『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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はこせこを作ろう!(1)
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    今回は「はこせこなんて自分に作れるのかな…」と、はこせこ作りに迷いを持っている皆さんのために書いてみたいと思います。

    はこせこ作りは、工作、裁縫、結び、房、装飾といった、複数の要素からなった細工物です。
    本来は装飾、結び&房、仕立てと別々の職人さんが作業しています。
    しかし素人の私たちがはこせこを作るとなると、全てを一人でこなさなければなりません。
    ですから、筥迫工房で販売している『びら簪付筥迫の作り方』は、はこせこの全ての部品を手作りできるという、手作りマニアが喜ぶ要素満載の内容になっています。
    半面これがはこせこ作りのハードルでもありました。

    教本をお買い上げいただいた方の中には「入らないようにと思っていた禁断の世界に、ついに踏み込んでしまいました…」とおっしゃる方が少なくありません。
    手作りマニアなら迷いなく飛び込んでしまう世界でも、禁断の門の外には、はこせこ作りに憧れを持ってはいるものの、本当に作れるのかイマイチ自信がない…という方が実はたくさんいるということです。
    しかし難しいからといって簡単なものに改造して作れば、はこせこ作りの魅力は半減してしまいます。
    そこで今回は、はこせこ作りにおいて下げられるハードルを考え、少しばかり禁断の門を広げてみることにしました。

    ところでお気づきかもしれませんが、今回はハードルを下げる意味で「はこせこ」とひらがな表記にしてみました。
    なんて些細な努力…(笑)。


    パーツ別に分けて、それぞれの難度を見てみましょう。
    まずは「本体」です。(胴締め、簪挿しも同じ本体に含めます)



    表側は、厚紙と表布を裁断し貼り込みます。
    内側は、内布と接着芯を裁断し貼り込みます。
    そして表布と内布を抱き合わせにします。
    初めの方には、少しでも目をそらすと迷子になってしまいそうな工程なので、このあたりは教本とにらめっこになります。

    しかし基本は切って貼っての工作のような作業ですので、これは縫い物が苦手な人でも大丈夫。
    何だかよくわからないうちに、あら不思議できあがっていた!というのがはこせこ作りの楽しさです。
    自己流に手を加えてしまうと最後が合わなくなるので、教本に沿って「正確」に仕上げることさえ心掛ければ間違いなくできます。

    次に、側面のアミアミになっている「千鳥掛け」が難しそう、、と思われる方が多いようですが、これは縫うというよりも、型紙のスケールを写し取ってそれに合わせて挿していくだけなので、思っていたよりもカンタンにきれいにできた!とおっしゃる方が多いところです。



    筥迫工房ではこの千鳥掛けの糸を、つがり糸よりも細く、穴糸より太い「かがり糸」を使っているので、扱いもかなりラクだと思います。
    ただし、厚紙と布を一緒にかがるので、「ちょっとの力」と「指ぬき」が必要です。
    糸が細い分だけ細かくかがることになりますが、これを面倒くさいと思うなかれ、多少はこせこの出来が悪かろうが、このようなところが細かくできていてば、ある程度きちんと見えるものです。

    次に「落し巾着」です。



    本体では千鳥掛けを含め、基本的には工作のように作業できますが、巾着はアイロンの先でいくつも細かい折り返しを付け、2mmぐらいの縫い代をできるだけ細かく縫わなければならないので、唯一「裁縫」と呼べるパーツです(手縫いが面倒と思っても、ミシンで小さい円形を縫うは更に難しい…)。
    指先を駆使する作業なので、器用さに自信のない方は、ここでかなりの苦痛を感じるようです(厚手の生地を使うと更に後悔することになります)。
    また、ここにも細かい「二重叶結び」という飾り結びが入ります。

    ここで一つ目のハードルを下げてみましょう
    落し巾着は根付けのようにストッパーの役割をするものです。
    それならば、同じ役割になりそうなものに付け替えてみてはいかがでしょうか(これなら巾着を作らなくてすむ!)。
    薄くて帯の中に止まっているものであれば何でもいい訳です。
    例えば、帯飾りに使われているプレートのようなものや、平べったいチャームのようなものでもいいかもしれません。
    私は透かしのプレートを着けてみました。
    もし滑りそうなら、裏にフェルトを貼ってもいいですね。
    ちなみに、うちの娘には巾着よりもこちらの方が好評でした。



    実は、巾着がどんなにいびつな形になろうが、全く違うチャームを付けようが、最終的には帯の中に入れてしまうものなので、はこせこを身に付けている時は全く目立たないものでもあります。
    でも自作はこせこはついついお友達に自慢したくなってしまうものなので、うっかり取り外した先に五円玉が付いていた、なんてことになったら格好がつきません。
    それなりの飾りを付けることをオススメします(笑)。

