『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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筥迫用の生地について(4)-1 縮緬
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    筥迫を作るための生地はどんなものがいいでしょうか?
    という質問をよくいただきます。

    答えはどんな生地でもできます!です。
    薄く平らな物であれば「紙」でも「革」でもできます。
    それこそ初心者なら、千代紙で作れば超作りやすいでしょうし、生地のように伸びないのできれいにできます。
    しかし「革」が初心者に簡単に扱えないことは誰にでもわかること。

    筥迫でも同じです。
    薄い生地を使えば初心者でもそれなりの完成度のものができますが、厚みのある金襴などの生地を使う場合は、型紙も変えますし、作り方からして根本的に違います。
    つまり、どんな生地でも筥迫はできますが、初心者と経験者では扱える素材が全く違うということです。

    また、筥迫を作る時はできれば一個は練習で作ってから本番の生地で作ってくださいねと言っているのですが、ほとんどの方は一個目ですぐ本番で使う物を作っているのではないでしょうか(苦笑)。
    もちろんそれで成功する人もいるでしょうが、難しい素材を使って途中でどうしようもなくなり、筥迫作りをあきらめる人も少なくないとは思います。
    この「難しい素材」が何なのか「容易い素材」が何なのか、これこそが初心者に一番わからないことです。

    とにかく一個目で成功させたい!と強く望む人は、ほとんどが婚礼か成人式が間近に迫っている場合でしょう。
    筥迫のような小物は、メインの着物やドレスなどが全て決まって一番最後に気がつく物なので、そこからネットで探して筥迫工房にたどり着いて、「あら、自分で作れるなら簡単じゃないの!」と思うのかどうかはわかりませんが、その時点でもうすでにお式まで2〜3ヶ月前という状況。
    う〜ん、確かにこれでは練習している暇などあるはずもない。


    縮緬の良さ

    初心者がぶっつけ本番で失敗なく筥迫を作りたい!という状況で、振袖等の礼装用着物に「格」のあう素材と言えば「縮緬(ちりめん)」が一番ではないかと私は考えます。

    縮緬で筥迫を作る人が意外と少ないのは、もしかしたら私が縮緬の筥迫をブログに掲載していないということもあるかもしれません。
    人にお勧めしておいてこんなことを言うのは何ですが、私は現代の縮緬にあまり創作意欲がわかないと言いますか、昔の柔らかい縮緬は好きなのですが、古裂の縮緬はお細工物に大人気の素材なので、ばか高くて手が出ないだけです。

    そういえば初心者には縮緬が作りやすいだろうと、去年の「筥迫&懐剣」WSで見本として作った筥迫があったのを思いだしたのでアップします。
    今時の縮緬(ポリエステル)で作っています。

    けっこう見栄え良く出来ているのではないかと思うのですが。

    縮緬は生地自体が柔らかいので、初心者にお勧めしている「キルティング芯」と相性がいいというのが一番の理由。
    このキルティング芯はとても柔らかいので初心者には大変扱いやすいのですが、厚みのある素材では完全に潰れてしまいます。
    その場合は「天然綿」を使うのですが、天然綿は扱いが難しすぎてまず初心者には太刀打ちできません。

    ちなみに、礼装用の筥迫としてお勧めしているのが「刺繍半襟」なのですが、手縫いの刺繍と違って刺繍部分が堅く厚みがあります。
    凹凸のある生地を無理矢理折り返すのでエッジを真っ直ぐに仕上げるのは難しく(お高めの刺繍半襟ほど困難)、初心者であれば玉縁を付けない方がきれいに仕上げることができるかもしれません(玉縁を付けたことによってボロが目立つ)。
    その点、縮緬なら縁のエッジもシャープに出来るので「挟み玉縁」もきれいに付けられます。

    最後にラインストーンを少々散らせば、かなり素敵な作品が出来上がるのではないかと思います。

    「丸ぐけ」にも適した薄さですし、「抱え帯」も作りやすいので、お揃いの婚礼4点セットを作る気になるかもしれません。

    以上のことから、初めての筥迫作りで失敗なく仕上げるための素材として、また礼装に身につけて格の劣らないものとして、縮緬をお勧めする理由がおわかりいただけましたでしょうか。


    縮緬の種類

    ちりめん生地にはデコボコとした独特の「しぼ」があります。
    しぼの大きな鬼縮緬、しぼの小さい一越縮緬などの違いもあります。
    小さな細工物には一越の方がより繊細な雰囲気に仕上がりますが、一般的には鬼シボのプリントが多いようですので、初心者にはどちらで選ばれてもさほど変わりないと思います。

    素材としては、主に「正絹」「レーヨン」「ポリエステル」「綿」が出回っているようです。

    1)正絹
    実際に着物を仕立てるために作られた反物が多いので、慣れていない人には柄出しが難しく、普段から扱い慣れている人でないと扱うのは難しいかもしれません。
    もちろんちょうどよい物があれば最適です。

    2)レーヨン
    3)ポリエステル
    どちらも細工物用にプリントされているので、柄も小さめのものが多いです。
    幅も70cm前後の物が中心で、繰り返しのプリントなので、初心者の柄選びには失敗が少ないと思います。
    素材の特性としては、レーヨンは水に濡れると縮むので服地には適しませんが(ポリエステルは縮まない)、筥迫の場合は水に濡らすことがないので、どちらを選ばれても大丈夫です。
    価格的にはポリエステルの方がお高いようです。

    4)綿
    綿縮緬は布をエンボス加工することによりしぼを付けています。
    縮緬風で、ほぼ綿プリントと同じ扱いやすさがあります。
    (正絹、レーヨン、ポリエステルは伸びるので扱いずらい)
    ただし、綿の素朴な風合いは見た目にもよくわかるので、礼装用の着物には使わない方がよいかもしれません。


    筥迫を水洗いすることはないので、どの素材を選んでも大丈夫なのですが、たまに「レーヨン」や「絹」で薄糊の水分だけで縮んでしまうものがあります。
    しかし、縮むのは折り返し部分なので(それも作業できないほどではない)、あまり気にしなくていいかもしれません。
    ただし、薄糊がつきにくいと感じることがあるかもしれませんので、そのような場合は貼り付けの段階から堅糊(サイビノール)を使ってもかまいません。
    サイビノールは溶剤なので、水性の木工ボンドを使うよりも縮みの影響は受けにくいかもしれません。


    ちょっと長くなりそうなので、縮緬編は二回に分けます。
    次回は、店頭での柄の選び方、ネットショップでの選び方、等をご説明いたします。

    ※「筥迫用の生地」というカテゴリーで、他の生地も説明していますので是非ご参照ください。



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    【2015.01.19 Monday 17:41】 author : Rom筥
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