『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
<< 臨時講習会:『紙用ハサミ入&扇子入』 | main | 作るばかりが難儀なわけじゃない >>
2017.5 筥迫講習会『二ツ折小被付筥迫』
0

    5月の三連続講習の最終日は『二ツ折小被付筥迫』でした。

     

    今回は受講対象者が少なかったので、3名のみの講習会でした。

     

    初心者でも好き〜に選びたい放題だった去年までとは違い、上級に行くためにはきちんと課題もこなさねばならなくなったので、中級以上は席が空いているような状況がしばらく(いやずっと?)続くと思います。

     

    直前になって予定が空いた!というような場合は一度申し込み画面を覗いてみてください(もちろん課題が作れるならね)。

     

     

    K.Eさんの作品(埼玉県在住)

    今回は中を開いたカットがないのですが、こちらの内布には無地の一見薄手の赤が使われました。

     

    この「一見薄手」というのが実はくせ者でして、薄くても「地紋」が入っているようなものは、微妙な厚みとして影響してきます。

     

    三段口扇襠筥迫はとにかく布を畳みまくって作るので、ちょっとした厚みが全体の厚みにつながっていきます。

    しかし、この型の場合は「胴」の厚みが1cmぐらいしかないので、ちょっとした細工や、鏡の厚み、びら簪の一つ一つの厚みがシビアに感じられます。

     

    この型では、内布は地紋のない、とにかく薄い綸子や羽裏、紅絹やローンぐらいの素材が適しているでしょう。

     

     

    郁駒屋さんの作品(福岡県在住)

    毎度おなじみの郁駒屋さんです。

    最近、掲示板に鬼のように作品を投稿されています(笑)。

    講習会が終わってもこれだけ作ってくれると、講師としてのやり甲斐を感じます。

     

    しかしながら、最近は仕立てに生きずまっているのだとか。

    これに対するアドバイスとしては、「柄合わせ」ばかりに目を向けないで、筥迫がきれいに仕立てられるような生地(素材)を見つけて作ってみることです。

     

    そんな生地で何個も練習してみると、型紙のこだわりもわかりやすく、微妙な狂いがわかりやすいので、気をつけなければならないところが一目瞭然でわかります。

    要するにデッサンのようなものですね。

    これからも頑張ってください!

     

     

    M.Aさんの作品(東京都在住)

    M.Aさんはいつも講師泣かせのびっくり生地ばかりを持ってきていたので、講習会の素材としては練習になりませんでした。

    つまり、家に帰って復習しようと思っても、気をつけなければならないところがわからなくなってしまいます。

     

    去年までは「作り方を習う」というよりも、「作品を作る」というノリだったので、皆さんここぞとばかりの生地を持ってきていたからでしょう。

     

    今回選ばれたのは、なんと品行方正な生地(笑)。

    表布がハイカウントのシルクシャンタン、内布がリバティ(ローン)。

    これで上手くできないわけがない。

     

    直持ちが常の懐中嚢物は汚れやすいので、薄い色の無地はあまり実用的ではないですけどね。

     

    私は高校の卒業式で、このピンクのシルクシャンタンで自作したワンピースを着ました。

    私服の学校だったとはいえ、こんな素材で作った服を高校の卒業式に着るなんて、今時じゃ考えられないですね(笑)。

     

     

     

    上級以上は事前作業+課題提出

     

    今年からは基本の筥迫が中級レベルになり、ここからは事前作業(ホットメルト紙を貼ってスジ付けまで)が必須になりました。

     

    上級以上はこれに加えて、「巾着&飾り房」「ぶら作り」もしてこなければなりません。

    更には『縢襠付筥迫』か『三段口扇襠筥迫』を自宅で1つ以上作って持参する(講習会で作ったものは覗く)という課題があります。

     

    この課題はけっこう大変だったようです(あえて画像は撮りませんでしたが)。

     

