『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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嚢物準備 端切れが溢れる幸せ&刺繍台のこと
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    布を扱う仕事をしていると、自然と家の中に埃(ほこり)がたまります。
    私の実家は仕立て屋だったので、子供の頃から聞きなれた言葉で、これを「ラシャ埃」といいます。
    掃除をまめにしないからよけいたまるのですが、この埃は私にとってはちょっとした幸福感があります。

    父の仕立て屋としての仕事は、バブル期を頂点として「直し」の仕事に移行していきました。
    すでに注文服をオーダーする人はほとんどいなく、あの時代は世の中がやたらと消費に動いていたので、とにかくブランドの既成服を買い漁って自分のサイズに直しまくるという感じでした。

    そのため、父は直しに必要な端切れを山ほどストックしていたのですが、仕事を引退するときも、この端切れたちは「何かに使うことがあるから」という理由で捨てさせませんでした。

    端切れとはいっても無地の「裏地」が主で、プリント地や着物地のようにかわいいものはないことから、現在こっそり捨て始めてはいます(ごめんよお父さん)。

    でもね、端切れを貯めたくなる気持ちはよ〜くわかります。

    特に和の世界では、小さな端切れは宝物のような気分にさせてくれます。
    ほんの小さく切り刻まれたものも、好きな柄は捨てられない。

    すでに家中端切れに溢れているというのに、時々狂ったように端切れを買い漁りたくなります。

    これは昨日、今日で届いた端切れたち。
    まだこの後、二箇所ぐらいから届く予定。


    あまり考えずに直感で布を選んでいくので、こうやって開いてみるといつも似たり寄ったりの色や柄になってしまいます。
    ワンパターンだなとは思うのですが、いいなと思う生地でないと創作意欲もわかないし、、、。


    生地選び

    筥迫や袋物を作る上で「生地選びがわからない」という方は多いのですが、そんな方に一言。

    筥迫を初めの一個から作品にしようと思うからなかなか始められないのと同じで、布地も一種類だけで決めようとするから難しい。

    とにかく何種類も買って、それらを一緒くたに広げた中から直感で組み合わせていくととても組み合わせやすい。
    それと、初めからこんなイメージの布、色、と決めないこと。
    イメージに縛られると布選びはより難しくなります(かといって好みからは逃げられない)。

    縢襠付筥迫のような装飾物は、内布は無地で構わないのですが(ほとんど中を開かないので)、その他の実用物は内側もメインという考え方から、表布と内布の組み合わせがものをいいます。


    私の場合は、ほとんどの生地をネットで調達します。
    ネットで買う利点は、とにかく「安い」から「大量」に買うことができる。
    欠点は、実際に手に取って確認できないので、使えなくて(想像していたものと違って)捨てる物も多いということです。
    まぁそれも見込んで大量に仕入れるのですが。


    もちろんそんな選び方は一般的にお勧めできませんので、布地選びに悩んでいる方は、まずは実店舗で端切れを多く扱っているお店を探してそこで購入してください。

    実店舗の場合は、店主のセンスで布を揃えていますので、その店で扱う布同士で組み合わせるとほぼマッチした作品作りをすることができます。

    ただ、あら素敵!これも素敵と選んでいると、数枚で簡単に5,000円ぐらいはいってしまうので、私はたま〜に行く程度。

    無地などで「この色!」と特定して探すときも迷わず実店舗に直行します。
    ネットではモニターを通して色を見るので、正確に色を確認することができず、望みの色が手に入るまで延々と欲しくもない布を買い続けることになるからです(結局すごく高いものにつく)。


    そんな端切れを扱う店の中で、以前行ったことのあるのにどうしても思い出せない店がありました。
    「あそこなら色が揃っているはずなんだけどな〜」というぐらい端切れが揃っていたのですが、駅名も店名もわからない。
    わかるのは山手線沿線だったことだけ。

