送(後払い)させていただきますので、どうぞご注文はお早めに。

          両日ともショップは開けておきますが、ご注文を受けるのみで、返信などは一切できませんのでご了承ください。

           

          私がお仕立ての依頼を積極的に受けられない理由は、ひとえにこのネットショップの存在があります。

           

          私の仕事は、注文を受けての仕立てや、講習会、教本作りやブログなどがメインと思われがちですが、実は最も時間を割けなければならないのがネットショップの対応なのです。

           

          日によっては発送作業に一日潰れることもあり、最近は扱う物も多くなってきたので、ひんぱんに在庫が切れる→発注、などの手間は本当にばかになりません。

           

           

          また、7〜8年ブログを続けているおかげで、ネットで筥迫と検索すればすぐ出てくるようになりました。

          始めたばかりの頃は、検索ページを10ページぐらいいかないと出てこなかったのになぁ(遠い目)。

           

          しかし、様々な部品でウンチクを書いているせいで、全く違う畑の人がそのキーワードだけで直接商品ページに来るようになってしまいました。

          そうなると、今まで思いもよらなかったトラブルが続出するようになり、最近はその対応が地味に辛い(泣)。

           

          筥迫目当ての人は、ブログからやってきたり、まずトップページを経由して来てくれるので、このショップは筥迫用の材料専門なんだなとか、筥迫の部品に使うものなんだなとか、手作り対象の品揃えなんだなとか、当たり前のことですが理解した上で購入してくださるので、まずトラブルにはならない。

           

          トラブルになりやすいのは、全く違う用途で使おうとする方々。

          こちらも何に使うかわからないので、免責事項も書けないし。

           

          最近は「タッセル」目当ての方も多く来られるのですが、筥迫の部品は一つの色を増やすと4つの部品で同色を揃えなければならということもあり、一種類のものを大量に在庫することはできません。

           

          だから在庫が少ないと文句を言わないでくれ、、、(ここは紐屋でも房屋でもないんですから)。

           

          ネットというものは、とても便利でとても面倒なものだと改めて感じます。

           

           

          最近は、商品によって問題が出やすいものはさっさとショップから削除してしまうので、実はあるけれど売っていないもの、というのもあります。

           

          色もねぇ、手元にはあるけれど売っていないものもあったりするのですが、追加したり変更したりしている暇がないのよ、、、。

          一つ直すと他の材料で影響することも多く、忙しいとなかなか頭が回らないこともあって。

           

          ネットショップのデザインもちゃんと作ればもっと売れますよ、とも言われるのですが、正直なところ、これ以上お客さんが増えると困るという状況なので、よくわからない、目立たないショップであることに存在意義があるのです(苦笑)。

           

          でも、あまりにも対応できなくなってきたら、もしかしたら一時的にショップを閉じる時が出てくるかもしれません。

          だからお手元にはなるべく材料のストックはしておいてくださいね。

           

          すごい適当な運営で申し訳ないのですが。

          そろそろバイトか内職してくれる人を近所で見つけねばとも考えています。




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          【2016.10.07 Friday 19:32】 author : Rom筥
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          中山きよみプラス13 日本刺繍『飾り筥展』告知
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            先週末に行われた『三段口扇襠筥迫』の講習会の様子をご紹介する前に、以前より紹介しておりました『飾り筥』展の案内はがきのサンプルが今届いたので、こちらの告知を優先させていただきます(色々な方にせっつかれているもので、、、)。

             

            中山きよみ先生は、金沢で日本刺繍の教室を主宰されています。

            東京の清水学園で日本刺繍を始められ、紅会を経て、その後は金沢で長年日本刺繍の普及に務めて来られました。

             

            この「中山きよみプラス13」は、13名の生徒さんたちと長く活動してきたという、その想いのつまった名称なんだそうです。

             

            数年に一度テーマを絞って「飾り○○展」という企画名で統一されているそうで、今回は筥迫や定家文庫などの「筥」をテーマにしたとのこと。

             

            最近パソコン教室に通われてブログも始められたそうなので、是非こちらもご覧ください。

            「日本刺繍nui.nui」

             

             

            私が初めて中山先生にお会いしたのは、2013年に行われた「筥迫ミステリーツアー」(記事1記事2)で、その時に「次の作品展のテーマは筥迫にしたい」とお話をいただきました。

            その後は講習会を含め、何度も東京まで足を運ばれ、今回の作品展の打ち合わせを重ねてきました。

             

            今回の作品展では、数点の例外を除き、ほとんどの作品を筥迫工房が仕立てさせていただきました。

            実際にはまだ仕立て中なのですが、最終的には江戸型筥迫(一つ口)8点、江戸型筥迫(開き扉)7点、筥迫&懐剣7点、懐剣のみ1点、定家文庫4点の合計27点の作品を納品することになります。

             

            スペースがあれば、これに以前制作されたというミニ小袖や巾着なども展示されるということです。

             

            美術館でもこれだけ多くの筥迫が展示されることはありません。

            中山先生は畳敷きの小さな会場だとおっしゃいますが、これだけの筥迫を揃えれば圧巻だと思います。

            筥迫好きな皆様には、是非実物をその目でご覧いただきたいと思います。

             

            会場は21世紀美術館や兼六園のすぐ側ですし(金沢駅から21世紀美術館行きのバスに乗ればいいらしい)、金沢は見るものが多いのも魅力だし、お菓子もおいしいし、おまけが多すぎて日帰りはつらいかもですね。

             

