『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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『帯紙』の用い方
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    皆さまご無沙汰しております。
    一気に筥迫モードに突入したものの、ワークショップ告知のみで、内容のあるブログが後回しになっておりました。
    そこで今回は嚢物の『帯紙』についてお話ししたいと思います。

    アンティークの筥迫を入手したときに、本体に白い紙テープのようなものが巻き付けられているのを見たことはありませんか?
    私は一度だけあります。
    胴締めを外した本体のところにぐるっと巻き付けられていました。



    当時はそれが何であるかわからず、すぐに外してしまったのですが、後々になって「あれは何だったのだろう、、、」とやたらと気になる存在でした。
    後に古い袋物の本を読んで、『帯紙』というものだということがわかりました。
    帯紙とは、紙入れや筥迫などの袋物が出来上がった際に巻く紙の帯のことで、まぁ新品を表すようなものですね。
    この帯紙についていつか書こうと思いつつ、それがどの本のどこに書かれていたか探せずにいたのですが、最近やっと見つけました〜。

    帯紙とは紙入などが全部出来上りたる時に、帯として袋物に巻いておく紙を申します。此帯紙は外見を善くし、格好を善くする為であります。
    帯紙には、厚き西洋紙を用ひます。其幅は物に應じて違ひますが、三分より五分位の處で、それに釣合ふやうに見計ひます。(引用:袋物細工の枝折 明治42年発行)

    幅9mm〜15mmぐらいということでしょうか。
    しかし、帯紙を付けたままのものが中古として流通しているということは、元の持ち主はよっぽど筥迫に興味がなかったんでしょうかねぇ。
    とにかく、帯紙はその筥迫を所有した始めの人しか見ることができないものですし、めったにお目にかかれないものではあります。



    帯紙はどこに巻く?
    帯紙は袋物の両端より各四分位の處へ巻くのでありますが、其附方は、先づ紙入の「かぶせ」の下へ紙の端を差し入れ、それから後を廻して確と引きながら一週させて、後ろの中央にて其紙を鋏切り、且つ其切口の両角をも鋏落し、之に糊を施して貼付け、鏝を掛けます。(引用:同上)

    この “袋物の両端より各四分位の處へ巻く” の解釈を巡って我が家では

    Rom筥:両端よりそれぞれ「四分」ぐらいの所へ巻く
        ※つまり、端より四分(約1.2cm)位(ぐらい)のところへ巻く

    家 人:両端よりそれぞれ「四分位(しぶんい)」の所へ巻く
        ※つまり、四分割した両端2つのところへ巻く



    この帯紙の巻き方は「両端へ巻く」ことから、たぶん胴締めのない上図のような紙入れなどにつける方法だと思います。
    結局はどちらでもお好みで「それに釣合ふやうに見計ひ」ましょう(笑)。
    筥迫の場合は胴締めの下に一カ所巻くだけなので、迷う必要もないということです。


    それでは実際に巻いてみましょう。

    ここでは帯紙を紙テープで作ってみました。
    幅1.2cm、長さ30cmです。


    巻き終わりの端は角を落します。(日本人らしい気の使い方ですね)


    被せの下に帯紙を挟みます。


    簪挿しを乗せたまま、後ろからぐるっと一周します。


    後ろで止めます。(薄のり、またはドットライナー)
    最後に帯紙の上から胴締めを差し込みます。
    (胴締めをずらさないと帯紙が見えないのがちと残念)



    この「封を解く」という作業はいいですね。
    いかにもオンリーワンという感じです。
    あるのとないのでは、筥迫をもらった時のワクワク感が違います。

    ちなみに「筥迫セット」などの量販品を買っても帯紙は付いていません。
    もしかしたら今でも新品で単体の筥迫を買ったら付いているのでしょうか(もちろんある程度の値段がするものでなければ付いていないとは思いますが)。
    私も次に注文が来たら付けてみることにしましょう。
    皆さんも筥迫を差し上げるときは、是非、この帯紙を付けてみてはいかがでしょうか。



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    【2013.07.13 Saturday 15:45】 author : Rom筥
    | 筥迫材料-その他 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
    この記事に関するコメント
    この「帯封」ってよく見かけますよね。
    たとえばお菓子の箱の「掛け紙」も同類のものですし
    本の「腰巻き」も類似品。
    「謹製」だったり「心込めてしっかり作ってる」の
    職人の自信の表現だと思っております。
    でも昔ホテルのトイレの消毒済みの帯封を見た時
    「ここまで帯封しなくても」と思ったのですが
    今考えると帯封ほどの大層な考えではなく
    単なる宿泊客へのアピールだったのでしょうね。
    深読みしすぎでした(笑)
    しかし、まだまだ数を作っていない私の筥迫に
    帯封ができる日がくるのかしら・・と
    温度計を見つつエアコン三昧な夏です。
    | 風来坊 | 2013/07/17 11:07 AM |
    風来坊さん>

    いつもありがとうございます。

    「心込めてしっかり作ってる」という心意気はすてきですね。

    別の方からも、
    「紙帯にはお箸やお札などのように帯封として封印の為にかけるのと、形状維持の為にかけるのと両方あるようです。」
    とメールをいただきました。

    扇子などの帯紙は形状維持のために必要なものだそうですが、知らなかった、、、(汗)。

    これを機に、日本人のすてきな習慣を私も引き継いでいきたいと思います。
    | Rom筥 | 2013/07/17 6:06 PM |
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