『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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雛祭考2016
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    先週はあまりにも慌ただしい生活に振り回され、ブログが更新できませんでした。ごめんなさい。
    というのも、2月末から3月初めにかけては『雛祭』があるので、そのために講習会も入れないぐらい(苦笑)。
    まぁものすごく大変な期間なんですよ、私にとっては。


    人形(ひとがた)、守護形(しゅごがた)

    以前よりブログには度々登場するので皆さんご存知かと思いますが、私は雛人形が大好きでして、筥迫を始める前は雛人形をコレクションしていたんですね。
    雛人形なんてコレクションする人いるの?と驚かれる方も多いのですが、いるんですよここに。
    娘が生まれた瞬間に初めて思ったことは「お雛様どうしよう?」でした(笑)。
    私にとっては、まだ筥迫の「は」の字もない時代でした。

    自分の雛人形がなかった人は憧れの気持ちが強いのだとか、生まれた時から当たり前のように雛人形があると興味がわかなくなるのだとかいう意見もあるかもしれませんが、私としては、親(または祖父母)の好みで選んだか、自分の好みで選んだかの違いじゃないかと思います。

    私は小さい頃から古いお雛様に魅せられていました。
    古い作りの人形は初めから終わりまで職人の手が入って作り上げられているので雛の個性が違います。
    とても人間的というか(抜き型はクローンですから)。

    かつては古物商以外の入手ルートがなかった古い雛人形も、個人間の売買ができるネットオークションが全盛になったことで、私のような者でも入手しやすくなりました(骨董屋さんの雛人形は素性がわからなすぎて怖い)

    お雛様は一人の子供に一個のものだから、不要になったら人形供養に出してお焚き上げしてもらう、という一般的な考え方には外れるとは思いますが、お雛様を単なる厄を負うだけの「人形(ひとがた)」にしてしまうのは忍び難い。

    お雛様を個の存在と認識し、我が家の子を守ってもらう「守護形」として我が家に招き入れ、一定期の役を終えたら次に必要とする方(それが小さい子供でなくても)に受け継いでもらう、という考え方で良いのではないかと思っています。
    我が娘といえど、このお雛様を大切にしてくれるかどうかなんてわからないので(簡単に捨てられたら大変!)、私の目の黒いうちにさっさと嫁ぎ先は決めておきたい。

    その昔は、家の財力を雛で見せつける富の象徴的なところがあったので、誰もが所有できるものではなかったはずですが、現代ではどうしてこんな価格でお雛様ができるのかというぐらい量産品に溢れています。

    供養してお炊き上げするという方法は、大切にしていたものを処分する方法として必要だとは思うのですが、簡単に手に入れられる量産品のお雛様では、邪魔になったから処分するというような、雛の消費に思えてならないのです。

    しかし、一流の職人の手で作り上げたお雛様なら、できる限り後世に残しておこうと思うものではないでしょうか。
    人形(ひとがた)にするなら簡単なお雛様にして、職人が手をかけて作り上げたようなお雛様は守護形(しゅごがた)として大事に「お預かり」し、守護の必要がなくなったらまた別の人の手で大切に受け継がれていく存在であってほしいと思っています。



    大騒ぎ雛祭り

    コレクションというからには複数持っていたわけなのですが、今は自然と選りすぐった人形や道具だけが残りました。
    娘用の大掛かりな御殿飾りと芥子雛一揃い、私のものは40cmぐらいの大型の内裏雛と雛屏風、玄関飾り用に三人官女、お正月飾り用に柳サイズの楽人のみ。
    これでも相当コンパクトにまとめているのですが。

    自分が選んで招き入れる客人というのは家にとって良い気を持ってきてくれる存在だと思うのですが、私にとってのお雛様もそんな存在です。
    よく雛人形を出したいけれど億劫と嘆く方がいらっしゃいますが、雛を出す日を「時間ができた時」に設定してしまうとなかなかタイミングが掴めず出せないものです。
    そんな時は雛を「客人」に例え、出す日(お迎えする日)仕舞う日(お見送りする日)と考えてスケジュール帳に書き込むと、存外苦なく出せる気がします。


    とは言っても、我が家は東京の狭いマンション暮らしなので、お雛様を出すのはスペース的にとても大変です。
    いくらこの期間に仕事を入れないようにはしていても、どうしても急ぎの仕事は入って来るもので、娘の大掛かりな御殿雛を出したのは二年ぶり。

    雛人形は実家においてあるのですが、車で10分の距離を運ぶためだけにレンタカーを利用します(片づけ時も同じ)。
    娘と私の雛人形2セットを飾るスペースを空けなければならないので、そこにあったものを仕事部屋と実家に運び入れます。
    こんなことをしているので、雛人形を飾るのはせいぜい二週間が限界。

    これだけのことをして雛を迎え入れるのですから、ただのほほんと家族だけで雛を愛でるのはもったいない。
    ということで、この期間はとにかく人間の客人を迎え入れることにしています。
    我が家にとっては、お正月よりクリスマスよりも重要な期間。
    この二週間だけで、一体何十人分の料理を作ったことか(苦)。

    今のマンションに住んで14年になりますが、今年初めて「お隣さん」を呼びました。
    日常の挨拶や理事の仕事などで話す機会はあったのですが、お子さんのいないご家庭なので家を行き来する機会もなく、お互いの素性を知ったのはこの日が初めて。
    お酒が大好きなご夫婦だったので、飲み友達の下の階の住人も呼んで夜中まで盛り上がりました。
    東京のマンション住まいなんてこんなものです。
    でも雛がいなければこんな機会は一生なかったと思うので、これもそれもお雛様のおかげです。

    「今年はいい雛祭りだったねぇ」

    とは家人の談。
    男が言うことか?とは思いましたが、一応雛道具を運んでくれたので許すことにいたしましょう。

    雛人形を出したら是非客人を招き入れましょう。
    雪洞の明かりで語り合うととても楽しいひと時を共有できます。
    その様子を見て、きっとお雛様も喜んでいることでしょう。

    3月3日を過ぎて雛人形を出していると娘が嫁に行きそびれると言いますが、もちろんこれは面倒がって出しっぱなしにするのがだらしないという意味なので、初めからこの日にお見送りすると決めた日があれば、3日を過ぎても全く問題ないと私は考えます。

    本当はもっともっと語りつくしたいのですが、長くなりすぎるので続きの雛祭考はまた来年にとっておくことにします。




    宝鏡寺跡の雛人形(直衣・緋袴)
    ※お雛様の胸元にご注目(紙入有)。 




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    【2016.03.11 Friday 17:30】 author : Rom筥
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