            ちなみに、私はつい「石川の筥迫展が〜」という言い方をしてしまうのですが、中山先生曰く、

             

            「こちらの人は自分がいるところを石川とはいいませんね。

             金沢っていいます。」

             

            なるほど。

            横浜に住んでいる人が神奈川に住んでいるとは言わないようなものですね(笑)。

             

            ということで、金沢で行われる「飾り筥展」に是非お越しください。

             

             

            柄合わせ

             

            筥迫の最大の特徴は、被せと胴締めの「柄合わせ」であり、仕立師にとってはこれが最大の難関です。

             

            教本では、初心者が筥迫を作ることを考えて作られているため、初めに柄の位置を想定して作っていくため、柄が合わないことは十分に考えられます(素材の条件がそれぞれ違うので)。

            しかし、本来は仕立師が柄を合わせながら仕立てていくものです。

             

            江戸型は被せのカーブが小さい(きつい)ので、左右の被せ下に小さなスペースができます。

            つまり、ここにも刺繍の続柄が必要で、被せ、胴締め、被せ下の三面を柄合わせすることになります(通常の二面柄合わせならそれほど難しくはない)。

             

            今回のご案内ハガキの3点が「江戸型」(と私がいっているもの)なのですが、現在の筥迫に比べかなり大きなものになります。

            横:約16.5cm、縦:約9cm、厚み:約3.5cm、小さなクラッチバッグのような大きさです。

             

            ドラマの大奥では小さく薄っすいものを入れていますが、本来はこんなどでかいものを、がっつり襟元に入れていたのです。

            現代人が小さい筥迫で「襟元が崩れる〜」なんて言っているのは、大奥の人たちから見れば大笑いものでしょうねぇ(笑)。

             

             

            閑話休題、この被せの下側の左右の小さなスペースに柄があるとないとでは作品の出来としてかなりの違いがあるため、江戸型の依頼があるときは、被せ下の図案も描くようにご説明しています。

             

            しかし、いくら小さなスペースとはいえ、実際に被せを開いたときに左右にワンポイントがあるだけではあまりにもお間抜け。

            つまり被せ下という見えないところにも、続柄の景色を刺繍しなければならないということです。

             

            これ、けっこう刺繍の人に嫌がられます。

            実際には見えないところですからね(笑)。

             

            大体は不自然でない程度に柄をフェイドアウトするものなのですが、今回の作品群は下の続柄から全く別の図案で展開されています。

            それもびっちりと詰めて完全な絵になっている、、、困る

             

            そして、そして!

            背面にも別の柄が入って胴締めとの柄合わせになっている〜〜0口0ガーン

            これぞ「5面柄合わせ」。

             

            それでも側面に刺繍がないことに気がつき、5面柄合わせのショックは置いといて、ダメ出しで刺繍裂を送り返す鬼のようなRom筥。

            江戸型は「箱襠」なので、この大事な萌えポイントに刺繍がないのは許せんのです。

             

            それにしても、布の厚みがそれぞれ違い、刺繍の肉入れでも厚みが異なり、さらに刺繍する人たちの糸の引き方、刺繍の止め方が違うので、同じように仕立てても柄が合わない、、、沈

            これってホント大変なことです。

             

            初めの頃は不可抗力でずれていた柄も(5面になると、ある程度はご了承いただいている)、さすがにこれだけ数をこなしていくと、最後の方は作品によって型(厚紙側で)を調整できるようになりました。

             

            これだけの筥迫をまとめて、それもこれだけの江戸型を仕立てられる機会をいただき、私も勉強させていただきました。

            感謝です。

             

             

            しかし、表裏側面内側と刺繍をしても、筥迫を展示する際は全部を同時に見せることはできません。

            中の仕立てもそれぞれけっこう凝っているんですけどね。

             

            すごくジレンマはありますが、袋物細工の良さというのは、秘められたところのこだわりでもあるので、現代の「見えるところだけよければいい」という価値観とはかなり異なります。

             

            この下に隠れている部分にも刺繍があるんだよ〜というところがありありとわかって、更に見る人に「中が見たい〜」と思わせることができれば筥迫の勝利!

            こんな「ツンデレ」現象が筥迫の魅力でありまして、それが全体の力や雰囲気にも繋がっているのです。

            本当に面白い意匠だと思います。

             

             

            私の手元にあるハガキはサンプルの数枚だけなので、中山先生の方から2、3日中にまとめて思ってくださるはずです。

            今後、筥迫工房の材料販売からご注文をいただいた方には、材料に同梱させていただきますね。

             

             

            ハガキだけがほしい、枚数がほしい、という方は、直接中山先生にお問い合わせいただければ、喜んで送ってくださると思います。

             

            お知り合いを誘って10月は金沢にGO!です。

             

            ※閉館は「P.M4:00」で早めの終了となりますので、せっかく金沢まで行ったのに終わっていた、、、なんてことのないように、時間には十分ご注意ください。

             

             

            筥迫工房は、日本全国に筥迫を作る人が増え、美しい筥迫が多くの人の目にとまる機会が増えることを心から願っております。

             

            筥迫工房にお仕立ての依頼いただかなくても、ご自分で作った筥迫をどこぞに出品する!という方がいらっしゃいましたら、このブログで告知のお手伝いをさせていただきますので、ご遠慮なく是非ご一報いただけるとうれしいです。




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            【2016.08.12 Friday 11:48】 author : Rom筥
            | 美術館、作品展レポート | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
            筥迫情報
            0
              これまで講習会などでは度々話題を出しておりましたが、2016年10月に石川県でついに「筥迫展」が行われます。
              刺繍展の中の筥迫出品ではなく、あくまで筥迫がメインです!

