『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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筥迫用の生地について(3)金襴
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    3回目に「縮緬」について書くつもりでしたが、依頼していた金襴のサンプルが届いたので、先に「金襴」について書きたいと思います。

    筥迫を作ろうと思う方は、まずは布ありきで始められる場合が多いと思います。
    そしてまず目につくのが、金襴のような帯地のようです。
    確かに金襴のような生地で筥迫を仕上げると、装飾はなくてもそれだけで見栄えがします。
    第一回の「筥迫の生地について」や「教本」では、始めは折り返しのできる薄めの生地で作ってくださいと強くお勧めしているのですが、どうせ大変な思いをして筥迫を作るなら「この生地で大変な思いをしたいの!」という方の気持ちも痛いほどよくわかります。
    ということで、それほどまで金襴が使いたいのであれば、ここを注意してくださいということを今回は書いてみたいと思います。


    ◆金襴を扱っているお店

    小さく、薄く、細かい筥迫作りに、厚手の生地を使う、、、これがいかに難儀であるか誰でも想像できると思います。
    しかし、金襴と一口に言っても、薄いものから厚いものまで様々で、最近は細工物がしやすい薄手の金襴も増えてきました。
    金襴を購入する場合は、とにかく「厚みを調べる」ことが一番重要です。

    金襴を扱うお店は多々ありますが、私はネットショップでは「都香庵(トコウアン)」さんと「Oriet Kyoto(オリエットキョウト)」さんで購入することが多いです。
    他のショップと違うのは、まず、金襴の種類を「模様」と「色」で検索できること、そして何より「厚み」を全ての商品に表示してくれているところです。(そのぐらい厚みに対するお問い合わせが多いということだと思いますが)


    ◆和布・和風生地・和風小物販売専門店都香庵

    都香庵では、生地巾70cmに対し、10cm単位で販売されています(最低単位は20cmから)。
    金襴ような織物の場合は、縦横を正確に取る必要があります。
    都香庵で金襴を購入するなら、20cmの長さではギリギリ胴締めの長さに足りないので、30cmで購入することをオススメします。
    ※教本に添付されている型紙を使う場合、「外箱(表布)」は長手方向に+5mm「胴締め(表布)」は長手方向に+1cm、長めに取るようにする(あくまで生地の厚さによる)。
    ※縦横がわかりにくい柄であれば(自分が納得できるのであれば!)、胴締めと被せを横に取れば20cmでも可。

    30cmではかなり余ってしまうようですが、被せや胴締めにいい「柄出し」をするには、このぐらいの余裕があった方がよいかもしれません(「柄合わせ」はこれでも足りない場合もある)。
    また、懐剣を横目で取っていいなら、この長さでも充分です(縦目で取るなら40cmの長さが必要)。



    都香庵では、実際の厚さを「やや薄手(〜0.35mm)」「中厚(0.36mm〜0.54mm)」「厚手(0.55mm)」で表示しています。
    趣味で裁縫される方にも縫いやすいように、薄手で仕上げているものが多いそうです。
    特に「やや薄手」なら、教本添付の型紙で問題なく作れるのでオススメです。
    ただし金襴の良さを感じるような柄は「中厚」程度になるので、生地によっては難しい厚みも含まれます。

    また「友禅」「縮緬」を探して都香庵にたどり着くことも多く、すてきな柄が揃っています。
    どちらも金襴よりはずっと扱いやすいですので、ついでに覗かれてはいかがでしょうか。
    特に、都香庵の綸子は薄くて張りがあるので、筥迫の内布には最適です。

    発送は「ゆうパック」「クロネコヤマト」になります。






    ネットで買える織物屋さんOriet Kyoto

    Oriet Kyotoでは、69cm×50cmの生地の半巾分「33×50cm」を1つの単位としています。
    筥迫だけなら、この1単位で柄出しも考えられる充分な大きさです。
    柄出しを考えないでもいいぐらいの小さい柄であれば、懐剣を入れてぴったりの大きさです。
    ただし、柄合わせをするのにこの単位では足りないという場合、縦に長くなるのではなく、元の生地の横幅(65cm)でカットされるのでご注意ください。

          

    Oriet Kyotoは豪華な金襴が多く、どれもこれも欲しくなってしまいます。
    このような金襴で仕立てられた筥迫は、とても見栄えがします。
    しかし、豪華な金襴は玉縁処理しなければならない厚手が多いので、よくよく確認してから購入してくださいね。

    Oriet Kyotoでは、金襴の「厚さ」と「やわらかさ」を★印で表示しています。
    箔を多用している金襴は大変豪華ですが、処理が大変難しいので、きれいに仕上げたいなら★★★程度の厚さのものを選んで、折り返しができる金襴で作ることをオススメしあます。
    厚手金襴は、かなり経験を積まないかぎり難しいと思います。
    ※どうしても筥迫に厚みが出過ぎるという場合は、「外箱」だけ同じ色味の薄手の別布で作るというのも手です(あくまでイレギュラーな方法です)。

