『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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祝儀扇 花嫁用 末広(すえひろ)について
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    末広とは祝儀に用いる扇子のことで、花嫁の衣装や留袖の帯に挿して携帯します。
    『婚礼用和装小物の作り方』の発売に伴い、筥迫工房のショップでも販売を始めました。

    婚礼用 花嫁 末広(飾房なし)




    七五三用 女児 末広(飾房付)



    筥迫の作り方を販売した当初は筥迫のことで頭が一杯で、末広は忘れたられた存在でした。
    しかし、大人用の型紙を付けた筥迫の作り方を販売したときに、大半の方が婚礼に使う筥迫を作られることを知り、改めて筥迫とセットで使う「懐剣」や「末広」の存在を考えるようになりました。

    扇子には大きく分けて、「実用(凉を取る)」「儀式用」「芸能用」の使い方があると思います。
    末広は「儀式用」にあたりますが、帯に差すのは「刀の代用」としての役割があるとされています。
    武士が帯刀が許されていない場所で刀の代用とした、、、明治の廃刀令で刀を差せなくなった士族達が刀の代用にした、、、などの話を聞いたことがありますが、真偽のほどはわかりません。
    Wikipedia「切腹」では、
    江戸時代中期には、切腹自体も形式的なものとなり、四方に短刀でなく扇子を置き、その扇子に手をかけようとした瞬間に介錯人が首を落とすという方法が一般的になる(扇腹、扇子腹)。
    ということがあったので、時代が経つにつれ、扇子=刀といったイメージに代わっていったのかもしれません。

    ちなみに、扇子の骨が鉄でできた「鉄扇」というものがあります。
    これは、帯刀が許されていない場所で、実際に武器(もしくは鍛錬用)として用いられたそうです。
    常に武器を携帯することに気をつかう時代に生まれなくて本当によかったですね。

    ということで、扇子=懐剣とも考えられています。
    筥迫作りだけで疲れちゃったわ…という方は、懐剣の代わりに末広を帯に差すシンプルスタイルを目指してください。
    とは言いましても、打ち掛けには懐剣が映えますし、やはり華やかですので、余力のある方は是非懐剣入れも作っていただきたいと思います。

    私が和装の花嫁衣装を見て、いつも不自然に感じていたことがあります。
    それが「房の多さ」です。
    襟元に筥迫房(小1個)、その反対側に懐剣房(大2個)と末広房(小2個)、合計5個もの房をワンサカ帯に垂らすのは、見た目にうるさいような、ちょっと不自然な姿に思っていました。
    そのように思われる方は、末広は無理に帯に付けなくてもいいのではないでしょうか。
    ただ、式の入場の際や撮影のときは、花嫁さんが何も持たないのは格好がつきませんし、やはり手に持つだけでも末広、もしくは最近流行のブーケは必要かもしれません。

    帯に末広を差す際は、扇面を表(金側)に向け、若干斜めに差し込みます(懐剣を差すイメージで)。
    このとき末広の先が2〜3cmほど見えるぐらいのところまで深く差し込むようにします(刀は一柄分帯から出すように差します)。
    これじゃ目立たない!と思われるかもしれませんが、目立つほど末広が出ているのは格好がよくないことなのです。
    とにかくこれは「刀なんだ!」と自分に言い聞かせましょう(笑)。
    そして末広を使う上で一番注意しなければならないのが、どんなに暑くてもあおいではいけない!ということです。
    花嫁が末広であおぐ=花嫁が刀を振り回す、、ぐらいに思っておきましょう(笑)。

    また、扇子を自らの前に置き挨拶をするのは、相手との間に境を作って礼を行なう(敬意を示す)ことで、結界を作るという意味でもあるそうです。
    そう考えると、晴れの日のご両親への挨拶は、この末広がとても重要に思えますね。(私自身は両親への挨拶を忘れたくちですが、、汗)

    花嫁スタイルで懐剣が定番になったのはそれほど昔の話ではなく、武家の花嫁のイメージをあいまいに取り入れている部分も多いのですが、祝儀扇は用途によって格式が細かく定められています。
    花嫁が使う末広は決まったものがあります。
    婚礼用と書いてあってもほとんどが留袖用ですし、房がついていても白黒以外の色物は成人式用なので、間違ったものを購入しないように気をつけてくださいね。

    花嫁さんが用いる末広は、表が金色、裏が銀色で、白無垢の場合は白骨を使いますが、振袖や引き振袖など色の付いた着物には、留袖で使うような黒骨のものも使えます。
    留袖用の末広も、扇面は金銀、親骨には黒や白(黒留袖不可)を使い、見た目は花嫁さんの末広と同じようです。
    唯一の違いは、花嫁さんの末広には長〜い「飾り房」を付けるのが特徴で、表(金面側)の要に、飾り房を取り付けるための丸カンが付いていることです。



    この飾り房は「未婚女性」だけが付けることができます。
    この形に飾り房が付いていれば花嫁用ですが、末広を単品で購入する場合は、飾り房がついていない場合が多く(別売り)、こんな小さなカンでしか違いがわかりません。

    この飾り房はだら〜んと長いまま下げて使わないでくださいね。
    飾り結び(三段)のだいたい二段目ぐらいまでを末広にくるくると巻き上げて持ってください。

    筥迫工房のショップで、末広は初めて販売するものなので、とりあえず購入しやすい中国製のものにしました。
    日本製と比較していないので、実際どう違うかはわかりませんが、とりあえず閉じて使うものですし、これはこれでよいのではないかと思います(安価な筥迫セットの末広はもっと安っぽい感じ)。
    もし末広を購入される方が増えるようであれば、多少高くはなりますが、国産の物や黒色も順次入荷して行こうと思います。

    大人用は飾り房がついていませんが、この末広用の飾り房の作り方は、近日発売の『びら簪付筥迫の作り方(改訂3版)』に解説しています。
    この改訂のお知らせは、この次にいたしますが、以前、教本をお買い上げいただいた方の中で、この改訂部分がほしいという方にはPDFを用意する予定ですので少々お待ちください。
    【2011.08.26 Friday 08:58】 author : Rom筥
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