              色々な方からこの企画の詳細をブログに載せてと言われておりましたので、満を持して今回お伝えしたいと思います。


              現代に蘇る日本刺繍の筥迫

              これまで「日本刺繍の筥迫を復活させよう!」という活動をしておりましたが、これはちゃちな筥迫しか知らない現代人に、かつてあった豪華な日本刺繍の筥迫を知って欲しいという思いからです。

              時代とともに軽薄短小されていく市販の筥迫。
              それが現代人の求めるものであるならあってもいいとは思いますが、本来の筥迫は重厚長大、豪華でこそ筥迫という正統派もまた生き残ってほしい。
              2万円のミシン刺繍の筥迫を「高い」という現代人に、日本刺繍の筥迫が2万円では到底できないことを現物を見て知って欲しい。

              しかし現代では日本刺繍の筥迫を作る人なんてそうそういない。
              それにはまず私自身が刺繍の筥迫を作れるようになることでした。

              私の日本刺繍の腕はさておき、日本刺繍の筥迫を見たら誰だって「うわ〜」という感嘆の声を上げざるを得ない。
              そして日本刺繍をしている人たちに「自分も筥迫を作ってみたい!」と思わせることが大事でした。
              これはお針子会の刺繍教室で作品展が2回行われたことにより、ある程度は達成できたのではないかと思っています。

              次の段階として各地の刺繍教室で刺繍筥迫を作ろう!という動きが出ることを目標としました。
              それにはまず、日本刺繍を教える先生方に筥迫に興味をもっていただくことが大切です。

              筥迫の刺繍がしたいのに、延々と高価な着物や帯の課題だけを基礎に出されていたら、筥迫用の刺繍なんて夢のまた夢です。
              基礎は小さな図案から、その後少しずつレベルをあげて袋物に応用できる大きさの図案を課題にしてくれる先生がいたら、日本刺繍はもう少しハードルの低いものになるかもしれない。

              そんな地道な活動の甲斐あって、今年は石川県では筥迫展が行われることになり、大阪と東京(神奈川)で「筥迫部」が産声をあげました(やったー!)。

              具体的にどのような形になるかはそれぞれの先生次第なので、もしこれまで筥迫の刺繍やってみたい、、、と指をくわえて見ていた方がいらっしゃいましたら、まずはお近くの先生にお問い合わせされてみてはいかがでしょうか?

              こんな流れが日本全国に広がっていくことが私の夢です。

              我が県にも筥迫文化を!という方の活躍を筥迫工房はお待ちしております。
              もちろん「押し絵筥迫部」「フランス刺繍筥迫部」「ビーズ刺繍筥迫部」「創作筥迫部」なども大歓迎ですよ!

               

              中山きよみプラス13 
              日本刺繍『飾り筥迫展』


              2016年10月14日(金)〜16日(日)
              10:00〜16:00

              ※終了時間にお気をつけください

              会場:旧中村邸 一階(石川県金沢市立中村美術館敷地内)


              会場となる『旧中村邸』は金沢駅からバスで数分という感じのようですが、兼六園に向かうバスはほぼ止まるそうで、21世紀美術館で降りればいいそうなので非常にわかりやすいですね。
              石川県金沢市立中村美術館 アクセス

              展示品は「江戸型筥迫15点」「定家文庫4点」「筥迫&懐剣セット9点」「巾着20個」「ミニ小袖5点」。
              すごいですね〜、こんな筥迫中心の刺繍展なんて未だかつてないですよ!

              中山先生は紅会出のベテラン講師です。
              13人の生徒さんたちは、中山先生曰く「かなり年配」とのことですが、刺繍教室の集大成として今回の企画をされました。

              中山先生は、筥迫の作り方を学ばなければ筥迫の図案は描けないと、はるばる石川から講習会に何度も参加いただきました。
              お仕立ては筥迫工房にご依頼いただいていたので、お会いする度に山ほどの図案を持ってアドバイスを求められるなど、長い時間をかけて打ち合わせをされました。

              打ち合わせをしながら、まだまだ先の話と思っていた筥迫展も気がつけばあと数ヶ月(まだ筥迫全て仕立てあがっていない、、、)。
              それでも、一つづつ出来上がっていく筥迫を見るにつけ、こんなところまで来たな〜と私も胸が熱くなります。

              私は10月15日〜16日の一泊で伺う予定です。
              まだ石川県に行ったこともないので、今からとても楽しみです。

              一緒に行きたい!という方がいらっしゃいましたら是非ご連絡を。
              現地集合の方は是非交流会でもしたいですね。
               

              日本刺繍と図案 いち桃 (大阪)

              こちらは最近筥迫工房の刺繍台をお教室で使ってくださっている、大阪のユキダイクミ先生のお教室です。
              いち早く刺繍教室で「筥迫部」を作ってくださいました。
              いち桃の日本刺繍教室「筥迫部」

              最近も筥迫を作られた様子がブログに載っていました〜。
              初めてにしてはかなりお上手。これは筥迫のお仕立ても期待できるかも!
              筥迫1号 完成しました!

