『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
2017.4 中山きよみ+13コレクション(2)筥迫&懐剣『桜』
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    春なので、中山きよみ+13コレクションの中から『桜』の筥迫&懐剣をご紹介します。

    東京はもう散ってしまいましたが、まだ東北や北海道ぐらいなら咲いているんじゃないかと思うのでお許しを。

     

    あでやかな赤が全く桜っぽくないので、桜と言われなければ誰も気がつか無さそう。

    私も刺繍裂をいただいたときに全く桜だと思わず、配色だけで筥迫房も懐剣房も真っ赤にしてしまいました。

     

    タイトルを見て「これ桜だったんだ〜(汗)」と気がついた次第。

    でもこれが桜だとわかっていたとしても、ピンクや白は使えないですね。

     

    桜は「枝」とか「幹」を入れてしまうと桜の季節限定使用になってしまうけれど、花だけなら日本の花として一年中使えると聞きますし、それで桜っぽくない色にされたのかもしれません。

     

    被せと胴締めが同柄になっていても、胴締めには被せより長く上下にスペースがあるので(山と胴部分)、打ち合わせではここをしっかり埋めるようにお願いしています。

     

    アンティークの筥迫などでは、被せの下辺に合わせて胴締めの図案が途切れていたりするものが多いのですが、

    「刺繍職人と仕立て職人の連携が取れていないな〜」と思ってしまいます。

    刺繍は上手いのにやたらと不自然。

     

    胴締めの天面まである程度埋まっていると、筥迫全体が装飾されている感じになるので完成度が違います。

     

    私がお仕立ての依頼を受けるときは、必ず図案の段階で見せていただいて、筥迫としてより効果的な刺繍の配置を提案させていただいております。

    結局、図案にかける打ち合わせの時間が一番長く、また何より大事と思っています。

     

    この筥迫では胴締めに白い花がかかっていますが、白い花の下の葉と、天面の赤い花は被せには入っていません。

    そういうことです。

     

    特に胴締めの「山線」に刺繍が少しでもかかっていると、刺繍に立体感が出ます。

    この山線にどのように図案を掛けるかがけっこうポイントだと思っています。

     

    着物地で作るとなかなか具合よくはできませんが、刺繍は自分で好きに配置できますから、やはり自分で装飾できる物があると筥迫の楽しさは倍増します。

     

     

    中山13コレクションの「巾着」は、このようにけっこう大きな図案がされています。

    実はこういうのって仕立て師泣かせではある、、、。

     

    ここは巾着の「タック」が入るところだから仕立てが難しいのよ(泣)。

    つまり刺繍に折り線をいれなければならないということ。

     

    私も以前自分の筥迫で、左から右に流れる数本の葉を刺繍したのですが、タックが入ると刺繍が浮くんですね。

     

    仕立てする側とすれば、できるだけ小さなワンポイントでタックに掛からずに刺繍を入れてほしいところですが、刺繍をする人たちにとって巾着の図案は凝りどころ(中山先生はそんな余裕はなかったとは思いますが)。

     

    どうしてもタックに刺繍が入ってしまう場合は、できるだけ細かい針目で刺繍するか、もしくは細かく押さえをするとよいでしょう。

     

     

    筥迫に赤は当たり前すぎてつまらなく感じる時も多いですが、それでもやっぱり赤を配置すると「赤の力はあなどれん」と思ってしまいます。

     

    刺繍裂をいただいたときの印象と、筥迫が仕立て上がった後の印象がガラリと変わることがあります。

    今回のように赤が効果的に刺繍を引き立てたときは、仕立て師として「やった!」と思う瞬間です。

     

    その驚きを知るのは、刺繍をした人と仕立て師だけ。

    すごく役得だな〜と感じます。

     

     



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    【2017.04.22 Saturday 23:28】 author : Rom筥
    | 中山13コレクション | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    中山きよみ+13コレクション(1)江戸型筥迫『すずめのお宿』
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      今回より「中山きよみ+13コレクション」を始めることにしました。

      もちろん次々と出すのはもったいなさすぎるので、ちびちびと出していきます(笑)。

       

      これはRom筥がケチだからというよりも、このような日本刺繍の筥迫は小さいながら作るのにものすっごく手間のかかる物なので、私としては作られた方々に敬意を表す意味でも一つのものが出来上がる時間ぐらいは十分間をおいて、少しずつ掲載させていただいているというわけです。

