『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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筥迫の分類
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    ショップで教本として販売している『縢襠付筥迫』は、現代では筥迫として一般的に認識された型ですが、実は筥迫には色々な型があります。

    筥迫の種類を説明するには、筥迫の分類から始めなければならないのですが、型として大きく異なるのは「江戸期」と「明治期以降」でしょう。


    江戸期の筥迫

    筥迫の原点である「紙入れ」は昔からあったものですが、いわゆる「筥迫」と呼ばれるものが登場したのは江戸時代中期頃。
    打ち掛けの発展とともに、紙入のゴージャス版として進化したものでした。
    この頃はクラッチバッグほどの大きさがあり、嚢物に初めて刺繍を用いたのが筥迫といわれています。
    日本刺繍、切り嵌、切り付け、象嵌など、ありとあらゆる豪華な装飾が施され、現代版とはそのインパクトにおいて圧倒的な差があります。


    明時期以降の筥迫

    大政奉還を機に筥迫は姿を消し、30年ほどの空白期間を経て明治後半に復活しますが、江戸期のものより大幅に小型化され、現代の筥迫の原型となりました。

    極一握りのハイソなご婦人だけが持つことを許された江戸期の筥迫と違い、一般人が所有することになったことで、通常の着物に合わせて改良されたのでしょう。
    もちろん、一般人とは言ってもそれなりのレベルの婦人たちが対象であったと思われますが。


    箱型の筥迫

    江戸型が完全な「箱型」(四隅に角がある)であったのに対し、明治以降は「箱型」と「紙入型」に分かれるようになります。

    この頃の「箱型」は、小型化されはしたものの「箱襠・持ち出し襠」使った江戸期に近い型もありました。
    しかし、私もやっと一つ見つけたぐらいなので、ほとんど流通していなかったのではないかと思われます。

    現在この型の名残は縢襠付筥迫に引き継がれていますが、これをなぜ箱と言う?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね(私は思いました)。
    嚢物においては「角」を「箱」といっていたような記憶があるので(ちょっと出処が曖昧)、まぁ箱っぽいぐらいの感じかもしれませんね。


    紙入型の筥迫

    「紙入型」は三段口扇襠筥迫に見られるような、角を付けず自然な丸みで折り返した仕立てです。
    この種類は、胴締めを外して留め具をつければそのまま紙入れにもなりますので、紙入れの型がある分だけ筥迫も作れるというわけです。
    現在はこの紙入型の筥迫は市販されていません。
    紙入れはそれこそ様々な型があるので、こんなの使う人いるか?というような面白いものがたくさんあるので、自分が死ぬまでに徹底的に復刻したいという野望を持っています(笑)。



    ちなみに、これまで筥迫工房では「装飾筥迫」「実用筥迫」という分類の仕方をしていましたが、実用筥迫もびら簪と刺繍をしてしまうと装飾筥迫になってしまうことから、最近では「江戸型」「箱型」「紙入型」というような形状の違いで分類しています。



    縢襠付筥迫の種類

    講習会で行われている『縢襠付筥迫』はショップで販売している教本の型を使っているのですが、これを「折り返し」「綿入り」で仕立てています。

    今回中止になってしまった『縢襠付筥迫2(折襠・綿入・玉縁)』は、上記の縢襠付筥迫に「折襠」と「挟み玉縁」を付けた応用型として企画していました。

    「折り襠」のついた筥迫はアンティークのものによく見かけられますが、教本ではこの仕立ては解説されていません。
    基本型とは型紙も作り方も違うので、単なる応用編として並べることはできないからです。


    この違いを図解で比較説明してみたいと思います。
    (いい加減なアイソメです。あしからず)


    まずはおなじみ、基本の縢襠付筥迫(A)。
    三つ折りの中央に「鏡」が付き、被せ下側に「段口」、背面に縢襠(千鳥掛け)の懐紙入れが付きます。
    講習会ではこれに「綿入れ」をします。

    大正時代に発行された嚢物の本には「簡単筥迫」という名称で紹介されています。
    縢襠を使った筥迫の中では「簡単な類」という意味ですね。

    ただ、筥迫工房では「胴締めが付いていれば筥迫」という定義において紙入型も筥迫として扱うので、こちらの型は縢襠が特徴であることから、去年教本を新しくしたときに「縢襠付筥迫」という名称に変更しました。


    そしてこれが「折り襠」付きの筥迫(B)です。
    緑部分の襠が付くことにより、物を入れられるので上記のものよりちょびっと実用的。

    折り襠が付くと(A)とは仕様が異なりますし、作り方も異なることから、縢襠付筥迫とは違う名称を付けるべき。
    うまい名称が思いつかず、とりあえず「縢襠付筥迫2」にしてみましたが、カッコ付けで「縢襠付筥迫(折襠入)」にすることで解決。

    前出の本では、この型の紹介に
    「此箱迫は前に説明しものに襠を入れたるものにて、従って其の仕上り立派なり」
    とあります。

    そこで、この型を基本より一回り大きくすることによって(懐中してしまえば差はわからない程度)刺繍などの装飾が映えるようにしてみました。
    ちょっと凝った仕立てに豪華な装飾。
    ワンランクアップした筥迫を目指すのにちょうどよい型だと思います。


    こちらは「鏡」と「段口」の配置が逆の「中央に段口」パターン(C)。
    ここまでくると仕様が違うということでもないので、マイナーチェンジぐらいの差ですね。

    アンティークとしてよく出てくるのは前出の「中央に鏡」パターンですが、襠側に鏡が付くと硬くて襠が広げづらいので、以前の研究会ではこちらの形を教えていました。
    しかし、よく考えたら現代で段口に入れるとしたら圧倒的にカードだろうし、鏡をこの面に付けると使いづらいという結論に達し、今はこのパターンはほとんど作っていません。



    そして、今回中止にしたのがこちらのパターン(D)。

    「中央に鏡」パターンなのですが、鏡に上口(青部分)が付いていて、鏡が取り出せるようになっています。
    このパターンもけっこう多いです。
    「上口」と書きましたが、正確には簡単に出し入れできないように左右に留めが入っているので、完全な上口ではなく、引き出し口と言うべきか。

    なぜ鏡を取り出す必要があるのかと不思議に思っていたのですが、襠部分に厚みのあるものを入れたいときは鏡を取り出して襠の容量を増やす、という気配りなのかもしれません(あくまで憶測)。

    (C)もこちらの(D)もあくまでマイナーチェンジなので、名称的には「縢襠付筥迫(折襠入)」に変わりません。
    あえていうなら「(C)鏡の位置がぎゃくなのよ〜」「(D)鏡が取り出せるのよ〜」と言葉で補足(自慢?)するぐらいに留めておいてください(笑)。


    ------追加(3.18.13:42)-----------------


    そういえば、こんなのもありました(E)。
    (A)のマイナーチェンジですね。



    前日からの流れで、実は続きがまだあります。

    翌日にまたアップします。


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    4月の講習会内容 変更について
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    4月30日(土)に企画しておりました『縢襠付筥迫2』は中止させていただきます。

    代わりに『携帯裁縫用具入』が二回入ります。

    『携帯裁縫用具入(針山付立ち襠小物入)』☆☆2
    ↑詳細画面はこちらでご確認ください。

    ぁ。慣29日(金・祝)1日講習
      申し込み開始:3月24日(木)
    ァ。慣30日(土)1日講習
      申し込み開始:3月26日(土)

    各日とも定員:7名(合計14名)




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    【2016.03.18 Friday 11:40】 author : Rom筥
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