              関西方面で筥迫の刺繍を習いたい方、「いち桃」へお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

              ↓こちらのバナーから直接お問い合わせできます。

               

              ニホンシシュウ 京乃都 (銀座)

              神奈川在住の田中京子先生のお教室です。
              田中先生には、筥迫講習会にも頻繁に参加していただき、私が提案する筥迫のための刺繍講座などの話にも共感いただいておりました。
              その田中先生が満を持して筥迫部を立ち上げてくださいました!
               
              【京乃都 筥迫部】筥迫のための刺繍講座   
              <初心者コース>
              銀座教室にて日曜日中心に、3回で図案写しから刺繍を完成させます。
              HPの教室案内から予約できます。

              ↓こちらのバナーから直接お問い合わせできます。

               


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              【2016.05.21 Saturday 13:32】 author : Rom筥
              | 美術館、作品展レポート | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
              伊勢丹 展示販売
              0
                伊勢丹新宿店本館5階にて、現在『伝統工芸art Labo』に筥迫&定家文庫が展示販売されております。
                ブログに公開していない筥迫(江戸型)も二点ほど展示されています。

                期間は2月3日〜16日まで。
                5階フロア図
                http://isetan.mistore.jp/store/shinjuku/floor/main_5f/index.html


                諸事情から、当初は催事が終わってからブログに報告しようと思っていたのですが、すでに何件かのお問い合わせをいただいているので、やはり期間中にアップすることにいたしました。
                日曜日も二回挟みますので、新宿へお越しの際はお立ち寄りいただければ幸いです。

                歌舞伎で実際に使われている筥迫も展示されておりますので、歌舞伎ファンにはうれしいかも。
                舞台で使われている「蜘蛛の糸」なども販売されていたりしてちょっと面白い。


                伝統工芸、伝統芸能

                よく筥迫を「伝統工芸」の括りに入れられることがあるのですが、Rom筥的には「????」です。

                形は受け継がれてきてはいても、技術が受け継がれてきたわけではない。
                これまでは筥迫作りを学びたくても、作りを教えてくれる先生なんていませんでしたし。

                現代でも特別な日の装身具としては販売されていますが、99.8%ぐらいが量販品の簡易なものです。
                装飾にも仕立てにも手間をかけて作られた、その昔の美しい筥迫は途絶えてしまいました。

                ちなみに、経済産業大臣が指定する伝統的工芸品の条件は、

                1)日常生活で使われている工芸品である
                2)手工業である
                3)技術、原材料が100年以上受け継がれている
                4)一定の地域で産業として成り立っている

                「日常」が毎年繰り返される行事を含めてくれるなら「七五三」はとても象徴的です。
                そういう意味では(あくまでRom筥の主観)、和装の花嫁さんの方がちょっと軽い気がします。
                「手工芸」に関しては堂々と胸を張れますが、3と4はほぼない。

                和装の花嫁さんが筥迫を懐中する姿が「伝統的」と思われがちですが、たぶんあのスタイルは明治後期からです。
                ということは、七五三が筥迫を懐中することがスタンダードになったのは更にその後。
                懐剣に至っては、たぶんレンタル衣装に打掛が出てきてからスタンダードになったと思うので、高度成長期以降ではないでしょうか。

                なんてことを今回のお話をいただいた時にウダウダと考えていたところ、ふと見たら「伝統芸能」でした(苦笑)。
                伝統芸能で使われている工芸品ということですね。

                伝統芸能の小道具に携わる職人さんたちは、伝統工芸品よりもずっと小さな単位の専門的工芸品を扱う「絶滅危惧職人」です。
                そもそも小売りをしている人が少ないので、一般人は知る術もない。

                そのような職人さんたちを支援するために「伝統工芸の道具ラボ」の田村民子さんは活動をしていらっしゃいます。
                とてもすてきなサイトなので、是非覗いてみてください。

                ところで、今回の展示品の中には、私が探していた道具ができそうな職人さんたちが多く、マーフィーの法則ではないですが、似たようなものは似たような所に住んでいる〜ことを実感しました。

                これまたマニアックな世界ですが、今後新たな展開に発展しそうで私的にはうれしい。



                本来の筥迫

                先ほどは「ほとんどが量販品の簡易なもの」と書いてしまいましたが、筥迫の職人さんが途絶えてしまった今、筥迫の流れを絶やさず受け継いでくれたのは、これらの量販品の筥迫です。
                形だけでも昔の筥迫を持つ人の気持ちを味わうことができるのは、そんな世の中に生きているということは本当にありがたいことです。

                しかし、本来の手間をかけた作り方がされた筥迫は全く別物です。
                世の中にはこの二つが存在します。
                現代ではお安い量販品が筥迫のスタンダードになっているので、やはりここらで区別はしておきたい。

                私はこれまで、専門の職人さんによって作られた昔の筥迫を研究し続け、できるだけ忠実に元の形に近づけてきました。
                江戸期の筥迫を貸りて研究させていただける機会もあるので、自分が本来の筥迫の形に最も近いものを作っているという自負はあります。

                筥迫の教本を買って作ったことのある方ならおわかりかと思いますが、筥迫というのは本来作るのにとても手間のかかる細工物です。
                講習会に参加された方も、私があの小さい巾着にどれだけ手間をかけ、こだわりの作り方をしているかでおわかりになるかと思います。
                今回展示されているような日本刺繍が施された筥迫は、それともまた違う作り方をします。

                ですから、本来の筥迫は手間暇をかけた非常に高価な物なのです。

                その昔、筥迫や定家文庫を持てる人はかなりの上流階級でした。
                今回の展示は、最低この金額でなければ売る物を作る意味がない、という基準で価格設定していますが、あの頃と同じ作り方をすれば、自然と当時と同じような設定になります。

