『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
<< 筥迫講習会 3月『三段口扇襠筥迫』 | main | 組入れ 〜念珠入れ&くり口名刺入〜 >>
筥迫講習会 3月『名刺入付覚書帳』
0

    『5/5金封袱紗』の予約では、開始時間のタイミングが合わずご迷惑をおかけしました。

    申し込みできなかった方は大変申し訳ありませんでした。

    次回のお申し込みでよろしくお願いいたします。(2017.4.4)


     

    三月最後の講習会は「名刺入付覚書帳(めいしいれつきおぼえがきちょう)」です。

    実はこれをやるのは1年ぶり。

     

    去年、入門者用に考案した型ですが、何だかんだと部品を付け足していったらやたらと難度が高くなってしまい、受講者から「こんなの入門じゃない!」と言われてしまたので、今年は一気に「中級」扱いです(飛ぶな〜汗)。

     

    初級だと、こんなこと難しいかな?難度が複数入れるのは無理かな?などと一応は配慮するのですが、中級以上は一切配慮なしで、もう好きなだけ凝りまくって作れるので、自分としてはとてもやりやすい。

     

     

    K.Wさんの作品(富山)

    K.Wさんは、前日に引き続いて連続の参加です。

    ちょっと粗い織り目の生地で尚且つ厚みもあったので、細工物にはちょっと処理が難しかったかも。

    細工が多い袋物は、小さな柄、目の詰まったもの生地、厚みなどを考慮して生地選びをするのが難しい。

    左に名刺入れを入れる「くり口」があって、間に覚書帳(懐紙で作った中綴じのメモ)、右側の段口にスイカなどのICカードを入れる構造になっています。

    スイカはJR東日本専用だから、ご当地のICカードの名称について今回も盛り上がっていました。

     

     

    T.Tさんの作品(静岡)

    T.Tさんも二連続の参加です。

    筥迫工房の講習会では原則ご自分で選んだ生地をお持ちいただいていますが、極小の外題用の布であっても、外題にちょうどよい小さな柄(それも薄手)を手持ちの布から探すのは難しい。

    普段から布をためておく必要があるので、今回の外題布に限っては私が貯めたハギレから選んでもらっていますが、こちらの作品は外題布もご持参いただいたものを使うことができました。

    この型の場合、実際に名刺を入れてしまうと、内布の色柄が見えるのは左の段口部分のみ。

    そういう意味では内布に凝った柄を考えなくてもいいのですが、表布は名刺入れ部分に持ち出し口として見えるので、この部分にも色柄を考えて配置できるといいかもしれません。

     

     

    K.Iさんの作品(東京)

    こちらの作品は、表布にシボの入った生地を使っています。

    外題は私が持ち込んだ布の中からお選びになりました。

    右下の紫がもう少し出ているといいのですが、残念ながら布が足りなかったようです。

    そのかわり四つ目綴じのかがり糸にこの色を足したりと、この型は外題とかがり糸にアクセントを持ってくるような配色の仕方をします。

    厚みのない細工物は、とにかく内布に薄物を使うのが鉄則。

    他方、金封袱紗ぐらいの大きさになってくると、内布はあまり薄すぎない生地の方がきれいにできます。

     

     

    U.Nさんの作品(兵庫)

    名刺入付覚書帳の場合、表布に柄が多いと外題にあまり凝れない。

    外題はアクセントなので、この作品の場合は無地に近いものをオススメしました。

    こうしてみると、もうちょっと濃い色の方が良かったかな。

    このような型の場合は、表布、外題、どちらに比重を置くかを考えて布合わせします。

    こちらは内布も厚みのあるものを使っています。

    なんとか形にはできるけれど、その分名刺の枚数を減らすことになるかも。

    生地選びは数を作って色々な生地を見極められるようになるしかありません。

     

     

    Y.Mさんの作品(東京)

    こちらはちょっと粋な配色です。

    この型の場合、外題の色や柄の配置はかなり重要です。

    こんな極小のスペースなのに、布選び、配置に一番時間を取ることになる萌えポイントなのです。

    そのかわり、綴じに使う打ち紐はできるだけ表布に近い目立たない色を選んでいただいています。

    なぜなら外題、綴じ糸にアクセント色を使うので、それを引き立てるようにしたいからです。

    こちらの内布はリバティを使われたとのこと。

    リバティは柄によっては和柄に合うものも多いので(何より薄いし!)表布に使って着物に合わせる方も多いです。

     

     

     


     

     

    細かい処理を本だけで解説するのは難しい

     

    去年、こんなもの作りたい人いるのかしらん?という考えで企画した講座でしたが、意外に人気があったようなので、今年は2回企画することにしました(次回は11月4日)。

     

    作る物が小さいと簡単そうに見えてしまいがちですが、きれいに作るとなると相応の手間はかかります。

     

    今回は午前中はもっぱら外題やかがり糸、紐色選びにかかっているので、実務はほぼ午後からで終了は5時。

     

    前日の三段口扇襠筥迫と同じ時間に終わっています。

    こちらも中級なので、下準備は自宅作業してきてもらっているのですが、部品が少ないので下準備は筥迫よりずっとラクという違いはあるにせよ。

     

     

     

    将来的には全ての型を教本化したいと思っているのですが、どういう人を対象にして作るかが未だ悩むところです。

     

