『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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筥迫の付け方 〜筥迫の位置〜
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    前回のブログで「筥迫の位置」についての話題が出たので、以前そんな記事を下書きしていたことを思い出しました。

    今回はこれについて書きたいと思います。

     

    つきましては、私はそれほど着物を着るわけではないので、着付けに関しては正直詳しくないです。

    ただ、筥迫を付けた花嫁さんの画像はたくさん見てきているので、それらを眺めるうち気がついたことを書かせていただきます。

     

    何がいけないとはいいませんが、それぞれを比較して皆さんなりのベストポジションを見つけていただければと思います。

     

     

    筥迫はバストトップよりも下の位置に差し込むのが断然収まりがよいのですが、一般的に筥迫を使うのは「振袖」=「正装」になるので、かなり無理〜な位置に付けざるをえません。

     

    振袖のようにかなり上で帯を締めるような着付けでは、胸のかなり高い位置に入れることになるので、ただでさえ隙間のない部分に無理やり筥迫を入れることで無理〜なのも致し方ない。

     

    江戸時代の筥迫は現代のものよりずっと大きいものでした。

    胸元をゆったり着付けていた時代だからこそ登場したものだったので、補正できゅうきゅうに締め付けた現代の着付には合わないのです。

     

    つまり、高い位置に無理やり筥迫を入れるのであれば、むしろ「紙入れ」を使うことは道理にあっているわけです。

     

    注)「紙入れ」というのは筥迫の胴締めがないもので、つまりびら簪も巾着もなく、更には後ろの懐紙入れ部分もないので、薄型で至ってシンプルな形。

     

    チャラチャラと派手な筥迫を付けたいのであれば、できれば帯は高い位置で締めない方がよいのではないかと、筥迫の作り手としては思ってしまうのです。

     

     

    半襟と帯揚げの出し方と筥迫の関係

     

    一般的な白い無地の半襟を使う場合は、それほど襟を出す必要もないので襟の合わせは深くなります。

     

    (このような説明で他所さまの画像を使うことはできないので、簡単なイラストで解説します)

     

     

    成人式のお嬢さんならこんな感じになるのでしょうか。

     

    時によって、これよりも更に筥迫が左寄りになる場合があります。

    これはたぶん半襟を首元近くで合わせていたり、広襟の場合は折り幅が広くなっているせいなのかもしれません。

     

    反対に、花嫁さんの場合は刺繍の半襟を使うことが多いようなので、襟をかなり広く出すことになります。

    (花嫁さんなので懐剣も合わせて見てみましょう)

     

     

    半襟を出した分だけ着物の襟の合わせが浅くなるので、筥迫がかなり中央に寄ります。

    更に帯を上の位置で締めるともっと筥迫は中央に寄ってしまうので、懐剣とのバランスが良くない。

     

    筥迫をもっと左に出そうとすれば、筥迫の引っ掛かりが浅くなってしまうので落ちやすい。

     

    何とかならんものか、、、。

     

    そんな解決策として、こんな入れ方が存在するのではないかと推察してみました。

     

     

    いや先入観がなければ、筥迫をこんなふうに入れるのは極自然なのかもしれない。

     

    だけどさすがにこの角度でのびら簪はないな〜 あせ

    どう考えてもびら簪の鎖と房は筥迫に対して垂直でなければおかしい。

     

     

    ということで、こんな斜め差しをしているときはびら簪や房もつけない場合が多いようです。

     

    更には胴締めも左にずらしてしまえば巾着も出しやすい!

    ということで巾着を出している、、、のかな??

     

    このようにグッさり筥迫を刺し込んでいれば、さすがに落ちないとは思うので、巾着を落としに使わなくてもかまわないと思うのですが、あまりにもだら〜んと長く出ているのは格好よくない気がしてしまうのは私だけ、、、?

     

    まぁこういう場合は、筥迫ではなく「紙入れ」にしていることが多いようですね(そうすれば房も巾着もなくスッキリ!ということか?)。

     


    ところで、振袖の場合、一般的に帯揚げはこれまでの図にあったような「入組(いりく)」にすることが多いのですが、入組には上に重ねた側を襟に入れるという方法もあります。

     

    しかし、絞りの帯揚げを襟元に入れるということはそこに厚みができるということで、更に筥迫は入れづらくなります。

     

    もちろんそれでも無理やり入れている場合もあるのですが、帯揚げを避けて筥迫をこんな位置に入れている画像を見たことがあります。

     

     

    さすがに筥迫を帯と水平に入れる方が不自然に思えてきた、、、。

     

     

    となるとこんな感じになるのか?

