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定家文庫『鯉と紅葉』〜midoriさんの作品
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    作品展に「定家文庫を作ろう!」と思い立ったのは昨年秋のこと。

    まず矢部先生が作品展の目玉として定家文庫を作ってくださることになり、一つじゃ寂しいなぁと思えども、作品展まで半年もないという状況で誘える人なんてまず「あの人」ぐらいだろう、、、。(自分がやろうという気は全くなし)

    ということで声を掛けたのは、お馴染み「midoriさん」。
    しかし、暇にまかせてやったとしか思えない「ミッフィー」の刺繍裂を手に、ちょうどいいからこれを定家文庫にして!と無茶ぶり(あのブルーナのミッフィーですよ?)。

    先生の刺繍は作品展ぎりぎりになるらしいし、初めての定家文庫の仕立てがミッフィーとは(トホホ)と肩を落としていた私に、ある日届いたのは、、、こんな素敵な『鯉と紅葉』の刺繍裂でした。

    「うまい!」とつい手を打ってしまいたくなるような図案です。

    矢部先生とは図案の段階で何度も何度も打ち合わせをしましたが、midoriさんは刺繍用の雛形を渡しただけで、下図を見る間もなくあっという間に刺繍になって送られてきました(汗)。
    定家文庫の説明をせずとも、こんなにぴったりの図案で作ってくるあたり、ホントただ者じゃない。

    まぁ、どこからか図案を持ってきたのだとしても、「構図」「配色」「布選び」全てにおいて文句なし!
    と言いたいところですが、惜しむらくは「鯉の配置」のみ。
    だって、これじゃ定家文庫の華「房」が付けられないのよ、、、。

    「房をぺろっとめくって鯉の頭が見えるのが粋ってことで〜(・∀・)○」(midori)

    いや、そういうのは粋とは言わず、何て言うか、その〜〜、、、

    間抜け?


    百歩譲っても房を付けることは出来なかったので、手元にあったアンティークの真鍮の鈴を付けることにしました。(これは以前、後藤勝子さんにいただいたもの)
    これで中心がはっきりしました。

    それにしても、裏がまたいいんですよ。

    表を邪魔しない刺繍のバランス。
    箱の天面を水面に見立てる絶妙の図案。
    まるで定家文庫大の水槽に、ホントの鯉を飼っているかのようです。
    いや〜midoriさん、あなたうますぎる!

    箱物は立体でデザインを考える必要があり、こういうことを説明しなくてもひょいと作り上げてくるmidoriさんのセンスはホント素晴らしいです。
    ちなみに、この緑色の生地は、韓国で買ったそうです。
    チマチョゴリで使う生地なのでしょうか、けっこう薄めでした。
    こういう生地のチョイスもまたいい。

    そして、被せ下にもしっかりと刺繍するあたりがいかにもマグロ人間。
    私なんぞ、柄合わせでもないかぎり被せ下に刺繍するなんて気力は毛頭ない。

    返す返すも、これで房が付いたらホント完璧!言うことないのに、、、沈


    それでは、中を開いて定家文庫の構造をお見せしましょう。

    まずは前面から被せを開きます。

    定家文庫の留め具は、菊結びの一番上の輪が雌になっていて、被せ下の雄の金具に引っ掛けて留めます。
    この定家文庫を作るにあたり、専用の金具を使うことは私の最大のこだわりでした。
    そんなに目立たないと思うかもしれませんが、金具であるかないかで全体的な完成度はかなりの違いがあります。
    これを実現してくださった飾り職人のT氏には、心から感謝申し上げたいと思います。


    四辺に表蓋を開くと、一番上の桐箱の蓋が見えます。
    中央の穴は、ここに指を入れて蓋を取り外すためのものです。

    しかし何というか「赤」が映えるデザインですな〜。


    上蓋を外すと、中に鏡が入っています。

    袋に仕立てる余裕がなかったので、私はこんなデザインで鏡を使ってみましたが、このままでは取出しにくいので「飾り房」をつけてみました。
    鏡入れのデザインを色々と考えてみるのも楽しいですね。

    何で鏡が入っているのかと言いますと、こんな具合に鏡を立てかけて使えるような構造になっているからなんですね。

    鏡を立て掛けているのは一番上の「蓋」で、裏に鏡を立てるための受けが付いているのです。
    これを箱のサイドに切ってある溝に差込んで使います。
    これが定家文庫の第一の特徴です。


    そしてもう一つの特徴は、この下に二番目の蓋があって「二段構造」になっているということですね。


    底はこんな感じになっています。

    中心に仕切りを付けてしまったので、下蓋の穴に当たってしまい取出しにくい、、、。
    これは一番始めの試作品で、単なる私の設計ミスです。
    仕切りがあると入れる物が限られることから、次からは仕切りは入れないで作っています。



    定家文庫は「定家袋」「定家筥」とも呼ばれています。
    こうした『筥』というのは、どこか謎めいている感じがします。
    特に定家文庫はこれでもかと蓋を開けていくところがまた怪しい。

    「東の筥迫、西の定家文庫」たる所以は(←Rom筥が言っているだけですが)、これもまた中を覗いてみたくなるワクワクする要素を持った『筥』だってことでしょうか。

    中身を保護する目的の「箱」ではなく、箱自体に価値のある「筥」。
    そんな筥の中に入れるものは、高価な物というよりも、その人自身にだけ価値のあるような物なのだと想像できます。
    例えば、幼い頃に死に別れた母にもらった「どんぐり」でもいいわけで(絶賛妄想中)。

    定家文庫は筥迫よりもずっと収納力はありますから、外国の映画などで年老いた女性が思い出の写真を入れているような、いわゆる「メモリアルボックス」的な使い方がいいとは、以前柾女さんが言っておられました。

    家人曰く「通帳」こそジャストサイズ!とのことですが、通帳こそ目立たない「箱」の方がいいと思いますけどね、私は(笑)。




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    【2015.06.23 Tuesday 19:34】 author : Rom筥
    | 定家文庫・揃い道具 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
    この記事に関するコメント
    はじめて、中をのぞかしていただきました!やっぱり素敵♪は〜、うっとりします。
    | ぴょん | 2015/06/24 6:14 PM |
    ぴょんさん>

    midoriさんの定家文庫は、まだもう一つあります。
    アップはもう少し先になりますが、どうぞお楽しみに!
    | Rom筥 | 2015/06/25 2:24 PM |
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