『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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筥迫講習会 3月『三段口扇襠筥迫』
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    三月の講習会、後半の初日は『三段口扇襠筥迫』です。

     

    三段口扇襠筥迫も人気の講座ですが、今年はシステムの変更に伴い対象受講者は3名でした。

    人数が少ないとゆっくり一人ずつに合わせて対応できるので少人数も悪くはない。

     

    今年から筥迫は中級扱いなので、下準備はご自宅で作業していただきます(申し込み後に必要な材料一式が送られてくる)。

     

    筥迫はとにかく部品が多い。

    慣れている人なら下準備にそれほど時間はかかりませんが、初心者対象では慣れていない人のペースで全て進行していくことになります。

    つまり遅い作業の人が一人いるだけで、全員の終了時間が遅くなってしまうということ。

     

    筥迫工房の講習会は遠くから参加される方が多いので、電車の指定時間にハラハラすることになります(私も毎回ドキドキ)。

    これが筥迫を中級コースにした最大の理由です。

     

    初級コースまでは下準備を講習会内で全て行います。

    ここで基本的な貼り込み作業を実習していただくので、中級コース以上は「自宅で下準備ができる」人を対象にできるわけです。

     

    去年までは10:00前からフル回転で作業して、終了は7〜8時ぐらいまで延々とかかっていましたが、今回の講習は開始が11:00からと遅めであるにも関わらず、出来上がりは5時ぐらいと余裕の終了。

     

    これだと終わってからお茶を飲んでいる間に、余裕でアイロンを冷まして持ち帰ることができます。

    遠くから参加される方やご家族の世話を変えられない方が、時間を気にしながら(逃げるように)帰る心配もありません。

     

    集中して作業した後にほっと一息お茶を飲みながら、ここに集うレアな「同好の士」の会話に耳を傾けるのも、講習会とは別のお楽しみなのです。

     

     

      

    K.Tさんの作品(東京都)

    表は粋な雰囲気で。

    暗い色目にRの縁出しが利いていますね。

    何気に柄合わせされているようです。

    中は打って変わって賑やかで明るい色目の楽しげな柄物です。

    三段口扇襠筥迫はこのような使い方が効果があります。

    表に派手な色柄物を使うと合わせる着物が限られてしまいますが、三段口扇襠筥迫が実用使いということを考えれば、表は普段着の着物に使えるように無難に色柄を選びたくなる。

    そのかわり内側は思いっきり派手に。

    羽裏のような考え方です。

    表は自分の年齢を考えてしまいますが、中はいくら派手でもかまわない。

    思いっきり自由に楽しんでください。

     

     

    T.Tさんの作品(静岡県)

    かわいい椿の縮緬使い。

    こちらも何気に柄合わせされています。

     

    T.Tさんは今年金封袱紗を受講され、去年初級コースに参加しているので、ハレて念願の筥迫講座に参加することができました。

    三段口扇襠筥迫は「巾着&飾り房」講座が隣接していないので、紐部分はまた後日作成ということですね。

    巾着の型紙は付いているので、とりあえず副読本で作られたそうです。

     

    三段口扇襠筥迫は被せのR部分に縁出しができるようになっているのですが、こちらの筥迫のようにはっきりした柄物を使うと縁出しはあまり目立たなくなるかもしれません。

    影のようにみえてしまいますが、ちょろっと縁は出ているんですよ。

    内布の三段口部分は無地ですが、裏の鏡パートには矢絣が使われています。

    三段口扇襠筥迫はこのように使い分けて楽しむ方が多いです。

     

     

    K.Wさんの作品(富山県)

    淡いピンクの梅の柄は、今の季節にぴったりです。

    こちらも影のように見えますが、縁出しされています。

    縁出しは出過ぎるとダサく見えがちなので、1.5〜2mmぐらいをおススメしているのですが、はっきりした柄物はもう少し主張してもいいのかも、、、と今回改めて思いました。

    ただし、縁が目立ち過ぎると、今回のように淡い色合いの雰囲気を壊してしまう可能性もあるので、結局はバランスを考えながらということになると思います。

    鏡面は厚みの出ない「脂取り紙」が差し込めるようになっています。

     

     

     

    筥迫工房の講習会

     

    今年は講習会のシステムを変えたので、色々と戸惑う方も多いようで、お問い合わせをたくさんいただきます。

     

    ほとんどが、どうしても「金封袱紗」を出なければいけないのか?ということ。

     

    自分の作りたいものだけを作りたい。

    この気持ち、私もすごくよくわかります。

     