                今回の伊勢丹の展示を見れば、あの頃の上流階級婦人の「いつかこんな筥迫を持ってみたい♡」という同じ憧れを体験していただけるのではないかと思います。



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                【2016.02.05 Friday 14:10】 author : Rom筥
                | 美術館、作品展レポート | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
                2015年 お針子会刺繍教室作品展
                0
                  2015年お針子会刺繍教室作品展のご報告です。
                  とりあえず、会場の展示物をご紹介。


                  入ってすぐ目に入るのはマダムKのスーパードルフィー、モデルはエマさん。
                  お着物の刺繍はもちろんのこと、お仕立てもマダムKご自身でされます。
                  四日前に出来上がったばかりだそうで。


                  日本刺繍の引き振袖は立派な比翼仕立て。
                  刺繍半襟もこだわりの一つだそうです。
                  「直球写真館」でよく見られた「首掛け懐中時計」を付けて、なかなかの妄想お嬢様っぷり。

                  「今回は緑の目にしてみたの〜♡」
                  着物に合わせてそんなところまでカスタマイズできるらしい。
                  筥迫もお持ちでしたが、この子は胸が高いので筥迫を入れるにはちょっと無理があるということで今回はパス。


                  中に入って左側がさっそくの筥迫コーナー。

                  私は以前、自宅では筥迫をスタンドに立てて飾っていたのですが、この方法は一個や二個では問題ないのですが、狭い所にまとめて飾るとごちゃごちゃして見苦しい。

                  そこで、もっとすっきり展示できないものかと思い、壁面に垂直に立てる方法にしてみました。
                  家ではより広く見せるためアクリル鏡を用いていますが、ある程度のスペースがあるときは、このぐらいゆったりと展示したいものです。

                  ありがたいことに、筥迫コーナーはいつも人気で人だかりが絶えません。

                  筥迫が珍しいということもあるとは思いますが、こんな小さい物なのに「私を見て!(by筥迫)」感がハンパないからでしょうか。
                  筥迫は一つで展示するよりも、競うように並べて展示する方がかしましくも華やか。

                  お教室のメンバーは中の仕掛けを知っているので「一つぐらい開いた物を置いておけばいいのに!」と言います。
                  前回は開かないまでも筥迫の側に中の写真を貼っていたのですが、それだと視点がいくつかに分散され、作品本来の良さが半減してしまうよう気がしました。

                  筥迫は「箱」なので、見ている人が中に何が詰まっている(隠されている)のだろうと考えさせる力が作品に必要で、これはどのような仕組みになっているんですか?と聞かれればしめたものです(笑)。
                  そんな時のために、今回はそれぞれの作品の補足画像を小さなファイルに入れて置いておくことにしました。


                  そしてそのお隣が、半襟、帯、バッグのコーナー。


                  日本刺繍の作品の中で、バッグは気軽にトライできる物の一つ。
                  しかし、これらのバッグを仕立てる職人さんも年々減っているのだとか。

                  手前のバッグ二点はK.Hさんの作品。

                  「お教室で仕立てに出しているバッグ屋さんは、最近はこんなおしゃれな型もできるようになったんですか?」と先生に聞くと、これはK.Hさんご自身が仕立てられたバッグとのこと。
                  あらまぁ素敵♡
                  K.Hさんご自身に伺った所、バッグ作りは趣味なんだとか。
                  さすが元グラフィックデザイナーだけあってセンスも良。

                  そしてその奥がマグロな人ことmidoriさん作のバッグ。
                  日本刺繍ではまずお目にかかれないデザインで、いかにもフリーダムなmidoriさんらしい(隣国イラストレーターの作品がモチーフとのこと)。

                  奥のスペースは、ゴージャスなお着物や帯の作品が並びます。

                  私は日本刺繍を初めて約6年ですが、未だにこれらの作品に手を出したことがない。
                  日本刺繍の帯なんてホント憧れますが、それより何よりまずは着物を着ることから始めなくては(苦笑)。

                  お教室でいつも私の隣で作業しているK.Nさんの作品。

                  アンティーク帯の柄をモチーフにしたデザインだそうです。
                  K.Nさんは私のブログに登場したことのないお方ですが、実はお仕事で日本刺繍の袋物の依頼が来ると刺繍部分をこの方にお願いしています。
                  仕事で依頼されて作る物は公開することができないので残念ですが、お教室で最も腕のいい一人。

                  奥のピンクのお振袖はmidoriさんが作られたもの。

                  フルタイムのお勤めをしながら制作期間8ヶ月で作ったという、さすがのマグロ的力作。


                  奥の帯二本は、お針子会和裁教室の石井先生の作品。
                  帯の染め(草木染)も刺繍ももちろん仕立ても自身でこなす、他称「時給自足」クリエーター(笑)。

                  左の帯は我が教室の矢部先生の作品。
                  ちょっと小さくて見えずらいですが、ご自分で友禅染めをされて、あしらいで刺繍をされています。

                  皆さん芸達者な人が多いのが我が刺繍教室の特徴。



                  「犬と飼い主」と一緒?

