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成人式の筥迫 〜nano mofさんの作品〜

先日nano mofさんから、成人式の前撮り画像とレポートが送られてきたので、今回は講習会報告の前にこちらをアップさせていただきます。
筥迫の教材を購入した後、一年ちょっとで日本刺繍の筥迫にトライするとは!

日本刺繍をしている方々には是非とも筥迫を作って欲しいとは思いますが、nano mofさんのように筥迫から日本刺繍を始める方が増えて来ると、私がやっている活動も捨てたものじゃないと思えます。

nano mofさんのこだわりの筥迫物語と成人前撮りレポートをどうぞご覧ください。
 



筥迫工房さんとめぐり合って1年ちょっと。
まさか自分で刺繍した筥迫を作る事になるとは夢にも思わなかったです。

もともと作ることは大好きでした。
七五三の祝い着(7才)も自分で縫いました。
成人式にもかなりこだわりが出たと自覚しています(笑)。

成人式は私の子育て卒業式。

何か記念に作りたいなぁ・・・「そうだ!筥迫作ろう!」
はじめは刺繍半襟で作るつもりでした。
でも柄取りや仕立てが難しくて、なかなか納得できるものが出来ない
そんな時、Rom筥さんから「日本刺繍の筥迫にいっちゃいな〜」という悪魔の囁きが・・・で、いっちゃったんです(笑)



刺繍教室の先生も理解がある方で、

「やりたい事をやったらいいじゃない!」

と刺繍を始めて半年で筥迫の刺繍に取りかかることに。
本当に感謝です!

衿から見える菊の花は、本当はグラデーション+駒取りの予定だったのですが今回は断念しました(まだ刺繍の腕が無い)。



さて日本刺繍の筥迫ですが、さすがに仕立てやすかったです
折り返しや紐を通す場所に刺繍がかからないようにできますし。



抱え帯は筥迫の内布の残りがあったので急きょ作ることにしました。

難しかったのが刺繍をどの位置に刺すか見極めること。
着付けた時どの位置にくるか、帯だから輪が下だよねとか、とにかく頭がこんがらがって大変でした。
同じものを作れと言われても、また一から考え直さないとわからない(笑)。

房の色
実は房の色もかなりこだわっているのです。
筥迫工房さんで購入したものではなく、絹の手縫い糸を使ってます。しかも量多め。
色も「紅」よりちょっと深い色。唐紅より黄みが強い色。

帯揚げと抱え帯が明るい赤(朱?)なので、房の色が目立つようにちょっと濃いめの赤にしました。
言わなきゃ誰も気づかないこだわり。ふふふ。
そんなとこが楽しいのです。

髪飾りは「かづら清」のつまみ簪です。
絹のちりめんの独特の艶、色、写真映りの良さはどれをとっても文句なし!
帯締めやバッグ&草履もそれなりにこだわりました(これらは省略)

ネイルチップは知り合いのお嬢さんにお願いして作ってもらいました。


そうして迎えた前撮り本番
ヘアメイクを終えいざ着付け!あと少しで出来上がるって時に、なんと娘が貧血で倒れてしまい大騒ぎに!

せっかく着付けた着物を全部脱がし、しばらく休む事になりました
その間に次のお嬢さんが先に撮影することになったのですが、おそるべき連鎖反応(?)で、その子も撮影中具合が悪くなる始末(^_^;)

その後落ち着いてからもう一度着付けてもらい撮影でしたが、立っていると具合が悪くなるので、すぐ横に椅子を用意してもらって、だましだましの撮影になりました(←スタッフ総出で頑張れコール!)。

筥迫の着付けですが、花嫁さんも着付け出来る方でしたので全てお任せしました。
手作りの筥迫に着付けの先生たちも興味津津(笑)。

ちなみに筥迫は最後にグイっと引っ張って入れてましたがばっちりでしたよ。
娘残念なお胸だからでしょうか?
それはともかく、筥迫を着けた着姿は品が良く華やかで成人式にふさわしいと思いました。



ドタバタな1日でしたが、娘の振袖姿を目にすると20年間の色々な事が思い出されて、まだ前撮りなのにウルッとしちゃいました。
ホント20年間のご褒美をもらった気分でした。
そして、よく頑張ったね、私!!