    去年までの講習会では「一日で筥迫を作らせる!」というやり方がウケていたわけなのですが、初心者にそんなやり方をさせれば指示通りに手を動かすことだけで精一杯です。

    理解しながら作業する余裕など皆無。

    つまり講習会が終わった後に、頭には何も残らない、、、沈

     

    ジェットコースターを乗り終えたような爽快感(達成感)からか、それに満足して、家に帰ってまで作ろうという人はごく僅か。

     

    講座の数をこなしても、これで上達するわけがない。

     

     

     

    講習会で作る「縢襠付筥迫」は、基本的に教本と同じものを使っています。

    ただし教本に入っていない部品を使ったり、教本では一種類しか使わない厚紙も三種類使い分けています。

    綿芯として使っているキルティング芯も、今年からはより本格的なものに変えようと考えています。

     

    つまり、講習会で教える筥迫は、ただ教本を見て作っている人たちよりずっといいものができるはずなのです。

     

    今回、教本を見て縢襠付筥迫を作ったという何人かの方から、二ツ折小被付筥迫に参加できないかとお問い合わせをいただきましたが、これらの理由から、教本で作るものと講習会で作るものは別物と考え、どなたも講習会で金封袱紗から初めていただきたいということでお断りさせていただきました。

     

     

     

    去年までの講習会は、とにかく「上手上手!」と褒めることしかしませんでしたが、今回の講座(上級レベル)からはかなり駄目出ししています。

    「もう一度、金封袱紗からやり直したい」と言った方もいました。

     

    このように真剣に向き合ってくださる方が増えてくると、懐中袋物の型はまだまだたくさんありますので、もっと複雑な型を増やそうという気にもなってきます。

     

    また、江戸型筥迫や定家文庫も講習会で教えてほしい!ということもよく言われます。

    しかし、このようなものは講習会などで扱うものではないと考えています。

    技術的に難しいと言っているのではありません。

     

    江戸型筥迫や定家文庫のようなものは、本来「ハイカルチャー」に属するものです。

    ハイソな人々が、手間もお金も惜しみなくつぎ込んで作らせたからこそ圧倒的な存在感があるのであって、技術もない人たちがお楽しみだけでこのような物を手掛けてしまえば、とてもチープなものが出来上がってしまいます。

     

    そんなものが世の人の目についてしまえば、江戸型筥迫や定家文庫が人々を引きつけてきた「憧れ」が失われてしまう。

     

    現在の講習会のように「教えてもらう=面倒をみてもらう」というレベルの人たちに教える対象のものではない、というのが私の考え方です。

     

    かといって、どこかで残していかなければならないものだとも思うので、上級以上である程度上手い人が出てきたら、そのときは承認制で研究会のようなものを復活させましょうかね。

    まだまだ先のことだとは思いますが。

     

    イベント的なノリで楽しく参加できた講習会から、今後は技術をあげてより複雑なものを作れるマニアックな講習会・研究会を目指して、まだまだ野望が尽きることはありません(ふふふ)。

     



    ▼筥迫工房のお店


    ▼筥迫掲示板
    筥迫工房の教本や自慢の細工物を、皆さん自身で披露できる掲示板です。写真のアップロードが簡単になりました(一回の投稿で6枚掲載可)。丹誠込めて作った筥迫を大勢の人に見てもらいしましょう!

    ▼携帯からも筥迫掲示板2に投稿をアップロードできます。
    こちらのQRコードからアクセスしてください。


    筥迫工房へのお問い合わせ
    ※時々ショップからのご注文確定メールが届かないことがあります。
     そのような場合も、こちらからご連絡ください。


    もしよかったら、こちらもクリックなんぞしてくれるとうれしいです。
    にほんブログ村 ハンドメイドブログ 和装小物へ
    にほんブログ村

    【2017.05.21 Sunday 13:54】 author : Rom筥
    | 筥迫講習会・研究会 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    この記事に関するコメント
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    http://rombako.hakoseko.mods.jp/trackback/982074
    トラックバック