『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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日本刺繍の筥迫『婚礼高肉牡丹蝶々』
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    作品展に出品した作品のアップをすっかり怠っておりました。
    今回は婚礼用筥迫のご紹介です。

    装 飾:日本刺繍『婚礼高肉牡丹蝶々』(製作:Rom筥)
    仕立て:平肉・挟み玉縁 折り襠縢付 仕立て
    飾り結び:人五紐筥迫用 <白>撚り房筥迫大人用
    緒締め玉:天然石<真珠> 8mm玉
    びら簪:アンティーク
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    こちらの作品は、以前ご紹介した『留袖に懐中物 〜花嫁の母 H.Yさんの作品〜』と連動して制作したものです。
    ことの発端は「結婚式に筥迫がしたい〜」のH.Yさんの一言。
    ただ問題は、H.Yさんご自身は遥か昔に婚礼をすませた方だということ(汗)。
    つまり、ご自分の息子さんの結婚式に、花婿の母として、留袖に筥迫がしたい〜ということ。

    う〜ん、いくら筥迫伝道師のRom筥もそればかりは、、、と押しとどめ、折り襠付紙入れ(念珠入れ)を作ることをお勧めしました。
    そして、H.Yさんの希望をほんのちょっと叶えるため、花嫁とお揃い(の図案)というアイデアを盛り込み、花嫁用の筥迫をRom筥が作ることにしました。



    牡丹と蝶々というのは、筥迫のびら簪の平打ち部分によくある図案です。
    H.Yさんの母の紙入れは、通常の刺し縫いで仕上げてもらい、私が作る花嫁の筥迫は「白」なのに「派手」をコンセプトにして制作することになりました。
    そして、色を抑えて派手な印象にするために、刺繍を「盛り上げる」ことにしました。

    刺繍を盛り上げてより立体的に表現にするために、日本刺繍では「肉入れ」という技法を用います。
    太めの木綿糸で肉となる芯を作り、その上から刺繍をするとふっくらとした立体感が出ます。

    江戸時代の筥迫にはこのような肉入れの刺繍が施されていて、それに憧れて真似てはみるのですが、二段、三段と盛っても思うような盛り感には至らない。
    私がしたいのはふっくら感なんてものじゃなくて、ごてごてのインパクトある立体感。

    そこで思い立って芯に使ったのが「フェルト」。
    これを二段、三段に重ねていくと、面白いように立体的な刺繍になりました。
    フェルトなので刺し縫いもできるし。
    ただし、それなりに細い作業なので、好き嫌いは分かれると思います(私は楽しすぎて夢中になってしまったけど)。
    牡丹はより立体的になるように工夫した肉入れをし、蝶々は平面的にぺったりと肉入れしました。

    このような立体刺繍は通常の着物や帯で使われるものではなく、どちらかというとお相撲さんの化粧回や、祭礼で使われる幕などで専門の職人さんの手によって作られているものです。
    長崎刺繍も最近どこかで展覧会やっていたようですね(見に行きたかった、、、)
    もちろん本格的な立体刺繍は古綿だとか張り子紙だとかを使うものであって、私のように安易にフェルトなんて使いませんけどね(笑)。


    中もH.Yさんの作った母の紙入れとお揃い。
    日本刺繍なら折り襠を付けてきちんと作りたい。


    簪刺しもワンポイントでなく、断ち切り柄で派手に。
    裏面も牡丹と蝶々。
    牡丹は菅縫いで軽く仕上げました。

    最近は日本刺繍を施した裂には、天然綿を使った綿入れではなく、平肉で柔らかい面に仕上げるようにしています。
    平肉には「ネル」を使っていますが、もう少しいい素材はないか模索中です。

    江戸時代はしっかりとした高肉で装飾されていた筥迫も、明治以降は面自体を綿によって盛り上げるようにして、なんちゃって高肉の雰囲気を残しつつ大衆化されていったのかもしれませんね。


    最近、日本刺繍の筥迫は左のサイズで仕上げるようにしています。
    右は前回の作品展に初めて出した筥迫で、これが通常サイズ。

    かなり大きさが違うように見えますが、中に入れてしまえばほとんどその差はわからない程度。
    でも日本刺繍の図案を描くのに、この通常サイズはあまりにも小さくて作品になりにくい。
    もちろん昔の筥迫にあった大きさを元にしているので、実際に使われていたサイズでもあります。
    昔の人はもっと背も低かったのに、こんな大きな筥迫を入れていたんですよ(日本髪をゆったら今の人ぐらいの身長にはなるのかもしれませんが)。
    娘の十三詣りの筥迫もこのサイズでしたが、ほとんど違和感なしだったので実用できます。


    筥迫の迫力

    私が筥迫を作った際に一番初めに感想をもらうのが家族たち。
    今回は通りすがった家人に「どうだ!」と印籠のように見せつけたところ「(Rom筥が付けるには)迫力が足りないね。」

    つまりこの筥迫を付けるなら、見るからに立派な存在感のある人でなければ似合わないと。
    もちろん花嫁の筥迫ですから、特別な衣装をまとった人ということでその意図にはあっていると思うのですが、私がイメージしたのは、恰幅よく胸を張って堂々と歩いているような(そんな地位にある)おばさん、、、、。

    う〜ん、正直花嫁さんより、そんなおばさんにこそこの筥迫を付けてもらいたい〜と思ってしまったRom筥でした。

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    【2015.08.02 Sunday 17:47】 author : Rom筥
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