こんな母の盛り上がりに対し、娘は「おまかせしまーす」という感じだったので、思いっきり私好みにさせてもらいました。
だからすごーく満足しています(#^.^#)

 


nano mofさんはこれまでも、筥迫掲示板2に力作筥迫をアップしてくださっていますので是非ご覧ください。
着物地や刺繍半襟などを経て、この日本刺繍の筥迫にたどり着きました。
講習会に参加したわけでもなく、教本だけを頼りに一人でコツコツと制作してこられたので、私も本当に感無量です(自分が作っていないのに自分が作っている気持ちになれるいい仕事だ!)。


着物地」の難しさは「柄出し」につきます。
小紋でない限り同じパターンは出てこないので、派手な柄の着物地にこそ「柄出し」でうまく雰囲気を出すしかありません。
しかしこの柄出し、慣れないとなかなか効果的な雰囲気を出せないので、ひたすら数を作って練習するしかないです。

着物地以外なら「刺繍半襟」をお勧めしています。
柄の大きさが筥迫にちょうどよいからです。
ミシン刺繍とはいっても、ばかにならない存在感があります。

ただし、この刺繍半襟も実は選びかたが難しい。
こってりした柄になるほどに刺繍の分厚みが加わり、「厚布」で仕立てるぐらい難しい。
「挟み玉縁」なんて付けた暁には、厚みに厚みが重なり、かなり野暮ったい仕上がりになります。

しかしそこは半壊中で使う筥迫、着物に納めればわからないし、そんな力技で使っている人はたぶん相当多いはずです(苦笑)。

でも数を作っていくと、この野暮ったさがどうしても許せなくなる日がやってくる。
nano mofさんはそのジレンマから、ストレスフリーの日本刺繍の筥迫にたどり着いたというわけです(しめしめ)。

ただし、nano mofさんのように色々な生地で筥迫を作っているからこそ、筥迫用にどこの位置に図案を入れれば作りやすいかわかる=刺繍した筥迫は作りやすい、というセリフが出てくるのであって、筥迫仕立てに慣れていない人が初めから刺繍裂で作ったら反対に作りにくいですよ。
そこのところお間違えなく!

しかし「娘のために!」という母の情熱は、筥迫作りには欠かせない大きなポイントになるようです。
目的がない制作はちょっとした失敗で挫折しやすいものですが、かわいい我が娘の晴れ姿のためならば、ちょっとやそこらで母は挫けないもの。

筥迫ってのは母の思いを込めやすいものだと思うのです。
小さくて、精巧で、デザイン的な筥迫は、凝りたいだけ凝りまくることができる。
そのくせ使うときは半壊中で全部は見えないくせに、そのチラチラ感がやたらと気になる存在。
まるで星飛雄馬の姉のようです(笑)。←すでにわからない人の方が多いか、、、。

娘ちゃんの貧血は、そんな母の思いがずっしりきたのかもしれませんね(うそうそ冗談)。

nano mofさんにはこれからも筥迫道を極めてほしいですが、最近はSDまで興味を持ち出しているらしい、、、一体どこにいっちゃうんですか?(笑)。
三姉妹ということですし、ちゃんと筥迫に戻ってきてくださいよ。



筥迫なんてものに携わっていると、すさまじい手作り派の母たちを垣間見ることになりますが、そのお嬢さん方がまた協力的だからこその結果だとうらやましく思います。

年々地味化していく我が家の娘を見るにつけ、成人式を迎えるまでに筥迫なんてど派手なものを受け入れてくれるのか、かなり不安になる今日この頃です(十三参りは筥迫が派手かどうかさえわからないお子ちゃまだったしな〜)。



▼筥迫工房のお店


▼筥迫掲示板
筥迫工房の教本や自慢の細工物を、皆さん自身で披露できる掲示板です。写真のアップロードが簡単になりました(一回の投稿で6枚掲載可)。丹誠込めて作った筥迫を大勢の人に見てもらいしましょう!

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