     

    筥迫、一体どこに行っちゃうのやら、、、、沈

     

     

     

    これらのことから、やはり筥迫は中央より左寄りの帯の上に納まっていてくれると、見た目も安定するのではないかと思います。

     

    例えゴージャスに刺繍がされていても、筥迫は半壊中するもの。

    あまり出し過ぎると下品になります。

     

    さて、これまで振袖ということで帯揚げを入組にした図で解説してみましたが、入組にすれば筥迫は自然と上がり気味になります。

     

    そんなワケで、筥迫至上主義のRom筥としては、総絞りの帯揚げであっても「本結び」か「中入組」にする方が筥迫が目立つ!と思っています。

     

     

     

    最後に、筥迫をどの位置に付けなければならないという取り決めはないので、これらはあくまで筥迫職人の私感ということで。

     

    よく着物を着ていると、見知らぬおばさんに着付けを直されるという話を聞きますが、こういうことが着物離れを招いてしまうのではないかと思うので、どうか見知らぬ方が筥迫を付けていたとしても「筥迫はこの位置じゃだめよ!」なんて声をかけたりしないでくださいよ(苦笑)。

     

    どんな形でも、筥迫を身につけてくれたらそれで私としてはうれしいので。

     

    ちなみに、筥迫は振袖などの正装よりも、普段着の着物の方が断然入れやすいです。お試しあれ。



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    【2016.12.18 Sunday 16:12】 author : Rom筥
    | 筥迫の使い方 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
    この記事に関するコメント
    帯揚げと筥迫の関係について分かりやすい解説をありがとうございます。
    正装ではありませんが、普段着物に筥迫(基本形)を入れる練習をしました。「控えめに見せた本結び帯揚げの上に、安定した筥迫を」と妄想しておりました。襟合わせも問題なく差し込めました。
    ところが!少し動くと、巾着が船のイカリのようにみぞおちから筥迫を引っ張りはじめ、筥迫の底角が着物の布越しに、帯揚げを上からぐいぐいと押してきて、ついには結び目を帯の中に沈めてしまいました。
    あまり補正もせず胸下がスカスカなので・・・逆根付状態で巾着が潰れないのは良いのですが、巾着紐の長さが短かいのかもしれません。こんどは二重叶結びの打ちひもをあと5〜6cm長くとって結んでみたいと思います。
    | ちゅん | 2016/12/22 6:55 PM |
    ちゅんさん>

    う〜ん、いまいちイメージがつかめない、、、。
    今度画像でも送ってください。

    色々な状況で、筥迫のつけ方を追求してみましょう。
    | Rom筥 | 2016/12/26 12:09 AM |
    現状のまま装着おでかけしました。巾着はみぞおちではなく、素直に右脇腹に落として安定しました。けれども薄い帯揚げではやはり装飾筥迫に負けてしまい、帯に胸は乗っていないけれど筥迫が乗った形になり、いまひとつの着姿に・・・。それでも、先々でとても興味をもたれて楽しい旅ができてよかったです。
    --------------------------------------------------------
    > 参考画像ありがとうございました。
    > 確かに帯揚げを押し込んでいますね。
    >
    >  これまで縢襠付筥迫は、主に振袖などの礼装用に使われていたので、あのボリュームのある絞りの帯揚げだから潜らなかったのでしょうね。
    >
    > 一般的な薄手の帯揚げだと筥迫に負けてしまうかもしれません。
    >
    > ただ、講習会で作っている「三段口扇襠筥迫」や「二ツ折小被付筥迫」などはもっと薄手なのでそれほどではないかもしれません。
    >
    > 更に「念珠入れ」や「四ツ襠紙入」などは厚紙自体が薄い物を使っているのでもう少し体にフィットする感じなので、もう少し帯揚げを邪魔しなかもしれません。
    > (四ツ襠は入れるものによってはボリュームが出てしまうのですが)
    >
    > しかし現代に至るまでに筥迫が形骸化されてしまったことを考えると、やはり着物を美しく着付けるためには筥迫は邪魔!ということがあるのだと思います。
    >
    > 筥迫を入れるということは、現代の美しい着付けの概念とは相反する部分があるということは頭に入れておかなくてはならないかとも思います。
    >
    > これに懲りずに、いつか色々な懐中物に挑戦していただいて、現代の美しい筥迫inスタイルを研究し、詳しいレポートなど書いていただける人が出て来るとありがたいです。
    > (私はもっぱら作る側の人間なので)
    > | Rom筥
    | ちゅん | 2017/01/14 10:07 AM |
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