       

      初登場は、江戸型筥迫(一ツ口)の『すずめのお宿』です。

      こちらはご案内はがきでも使わせていただいたので、皆さん的にはちょっと馴染みのある作品かと思います。

       

       

      中山先生のブログ「日本刺繍 nui.nui」にも掲載されていますので、都度そちらを追っかけた中からの追記ブログとなります。

      中山先生は刺繍の面から、私は主に仕立ての面から攻めてみます。

       

       

      江戸型によく使われているのが、この斑(まだら)の玉縁。

      江戸時代の筥迫はこの玉縁がお約束でした。

       

      筥迫を作り始めた頃から、いつか江戸型を作れるようになったら絶対この斑の玉縁に挑戦したい!という強い憧れを持っていました。

       

      そしてやっと今に至るわけですが、けっこうな時間と過程をかけてここまで辿り着きました。

      職人さんに断られ、失敗され、お金もかかった貴重な玉縁なのです。

       

      でも結局は「自分でやった方がいい」とあらゆる人から言われています。

      もうこれ以上、仕立て以外の色々なことに関わりたくないと思っているのですが、なかなかそれも許されない状況ということで。

       

      いつか違う色の斑の玉縁が出てきたら、あ〜がんばってんな〜ぐらいに思ってやってください。

       

      こちらの型は、江戸型筥迫に一番多い「一ツ口」と私が分類しているものです。

       

      被せの下は単純な「箱型」になっていて、上の口から物を入れるようになっています。

      その後ろが「紙入れ」という二層式の構造で、それを胴締めでとめます。

       

      もう少し高価な物になると、この前側の被せ下が開くような型になっていて、そこに「挿し込み」が付けられ七つ道具が納められていました。

      つまり、箱部分が刺し込み面と紙入れ面に挟まれているというかなり複雑な構造です。

       

      実は私はこれを文献で知っているだけで、実物をまだ一度も見たことがありません。

      徳川美術館あたりに行けば、たぶんそんな筥迫はあるはず。

      ただ、中を開いて展示されることはないので、中を見る機会がないのがとても残念。

       

      内布は実際には無地が使われていたようです。

      挿し込まれた物がある型はそれでいいのでしょうが、一ツ口は型としては単純なもの。

      そこで、私は刺繍の邪魔にならないようにかなり慎重に柄物を選んでいます。

       

      やはり筥迫はね、開いたときに「わ〜っ♡」と言って欲しいのよ。

      そのためには内布の力も必要なのです。

       

       

      現代の筥迫は「被せ」と「胴締め」の二面柄合わせです。

      すでにそんな作りの市販筥迫も稀となっていますが、江戸型筥迫は「被せ」「被せ下」「胴締め」の三面柄合わせに加え、裏も「背」「胴締め」の二面柄合わせがされているので、仕立て師泣かせの5面柄合わせです。

       

      ただし、被せ下は表面と同じ柄を施すのは大変なので、通常はフェードアウトするような感じになっています。

       

      しかし中山+13の筥迫はきっちり被せ下も刺繍があります。

      この作品の場合は、被せ下と柄が合っているのは右下だけで、その他は違う図案に展開されています。

       

      次々と画面が展開する、まるで絵本のような楽しさです。

       

       

      そして裏面に雀。

      やっと出てきた、主役の雀!

       

      正面からあえて見えない部分や、襟に隠れる部分、開かないと見えない部分に象徴的な図案を持ってくるのが懐中物の贅沢な発想。

       

      筥迫は展示しても正面の装飾しか見えませんし、身に付けてもチラッとしか見えないもの。

       

      しかしその部分だけで、

       

      「あの筥迫取り出して見てみたい〜」

      「あの被せをめくって見てみたい〜」

      「後ろはどうなっているの〜」

      「中に何いれるの〜」

       

      と思わせることが大事で、その中身の本当の凄さは本人だけしか見ることができないという優越感こそが筥迫を持つ一番の魅力です。

       

      筥迫は何と隠微な装身具なのかとしみじみ思います。

       

       

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      今後、筥迫画像を扱うブログには、以下の注意書きを載せることにいたしました。

      ぜひ一度お読みくださいますようお願い申し上げます。

      画像の取り扱い、皆さんにお願い

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      【2017.01.29 Sunday 15:23】 author : Rom筥
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