『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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日本刺繍の筥迫『犬張子と鈴』 製作:Midori.S
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    装 飾:日本刺繍『犬張子と鈴』(製作:midori.S)
    仕立て:玉縁、綿入り(製作:Rom筥)
    表 布:塩瀬(白)
    内 布:塩瀬(赤)
    打ち紐:筥迫用 唐打A <2紅>
    房 糸:切房専用糸:筥迫・末広用 2<紅>
        とじ糸:メタリックゴールド <金糸>
    かがり糸:正絹 3 <紅>
    緒 締:丸玉ビーズ 61<赤>
    びら簪:大人用 <霞>
    ----------------------------------------------------------------

    私が通っている日本刺繍のお教室で、近々作品展をすることになりました。
    常日頃から日本刺繍の筥迫を宣伝しまくっていたおかげで、作品展に向けて筥迫刺繍をする人が現れました。
    犬張子の図案が大好きなmidoriさんの筥迫作品第一号です。

    midoriさんは私より一年ぐらい遅くに入ったので、日本刺繍を始めてからまだ一年半ほどですが、やたらと手が早く上達が早い。
    私がちんたら1〜2個の作品を作っている間に、3個作ってしまいました。
    Midoriさんから掲載の許可を得ていますので、10月の作品展までの宣伝も兼ねて順次アップしていきますね。

    今回初めて「装飾」と「仕立て」の制作者が別々になりました。
    個人的には、筥迫は色々な人がコラボで作品を作り上げていくのがいいのではないかと思っていたので、やっと実現できたという感じです。
    これからは仕様に、装飾と仕立ての制作者が別々に表示されることも多くなると思います。



    昔から犬張子図案の筥迫は絶対にかわいいだろうと思っていました。
    これを身に付けたら、襟元からワン子の顔が覗くんですよ。
    どう考えてもかわいすぎる〜〜〜。
    アンティークの着物を今風にアレンジして着こなす着物女子なら、うまく馴染ませてくれそうですかね。
    でも筥迫なんて、とにかく手にしてみて、かわいい〜〜!、
    きれい〜〜〜!と愛でるだけで幸せ感じてしまうものなので、もうそれだけでもいい!(←私やmidoriさんタイプ)。


    内側のおしゃれ

    じつはこれ、被せを開いた外箱の内側にも刺繍が施されています。

    うわ、な〜んてかわいいんでしょう。

    外箱に柄を入れた場合、背側にするか内側にするかは、仕立てのときに決めることができます。
    背側にすると作品としての仕上りが豪華になるとは思うのですが、これは図案が微妙な大きさで、背側にすると胴締めで顔が隠れてしまうため内側で仕立てました。
    内側に柄が入ると、作品としては一目でわからないのが残念なのですが、筥迫を開いた時のちょっとした驚きがあって、実際の印象としては強いと思います。

    小さな子どもであれ大人であれ、筥迫を一目見た時に不思議な魅力を感じてしまう人は、必ず筥迫の中身に好奇心が向かいます。
    それでこっそり開いてみたら、中に鏡が付いていた!とかなり記憶に残る意匠だと思うんですよ。

    筥迫の基本形は三つ折りですから、一つずつ扉を開いて行く、という行為もなんかちょっと怪しく感じたりして(笑)。
    内側に凝るのは日本人の美学ですし、表は地味なのに鏡部分を全開したらど派手な刺繍が施されていた!というのを、私もいつか作ってみたいです。


    びら簪

    今回、びら簪は「横差し」にしました。
    これは三つ折り部分にただ差し込むだけですが、けっこう安定しています。
    横差しにすると、下のびらびら金具が縦に円を描くように垂れる様がすてきです。



    これを通常の簪挿しに差し込むと、犬張子の顔に紗がかかってしまいます。(左)
    これはこれでお好みだとは思いますが、刺繍の制作者なら絶対にこういう付け方はしないですね。あまりにも悲しすぎるので、、、。
    私がお勧めする差し方は、前の下がりの2本分を筥迫にかけて、それ以外は筥迫の外に出すという挿し方です。(中)
    これなら筥迫の装飾もよく見えて、本体との一体感もあり、何よりびら簪の華やかさが強調されます。
    それにしても今回の図案には邪魔です。
    こういうときは潔く横挿しにしてしまった方がよいですね。(右)
    一番目立つ挿し方です。

    実用の薄型筥迫などはびら簪を上に挿す幅がないので、横に簪挿しごと差し込める穴が空いています。
    ですから、もちろんこのような挿し方もあるわけです。
    こうして改めて見てみると、画像よりもう少し筥迫側に入り込んでいるぐらいがちょうどよいかもしれません。


    『赤』という色

    内布と玉縁は鮮やかな「赤」で決めました。
    赤の匹田絞りなどもよいかと思ったのですが、狛犬だしやはり魔除けの赤がいいかなと。
    実はこの赤の内布は、私のこだわりの生地で、今回初お披露目です。

