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2017.6筥迫講習会 『鏡付脂取紙〜差込小被引出紙入〜』
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    今月の講習会初日は『鏡付脂取紙』でした。

     

    この講座は見た目が単純なので、今年は1回しか入れなかったのですが、早々に埋まってしまったので作りたい人が多かったということかしらんと意外に思った講座でした。

    たぶん私が自身が「脂取り紙」を必要としないお年頃(苦笑)なので、勝手にそんな判断をしてしまったようです。

     

    しかし、今回の講習を通して見直すことも多かった型なので、来年はもう少し増やそうと考えています。

    (この講座をもっと増やしてほしいなどご要望いただければと思います)

     

     

    T.Tさんの作品(静岡県)

    まずはインパクト大なT.Tさんの作品から。

    こんな面白い布をよく見つけてくること。

    右はお揃いの生地で作った念珠入れ。

    組入れにしたかったようですが、それにはちょっと大きいかな、、、。

     

     

    K.Nさんの作品(石川県)

    とてもすてきな布合わせです。

    内布は銘仙。柄出しもお上手。

    本当はワンポイントが表にくるはずだったのに、貼り間違えてしまったのが残念。

     

     

    R.Mさんの作品(東京都)

    ちょっと洋風な仕上がりの作品。

    この型は洋服地もよく似合います。

     

     

    Y.Mさんの作品(東京都)

    こちらも柄の向きが逆になってしまい残念、、、。

    最近の型紙は柄の向きを文字で説明するよりも、クマ子でビジュアル的に示すようにしています。

    (この型はたま〜にしか作らないので前回のままになっていました)

    貼り込みの型紙はちょっとわかりずらいので、視覚的に判断できる印も必要だなと思いました。

     

     

     

    T.Aさんの作品(千葉県)

    表布はおしゃれなストライプ。

    内布はホットメルト紙を貼ってしまえば、問題なく使いやすくなる布です。

     

     

     

    Y.Oさんの作品(東京都)

     

    青い部分を効果的に出してよい雰囲気の作品になりました。

    この型の場合は、閉めた時の口側に脂取り紙の厚み分の内布がアクセントとして見えますので(ほんの3mmですが!)、表布と内布ははっきり色を分けた方が効果的です。

     

     

    M.Hさんの作品(東京都)

    表布は今回の型にはちょっと大きめな柄だったので、メインの柄を避けて柄取りしてみました。

    ご本人曰く、内布は「ふざけた柄」(笑)。

    でも袋物の内布に使うには楽しいですね。

     

     

    差込小被引出紙入

     

    今回の型には、実は「差込小被引出紙入(さしこみこかぶせひきだしかみいれ)」という呪文のような名称が付いています。

    これは構造を説明する名称なので、初めて作る人にはわかりにくい。

    そこでわかりやすい愛称として「鏡付脂取紙入」と付けたのです。

     

    通常「折り襠」というものは袋を開くたびにお仕事をするものなのですが、この型の場合は脂取り紙を中にセットするときにしか使わない(あることに気がつかない)。

    更に「小被せ」も「段口」の中に隠れてしまって普段はお仕事をしないという珍しい型。

     

    初めて見る人にはど〜ってことない単純な型に見えるかもしれませんが、作ってみるとつい「差込小被引出紙入」とつぶやきたくなるような型なのです。

     

     

     

    貼り込みはパズルのよう

     

    この型は現在「初級」レベルにしていますが、一番初めに講習会で開催した時は「中級」でした。

     

    型紙には色々と工夫を凝らしているのですが、実際に人に作らせてみたらそれほど難しくなかったのが理由です。

    他の型に比べれば部品数も少ないので、金封袱紗を終えたレベルにはとっつきやすいかもしれません。

     

    今回の講習では受講者達が抱き合わせ(組み立て)する段になって、それぞれの部品がどこにはまるか当てっこをしていました。

     

    ある方からは「貼り込みってパズルのようですね」とも言われました。

     

