『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
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<お知らせ>
7月17日開催予定の
『 縢襠付筥迫(装飾)大型・玉縁・切り付け』は
「中止」となりました。
参加を予定をされていた皆様には大変申し訳なく
心よりお詫び申し上げます。
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こちらは「被せ」と「胴締め」の装飾に限った講座で、刺繍半襟の「切りつけ」、「簡易盛り金」、「挟み玉縁」などに特化して、2パターンの装飾をしようと考えておりました。
刺繍や装飾裂ができない人にとっての筥迫作りは、布の柄配置のみに頼らざるを得ない。
そのような方々に、もう少し筥迫装飾の幅を広げていただきたいと考えて企画した講座でした。
しかしながら、これは教材を全て私の方で準備する必要があり、これを同じ数揃えるのが難しいというのが理由です。
この講座に参加したかった、、、という方がいらっしゃいましたら、とりあえずご連絡ください。
人数がある程度いるようであれば、もう一度教材を見直してどこに組み入れるかもしれません。
扇子入れ
この装飾筥迫の開催をどうするかを決めたのはほんの一昨日のお話。
あることをきっかけに中止を決意しました。
そのきっかけは「扇子入れ」。
去年扇子をなくしたので最近新たに購入したのですが、こういうものを見ているとムクムクと「袋を作りたい」という衝動に駆られます。
最近、自分用にGX-175(紙切り用ハサミ)のハサミ入れを作っていたので、似たような型のものと組み合わせて、来年の講習会に加えないものかと考えておりました。
この扇子入れならハサミ入れと同じような考え方で作れそうだし、セットで講座に出来るのではないかと考え、暇々に試作を繰り返しておりました。
出来上がった扇子入れを見て、なかなか良く出来てきるではないかと一人越に入っていたのですが、これを自分以外の人が良いと思うかはまた別のこと。
折しも「塩とたばこの博物館」に行く直前に出来上がったので、一緒に行く人たちに評価してもらうことにしました。
そして当日、ランチを食べながら面々にこの扇子入れを差し出すと、
「きゃ〜♡作りたい〜」
よし、とりあえず第一関門突破
「来年、紙切りハサミ入れと一緒の講座にしようと考えているんだけど、こういうのって参加したいと思う?」
と聞くと、
「来年じゃなくて、今すぐ、夏に入る前にやってほしい!」
えっ?今年ですか??
今すぐですか??
確かに夏はすぐそこだけど、、、。
直前に迫っている「筥迫の装飾」講座の教材を探しまくるより、資料作りは大変だけど迷う箇所がない分ラクか、、、。
とうことで、7月17日に予定していた「筥迫の装飾」は中止にして、その代わりに「紙切りハサミ入れ&扇子入れ」講座に変更することにしました(直前変更でホント申し訳ない!)。
この扇子入れは、参加者に持ってきていただいた物に合わせて製図することになるので、ジャストサイズで作ることができます。
ジャストサイズで作ることによって、単純に差し込むだけなのに抜けにくいという構造になっています。
かといって引き出しにくいという訳でもない。
刀の鞘を抜くようなイメージ、と思っていただければ良いかと思います。
そして優美な外観にも関わらず、作り方は実に工作的(笑)。
ホットメルト紙も使いません。薄糊も使いません。
使うのは留め糊、堅糊が主。
難しくはないけれど、製図はあるし、貼り込み的な面倒さは十分にありますので、対象者はこれまで筥迫工房の講習会に参加したことのある方に限ります(金封袱紗の参加は問わず)。
扇子を持参していただくとは言っても、この型に対応できない扇子もありますので、以下の画像をよくよくご確認の上お持ちください。
まず、下画像のように「親骨」(要の付いている一番外側の骨)を横にして置いてみてください。
⭕️ (手前)「親骨の両端の高さに、ほとんど差がない」
横にして全体が扁平なものが適しています。
❌ (後ろ)「天側(図の右端)が要側より明らかに高い」
