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後藤勝子コレクション vol.3 〜北斎シリーズ (1)〜 凱風快晴
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    北斎シリーズ<1>『凱風快晴』
    装 飾:(日本刺繍)後藤勝子
    仕立て:(折り返し・綿入り)後藤勝子
    サイズ:7×13×3.8
    布  :阿波しじら織、木綿
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    やわらかな初夏の風が吹く快晴の場面に、木綿の爽やかさがマッチすると思いました。
    雲には糸に羽衣金を撚りがらめ、太めの糸で菅引きいたしました。
    (後藤勝子)



    葛飾北斎の「富嶽三十六景」から『凱風快晴』(がいふうかいせい)をモチーフに作られた筥迫です。
    しじら織りのぬき目に合わせた刺繍表現が効果的です。
    落し巾着では色を反転させて本体と趣向を変えられていますが、この配色だからこそ打ち紐の朱赤ときれいに調和しているように思います。

    こんな筥迫を身に付けたとしたら、、、胸に挿し込んでいるときは地味ですが、さっと抜き出したときのインパクトは絶大でしょうね(笑)。
    でもこれは装身具というよりは工芸品の類いかもしれません。
    ピカピカの漆塗りの盆の上に乗せて飾ったらきっとすてきでしょうね。

    昨年末から年明け1月にかけて成人式用の筥迫注文や嚢物の注文が重なり、また年末のお節作りにもあいかわらず張り切っていたので、なかなかブログがアップできませんでした。
    そんなとき後藤さんから、私が撮影した画像を使った年賀状が届きました。
    それがこの凱風快晴です。
    新年にふさわしいイメージだと思い新年のトップを飾らせていただきましたが、でも実はこれ「夏の早朝」におこる現象なんですね(笑)。




    北斎と杉浦日向子

    私は葛飾北斎といえば北斎自身の絵よりも、杉浦日向子の漫画『百日紅(さるすべり)』を連想してしまいます。
    これは北斎と娘のお栄、弟子の善次郎の三人を取り巻く話です。
    私にとってはこの漫画のイメージが強烈すぎて、北斎の絵を見る度、絵よりもその向こうにいる百日紅の北斎のイメージをダブらせてしまいます。
    生涯手元に残しておきたい漫画ベスト5に入っています(漫画という括りに入れてしまうには惜しい気もしますが)。

    杉浦日向子は江戸風俗の研究者で、話も面白く、文章もうまい、ということでエッセイはよく読んでいました。
    かつてNHKの「お江戸でござる」に出ていらっしゃったのでご存知の方も多いかと思います。
    しかし私はといえば、雑誌の書評でこの本が紹介されたのを見て、その時初めてこの人が漫画家であるということを知った次第です。
    そしてその書評に載っていた、たった一コマの絵を見てすぐさま本屋に駆け込みました。
    その一コマは何てことない絵だったと思いますが、なぜだか無性に惹き付けられました。

    正直言って杉浦日向子は絵がうまいんだかヘタなんだかよくわかりません。
    一巻を読み始めたときは、この人やたらとヘタなんじゃないかと思ってしまったぐらいですが、読み進めて行くとどんどん惹き付けられ、読み終わったときは完全にその世界にはまっていました。
    絵のうまいヘタでは測れない、描写力と構図力と表現力と構成力の全てひっくるめてグイグイ引きずり込まれていく。
    江戸時代に生きていたのではないかと思えるほどの知識と愛情で、詳細なイメージを持っているからこそ、このような作品を描けるのでしょう。
    北斎がお好きなら絶対に読んでいただきたい作品です。

    私はここ何年も読んでいませんでしたが、後藤さんの作品画像を見ていたら、なんだか無性に百日紅が読みたくなりました。
    私は一番始めに出たA5判のマンサンコミックスの(一)〜(三)巻を持っているのですが、現在は文庫のみで上下巻で出版されているようです。

    そういえば「お江戸でござる」で杉浦さんのおもしろ講座をまとめたサイトがありましたね。
    杉浦日向子のおもしろ講座『大江戸袋物事情』
    筥迫のこともちょこっとふれているのでご参考まで。




    後藤コレクションの紹介で、なぜか杉浦日向子押しになってしまいました。スミマセン、、。
    後藤コレクションの北斎シリーズは全7点あります。
    ゆっくりとご紹介していきますが、北斎シリーズの度に杉浦日向子をからめたりしないのでご安心ください(苦笑)。

    ところで、後藤さんはしじら織の「しじら」を漢字で説明されていたのでそのまま入力しようと思ったのですが、なぜかPCの辞書機能が反応しない、、、(泣)。
    そういえば、去年、おんぼろMacに最新OSをバージョンアップした途端、ネットは遅くなるわ、あるソフトの印刷機能が使えなくなるわで、ほとんどのものが正常に機能せず、すごいストレスでした。

    超アナログの筥迫であっても、筥迫のことを調べたり、教本を作ったり、型紙を作ったり、ショップをしたり、ブログをしたり、という活動ができる影にはPCの存在が欠かせません。
    しかしPCが便利であればあるほど、一反調子悪くなったときの絶望感はあまりにも大きいです。
    今年一番の目標は、筥迫作りよりPCを買い替えることが先決かもしれません。
    もう少し建設的なところでは、せめて新しい教本が一冊ぐらい出せればいいかな、、、程度にしておきます(苦)。

    最後になりましたが、どうぞ今年も筥迫工房をよろしくお願い申し上げます。



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    【2013.01.07 Monday 20:21】 author : Rom筥
    | 後藤勝子コレクション | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
    この記事に関するコメント
    しじら織りの「しじら」ってあまり使わない漢字ですよね。
    CSなんかで出そうとすると苦労します(笑)
    リュウミンとかなら出るんだけど
    OSAKAとかヒラギノ系も小塚もでない〜!
    さほど難しい字ではないのにね。
    | 風来坊 | 2013/01/11 1:31 PM |
    書き忘れました。
    杉浦日向子さん大好きです、亡くなった今も。
    作品はかなり読みましたし、捨てずにとってあります。
    一番好きだったのは江戸時代に旅行する設定の本でした。
    ああ、また読みたくなっちゃった。
    | 風来坊 | 2013/01/11 1:33 PM |
    風来坊さん>

    なるほど、フォントの問題もあったりしますね。
    私の名前の「崎」の字も、本来は右上が「立」なのですが、
    文字化けするからPC上では「大」を使っています。

    ショップでお振込いただくときは、ネットバンキングもATMもカタカナ表記なのでどちらでもいいかと思っていたのですが、
    振込の際に窓口で入金すると漢字で書かなければならないのか(?)、以前お客様にご注意いただきました、、、(汗)。
    日本語は漢字がたくさんありすぎて困りますね。

    杉浦日向子さん、お好きでしたか。
    私は最近、今さらながらユリイカの杉浦日向子さん追悼号なんて買ってしまいました。
    | Rom筥 | 2013/01/11 8:54 PM |
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