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日本刺繍の筥迫『花と蝶』 midori.Sさんの作品
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    装 飾:日本刺繍『花と蝶』(製作:midori.S)
    仕立て:玉縁、薄綿入り(製作:Rom筥)
    表 布:塩瀬(白)
    内 布:綸子(八掛生地
    打ち紐:江戸打D2 <4濃紅>
    房 糸:切房専用糸:筥迫・末広用 4<濃紅>
    かがり糸:ポリエステル 4 <濃紅>
    緒締め玉:緒締め玉:大穴ビーズ 3<朱赤>
    びら簪:大人用<花>を元にしたオリジナル
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    midoriさんの作品第二弾です。
    古典柄の蝶々がなんてかわいらしい

    今回もまた被せを開くと蝶々が。



    内布に八掛けのはぎれを使いましたが、ぼかしがいい具合に入っています(今、気がついた、、)。
    しかし、このように見えないところに刺繍を入れると、「見せて〜!」と周りの人から触られまくって、大事な作品が手垢まみれになってしまいそうです。
    それでも絶対見せたくなってしまうほどかわいいです(それが筥迫の運命だ!)。


    綿入れ

    前回の犬張子は、胴締めに「綿」をたっぷり入れましたが、今回のように一つ一つの柄が小さいと、被せと合わせたときにフォルムが崩れそうだったので、綿は気持ち薄っすらと入れることにしました。

    私は綿入れの際に「天然綿」を使っています。
    教本に載っている「キルティング芯」を使っているかぎり、あの丸みや厚みは出ません。
    天然綿は厚みをつけたり、形をつけやすいのはいいのですが、扱いがとても難しいので、教本で説明できないというのもあります。
    しかし今回のように薄く入れようとすると、生地の中で綿がよれて片寄りやすい(胴締めの下ちょっと皺が寄ってしまいました)。
    薄めに仕上げたいときは、均一に厚みが出るキルティング芯を使う方が無難かもしれません。




    柄合わせは『だまし絵』

    今回のような図案は、「折り返し」にするか「玉縁」にするか迷うところです。
    筥迫を作っていると「玉縁」を施すのが最上と思いがちですが、図案によっては折り返しにした方が「絵のつながり」がはっきりとわかって効果的であることも多いのです。
    今回の図案では、刺繍を効果的に見せたければ「折り返し」を考えるでしょうし、筥迫としての効果を考えれば濃いピンクの「玉縁」で締めたくなるので、これはあくまでも好みです。

    筥迫本体と胴締めの続き柄は、「だまし絵」のようなものです。
    一枚の絵のように見えて実は別々の物である、ということを綿の膨らみや玉縁で見ている人に気がつかせます。
    折り返して仕立てるということは、胴締めと被せのつながりが密になり、こんもりとした綿が不思議な目の錯覚をおこして、だまし絵としての効果がより強く出るような気がします。
    ただし、玉縁より「柄合わせ」はずっとシビアです。



    反対に「玉縁」というのは、続き柄を完全に裁ち切ってしまいます。
    裁ち切りつつも一枚の絵であることをわからせ、なおかつ図案の雰囲気を壊さないために、玉縁は極細でなければなりません。
    玉縁は続き柄であることを見せびらかしているようなものですね。
    こういうところが玉縁のにくいところです。

    玉縁をするときは、刺繍のギリギリ1mm際までハサミを入れます。
    苦労して仕上げた(であろう)刺繍作品を小さく切り刻むことは、仕立てをする者からすると非常〜〜に抵抗感があります。
    布にハサミを入れる時は、深く呼吸をし、つい柏手をしてしまうほどです(私クリスチャンなんだけどな〜)(笑)。
    (ちなみに「柏手」を調べたら、悪霊を払ったり、これから結界に入ることのあらたまりを意味するらしい。やっぱこっちだわ。)
    何十個作ったら、この緊張感から解放されるのだろうか、、、。

    本体と胴締めは完全につながりのある絵なのに、胴締めをずらすと本体の方にほんのちょっと違う景色が現れる、、なんて趣向で私も刺繍してみたいものです。
    やりたいことはたくさんありますが、なかなか手が付いていかないのが現実です。


    『飾り房』と『びら簪』

    今回使った「打ち紐」は「切房専用糸:筥迫・末広用 4<濃紅>」で、今まではこの色のみ「D1」タイプで販売していました。
    しかし、このタイプは筥迫工房で扱っている打ち紐の中で一番細いもので、結んでいるそばからほどけていくという、とても結びにくい紐でした。
    飾り結びに相当慣れている人でないと、ちょっと使えないかもしれません。
    そこで、今回からD1タイプの取り扱いを廃止し、Dタイプは「D2」のみの扱いとすることにしました。
    D2は、Cタイプと同じ江戸打ちで、より太めなので、がっつりした仕上りになりますが、アジアンコードのように結んでいる最中に戻らない(ゆるまない)ので結びやすいと思います(指は痛くなる)。

    今回使った「濃紅」という色は、写真に撮るとほとんど赤に写ってしまいますが、実際には「赤に近いピンク」です。
    赤と濃紅を並べてみても、よくよく注意しないと間違ってしまいそうなほど似ているのですが、実際にこの筥迫に合わせてみると、はっきりと違いがわかります。
    筥迫にはとても使いやすい便利な色です。
    今回、Dタイプを2色増やしましたので、また別の回でご紹介いたします。

    今回の「びら簪」は、「大人用<花>」をベースにして私が作りました。
    筥迫刺繍に合わせて「花と蝶」です。
    びら簪は単独のカテゴリーを増やしましたので、こちらは次回詳しくご説明したいと思います。



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    【2012.09.14 Friday 20:54】 author : Rom筥
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