    また「洋の生地」では色無地が豊富に揃っています。
    シルクシャンタンは内布にちょうどよさそうですが、色数の多いローカウントは節(ネップ)が縞のように出ているので、筥迫にはちょっと合わないかもしれません(まぁお好みですが)。
    ハイカウントは厚手だし、、、ということで、筥迫の内布にはミドルカウントをオススメします(1単位=54×50cmで内布には充分)。
    その他、Orietの綸子はテロテロとした手触りのものではないので扱いやすいでしょう。
    羽二重も扱いやすいのですが、ミドルカウントでも薄すぎて透けるのが難。
    ポリエステルサテンの厚みはよいのですが、テカテカが気になるなら裏を使うのも手です。

    「メール便」発送が可能なのがうれしいですね。






    ◆金襴の厚みと処理の方法


    金襴は同じ厚みでも、使用する糸、織り方、生地の硬さ、デザインなどによっても、だいぶ厚みが違うように感じます。
    更に箔を多用しているものは、比較的堅い感じになるようです。
    どちらも、店側の主観によって判断されているので、あくまでも参考程度にお考えください。
    それでは、それぞれの厚みで仕立てをする場合の処理方法を書いてみます。(こちらもあくまで目安です)

    「Oriet Kyoto=★」「都香庵=綸子」
    筥迫の内布用の生地として最適。
    どちらも一般的な綸子よりも張りがあり、細工用としては扱いやすい。

    「Oriet Kyoto=★★」「都香庵〜0.3」
    折り返し可。薄手用型紙使用。

    「Oriet Kyoto=★★★」「都香庵〜0.48」
    折り返し可。厚手用型紙使用。

    「Oriet Kyoto ★★★★」「都香庵〜0.5」
    玉縁推奨。ものによっては外箱のみ折り返し可なものもあるが、そうでなければ外箱も玉縁使用。厚手用型紙使用。

    「Oriet Kyoto」「★★★★★」「都香庵〜0.58」
    全て玉縁。厚手用型紙使用。


    「薄手用型紙」「厚手用型紙」とありますが、型紙のことは一緒に解説をすると長くなるので、また後日掲載することにします。
    自分で修正する方法も書くつもりですが、細かい調整が必要なので、いつか厚手用型紙を別に販売するかもしれません。

    表に金襴を使う場合は、内布は絶対に「薄手」をお使いください。
    「綸子」ぐらいの薄さならちょうどよいですね。
    間違っても「縮緬」など使わないよう、ここのところは堅くご注意申し上げます(縮緬はシボの分厚みが出ます)。
    あとは、玉縁の仕方の注意点もありますが、これもまたいずれ解説します。

    金襴のような厚手生地を使う場合は、材料セットなどに同梱している「キルティング芯」は、入れてもあまり効果がありません。
    生地の厚み(強さ)にキルティング芯が潰れて、綿を入れた意味がなくなってしまうからです。
    あくまでも教本や材料セットは、初心者用に「扱いやすい」説明、材料で用意されているものだとお考えください。
    慣れていけばキルティング芯よりも天然綿をできるだけ高く盛って、美しい厚みを出したくなるものです。
    しかし金襴で綿を盛るのは最難関になるので、とりあえず金襴にはフラット仕立て、またはプラス玉縁ぐらいをオススメします。

    接着剤は薄糊、木工用ボンドでは太刀打ちできないものもありますので、始めから「サイビノール」を使った方がよいと思います。
    アイロンも太刀打ちできない厚みの場合は、その都度クリップで留めて圧着してください。
    布が重なった角の部分は、接着剤が完全に乾く前にハンマーで叩いて潰します。
    なんかこうして書いていくと、とても手芸という雰囲気ではありませんね、、、



    既成の材料がほとんど販売されていない筥迫作りの世界では、あらゆる仕入れ先と取引を開始するときに、一見という立ち場で面倒なお願いをしなければならず、けんもほろろというような対応をされることも少なくありません。
    そういう意味では、今回サンプルを取り寄せただけとはいえ、「都香庵」と「Oriet Kyoto」の担当者さまには詳しい説明と快い対応をしていただき、心より感謝申し上げます。
    メールでの対応は、簡潔な断り文ほど冷たい表情を読み取ってしまいがちですが、たまに気持ちのある対応をされると肩すかしをくらったような気分になり、次第にうれしさがこみ上げてきます。
    自分も常にそうありたいものだと思ってしまいます。



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    【2012.01.28 Saturday 19:07】 author : Rom筥
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