    よく七五三や花嫁衣装のモデルが巾着を帯の外に出しているものを見て「これはおかしいのではないか?」と言われる方がいらっしゃいますが、飾りのように出して悪いというものでもありません。
    小さくかわいいので出したくなる気持ちもわかります。
    ただ、はこせこが落ちやすくなるというだけのことです。
    花嫁さんは激しく動き回らないのでそれでいいかもしれませんが、七五三の年頃の子は走り回る、前屈みに物をひろうなど激しい行動をするので、とにかくよく落ちます。
    子どもは落ちたことにも気づきません。
    子どものには、巾着を帯の中に入れておくことをオススメします。

    最後に「飾り房」です。
    飾り房は「結び」と「房」の二つのパーツでできています。



    房の上にある三連の花形の結びは、打ち紐やアジアンコードなどを結んで飾りを作ります。
    飾り結びはこれだけでメインの工作物として成り立っているものなので、初めて結びを体験する人が、単なるはこせこの「添え物」と考えるには重いものがあるかもしれません。

    結びの下には「房」が付きます。
    筥迫房は「難しい」というより、ある意味「面倒」でしょうねぇ。
    現在『婚礼用和装小物の作り方』の制作に一気にスパートをかけているところですが、その最大の難関は「房」の解説です。
    はこせこ房は小さいので適当に作ってもごまかせますが、懐剣袋の房はとにかく大きいので目立ちます。
    袋よりも房の方がメインだと言っても過言ではありません。。
    本格的な形に近づけるように、手順を更に細かく増やしてはいますが、果たしてこれは誰にでも作れる物なのだろうか、、、という不安は常につきまといます。
    はこせこは正確に仕上げさえすれば誰にでもできるものだろうとは思いますが、房を格好良く作るというのは、どんなに詳しく解説をしても、悲しいかな技量の差が確実に出るものでもあります。
    専門の職人さんがいるぐらいですからねぇ。

    そこで現在、市販の房の販売することを検討しております。
    懐剣房を市販の撚り房にするということは、筥迫房もお揃いにする必要があるので、こちらも同時に販売を検討しております。
    つまり市販の飾り房を使いさえすれば、この難関を一気に飛び越えることができるのです。
    ここで二つ目のハードルが下がる…予定です



    ただし、赤、白は確実に販売できるとは思いますが、他の色をどこまで作るかは相当検討しなければならないので、はこせこの色に合ったものが欲しい!という方は、是非手作り房を極めていただきたいと思います。
    うまくできれば、房作りはかなりカイカンを感じるパーツでもあります。

    はこせこを作った方のほとんどは、本体はやる気マンマンで始められると思いますし、終わればそれなりの達成感を味わっていただけるものと思います。
    しかし、はこせこ作りという大きな山を乗り越えて一息ついたと思ったら、実はまだ同じぐらいの山があった、、、それも2つ、、、それが「巾着作り」と「飾り房作り」なのです。
    ですから、この二つの付属品を手作りしないですめば、はこせこ作りのハードルは確実に下がるというワケです。
    結局、これらの付属品作りでさえ楽しいと思えるのであれば、正真正銘の「手作り大好き人間」と言えるかもしれませんね(笑)。

    次回は、この懐剣房を職人さんに頼み込んで作ってもらった!という執念の花嫁さんが登場します。
    こういう熱意好きですね〜(笑)。
    私が房の作り方や仕入れを模索しているときに、実にタイムリーな登場です。
    それではどうぞ次回をお楽しみに!

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    【2011.06.10 Friday 10:24】 author : Rom筥
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    この記事に関するコメント
    懐剣入れの登場が、秋に予定している娘の婚礼に間に合うかと気をもんでおりました。とてもうれしいです。販売を楽しみにお待ちしています。
    | SONO | 2011/06/13 11:35 PM |
    sonoさん、こんにちは。
    お待ちいただいていて申し訳ないです。
    凝り性な性格のため完璧を求め過ぎ、何でもダラダラと遅くなってしまうのが常です。
    販売だけでなく、材料の調整に時間がかかるので(それによって教本の内容も変わるため)試行錯誤の毎日です。

    でもこうやってコメントをいただけると「がんばろー!」と思える単純な性格なので、たまには喝をいれてください(笑)。
    とにかく夏までにはがんばります!
    | rom筥 | 2011/06/15 9:53 AM |
    せかしているみたいで申し訳ありません!
    どうぞ焦らないでくださいね。
    ブログしょっちゅう見て楽しみにしています。(やっぱりせかしているみたいですしら・・・)
    | SONO | 2011/07/03 10:48 AM |
    いえ、いえ、ありがたいです…。

    もっとカンタンに作って安く売った方がいいのだろうとは
    思うのですが、人(外界)から何か言われないと、
    とことん自分の世界に入り込んでやりたい放題にやってしまう性格なので、
    たまに現実に引き戻してもらう必要があります(笑)。
    | Rom筥 | 2011/07/03 12:12 PM |
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