『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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ミニチュア匠の技
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    先日、テレビで紹介されていた「神の手●ニッポン展」を見て、「これ行きたい!」と娘と同時に叫んでいました。
    目黒雅叙園の百段階段は、雅叙園に行くまでのあの急な坂道といい、年を取ったら行きたくても行けなくなるだろうという危機感があります(笑)。

    出不精の私を更に「行きたい」と思わせたのは、精密な技術や繊細な表現に加えられた「趣向」が詰まった作品が展示されていたからで、中でも最も心惹かれたのは、ミニチュアハウスアーティストの島木英文さんの作品でした。
    ただ小さく精密というだけでなく、どのミニチュアハウスも「覗き込んで見る」ように作られています。
    遠近法の匠 島木英文 ミニチュアハウスアーティスト

    すてきなお家というのは、つい垣根越しに覗いてみたくなるもの。
    ミニュチュアハウスは、見やすく屋根を取り除いたり、壁を取り除いたりして作る物ですが、島木さんの作品は、一部を除いて扉の外側から中を「覗き込む」という作りになっています。

    もちろんその扉も小さいワケで、見えない〜!と言いながら娘と作品にへばりついて、位置を変えながら目を移動して覗き込むと、チラッと見える造形がとても精密だったりして、ヘンな達成感を感じるのがまた楽しかったり。


    パース・模型部

    私は若い頃に建築パースの仕事をしていたのですが、その頃はまだパソコンなどなくエアーブラシ全盛期。
    エアーブラシはイラストの世界に画期的な写実表現をもたらしたのですが、私がこの仕事を去る頃にようやくPCが出始め、枠組みだけの3Dパースを見て盛り上がっていたような時代でした。

    その後、世の中はものすごい早さでPCが普及して行くのですが、そうなるとイラストなんて描いたことない人がイラスト(らしきもの)を「仕事として」描いている職場に愕然とする日々。

    エアーブラシ全盛の頃は、イラストは絵を描ける人がする仕事ではあったのですが、PCは簡単にきれいな円が描けてそれをつなげればイラストらしきものになるので、悲しいかなちょっとしたカットぐらいなら誰でも簡単に描けるようになってしまったのです。

    ちなみに、私が教本で使っている「クマ子」はその象徴のような手抜き絵ですが、実は私はこういうポップなイラストがすごく苦手です。


    つまり私のような者でも、ポップイラストらしきものが描ける便利な時代になったということです(苦笑)。


    閑話休題。
    私がいたその部署は正式には「パース・模型部」といって、建築模型を作るグループもありました。
    今回のミニチュアハウスを見ていたら、その頃のことを思い出したというワケです。

    バブルな時代だったとはいえ、模型作りの仕事なんて手先の器用な人から見たら夢のような職場かもしれませんね。
    実際にはかなりブラックな仕事だったようですが、好きなことを仕事にするのはそういう側面から離れられないような気がします。

    もちろん、島木さんの作品は私が知っているような建築模型ではありません。
    ただのドールハウスでもありません。
    建築を知りつくした人が、プロの技で秀逸な趣向を詰めて作った素晴らしいアート作品でした。



    人形用のミニチュア筥迫

    もう一つ、今回の展示に興味を惹かれたワケは、タイムリーにも人形用の精巧な筥迫を作っていたということもあります。
    (あ、ちゃんと教本作っていますよ、これはほんのお遊び)

    先月行なわれた「お針子会刺繍教室作品展」には多くの方にご来場いただきましたが、男性一人での来場者もちらほらと目につきました。
    筥迫コーナーに来た方に声をかけたところ、人形を作っている(または興味がある)という方が何人かいらっしゃいました。

    人形に興味があって筥迫を見に来るなんていったら、それは「人形用の精巧な筥迫」に興味があるというわけで、そう言えば、マダムKも精密な人形用の筥迫を作りたいと講習会に参加されていたし、お人形が精密になるとアクセサリーにも精密さを求めたくなるのは自然なことなんでしょうね。

    ということで、思い立って「人形サイズの筥迫」を作ってみました。


    小さいですよ、すっごく。

    私は手が小さいので、あまり小さく見えないかもしれませんが。


    以前にも市松人形用の筥迫を作りましたが、この時は「薄さ」を第一に考えて作ったのですが、どうやら精巧な人形用の筥迫には「縢り(千鳥掛け)」が必要なようです。

    市松人形の狭い胸に入れることができるかとか、SDのふくよかな胸に入れることができるのかだとか、そんな小っちゃなことは気にせずに、とにかく実際の筥迫と同じ型、同じ工程で縢っちゃいましたよ。

    三つ折り、段口、鏡、縢り付き。
    厚みが出きたので、上挿し用に簪挿しも作れたし。


    筥迫は作り慣れているのでそれほど苦はありませんでしたが、一番の難関は何といっても「びら簪」。
    市販で売っている人形用のびら簪はありますが、鎖の太さや長さが気に入らなかったので、細い小豆鎖と一番小さなカンを使って自作しました(飾り房は間に合わなかったのでとりあえずパス)。


    びら簪の金バージョンも作ってみました。
    金はびらびら金具がちょっと大きめだったので、鎖の長さを斜め使いにしてみました。



    今回は思い立って作った物なので「精巧」というよりも「正確」ぐらいの出来なのですが、それでもこの小さい筥迫を見て家人が「かわいい!」とやたら盛り上がっていました。

    この「かわいい」は、「小さい=だから単純化」したものよりも「小さい=なのに精巧」つまりいつも見ている型なのに全く同じでそのまま小さい!ことに萌える要素が詰まっているのではないかと思います。

    「かわいい!」レベルはただの「器用な手」
    「すごい!」レベルが「神の手」

    ということで、まだまだかわいいレベルのRom筥の手でした。




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    【2015.06.04 Thursday 17:07】 author : Rom筥
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