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2014.6 三段口扇襠筥迫
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    来月のワークショップは『三段口扇襠筥迫』です。
    申し込み直前にWS用の説明画像が一番古い型を載せていることに気づき、急きょ一番新しい型で作ることにしました。


    ワークショップ申し込み開始時間ギリギリに出来上がりました〜(汗)。

    三段口扇襠筥迫の教本は今年中には販売できると思いますが、ほぼこの型で行くと思います。
    初めはびら簪付き〜の教本以外の教本は作る予定はなかったのですが、「筥迫には懐剣入れがないと!」とお客さんから迫られ、なし崩し的に「和装小物の作り方」の販売に至った次第です。
    しかし、筥迫の次の型の教本を順次増やしていくとなるとなし崩し的ではできない。
    内容的に被る部分が多いので、貼り込みの基本部分や巾着の作り方、飾り房の作り方などをまとめた『貼り込み細工基本編』を作らなければならないかなと思っています。


    横広・細幅型
    三段口扇襠筥迫の基本形は「横広型」にすることにしました。
    びら簪付筥迫の横幅よりも1.5cm広い型です。
    基本型に比べ、横広型はスタイリッシュなイメージです。

    対して「胴締め」は、びら簪付〜よりも約1cm幅を狭くしています。
    このぐらい胴締めの幅が狭いと、本体の柄出しもそれほど影響はなく(柄合わせしないものは被せの柄の見える範囲が少なくなる)、柄出しにそれほど気をつかわないので作りやすい。
    また、実用を旨としているため、被せには丸みや綿は入れず、装飾で厚みを出すことはしません。


    被せの曲線
    装飾筥迫では被せの装飾がメインになるため、図案の邪魔にならないようにするためか、被せの曲線は一般的に緩やかです。
    しかし実用筥迫はあまり装飾に重きを置かないので、被せにカーブをつけてアクセントにすることにしました。
    被せ曲線の玉縁風アクセントは、内布を長めに出しているだけです。
    今回は内布に柄物を使ったのであまり効果的ではありませんが、無地などの場合はきれいなラインに見えるので簡単で効果的。

    また、前回のWSまでは胴締めの耳部分は半円型にしていましたが、今回から「びら簪付〜」と「三段口〜」を初心者向けの基本コースに設定したため、できるだけ難しい部分は避けて、ゆるやかな曲線にしました。
    今時市販の筥迫を見てみると、とりあえず被せに曲線は付けているものの、胴締めの耳は完全な直線です。

    昔の筥迫の胴締めは、ほとんどの場合、耳は曲線でした。
    一般の人にはどーでもいいところですが、貼り込みの細工物は少しでも曲線が付くと手間がかかるんですね。
    目立たないところに曲線を付ける、いわゆる職人の心意気です。
    量販品かどうかは胴締めの耳にRが付いているかどうかでも判断ができます。
    8月の『二つ折小被付筥迫 』の胴締めは、曲線というよりもしっかりとした半円です。
    これ、きれいに作るのはけっこうコツがいります。
    でも自分で作るんですから、思いっきり手間はかけましょう。




    内側の仕様
    今時の筥迫には「襠」(まち)なぞ付いていませんが、昔の筥迫には「折り襠」が付いていました。
    折り襠は最も簡単な襠ですが、ちょっとした物しか入らないので、この筥迫では扇襠(一本扇)にして収納力を高めてみました。
    一般的には三つ折れ部分に鏡が付き、背面が紙入れになっていますが、この筥迫では三つ折れ部分に襠と段口をまとめて、背面は鏡のみのシンプルな形にしました。
    私の考案と思われている方もいらっしゃいますが、紙入れの類いはかなりたくさんの形がありますし、これぐらいのものはそれぞれがアイデアを凝らして自由に作れる範囲なので、考案というほどのものではないですね。

    カードを山ほど持ち歩く現代人には、段口がいくつも付いていれば事足りるかもしれませんが、かつての人々にとっての紙入れはお金や紙以外のものも入れていたので、様々な名称の「口(ポケット)」があります。
    「上口」「前口」「段口」「中口」「深口」「横口」「叺口」「向口」等々、、、。
    少しずつ色々な形を再現していきたいと思っています。

    内側がこのような仕様になると、もっぱら柄出しは内側でしたくなります。
    段口で柄合わせなんてしたら楽しいでしょうね。
    アイデアはたくさんありますが、私の刺繍の腕では到底おいつけない〜〜(協力者募集中)。


    蛤型巾着・ベロ付二重叶結び
    装飾筥迫は「丸型」ですが、こちらは「蛤型(はまぐりがた)」にしてみました。
    下が横に広い形です。
    巾着はもう一種類、いわゆる「巾着型」を「二つ折〜」で作ろうと思っています。

    巾着は筥迫のアクセントでもありますが、ハマると自分の好みが強く出ます。
    いつか筥迫作家さんと呼ばれる人たちが出てきたら、きっとこの巾着の形で誰の作品か見分けるようになるのではないかと思っています。
    巾着型でなくてもいいので、皆さんも自分なりのストッパー作りに挑戦してみてください。

    「二重叶結び」はベロ付のものにしてみました。
    実際にこれを何型というのかわからないので、便宜的に「ベロ付」と呼んでいます。
    二重叶結びは別名「お守り袋結び」とも言われていますが、お守り袋の場合はベロ付で作っているものが多いようです。
    要は、結びをループ側に作るか、切りっぱなし側で作るかだけの違いなのですが。

    びら簪〜で紹介しているのは、このベロがないタイプです。
    胴締めと巾着をつなぐ場合は、このベロなしの方が見栄えはいいのですが、ベロが付く形もまたかわいいので、こちらもまたお好みでお選びいただければと思います。
    筥迫の場合はこれに緒締が付くので、作り方はちょっとコツがいります。


    飾り結び(連段総角結び)
    前回の「三段口〜」のWSでは「つゆ結び」「蝶結び」「総角結び」の連段を作る予定でしたが、初心者にはいくつもの連段で作るのは難しく、かなり四苦八苦したようでした。
    結局、予定していた数をこなせた人はいなかったので、今回は難度を下げた形をと考えました。
    色々な種類を試したあげく、最終的に申込開始時間直前になって思いついたのがこの形。
    単純ですが連段の総角結びです。
    昔の枝折などにある形ですね。
    これだったら一種類しかいらない。その割にけっこう効果的。
    地味で大人な実用筥迫にはお似合いの結び方です。



    この筥迫はほとんど完成形になったので、近いうちに教本を販売できればと思っています。
    その後も、今WSで教えているものぐらいは教本に仕上げようと思っていますが、たぶんこれから山ほど出てくると思われる形は「手順書」と呼ばれるものだけを出すことになると思います。
    つまり、基本形を相当作り込まないと、手順書の意味がわからない、、、というもの。
    ワークショップもそんな形を目指したいと思っています。

    ということで、ワークショップの基本二種類では、教本よりも詳しい筥迫の作り方で解説させていただきます。
    来月のこのWS、定員が埋まる前にこの記事をアップしたかったのですが、先ほど定員に達してしまいました、、、。
    皆さん、いつもありがとうございます。


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    【2014.06.17 Tuesday 22:39】 author : Rom筥
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