図のような祝儀扇や高座扇のようなものは不可。
更に上から見てみましょう。
⭕️ (下)「両端が中央より狭まっている」
中央がやや膨らんでいるものが適しています。
❌ (画像なし)「扇面側が要側より広がっている」
布の扇子などのように、天側にいくにつれ広がるような形状は不可。
今の時期、夏用の扇子がたくさん出回っているので、極々一般的な形状の物をお持ちいただければと思います。
紙切り用「ハサミ入れ」
こちらはCANARY「GX-175」専用のハサミ入れです。
「GX-175」は筥迫工房の講習会でお勧めしているハサミです。
レンタル用の材料を入れているビニール袋から、ハサミの刃先が飛び出していることがありました。
それが「ハサミ入れを作ろう!」と思ったきっかけです。
余計な被せは付けず、紐や留め具も使わず、単純に差し込むだけ!をテーマにしました。
しかしながら、差し込むだけというのは当然抜け易い。
試行錯誤を繰り返し、最終的に抜けにくい構造を考えました。
この型が初めにあったことで、扇子入れはかなり短時間で作ることができました。
扇子入れよりもこちらの方が単純なので、講習会では先にこれを作り、午後から扇子入れを作ることにします。
こちらもそれぞれのハサミに合わせて製図できるのですが、ハサミこそ色々な形があって検証しきれないので、今回はとりあえず「GX-175」専用のハサミ入れにしようと思います。
よって「GX-175」は必須、他のハサミで作りたいという方は来年までお待ちください。
この型はデザインとしてちょっと物足りなさがあったのですが、講習会ではこのハサミを使っている人が多いため、お互いのハサミを区別するための印が必要です。
そこで、仕立て屋をしていた父が自分のハサミに布を巻いていたのを思い出し(滑り止め?)、ハサミ入れと同じ布を巻いてみました。
サイビノールで切りっぱなしの布を接着しただけですが、一体感は出た。
ま、こちらは好き好きで。
ちなみに、布用の「裁ちばさみ」はこの型には適しません。
ハサミの形状、大きさ、重さが全く違うものは構造から変えなければならないので、裁ちばさみ用はまた別の機会に考案したいと思います。
型や布が持ち込みできる講習は怖い
製図付きの講習のときは、参加者がどんな型を持ってくるか、実はすごく心配。
家人が「それじゃこれで作って」と高座扇(噺家が使っているようなタイプのもの)を差し出されたときは、正直固まりました(笑)。
この時まで扇子の形状の違いをシビアに考えたことはなかったのですが、高座扇を見た時はびびった、、、。
これは全く違う考え方で作らないと無理、、、(将来的に考えるつもりもないけど)。
ハサミは範囲が広すぎて、今の所自由に持ってきてとは言い難いのですが、扇子はとりあえず「この形に近いもの」というお願いしかできません。
今回のように型(扇子)を持ち込みしてもらうというのは、講師側からしたらホント怖いことなんですよね。
とんでもない、自分には全く予測できなかったものを持ってくる人がいる、ホント血の気が引きます(苦笑)。
でも、扇子を指定の物で作らされたら自分だったら嫌だなと思うと、やはり各自持ってきてもらうしかない。
(頼むから、極々一般的なものを持ってきてね〜)
今回はプレ講習を行わないぶっつけ本番の講座なので、どんなトラブルが起こるかちょっと心配ではありますが、まぁご興味のある方はどうぞということで。
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開 催:7月17日(日・祝)
申し込み開始:6月20日
定 員:10名
対象:初級程度(これまでに筥迫工房の講習会に出たことのある方)
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comments
おお、あの時見たハサミ入れに扇子入れが付いた講習会、
行きたいのに、無理だ〜。
装飾の筥迫講習、出たいのでぜひ、いつの日か実現してほしいです。
ハサミ入れと扇子入れはきっと来年の講習会メニューに入るに
違いないと、勝手に期待しています。
はい、来年は確実に入ると思います。
ただ、今年どのぐらい需要があるかによって、
一回になるか、二回になるかといったところです。