    「縫って作る物」というのは、基本的には裏で縫ってひっくり返すという考え方です。

     

    しかしながら「貼って作る物」には「ひっくり返す」という概念はありません。

    ひっくり返すという動作に準ずるのが「組み合わせ」です。

     

    私がこの組み合わせという概念が理解できたのは、つい2〜3年ほど前のことです。

    それまでは貼り込みというものをそれほどよく理解していなかったと思います。

     

    教本で解説している筥迫は現代で使われている一般的な型ですが、実は「簡易筥迫」と言われるぐらい構造を省略したものなので、複雑そうに見えて実は簡略型。

     

    明治以降の正式(?)な縢襠付筥迫は、折り襠が付いて、鏡も差し込みになっている型です。

    これは作り方がちょっと複雑で、私自身も最近になるまで作り方が理解できませんでした。

    それがある時急に閃くに至ったのですが、その概念さえ理解できれば至極単純。

     

    それ以外にも、貼り付け段階の部品は貼るところと貼らないところを作るなどかなり「中途半端」な作り方をするので、よけいにパズルのように感じさせてしまうのかもしれません。

     

     

     

    糊を使う貼り込みは時間との勝負

     

    そして貼り込みは何と言っても「糊」を使う作業です。

     

    糊は乾いて初めて接着するものです。

    特に抱き合わせ作業は速乾性のサイビノールを使うので、ゆっくり作業することなぞできない。

     

    全体が乾かないうちに一気に作り終え、残った湿り気で最後に形を整えて仕上げます。

     

    「抱き合わせ作業が一番楽しいのに、あっという間に終わっちゃう〜」と誰かが言っていました。

     

    組み立ての展開はあまりに早いので、頭で理解しながら手順を覚えることを講習会では期待しない方がいい。

     

    だからこそ家に帰ったらすぐに復習してほしいのです。

    更には、資料を見ないで作れるぐらいに手順を覚えて欲しい。

     

    横目で資料を見ながら作っていたら糊が乾いてしまう。

    これで細かいことを注意しながら作るのは無理というものです。

     

    去年までの講習会では「仕上げ作業」をする余裕なんて全くありませんでした。

    ちゃちゃっと貼り付けてお終い。

     

    でも今後は講習会で糊のことをしっかり教えていきたいと思っています。

     

     

     

    ちなみに、教本では組み合わせはしていません。

    中途半端に感じるような作り方もしていませんのでご安心を。

    ただでさえ複雑だと思われているので、何でこんなことをするんだ?的な手順は全て省いております。

     

    今年になって「講習会で筥迫コースだけ受講したいのですが、金封袱紗は絶対に受けなければなりませんか?」というお問い合わせをよくいただきます。

     

    今年から筥迫などの中級コースは、貼り込みの基本的な手順を理解している人用に組んでいるので、それだけ受講してもついていけません。

    筥迫だけ作りたいなら教本の方が単純に解説しているのでずっと楽ですよ、と言っています。

     

    教本で筥迫を作ってみて、なんか貼り込みって楽しい♡と感じたら、是非講習会に参加して貼り込みの基本を一から初めてみてください。

    もっともっと貼り込みが楽しく感じると思いますよ。

     

     

    貼り込みという技法は現代人には複雑なパズルのように感じられるようですが、やっていることは畳んで重ねて組み合わせての世界なので本当は至極単純な世界です。

     

    それは現代の物作りにあまり残っていないような考え方なだけで、このちょっとした不思議感が貼り込みを知った人たちを虜にしているのかなと思っています。

     

     

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    筥迫材料販売にて「はぎれ」を扱うことになりました。

    自分で集めたものが増えすぎてしまったので、使わないもの、使い切れないものなどをお求め安い価格で出品しております。

    袋物細工用に小さな柄の物を集めておりますので、色柄がお好みにあえば使いやすいのではないかと思います。

    量がありますので、少しずつ出していくつもりです。

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    【2017.06.05 Monday 22:58】 author : Rom筥
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