                  今回は色々な人が声をかけてくださったのですが、実は私は人の顔と名前を覚えるのが大の苦手。
                  かつて講習会に来てくださったり、刺繍関係でお目にかかったりしているので会ったことのある人というのは記憶にあるのですが、え〜っと誰だか思い出せない(ホントごめんなさい)。

                  そういう時は何か関連づけられるモノがあれば思い出せるもので、その人が作った筥迫などを見せられれば全て思い出すといった感じです。

                  つる姫さん曰く「犬と飼い主と一緒だね。」

                  ホントその通り。
                  ポチを連れていればママも思い出す、ポチがいなければ誰だかわからない(笑)。

                  しかしそれで良しとするのもあまりにも失礼なので、今回は少しでも名前を覚えられるようにメモしておこうと考えました。
                  それと名刺も必要。
                  これらをまとめてポケットに入れておけるように、できるだけ小さい入れ物が必要、、、。
                  と考えているうちに、気がつけば前日にセッセとこんな物を作っていました。


                  名付けて『名刺入付和綴帳』。

                  大きく見えて実は名刺サイズ。

                  開くとこんな感じ。
                  和綴じの中にペンを収納できるところがミソといえばミソ。


                  ブログ未掲載の作品については、今後ゆっくりと一つずつ解説を交えて掲載していきます。

                  作品展も明日から後半、がんばろう。



                  ----------------------------------------------
                  第2回 お針子会 日本刺繍教室作品展
                  総刺繍の振袖から小物まで
                  (帯・着物・半衿・筥迫・バッグ・額など60点)

                  2015年 5月16日(土)〜19日(火)
                  12:00〜18:30 ※最終日は18時閉場

                  場所:ORANGE GALLERY(オレンジギャラリー)


                  ----------------------------------------------





                  ▼筥迫工房のお店


                  ▼筥迫掲示板
                  筥迫工房の教本や自慢の細工物を、皆さん自身で披露できる掲示板です。写真のアップロードが簡単になりました(一回の投稿で6枚掲載可)。丹誠込めて作った筥迫を大勢の人に見てもらいしましょう!

                  ▼携帯からも筥迫掲示板2に投稿をアップロードできます。
                  こちらのQRコードからアクセスしてください。


                  筥迫工房へのお問い合わせ
                  ※時々ショップからのご注文確定メールが届かないことがあります。
                   そのような場合も、こちらからご連絡ください。


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                  【2015.05.18 Monday 00:22】 author : Rom筥
                  | 美術館、作品展レポート | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
                  第二回 お針子会 刺繍教室作品展2015 予告
                  0


                    私が通う刺繍教室の第二回作品展のお知らせです。
                    やっと葉書とポスターができたのでアップさせていただきます。

                    こちらの作品は『定家文庫』です。
                    刺繍は矢部博子先生、仕立てはRom筥です。

                    定家文庫の説明はまた後日詳しくいたしますが、私にとって定家文庫を作品として仕上げることは、これまでの活動の中で筥迫の次に位置する一つの区切りでもありました。
                    色々な意味で、筥迫よりもハードルの高いものだったからです。

                    このような物は、自分自身ではなかなか登るきっかけが作り出せないものなので、作品展のように梯子をかけられた状況があってこそ与えられたチャンスなのだと思っています。
                    また、私が刺繍をしたらこんなすごい定家文庫は何十年たってもできないので、「先生、定家文庫やりましょうよ〜」と言う軽々しい私の誘いに、こんなド級の刺繍で応えてくれる矢部先生にはホント感謝です。

                    今回の作品展には総勢30名以上が参加します。
                    曜日や場所によって生徒さんが違うので、私自身もどんな物が出るわからないので当日が楽しみです。
                    展示数60点以上とありますが、たぶんもっとずっと多いはず。

                    大手の刺繍教室は所有している図案がすばらしく、教材が豊富なところが最大の魅力ですが、好きな物を自由に作るというのはないかもしれない。
                    対して小さな個人教室の良さは、教材が少ない代わりに自分の好きな物ができる(図案作りが苦手な人にはつらいかも)。

                    だからこそ、この作品展では普通ではお目にかかれないようなちょっと面白い展示物があります。
                    例えば、同じクラスの和裁の先生(お針子会を主催している石井先生)は、生まれも育ちも東京池袋という大都会にも関わらず、週末は畑仕事がご趣味。
                    自分自身でタマネギを育て、収穫したそのタマネギを使い自分で反物を染め(染色も習われている)、そこにご自分で刺繍をして、ご自分で仕立て、ご自分で着る、という、すばらしくオリジナルなお着物を制作されています。
                    蚕を育て機織りまですれば完璧な自給自足(ありえな〜い、笑)。
                    先日はよもぎで染めた布によもぎの葉を刺繍をした帯を作られていたので、これも出品されると思います。

                    前回は筥迫は8点ほどの展示でしたが、今回はRom筥だけで6点の出品、ポスターの定家文庫や他の方の嚢物と合わせると15点、もしかしたらもう少し増えるかもしれません。

                    日本刺繍は絹糸を使うので、光があたると角度によって様々な表情に変わり、それが何とも美しい。
                    写真ではなかなかその美しさが伝わらないので、東京近郊の方でご興味のある方は是非実物を見にきていただけるとうれしいです。

                    もしこの葉書を置いていただける(もしくは宣伝していただける)場所がありましたら、ご連絡いただければ必要枚数送らせていただきますのでご連絡いただければ幸いです。


                    第2回 お針子会 日本刺繍教室作品展
                    総刺繍の振袖から小物まで
                    (帯・着物・半衿・筥迫・バッグ・額など60点)

                    2015年 5月16日(土)〜19日(火)
                    12:00〜18:30 ※最終日は18時閉場

                    場所:ORANGE GALLERY(オレンジギャラリー)


