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筥迫ミステリーツアー(1)〜KUIPO資料館〜

去る11月18日、こちらのブログで募集した筥迫や嚢物の名品を見学する会が行なわれました。
ミステリーツアーと銘打ったのは、現在一般公開されていない資料館なので、参加者募集時に詳細を公表できないという理由があったからです。
しかし見学後の公表は可ということでしたので、今回は見学会当日の様子をご報告させていただこうと思います。


KUIPO資料館

見学先は東京は市ヶ谷の『KUIPO(クイーポ)』に併設された資料館で行なわれました。
KUIPOはオリジナルブランドのGentenをはじめ、多種ブランドバッグ類を取り扱う会社です。
▶KUIPO
こちらの資料館は、昨年2012年9月に開設されたそうです。
このような会社が、貴重な袋物を保存するための資料館を作るということは、大変意義深いことだと思います。
いくつかの名品が資料館のサイトで公開されていますので、こちらからご覧下さい。
▶KUIPO資料館

さてさて、昔からの筥迫愛好者であるならば、これらの作品に見覚えのある方も多いはず。
そうです、『徴古裳(ちょうこしょう)』のコレクションとして知られていたものですね。
▶徴古裳
と言っても、現在ではかつての嚢物がなくなり、染織関係の作品のみが掲載されています。

先のワークショップでこのことが話題となったのですが、その後偶然という名のご縁に導かれ、徴古裳のコレクションがQUIPOの資料館に所蔵されていることを知りました。
会社内の一室に設けられた小さな資料館ですが、嚢物好きであれば何時間でもいたいと思わせるような名品揃いです。

見学会は平日にもかかわらず15名の方が参加くださいました。
見学が始まると、もうワーワーキャーキャーの世界です(笑)。
今まで画像だけで見ていた名品が目の前にあるのですから。

筥迫は4点が展示されていましたが、その中に胴締めと本体が逆にセットされているものがありました。
たぶん一般の人には気がつかないものなのかもしれませんが、筥迫好きたちが集うこの状況で見て見ぬフリができる人などいるはずもなく。
私も始めに軽くお声掛けはしたのですが、その後ある勇者(笑)のおかげで、その場で直していただけることになりました。
係の方が白い手袋をして筥迫の胴締めを外した途端、すかさず
「その中を見せてください!」
おお〜、念願の筥迫の内装。(この話はまた後日)
係の方が本体の向きを直して胴締めを付けようとしたときも
「それは裏!絵が合わないです!」(うるさい見学者で申し訳ない)
その後も色々あり、終止テンションアゲアゲの見学会でした。
KUIPOの担当者さま、色々とお世話になりました。

資料館では図録が販売されていました。

小さな冊子(21×18cm)なので写真は小さいのですが、充分見応えがあります。
家に帰ってからもうっとりと見惚れていました。


QUIPO資料館は現在一般公開はされておりませんが、年に2回(3月と9月)に一般公開日が設けられるそうです。
詳しい公開日はKUIPOのHP及び業界紙等で告知されるそうですが、こちらにも直接ご連絡をいただけるということなので、皆さんにはブログでお伝えしたいと思います。
そして、お出かけの際には是非このすてきな図録も手に入れてくださいね。

これらのコレクションは、現在はKUIPO資料館所蔵品となり徴古裳という名はなくなりましたが、これからは愛好者たちから「KUIPOコレクション」と呼ばれ親しまれるようになるかもしれませんね。

また見学会では、資料館の監修をされたという
Com.store UNO COLLECTION の中村公隆さんが、専門の金唐革について解説をしてくださいました。
この話は熱も入るので、次回に分けたいと思います。


筥迫オフ会

KUIPOの見学会が終わった後は、筥迫愛好者のためのオフ会を行ないました。
オフ会も初めての試みですが、いつもワークショップでは休憩時間がやたらと盛り上がり、話足りないと思っていた人も多かったようなので、ちょうどよい機会でした。
初めての方はなかなか参加しにくいかもしれませんが、それでもワークショップ経験者4名、初めてお会いする方3名、私を含めて8名でのオフ会となりました。
富山県からお越しの常連さん含め、今回は石川県から2名の方が参加してくださいました。
いつも遠くから参加される方がいらっしゃるということ、潜在的な筥迫好きの多さを感じます。
一般的には「はこせこ?何それ?」の世界なんですがね(笑)。



皆で色々な作品を持ち寄りながらのオフ会でしたが、こうなると話題は尽きないですね。
私も今までは孤軍奮闘で活動してまいりましたが、ワークショップを始めてからは色々な方と知り合い、情報交換することで今回のツアーを企画することができるまでに至りました。

これまでは、講習会をしないのですか?というお問い合わせに対し、筥迫を作るなら教本を見ればできますよ?と言ってきました。
しかし、人と人とが実際に会ってコミュニケーションする時のエネルギーというのは、ただ本を見るだけ、メールのやりとりだけで関わり合うのとは大きな違いがありますね。
何よりそのエネルギーが物作りの大きな刺激になります。
自分が今まで積み重ねてきたものを色々な方に提供し、私も色々な情報をいただき、更に大きなエネルギーになっていくことを期待したいと思います。


次回は「筥迫ミステリーツアー(2)〜中村公隆さんと徴古裳〜」でお話したいと思います。


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