『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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白い内布の難しさ
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    しばしブログの更新を怠っていましたが、実はこの間、「花嫁セット」プロジェクトに携わっておりました。
    筥迫に合わせて帯地を織り上げ、房は京都の糸屋さんに特注、懐剣の中身も正真正銘の守り刀というものです。
    私の担当はもちろん筥迫の仕立てです。
    お話をいただいたときにはため息が出ました。

    しかし、伝統工芸士の作家さんが創り出すこの織物には、「高温アイロン・スチーム不可・裏返し不可」という難題が突きつけられました。
    布が織り上がるまでの間、金襴地でいくつもの試作を重ね、玉縁の糊入れ方法、角の処理、糊付け、型のはめ方、圧着方法等の改善を重ねました。
    そして、アイロンよりも適切ではなかろうかと思える処理方法にたどり着きました(もちろん布の種類にもよります)。
    おかげで金襴の扱いも相当慣れた気がします。

    そんな中、一番難儀したのが「白い内布」の扱いです。
    今回は、塩瀬の白い半襟を使いました。
    内布には薄手のものを使い、玉縁にはもう少し厚手のものを用いました。
    しかし白布はとにかく透ける…。
    いつも使っている綿ブロードでさえ透けるので注意はしていましたが、薄手の塩瀬は尚一層透けます。
    縦横が決まらず、切り口がほつれ、何でもかんでも透けまくる…。
    どんなに下書き線を薄く引いても、印も、留糊の薄い青でさえ透けます。
    静電気などで接着芯に小さなゴミが紛れ込み、それさえも透けます。
    本番ではこの小さな汚れが気になって、抱き合わせ前に胴裏を作り直しました。

    筥迫をこんなに真剣に作ったのは久しぶりです。
    仕上がった筥迫は、白地に細く織り込んだ銀糸が光り、シンプルな美しさを感じる作品になりました。
    この一品にかなりの上達を確信したのもつかの間、時間をおいて冷静な目に戻れば、己の理想とする仕立てには及びもよらず、未熟さばかりが目につきます。
    しかしこれが今の私の精一杯の実力です。

    たった一つの真剣勝負は、百個の試作にも勝ります。
    精神的に疲れましたが、楽しい楽しい一時でもありました。
    【2010.10.15 Friday 15:57】 author : Rom筥
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    この記事に関するコメント
    はじめまして。
    急なメールをお許しください。
    実は花嫁用の赤い新品のハコセコ5点セットを購入したのですが、ハコセコがあまりにひどいものが届き、
    房もなく、匂い袋もなく、ましてやびら簪もついていません。
    なんとかしたくて、またハコセコだけの単品を購入しましたが
    そこには匂い袋しかついていませんでした。
    びら簪とびら簪を入れる部分とそれに付属した房をなんとか手に入れたくて、ここのサイトを見つけました。
    なんとか助けていただけないでしょうか。
    びら簪と、入れ物と房を手作りしたいと思っております。
    ハコセコセットと単品のハコセコでかなりの金額になってしまったので
    できれば手作りで値段を押さえたいと思っています。
    どうかどうか私に手を貸してくださいませんか
    お願いいたします。
    | 真紀 | 2010/10/18 10:15 PM |
    真紀さん>

    それはショックなことでしたね。
    しかし現代の筥迫をめぐる状況はかなりの無法地帯で、
    ありとあらゆる形状のものが筥迫として売られています。
    婚礼用箱迫セットでも、胴締めのないものは『紙挟み』だと思うのですが、それも筥迫なんですねぇ。
    襟元に挟むもの=はこせこ というひどく曖昧な定義になっているようです。
    それでは悩める花嫁さんを助けるため、具体的な内容は直接メールさせていただきますね。
    | Rom筥 | 2010/10/19 10:15 AM |
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