『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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金襴筥迫の作り方
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    現在、販売している「びら簪付筥迫の作り方」では薄手の生地を使うようお勧めしていますが、やはり金襴などの帯地を使って筥迫を作りたいという方は多いようです。
    帯地は物によって厚みも柔らかさも様々です。
    厚手になると折り返しも難しく、またその厚みによって胴締めが短かくなるので、さらに柄が合わせずらいということもあります。
    できれば厚手の生地には玉縁をお勧めしたいのですが、玉縁は縫い代が極端に狭いので、縁の処理を事細かく説明しなければなりません。

    そんなワケで、なかなかマニュアルにしにくいというのが実情ですが、それでも「金襴を使いたい!」と言われる方には、今まで多少なりのアドバイスをしてきました。
    元の作り方はある訳ですし、器用な方ならご自分で型紙を微調整して工夫を加えれば、それなりの筥迫を作ることは可能でしょう。

    これまでマニュアルを購入してくださった方の傾向を見ていますと、「筥迫というものを作りたい」というよりは、「着物に合う生地を自分で選んで筥迫を作りたい」という方が圧倒的に多いような気がします。
    そして、初めて作る筥迫がすでにメインということです。

    それならば、皆さんの気持ちが納得いくように、金襴を扱う際の諸注意をここに書き留めておくことにいたします。
    これだけの説明で、どれだけの筥迫ができるかはわかりませんが、これを参考に、それぞれの工夫と情熱で挑戦していただければと思います。

    ■布地の処理
    帯地は布を裁った後の糸がほつれやすいので、裁断したら即、糸止めをしてください。
    糸止めは、裁断面にサイビノールを薄く塗ります。
    特に横糸がほつれやすいので、裏面から隣接する糸に止め付けるように塗り込みます。
    これはあくまで折り返し用の糸止めの仕方です。
    玉縁はもっと念入りに糸止めをします。

    ■表布の調整
    布の厚みがある場合は、型紙通りでは表布の折り返し分が足りなくなります。
    特に折り曲げる角が2カ所以上ある「胴締め」「外箱」の表布は、それぞれ折り曲げる方向(縦方向)に3mm余分にとって裁断してください。

    ■綿入れ
    マニュアルでは説明がしやすいキルティング芯で綿入れを解説していますが、帯地に柔らかいキルティング芯を使うと、布がひっぱられる強さで綿が潰れ効果が出ません。
    本来は木綿を使います。
    ただし、帯地の筥迫はただでさえ厚みが出ます。
    それを折り返しで作ると更に厚みが増し、襟元が崩れやすくなります。
    帯地を使う場合は、筥迫をいかに薄く作れるかがネックです。
    帯地の場合は素材だけで高級感が出ますので、折り返しにする場合はフラットで作ることをお勧めしています。

    ■柄合わせ
    布の厚みがある場合は、型紙通りに作ると胴締めが短くなります。
    できれば初めは柄合わせをしない方が無難です。
    帯地は仕立ての善し悪しがわかりやすいので、きれいな柄が出ることだけ考えて、丁寧に仕立てることに重きをおいた方がよいでしょう。

    ■堅糊の使い方
    一番の問題は堅糊の使い方です。
    帯地は厚みがあるので、アイロンの熱が届きづらいという難点があります。
    付きづらいからと言って、たくさん糊を付けても布に染み込むだけです。
    ここではアイロンは補助的に使います。

    大事なのは「半乾き」の状態で付けることです。
    半乾きの状態で表布と厚紙を押さえます(手、クリップ、重し等)
    次に、完全に乾く前に(手を離しても厚紙から離れない程度)ハンマーか木槌で叩きます。
    いわゆる「圧着」です。
    しっかり叩くことによって、アイロンをかけたように布の角が立ちます。
    特に布が重なり合う角は、念入りに叩いてください。
    ※布を汚さないように、ハンマーには余り布をつけてください。


    あくまでも帯地初心者向けに書いてみました。
    これを注意するだけである程度の形を作ることはできると思います。

    私が金襴筥迫を作る場合は、帯地用に調整した型紙で、縁は玉縁を使います。
    金襴に玉縁をする際の縁の処理は、手間がかかり神経も使います。
    3mmぐらいの太めの玉縁でよければ、バイアスを使えばそれほど難しくはありませんが、極細の玉縁は難しいので、メールやブログではなかなか説明ができません。
    またこの場合は、外箱にも玉縁を施します。
    これをすると作り方の手順も変わって来ます。
    次回、この方法で作った金襴の筥迫画像をアップします。

    一つだけの筥迫が作りたいのであればマニュアルだけで充分です。
    でももし、もっときれいな仕立てで筥迫が作りたい!という方が出て来た場合は、マニュアルだけでは足りないかもしれませんね。
    そうしたらいつかワークショップでも開きましょうかね。
    充分ではないかもしれませんが、私が知っている知識であれば、いくらでも細かく教えてさしあげることができます。

    美しく仕立てた筥迫は、着物のみならず、飾ってもなお美しいものです。
    そのような筥迫を目指してくださる方が出て来たら、私としてはとてもうれしいです。
    【2010.11.02 Tuesday 14:14】 author : Rom筥
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    この記事に関するコメント
    「びら簪付筥迫の作り方」購入希望です。以前にミニ筥迫の画像をお送りしたものです。本格始動されて、ご活躍、うれしいです。
    | ひいな工房 | 2010/11/11 8:00 AM |
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