                    場所は、東京は池袋駅西口(東京芸術劇場側)を出てすぐ目の前がメガネドラッグ。
                    そのまま道伝いに左を向くとすぐ見えるという超駅近(迷うワケがない)。

                    私は今のところたぶん毎日いるつもりですが、何かで行けないこともあるかもしれませんので、事前にご連絡いただければその時はできるだけいるようにしたいと思います。


                    最近は少しずつですが、各地の展覧会や作品展で筥迫を出される方が増えてきたようです。
                    各種イベントで自作筥迫を販売したいという方もいらっしゃいます。
                    そのような時は是非御一報いただければ、こちらのブログでもご紹介させていただきます。

                    来年秋は石川の刺繍教室で筥迫展が行なわれます。
                    現在、仕立てを依頼されているのですが、数も相当出ると思いますので、そのときはミステリーでないツアーで招集をかけますので、希望者で見に行きましょう!

                    これから筥迫の展覧会・作品展を企画予定の方で、希望があればスタンドなどの展示グッズ、銀のびら簪なども有料ですがレンタルできます。
                    昔のゴージャスな銀のびら簪を筥迫にセットすると、確実にレベルアップして見えます(目くらましとも言う(笑)。

                    それには日本全国の刺繍教室の先生方に、是非筥迫刺繍を教えていただけるとうれしいです。
                    このブログや講習会から日本刺繍を知り、習いたいという方はけっこういらっしゃいます。
                    前回の広島、三重からの参加者も、地元で日本刺繍の先生がいないかな〜と言っていましたっけ。
                    よろしければ日本刺繍のお教室も宣伝しちゃいますので、ご希望があればご連絡ください。

                    もちろん日本刺繍に限らず、フランス刺繍でも韓国刺繍でも、押し絵でも絵付けをされている方で、筥迫の装飾も教えます!というお教室があれば是非宣伝させてください。

                    日本全国で少しずつ筥迫を見る機会が増え、一人でも多くの方にこの美しい嚢物を見て幸せな気持ちになってもらいたい!というのがRom筥の一番の野望です。


                    ▼筥迫工房のお店

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                    【2015.04.01 Wednesday 17:15】 author : Rom筥
                    | 美術館、作品展レポート | comments(7) | trackbacks(0) | - | - |
                    櫛かんざし美術館
                    0
                       先日『澤乃井 櫛かんざし美術館』に行ってきました。
                      12月2日までの秋の展示に筥迫が出ているからです。
                      筥迫好きなら一度は行ったことがあるのではないかと思うのですが、実は私は今回が始めてです(汗)。
                      同じ東京とは言っても、奥多摩は遠く、いつも計画を立てては頓挫するの繰り返し。

                      しかし今回は、どうしても行かねばならぬ用事を作って、意気揚々と家を出たのでした。
                      その理由とは、、、筥迫を直接見せてもらうこと!
                      事前に館長さんにアポイントを取って、自分は筥迫を作って研究しているということ、江戸筥迫の中身を見てみたいことを伝えたところ、快諾してくださいました。
                      展示してある筥迫以外のものがあるので、それでもよければということで。
                      もちろんOKですとも!
                      やっと、ナゾだった筥迫の中が見られる!

                      青梅までは新宿から1本なので、延々と乗っていればいいのですが、この美術館がやたらと遠く感じるのは、次の青梅線が30分に1本ぐらいしかないということ。
                      都会暮らしはこの30分待ちがやたらと長く感じます。
                      でも気がつけば、時は秋。紅葉の季節です。
                      ホームから見える紅葉のおかげで、ゆったりとした気分で待ち時間を過ごすことができました。
                      いつも家に引きこもり状態で、PC作業をしているか筥迫を作っているかという今の私には、この紅葉がやたらと眩しく感じます。
                      ということで、今回は写真多めです(相変わらず文章も多めの二重苦、、、)。

                      青梅線の「沢井」という駅で降ります。


                      駅の跨線橋を降りると、そこから見える鮮やかな紅葉が晴天に映えて美しい。


                      降りてすぐに目印の看板があるので、迷うことはありません。
                      というか、駅から同じ方向にたくさんの人が向かうので、一緒についていけば良し。


                      そしてこの長〜い坂道を下って左に曲がると、すぐのところに入口があります。


                      入口から敷地内に入ってすぐにまたしても下り坂(坂多いな〜)。
                      しかし、その坂から見下ろした景色がまたすてき。


                      ここがかの「澤乃井園」ですか!


                      紅葉がなんともきれいです。
                      しかし「櫛かんざし美術館」はまだここではありません。


                      この吊り橋を渡った先らしい。


                      吊り橋から振り返って見た澤乃井園。
                      下を流れる川は多摩川です。


                      吊り橋を渡ってすぐだと思ったのに、何?まだここから上り坂があるの??
                      決してゆるやかとは言えない坂道を登って行きます。

                      年配のご夫婦とすれ違いましたが、ご主人様が奥様を背負ってこの坂道を上がっていました。
                      大変だな〜と思いつつ、ほのぼのとした光景でした。
                      でも上り坂に自信のないご年配の方は(&背負ってくれるやさしいご主人のいない方は)、車で来ないと大変かもしれません。