    ほとんどの習い事にはカリキュラムがあって、自分の作りたいものはずっと先のカリキュラムにあったりすると、それまでの間、延々と作りたくもないものを作らされるという受難。

     

    これがセンスの良いものであればまだマシですが、微妙なセンスだったり、自分が欲しくもないものにお金をかけさせられたりすることを考えると、どうしたって二の足を踏みますよね。

     

    ですから筥迫工房の講習会では、せめても「自分で選んだ布」をお持ちいただくことにこだわっています(金封袱紗のみ全教材支給)。

     

    「誰に作らせてもうまくできるような教材」というのは確実にあるので、このような講習会では指定の教材を使わせる方が絶対安心。

     

    受講生に生地を持ち込みさせるということは、どんな素材であっても講習会時間内に確実に作品に仕上げさせなければならないというリスクを負うということで、私にとって当初講習会は緊張の連続でした(さすがに最近は慣れた)。

     

    袋物細工にとっては「布の選び方」「仕立て方」において、「数」をたくさん作るというのがとても大事なんですね。

     

    細工物は小さいので、一つの仕立てに日本刺繍や着物ほどの時間はかからない。

    だから慣れるためには「数」を作る必要があるのです。

     

    それが面倒な筥迫から始めてしまうと、貼り込みの楽しさは感じたとしても気軽に「数」はこなせない。

    筥迫の講座から始めてしまうと、なかなか貼り込みがうまくならないのはそれが理由です。

     

     

     

    貼り込みとは「糊」を知る世界だと最近つくづく思います。

     

    これまでの講習会では型を作らせるのに精一杯で、そういうことを教える暇がありませんでした。

    教えたとしても、その上で数をこなさないと理解できない。

     

    糊って乾くんですよ。

    その乾くタイミングを見計らって貼り込んでいくのです。

     

    糊の引き方を教えていないので、竹ベラの先で糊をチマチマつける人の多いこと。

    その間に糊が乾いてしまうところ、吹き溜まってしまうところがまだらになる。

     

    糊の引き方、分量、乾く時間を知らないと、作品の仕上がりがぐずぐずになる。

    それなりの型には仕上がるので受講者は大喜びですが、それを遠い目で眺めるrom筥、、、。

     

     

    とにかく、余分な型など作らないで「筥迫だけを作りたい!」という方は、是非教本を見て作ってください。

    教本だけでも十分きれいな筥迫は作れます。

    ただし、教本で作る筥迫は「貼り合わせただけ」の作り物でしかない。

     

    筥迫工房の講習会で目指すのは、昔の袋物職人さんたちが作っていた「心ある」袋物です。

     

    教本では糊の扱い方を教えることはできません。

    この糊の扱い方を教えることができるのが「金封袱紗」なのです。

     

    金封袱紗はある程度の大きさがあるため、糊を引く練習にちょうどよいのです。

     

    教材は全て支給、更には復習用の教材も含まれているので、ご自宅に帰ってすぐに練習できます。

     

    初めから好きな生地を使えるとなると、生地の選び方も慣れていない状態なのに、生地選びにこだわりすぎる人が多い。

    こだわりすぎて自分の好きな生地が見つからないから作れない、という悪循環が往々にして発生するのです(苦)。

     

    貼り込みの基礎は、生地ごときにとらわれない、祝儀・不祝儀兼用で使える「紫」がちょうどよいのです。

    無地の紫なんてつまらない、、、と思われるかもしれませんが、実はどんな袋物よりも「人にあげて喜ばれる」のが金封袱紗です。

     

    筥迫なんてね、素敵だなんて思っているのは自分だけ(苦笑)。

    興味のない人にとっては、筥迫なんてもらっても困るだけ(作るのが大変なだけに悲しくなるから無理に押し付けないでね)。

     

    人にあげて喜ばれるというのは、袋物を作るモチベーションにおいてかなり大事なことなのです。

     

    金封袱紗は簡単な型なのでわざわざ講習費を払ってまで作るなんて、、、と思われるかもしれませんが、実際に売っている金封袱紗と比べてごらんなさい、作りが全く違いますから。

     

    しっかりとした貼り込みで作られた金封袱紗がどういうものなのか、講習会で作ってみればわかります。

     

    ただ糊で貼りつけただけではない「貼り込み」の奥深さを、筥迫工房の講習会を通して知っていただけるのではないかと思っております。

     

     


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    【2017.03.27 Monday 22:28】 author : Rom筥
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