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実用筥迫 Rom筥作品12-1 〜二つ折小被付筥迫〜
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    最近、筥迫画像をアップしていないので、しばし筥迫用生地トピックスはお休みして、初お披露目の筥迫をご紹介いたします。



    今までとはちょっと違った形に、すぐに気がつかれた方も多いかと思います。
    以前から、時々話題に出ていた「実用筥迫」です。
    その名の通り「使える筥迫」ってやつです(笑)。
    ちょくちょく作ってはいるのですが、ただその形に作るのと、人に提供できる正確な形に作るのとでは、雲泥の差があります。
    そんなことで、やっと人様に見せられるところまでやってきました。まだまだ手直しの余地はありますが。



    正面から見ると、とってもシンプルです。
    角度を変えて見ると、上は被せもなく最も単純な紙挟みの形状です。



    通常のびら簪付筥迫(左)に比べ、厚みがぐっと抑えられているのがおわかりになるかと思います。
    これにはオリジナルがありますが、薄い筥迫を作ろうと思ったのか、単にこういう形だから薄くなってしまったのかはわかりませんが。

    それでは、どこが実用なのか、ちょっと中を開けてみましょう。



    上が「鏡入れ」、下が「小銭入れ」です。

     

    鏡は穴の空いた段口に入っているので、出し入れ自由です。
    この鏡は2mmの厚さがあるので、小銭を入れるのに邪魔になるようであれば、スイカやカードを入れてもよいでしょう。

    小被せ付きのそげ襠の袋に、ちょっとした小銭を入れることができます。
    小被せにはお約束のコハゼ付き。
    筥迫や紙入れ用にはもっと小さなコハゼがいいのですが、現在市販されているのはこのサイズのみ。
    かつて、この小さなコハゼは象牙で作られ、細かい蒔絵が施されたりしていたんですよ。
    ホント昔の日本人のこだわりって偉大なものがありました。
    今では、そういうものを作る職人がいなくなったのではなく、そういうものを欲しがる(お金を出す)消費者がいなくなったってことです。


    これは、サンプルで集めた筥迫の中にある私の一番のお気に入りの形で、自分なりに手をいれつつ復元したものです。
    昔の筥迫には、このように様々な形がありました。
    私の持っているものは、そのうちの数種類ぐらいだと思いますが、襠の付け方だけでけっこうな数があるので、日本人というのは、つくづく新しいアイデアを生み出すのが好きな人種だなと感心してしまいます。
    そのうち、装飾が一段落したら、徹底的に作りまくってみたいと思っています。

    ところで、筥迫とは言っても、元が紙挟みから発展した(派手にした)ものなので、どこまでを筥迫と呼んでいいのか、、、という問題もあります。
    江戸時代の筥迫はとても特徴的な意匠だったので、明確な定義はあったと思いますが、明治以降に庶民権を得てからは、かなり曖昧になってしまったように思います。

    現代では、これを筥迫と呼ぶかい?!という形のものをたくさん見かけます。
    筥迫と名乗るなら、最低限胴締めは付けましょうね。
    できれば少しでも箱型をイメージできるような形であってほしいとは思いますが、このタイプは「筥迫型紙入れ」ぐらいの軽さです。
    ※嚢物(ふくろもの)の中の「紙入れ」というカテゴリーは、懐紙を入れるものから、お金を入れるものまで、多用な用途があります。
    とりあえず胴締めは付いているので、これはこれで「実用筥迫」と名付けてみました(そのうちいい方変えるかも、、、)。

    「びら簪付筥迫」は、実用として使えるものですか?とよく聞かれます。
    そこはあっさりと「アクセサリーみたいなものです。」と言っています。
    びら簪付筥迫を実用的に使ってみたい、などという発想が頭に浮かんでしまうと、この優雅なびら簪がやたらと邪魔な存在になります。
    筥迫の中を開くためには、このびら簪をどこかに置かなければならないので、時間がかかるんですよね。
    実は、この実用筥迫のオリジナルは、横差しのびら簪が差し込めるようになっていますが、ここではあえて付けていません。
    いつかまた、びら簪付きのものもご紹介しようと思いますが。

    びら簪付筥迫のアクセサリー使いが、どうしても納得いかない方には、「頻繁に中のものを出し入れする用途には適さないので、スイカやpasumoのように、入れっぱなしで使えるものにお使いください。」と言っています。
    妙齢の振袖美人が胸元からスッと何かを引き出して、自動改札や自動販売機に何やら豪華な定期入れをかざしている!なんて光景には、ただならぬ迫力を感じることでしょう(笑)。

    もちろん、この実用筥迫であれば、房のついた定期入れぐらいのイメージです。
    取り出すときは、落し巾着を帯に差し込んだまま、胴締めから本体を引き抜くと、より使いやすいと思います。

    この実用筥迫の教本は、今年は作る予定がありません(ごめんなさい)。
    どうしても実用筥迫の作り方が知りたい!という方がいらっしゃいましたら、WS(ワークショップ)にて対応していきたいと思います。



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    【2012.02.11 Saturday 10:48】 author : Rom筥
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