                      坂を登り切り左に曲がった所で、やっと目的地の「櫛かんざし美術館」にたどり着きました。

                      かなりこじんまりした美術館ですが、坂上に建てられているので、実際には二階建てです。


                      中に入るとすぐにパノラマビューの大空間。


                      窓からはこんな景色が望めます。

                      そして、ここからは展示室なので画像はなし。

                      第一展示室すぐに筥迫は展示されていました。
                      いつ見てもすばらしい装飾です。これでこそ筥迫。
                      ここは櫛やかんざしがメインですので、今回も筥迫は7〜8点のみでしたが、他に懐中袋物もあったので楽しめました。
                      筥迫は装飾を楽しむもの。
                      その他の懐中袋物は細工を楽しむものという感じでしょうか。

                      「懐中袋物」とは
                      鏡入、筥迫、紙入などを総称してこう呼ぶ。
                      三つ折形式が基本で、中に懐紙、手鏡、化粧道具、裁縫道具などの身の回り品を入れ、懐に入れて持ち運んだ。
                      今でいう化粧ポーチやハンドバッグである。
                      金襴等の高価な生地を用いて、豪華な刺繍を施している。
                      又、留め具、華鎖などにも手が込んでいて、江戸の女性たちの見栄の張り合いや、心意気がうかがえる。
                      (櫛かんざし美術館 懐中袋物の説明より)


                      筥迫が展示されているケースにかぶりついてスケッチをしている私に、回りの人が不思議そうな顔をして通り過ぎます。
                      せっかく来たのに、ただ眺めるだけじゃもったいないんですもの、、、。

                      美術館の展示は第二室まで。
                      第三室は、作家さんのお細工物展をやっておりました。
                      外観と同じく、全体的にこじんまりとした展示です。
                      私のように筥迫に執着している人間は、ただ筥迫だけ見て、ひたすら筥迫だけ見て、ガツガツとスケッチをして、それだけで満足して帰ることができるのですが、大きな美術館で沢山の展示に慣れている人にはちょっと物足りないかもしれません。

                      ここに来るなら、やはりお友達と「散策がてら」「おしゃべりがてら」「おいしいもの食べがてら」「お酒もちょこっと試飲がてら」がいいかもしれませんね。
                      今回のように紅葉もプラスされていれば尚良しでしょうが。
                      とにかく休憩する場所はたくさんあるので、ゆっくりのんびりした時を味わうことを目的に行くのがおススメです。

                      そして約束してた時間に館長さんを訪ね、江戸の筥迫を見せていただきました。
                      このときの筥迫の話を書くとあまりにも長くなるので、これはまた別の機会に書くことにいたします(ごめんなさい)。
                      今回見せていただいたのは、展示していない筥迫、つまり展示するほどでもない筥迫というものです。
                      実は美術館はそういうものもたくさん持っています。
                      でも今回の目的はそれで充分でした。

                      もう一つの目的は、江戸の筥迫が世間から消えた後、明治期の筥迫がどのような形で生まれ変わり、今の形状に至ったのかを知りたいという目的もありました。
                      つまり、あのどでかい筥迫と現代の筥迫をつなぐ、中途の形状があったのではないかと考えていたからです。
                      現代のアンティーク筥迫といえば、すばらしい日本刺繍を施した婚礼用の筥迫ですが、これはたぶん大正から昭和初期頃のもの。
                      いくら維新後に筥迫が消えたとはいえ、それを作っていた職人はまだ残っていたでしょうし、細々と作られていたのではないかと思っていたのです。
                      その頃のものが、急に今の形状になったはずがないと考えていました。

                      しかし、館長さんが出してきてくださったものは、やはり私がサンプルで集めていた多くの筥迫と同じ形状のものばかり。
                      たぶん明治に復活した時には、すぐにこの形になったのではないかとのこと。

                      館長さん曰く、古い筥迫の現存数が少ないのは、筥迫が紙と布でできていること、そして火事で焼失したものがとても多かったということです。
                      明治時代は西洋文明を積極的に導入したので、バッグ等の手提げ物が一気に普及したと思われます。
                      そうなれば、胸に入れるバッグとしての筥迫は、途端に用なしとなったことでしょう。
                      そうして蔵の中に納められたと思われますが、時代的に女の物はあまり大切にされなかったそうで(男の物は大切にされ、残っている物が多い)、火事等で多くが焼失し、現存数が少ないのだそうです。

                      そして、櫛やかんざしも同じですが、江戸のものは大きく華やかであるのに対し、明治に入ると全ての物が一気に「小さく」「暗く」なるのだそうです。
                      とにかく「暗い」と何度もおしゃっていました。


                      お話が終わった時点ですでに2時。
                      ここまで来たのだし、おいしい食事でもして帰ろうと予定していたのですが、敷地内にある食事処は、平日のこんな時間なのに並んでいる人がたくさん、、、。
                      う〜ん、娘に6時までには帰れと言われているし、、、どう考えてもゆったり食事をしている時間はない(涙)。
                      ということで、澤乃井園にある売店で簡単にすませることにしました。
                      残念ですが、ここからの景色がすてきなので、これをごちそうにすることにいたしましょう。






                      さて帰ろうかと立ち上げると、何気に電車の時刻表が目にとまりました。
                      そうだ!ここは30分まちの青梅線なのだ!ということを思い出し、時間を確認すると次の電車まであと7分!

                      駅までの長い登り坂をダッシュして駆け上がり、もうだめ〜と息を切らしていると、目の前に青空をバックにした美しい紅葉が出迎えてくれました。
                      その横が駅の階段。あともう一息。
                      そして駆け込みで電車に間に合ったのでした。



                      短い秋を楽しんだ一日でした。
                      【2012.11.28 Wednesday 20:48】 author : Rom筥
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