    内布ってけっこう難しいのですよ。
    私はアンティークの筥迫がお師匠ですから、昔から舐めるように眺めつくしてマネをして、食事をしながらでも手に取れるように、いつもダイニングテーブルの横に置いていました(せっかくの刺繍筥迫が手垢でボロボロです)。
    そのアンティークの筥迫によく使われる内布があるのですが、この生地を昔から探しに探していまして、あるときなにげに刺繍教室でご一緒している和裁の先生に話をしたところ、お店に出入りしている業者さんに聞いてくれるということになりました。

    たぶん塩瀬の類であろうとは思うのですが、一般的な塩瀬より目が細かく、薄く、張りがある、という条件で探してもらいました。
    着物に使うような生地ではないのかもしれません。
    ただし「一匹」(二反分の長さ)での販売になるとのことで、筥迫なんて小さなものに一反でも相当な量だと思いますが、それを倍量です。
    すごく迷いましたが、これを逃したら当分手に入らないだろうと思い、意を決して購入しました。

    反物を一匹買って気が大きくなった勢いで、この際だからこれを半分に分けて、片方を「赤」に染めてもらうことにしました。
    筥迫にちょうどよい「赤」もホントないのです。
    染屋さんってすごいですね。
    見本があればその色に染めますと言われ、内布に使われている中で最高にきれいな赤を探して渡したところ、もうぴったりの色で染め上がってきました。すばらしい!



    筥迫を初めてから、私は赤に相当うるさくなりました。
    始めの頃は、内布はもっぱら綿ブロードを使っていましたが、その理由はまず扱いやすいこと、そして色が豊富ということです。
    かつて池袋にあった「キンカ堂」は綿ブロードの色が豊富で、赤だけで6種類ぐらいあり自分の好きな赤が探せたのですが、今行っている生地屋さんは赤が3種類ぐらいしかないので、どうしても気に入った色が探せない。
    染屋さんでも赤は別料金らしいです。
    赤って難しいんですかね。
    でも綿と絹では当然のことながら発色が全く違う。
    絹は輝くような赤です。
    そんなワケでこの赤の内布にはけっこうお金がかかっているのですが、もう赤に悩むことがなくなったので、ストレスは一つ減りました。
    しかし、自分の求めている生地とはまだちょっと違うというのが本音。
    仕上りはとてもきれいだけれど、扱いがかなり難しい。
    これを使い切るまではまだしばらくは時間がかかるでしょうから、それまでにまたじっくり探してみることにしましょう。


    『はこせこ掲示板』にも、初の日本刺繍筥迫が掲載されています。
    制作者の武部さんは日本刺繍が本職の方です。
    是非、下のバナーから目の保養に行ってみてください。
    筥迫に小さな刺繍が入っているだけでも相当すてきなので、私やmidoriさんのようにまだ日本刺繍を初めて1〜2年という方も是非刺繍筥迫に挑戦していただいて、掲示板に投稿していただけるとうれしいです。
    筥迫を作らなくても「筥迫は見るだけで幸せ!」という人もこのブログや掲示板にはたくさんいらっしゃいます。
    そんな皆さんへのお願いは、これぞ!と思った人には是非ねぎらいのコメントを入れていただきたいということです。
    これは制作者の張り合いになると思いますので、今後の筥迫文化を盛り上げるためにもご協力いただけるとうれしいです。


    <訂正>
    ある方から指摘を受け、「狛犬」→「犬張子」に訂正しました。
    これは私もブログをアップする前にけっこう悩んだんですよね。
    いつか「狛犬」→「犬筥」→「犬張子」の話をブログに書こうかと思っております。
    (2012.9.2)


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    【2012.08.31 Friday 11:40】 author : Rom筥
    | 日本刺繍の筥迫 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
    この記事に関するコメント
    まぜごはんの武部です。
    コメントありがとうございます。
    そして犬張り子くんすごく可愛いですね。実物是非見てみたい・・・
    こちらのブログに少しコメントを書かせていただきました。
    | まぜごはん | 2012/09/06 10:20 PM |
    コメントありがとうございました。
    実は私、こういうお店屋さんごっこ系は大好きなんです。
    ですから、もう何でも凝り凝りで作っちゃいます。
    会社勤めをしていた頃は、時間をかけて作った物は、そのまま価格に反映されてしまうので、時間はかけさせてもらえませんでした(とにかく安く!早く!の世界でしたから)。
    でも今は、どんなに時間をかけようが、誰も文句はいいません。
    あまりにも手をかけすぎて自分が後悔するだけです(笑)。
    自分の好きにやるためには、あまり手を広げず、お客さんたち一人一人と直接やりとりできるぐらいの範囲で、細く長くやっていきたいと思っています。
    | Rom筥 | 2012/09/06 11:05 PM |
    ああ
    ずぼらな私と大違い、、、
    大変だとは思いますが、受け取るほうは本当に嬉しいです。
    刺繍展盛会をおいのりしております。
    | まぜごはん | 2012/09/08 9:25 PM |
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