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魅惑の『紅板』
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    前回のブログ「携帯道具入れ」で、秋乃さんの携帯化粧道具入れに不足しているものは「紅板」!と書きましたが、紅板をご存知ない方も多いと思います。

     

    私も久々に思い出したので、今回はこの『紅板』について書こうと思います。

     

    これが紅板です。

    サイズは52 x 97mmと、ほぼ名刺サイズぐらいという小さなものです。

     

    べに-いた【紅板】

    江戸時代の携帯用の紅入れ。二つ折りの板に漆を塗り、紅を載せた。

    薄い箱型のものもある。装飾に技巧を凝らした。

    (引用:ことばんく)

     

    中を開くと玉虫色の面が現れます。

    この玉虫色が紅花から抽出された日本伝来の紅です。

    紅筆に水をつけてこの玉虫色をこすると、とたんに真っ赤な色が現れます。

     

    お猪口などの内側に刷(は)かれた紅を見たことがある方もいらっしゃるとは思いますが、紅板を知らない方は多いと思います。

     

    お猪口の紅を携帯するわけにはいきませんので、外出の際はこのような紅板を携帯したのです。

    袋物に入るように作られた形だと思いますので、筥迫にも確実に入っていたと思われます。

     

    江戸時代、この玉虫色の紅は同じ重さの金に匹敵する価値を持つ高級品だったそうです。

     

    まるでサフランのようですが、実際にはサフランの方が高価なので、海外ではサフランと称して(騙して)紅花が売られていることもあるのだそうです(こちらは現代のお話)。

    外国などでサフランを買う際は注意が必要かもしれませんね。

     

    日本で洋風の口紅が一般化したのは大正時代に入ってからのようなので、この紅板も相当古いものだと思います。

     

    この玉虫色は空気や湿気によって劣化してしまうらしいので、現在に至るまでこの玉虫色が残っているということはかなり保管状態がよかったということらしいです。

    これからもビニールでしっかり密封して大事にせねば。

     

    この紅板は4面になっているので、お猪口などに刷かれたものよりは面積が広いということは、更に高価だったかもしれませんね。

     

    伊勢半でも以前この紅板を販売したこともあるようですが、現在は販売されていないようです。

    小町紅『板紅』ざくろ

     

     

     

    おまけの貴重品

     

    私がこの紅板を入手したのはあくまで偶然で、昔ヤフオクで何かの袋物を落札した際に、その袋物に付属されていたのです。

     

    出品した方もこれが紅板というものだとは知らなかったのでしょう。

    掲載画像の中に玉虫色のものが袋物の部品の一部のように映っていたので、この袋物になぜこんな色の部品があるのかと不思議に思いながら落札したのです(あくまでもその袋物が欲しかっただけ)。

     

    実際に手元に届いた時に、別物の同梱物だということがわかりました。

     

    開いてみると紙入れのようでもあり、それにしては小さすぎるし、何よりこの不気味な玉虫色(!)の紙を使う意味がわからない。

    そこで、お約束のSAKURAのyayaさんにお問い合わせ。

     

    「ちょっと水をつけてこすってみて。

     赤い色が出たらそれは紅、

     つまり「紅板」だと思います。」

     

    指先にちょっと水をつけてこすると、うわっ赤が出た!

    初見で不気味と感じた玉虫色が、正体がわかって一気に魅惑の玉虫色に変わった瞬間でした(笑)。

     

    こんな感じです↓

    小町紅の使い方

     

    骨董の袋物の中には、おまけのように面白い同梱物が入っていたりします。

    袋物は物入れですから、元々の所有者が使っていた状態で流れてくることが多いというわけです。

    これはお目当の物より貴重なおまけが入っていたというレアケース。

     

    最近まで持っていたことをすっかり忘れていたのですが、今回の謎のケースのおかげで思い出し、サンプルの山から探し出した次第。

    お宝がやっと日の目を浴びました。

     

     

    菊置上の装飾

     

    さて、引用でも紅板は「装飾に技巧を凝らした」とありましたが、こちらは「置上(おきあげ)」という技法で装飾されております。

    置上とは、胡粉を塗り重ねて立体に仕上げるレリーフですね。

     

    特にこの菊をモチーフにしたものは「菊置上」と呼ばれています。

    この菊置上は、アンティークの白木の有職雛道具の装飾によく見かけるので、お雛様好きには馴染みのあるものです。

    もちろん「菊置上」で検索すると、その他のお道具でも色々なものを見る事ができます。

     

    日本画の世界では「盛り上げ胡粉」ともいうようですが、筥迫の刺繍も盛り上げてナンボのものなので、なんだか親近感を感じてしまいます。

     

    美都木洋子さんの胡粉盛上彩色の作品などを見てはソソられる私。

    いつか置上の筥迫なんて作ってみたいなぁ。

     

    これからの人生、貼り込み以外のことに興味を持たないようにしようと強く心に誓ったはずなのに、日本の工芸品には素敵なものが多すぎるのよ、、、沈

     

    こんな文化を共有し誇りに思えるなんて、日本人に生まれてホント幸せですね、皆さん!

     

    (紅板の裏面)

     

     



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    【2017.02.27 Monday 00:25】 author : Rom筥
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