    縢襠付筥迫が出しやすかったのは、とにかく「そのときだけ使いたい花嫁さん」という明確な対象があったからです。

     

    書店に並ぶ手芸本を見ていると、細かい処理を必要とするような書き方はされていない。

     

    とにかくその型だけ作りたい人には、基本部分なんてとにかく端折りたいものなので、たぶんこの型も簡易な解説の仕方をすればもっと簡単にできるとは思います。

     

    実際、去年までの講習会も、基礎なしでそのまま型をつくるようなやり方をしていたので人気があったワケですが。

     

    しかし「貼り込み」というものが理解できるようになればなるほど、そういう作り方に対する拒否感が出てきてしまうもので、それが故に今年からの講習会のシステム変更にもつながっています。

     

     

     

    袋物は「ツレ」と「ゆるみ」の世界です。

    ツレていなければならないところにたるみができるのが許せなくなってくる。

    教える側も、如何にたるまないように処理するかに重点を置きたくなるものなのです。

     

    今回の講座では、ゆるみを付けなければならない表布で一箇所工程を見落としたことにより、表が部分的にツレるという現象に、、、(これは私の責任、申し訳ない)。

    でもまぁこういうことがあると、「ツレ」と「ゆるみ」が必要なんだということが実感できます。

     

     

     

    縢襠付筥迫の教本は、どんな人でも絶対に作ることができる筥迫!を目指して作ったつもりですが、あまりにも説明が細かすぎて引いた、、、という感想が多いのも事実(あれでもかなり端折っているんだけどなぁ)。

     

    講習会では、誰かが必ず一度は失敗します。

    私はこのような失敗は講習会ではとても必要なものだと思っています。

     

    「ここね、すごく間違いやすいところだから」ということが全員が一瞬で理解できる。

    間違った本人は落ち込むところですが、実際には私がすぐ目の前にいるので、どうとでも対処できるので安心してください。

    家で失敗するぐらいならここで失敗してくださいと言っています。

     

    これを教本だけで完結しようとすると、失敗しやすいところにやたらとコマ数を増やすことになるので、よくいえば懇切丁寧な解説ですが、反面、それが細かすぎる=情報量が多すぎて引く内容にもなるということ。

     

    本だけ見て作る人には、往々にして細かい処理部分は読むのが苦痛です。

     

    これが複雑な筥迫だから許されるのであって、単純な金封袱紗で詳細な説明したところで(したい!)果たして受け入れられるのか???

     

    ということで、細かい解説は目の前に人がいてこそ成り立つものなんですね。

     

     

     

    私が参考にしている袋物細工の本というのは、ほとんどが大正時代に書かれた物です。

    このような本を買いあさって読んでいるのですが、初めの頃はこれらの内容が全く理解ができませんでした。

     

    旧漢字であること(運がよければフリガナが付いているものもある)、句読点が圧倒的に少ないこと、図解が少ないのはまだマシで、全くないものもある!そして尺貫法、等々、、、。

     

    これだけで解読不能な条件満載なのですが、これらは女学校の教材として作られているので、実は授業で先生の補足があってこそわかる内容に作っているということ。

     

    やっと袋物のことがわかるようになってきた現在の私でさえ、理解できるのは1/3程度(苦)。

    大体にして、この型がなぜこのような名称になったのかさえ解説がない(これが一番知りたいのに!)。

     

    以前は教本だけで事足りる!と自信を持っていた私でしたが、それは自分が貼り込みというものを全く理解していなかったど素人の頃のお話で、少しずつ貼り込みというものがわかるようになった現在では、自分が直接教えることの重要さを痛感するようになりました。

     

    とは言っても、遠くにお住いの方はなかなか東京くんだりまで出てくることはできません。

    現代でこれを実現するなら、eラーニング+教本という形が一番いいのかなとは思いますが、なんちゃってDTPでさえ嫌々作っている私なので、こちらはいつか協力者が出てきたら考えることにします。

     

     

     

    三段口扇襠筥迫は単調な作業が延々と続く感じですが、集中して真剣に取り組むような内容で、出来上がったときの達成感が大きい。

     

    他方、名刺入付覚書帳は、細かく色々な作業から成り立ってはいるものの、洋服やアクセサリーを選ぶように組み合わせをしながら楽しむような雰囲気なので、お楽しみ感満載の華やかな講習会です(笑)。

     

    細かい作業が大好きな人には、「細かい作業楽しすぎ〜」と思っていただけるものと思っています。

     



    ▼筥迫工房のお店


    ▼筥迫掲示板
    筥迫工房の教本や自慢の細工物を、皆さん自身で披露できる掲示板です。写真のアップロードが簡単になりました(一回の投稿で6枚掲載可)。丹誠込めて作った筥迫を大勢の人に見てもらいしましょう!

    ▼携帯からも筥迫掲示板2に投稿をアップロードできます。
    こちらのQRコードからアクセスしてください。


    筥迫工房へのお問い合わせ
    ※時々ショップからのご注文確定メールが届かないことがあります。
     そのような場合も、こちらからご連絡ください。


    もしよかったら、こちらもクリックなんぞしてくれるとうれしいです。
    にほんブログ村 ハンドメイドブログ 和装小物へ
    にほんブログ村

    【2017.04.03 Monday 13:11】 author : Rom筥
    | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    この記事に関するコメント
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    http://rombako.hakoseko.mods.jp/trackback/982065
    トラックバック