    それが、最近ネット検索していてやっと見つけ出すことができました。

    山手線『田端』駅から徒歩5分という便利な立地の『福助堂』
    棚の3面が全て端切れという品揃え。
    10cm単位で200〜300円程度とリーズナブル。
    35cm幅が40cmで念珠入れ、三段口で50cm、このぐらいあればほとんどの細工物はできるのではないでしょうか(柄取りしたいならそれ以上)。

    装飾筥迫用にはちょっと地味目のものが多いですが、実用的な嚢物を作るには渋い生地が多くてなかなか私好みです。
    無地も豊富なので、内布などを探すには便利かもしれません。
    お近くの方は一度行ってみてはいかがでしょうか。



    筥迫用刺繍台

    私の元に来る仕事は日本刺繍が施された布を使うことがほとんどなのですが、人の手によって装飾されたものは縫い締める力加減で生地が歪むので、プリント生地で筥迫を作るのに比べると格段に難しい。
    まるで生き物を扱っているような気にさえなります。

    仕立てをする者として、生地にプリントされたものと生地に装飾を施した物とでは、素材として価値が違うと言わざるを得ません。
    小さく切った布を端切れとは言っても、その端切れに刺繍が施されたものは決して端切れとは言えません。
    このことから、私は日本刺繍を施した生地のことを「刺繍裂」という言い方をしています。

    端切れの中には「古裂」というものがあり、古さに価値のあるような布にこの「裂」が使われますが、布自体に装飾された素材には、古さに関係なく価値があるというのが私の持論で、刺繍が施された布にも「裂」の字がふさわしいと思うからです。

    できれば日本刺繍だけにとどまらず、色々な装飾方法で作られる筥迫がたくさん出てくるようになるといいなぁと思っているので、総称としては「装飾裂」になるかもしれませんが。



    私がブログに自他共に筥迫の画像をたくさん使うのも、こんな装飾の筥迫がありますよ、素敵でしょ?あなたも作ってみない?という誘い込み効果を狙ってのことです。

    地道な活動の甲斐あってか、最近は「刺繍筥迫を作ってみたい!」と言ってくれる方が増えてきました。

    その中で最近出会ったお一人、大阪在住の日本刺繍作家「いち桃」のユキダイクミ先生

    筥迫工房の刺繍台をお教室で使ってくださることになったのがきっかけです。
    ついに! 日本刺繍 小物用の刺繍台

    日本刺繍は専用の刺繍台というものがありまして、これが高価で、また持ち運びするのに大きすぎるのが難!(着物や帯の反物を巻きつけるのでしょうがないのですが)
    日本刺繍を始めるための大きなハードルの一つなのです。

    私は日本刺繍を始めてまだ7年ぐらいですが、未だに着物にも帯にも刺繍したことがなく、とにかく筥迫刺繍オンリー。
    私と同じように筥迫や嚢物だけに刺繍をしたい人のために、安くて小さい刺繍台を作って、とりあえず日本刺繍のハードルを下げたいという思いで刺繍台を自作したところから始まりました。

    本来の刺繍台に慣れきっている方には使いづらいと言われつつ、めげずに筥迫刺繍用に使いやすいように小まめにバーションアップした結果、最近はけっこう使いやすくなってきたのではないかなと思っています。

    売り物を自分が作ることはできないということから、木工好きの知り合いに頼んで作ってもらっているレベルなのですが、だからこそ安価に販売できています。
    (自分でキャンバス枠を買って使えばもっと安いですよ)

    ただ、少量ずつでの受注のみということで作っていただいているので、在庫が切れいる場合もあります。
    常に発注はかけておりますので、少々お待ちいただくことをご了承の上ご注文ください。



    個人の方が刺繍筥迫を始めたい!と地道に日本刺繍の先生探しから始めるのもいいのですが、一番効率的なのは日本刺繍を教えている先生が筥迫に興味を持ってくださること。

    日本各地でそのような先生が増えてきていただけたらいいのですが。
    筥迫工房としても宣伝を含め協力できることはしていきたいと思っています。

    筥迫好きがサポートし合いながら筥迫文化を広げていけたら、私としては喜ばしい限りです。



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    【2016.04.02 Saturday 16:17】 author : Rom筥
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