『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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2012 七五三の筥迫 〜帯地〜
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    仕立て:玉縁、綿入れ仕立て(製作:Rom筥)
    表 布:帯地
    内 布:八掛地
    筥迫房:打ち紐:筥迫用 唐打A <19白>
        切房専用糸:筥迫・末広用 19<白>
        切房専用糸:アクセント用 <金糸>
    懐剣房:打ち紐:懐剣用 江戸打A 19<白>
        切房専用糸:懐剣用 19<白>
        とじ糸: メタリックゴールド <金糸>
    かがり糸:正絹 19 <白>
    緒締め玉:パールビーズ 2<生成>
    びら簪 :アンティーク
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    2012年の七五三筥迫、二つ目は白系の筥迫です。
    2012 七五三撮影会(後半)

    帯地

    白系とは言っても、白は房で筥迫は薄金です。
    七五三筥迫にちょうどよい、小さい柄ゆきの帯地を使いました。
    帯地や着物地の場合、生地の中に同一パターンがないことの方が多く、そういうものでは柄合わせはできません。
    今回の帯地もそうでした。

    右半分はすでに筥迫用にカット済で、こちらは懐剣の分です。

    この蝶々の部分が一番大きかったのですが、子ども用の筥迫に使うと右側が胴締めの中に隠れてしまい、あまり効果的ではありません。
    ということで、こちらは懐剣に使うことにしました。

    柔らかい生地なので、雰囲気的には綿をふっくら入れたくなりますが、今回それができない事情がありました。


    それがこの裏面。
    すさまじい糸、糸、糸、、、、。

    この糸だけで柄部分はかなり厚みがあり、またその部分はとても堅いのです。
    これに綿を入れると、仕立てがかなり難儀になります。
    つまり、仕上りがきれいにならない可能性大ということです。
    やはり仕上りは重視したいので、今回は綿は入れないことにしました。
    玉縁を施す縁部分は厚みを極力抑えたいので、糸が抜けない程度にカットし裏打ちします。


    玉縁

    一番の難儀は「玉縁」の処理です。
    本体の「縁」の厚みを抑えようと思っても、素材的にある程度の厚みは避けられません。
    このような場合は、玉縁に使う「細布」に一番扱いやすい素材を使います。
    それは「綿ブロード」です。



    着物の世界は一般的に「絹」へのこだわりが強く、いくら玉縁に綿ブロードが作りやすいと言っても、絹に木綿の組合せを受け入れてもらえないこともあります。

    以前、ある方から玉縁がどうしてもうまくいかないというご相談を受けました。
    筥迫はとってもうまく作る人なんですよ。
    でも玉縁がうまくいかないと。
    私からのアドバイスは「綿ブロードで作ってみてください」でした。
    うまくいきました〜と返信がありました。

    私だって、いつも綿ブロードの玉縁を使っているわけではないです。
    筥迫本体の生地が難しくて、絶対に失敗したくないときに使うぐらいです(多少手は加えますが)。

    自分のお気に入りの生地で筥迫を作って満足するのが第一段階。
    筥迫がきれいに仕上がる素材を探して、完璧なフォルムを作れるようになるのが第二段階。
    どんな材質を使っても、常に完璧なフォルムで作れるようになるのが第三段階。

    筥迫は教本通りに作れば、誰だって形にはなるんです。
    始めて筥迫ができると、こんなものが自分で作れるなんて!とすごく感激すると思います。
    しかし悲しいかな、それだけで満足してしまう人がほとんどです。

    しかし私を含め、始めにきれいな筥迫を見慣れているような人間が筥迫作りを始めてしまうと、完璧な形が脳裏に焼き付いているので(昔の筥迫は本当に職人芸でした)、なんで同じ物が作れないんだ、、、  と無限ループにはまってしまうのです。

    毎回違う生地で筥迫を作っていると、この無限ループからはなかなか抜け出せません
    自分自身で善し悪しを判定するためには、常に同じ素材、同じ組合せという条件で、何十個も作ってそれを比べるしかありません。
    もう泣きたくなるほど根気のいる作業です。
    しかし、一つの素材で徹底的に自分の基準を作っておけば、別の素材を使ったとしても、そこから差し引きしてどのように工夫すればいいのかがわかるようになるのです。

    つまり、綿ブロードの細布できれいな玉縁が作れるようになれば、別の素材を使っても、ある程度同じような仕上りに作れるようになるということです。


    懐剣入れ

    生地に限りがあったので、懐剣入れは一枚布で取ることができませんでした。
    ということで、途中から布を剥いであります。



    ここは飾っても房に隠れて見えない場所であり、装着しても帯の中に隠れる部分です。
    懐剣入れの一番上だけが見えるところなので、生地がどうしても足りない場合は、このような使い方をします。
    剥ぎは、合わせたときの縫い目が重ならないように斜めに剥ぎます(斜め具合がちょっとわかりづらいですね)。
    この剥ぎの作り方は『婚礼用和装小物の作り方』をご参照ください。


    裏打ち

    懐剣入れの中は、裏地と袋状にせず「裏打ち」のみしてあります。
    これは金襴などで作る場合も同じです。

    内布に接着芯を貼るようなやり方は「裏打ち」と言い、表布に厚紙を貼るようなやり方を「袋貼り(ふくろはり)」と言います。
    しかし、内布全体に芯(半紙または接着芯)を貼ってからカットするのが裏打ちなので、教本のように折りしろは貼らないというやり方は、本来の裏打ちとは言わないのかもしれません。
    また、表布を厚紙に貼る際に、ドットライナーで仮止めをしていますが、中を貼り合わせていないのが袋貼りなので、こちらも厳密にはそうとも言いがたい。
    しかし、教本を見て筥迫を作り始める方は初心者であることから、正式なやり方を説明したり、作業を難しくする必要性を感じなかったので、とりあえず初心者に作りやすい方法を重視し、また呼び方も全て「貼り込み」で統一しています。

    今回、筥迫の内布には「八掛地」を使いました。
    八掛地を使う場合は、本来の裏打ちをします。
    その他、綸子、縮緬なども、一度裏打ちをすると作業がとても楽になり、仕上りもきれいです。


    裏打ち用の芯は、極薄の接着芯などを使います。
    以前はショップで「極薄」の接着芯を販売していたのですが、最近仕入れたものがとても使いづらく、扱いを辞めてしまいました。
    私は現在、接着芯ではないものを使っているのですが、オススメできそうなものがみつかりましたら、またショップの方で扱いたいと思います。


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    【2012.12.14 Friday 22:09】 author : Rom筥
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