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2017.8 講習会『式部型小物入』
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    8月6日の講習会は、初の講座「式部型小物入」です。

    定家文庫の小型版で、内面に綿が入ったとてもすてきな型です。

     

    この型は部品がとにかく多いので、講習会までの事前作業もまた多い。

    紐もショップでは扱っていない太さなので、指定された購入先から各自用意していただき、房の下ごしらえもしてきていただきます。

     

    縢襠付筥迫の付属品までの二日コースを一日で仕上げるぐらいの内容なので、ある程度簡単な説明だけで進んでいけるぐらいの理解力が必要です。

     

    そうそう、このレベルまで来たら、講師が工程ごとに逐一確認して回ることは致しません。

    構造が複雑なわけではありませんが、細かい作業が多いので、こちらも作り方を教えることだけに専念することになります。

     

    各々の出来上がりを間近で見るのは全て終わった撮影時ということになるので、仕上がりの差はかなり出ると思います。

    (画像ではほとんどわからないとは思いますが、そもそも画像で差がわかるほどのレベルの人は受講できません)。

     

     

     

    rajohさんの作品(東京都在住)

     

    H.Sさんの作品(東京都在住)

     

    はぐれ猫さんの作品(東京都在住)

     

    A.Yさんの作品(埼玉県在住)

     

    nanoモフさんの作品(山梨県在住)

     

    M.Aさんの作品(東京都在住)

     


     

    筥迫工房のページにたどり着くような方は、とにかく「筥迫を作ってみたい!」という気持ちが第一にあるでしょう。

     

    筥迫はちょっと不思議な形で、付属品もちゃらちゃらと付いているので、それを全部作るとなるととてもハードルが高い。

     

    しかし、教本を手にいれたり講習会で筥迫を習ったりして「自分で筥迫が作れた!」という達成感を手に入れてしまうと、その後はストンとテンションが下がってしまう人が多い。

    成人式や結婚式に使うぐらいならそれで十分なんですけどね。

     

    講習会もまた然りで、筥迫コースを目指す人は多くても、筥迫まで辿り着いてしまうとよほどの目的がない限り筥迫を作り続ける人は実は少ない。

    ほとんどの人は他の型に目移りしていってしまいます。

     

    筥迫は使うところが極限られているので、たくさん作ってもしょうがないという気持ちがあるからでしょう。

     

     

     

    きっちりかっちりが持ち味!

     

    縫い合わせの袋物のようにゆったり柔らかな仕上がりと違い、貼り込みはかっちりきっちりの仕上がりが身上です。

     

    初めて筥迫を作る人には、この「かっちりきっちり」の具体的なイメージがわかないようです。

     

    筥迫ってそれだけで綺麗なんじゃないの?

    すでに綺麗なんだから仕立て方にこだわる意味あるの?

    と思うでしょうね。

     

    だから初めて作る筥迫はほとんどが仕上がりが緩い。

     

    貼り込みが理解できるようになってくると、締まりが良いというか、全体的に納まりの良い一体感のある仕立てができるようになる。

    ただし、何も考えないでただ作っているだけの人は、どんなに数を作っても納まりのよい形には仕上げられない。

     

    納まりのよい仕立てというのは、手取り足取り教えてもらって身につくものではない。

    それを常に自分で自覚し意識して作っていないと、所詮は理解できない世界なのだと思います。

     

     

    上級レベル

     

    今回の式部型小物入は、当初は中級扱いにしていましたが、直前に上級レベルに引き上げさせていただきました。

     

    四ツ襠や二ツ折は課題持参でしたが、式部型はその二つとは考え方の違う型だったので「縢襠付筥迫が余裕で作れるレベルの人」という条件にしてしまいました。

    私にとって「縢襠付筥迫が余裕で作れる」というのは、「相当作り込んでいる人」というイメージがあったのですが、各自の自己評価に委ねるような感じになってしまったので、その結果、私が想定していない方々の申し込みが相次ぎました。

     

    交通機関の予約までして、夜中まで待って申し込みしていただいたのに、半数の方はお断りせざるを得なくなり、本当に本当に申し訳ありませんでした。

     

     

    「縢襠付筥迫が余裕で作れる」というのは、講習会には行かなくても教本だけで幾つも筥迫は作っている、とりあえず申し込みできたら講習会当日までに念入りに筥迫の練習をすればいい、などということではないのです。

     

    縢襠付筥迫を余裕で作れるほど作り込んでいる人は、筥迫を上達の意識を持って作るということ、先に作ったものより少しでもよいものを作る意識を持っているということで、それが出来る出来ないに関わらず「納まりのよい型」に仕立てる意識を持って物を作っています。

     

    実際にはボーダーなレベルの人がほとんどなのですが、たぶんこの式部型を受講することで、最終的に貼り込みを理解することができるだろうという人が対象です。

     

     

    昔読んだ何かの本に、箱を仕立てる職人はレベルが上というようなことが書いてありました。

     

    貼り込みをわかりやすく「和のカルトナージュ」という例え方をしますが、確かにこの型はカルトナージュでも作れそうな型です。

     

    しかし、カルトナージュのように2mm厚の厚紙は使いません。

    箱物を作るには薄い0.7厚の厚紙を重ねて貼り合わせるだけなので、自分の手の塩梅だけでしっかりした箱に形作っていかねばなりません。

     

    ここで縢襠付筥迫を「納まりのよい型」に仕立てられる素養が必要になってくるわけです。

     

    貼り込みに慣れた人でも箱物を初めて作ると緩い仕上がりになってしまいます。

    箱物はかなり正確な仕立てで作らなければ「筥」にはなりません。

     

    箱物の出来は見た目にはそれほど区別がつかなくとも、手で持ってみれば仕立ての良し悪しはよくわかります。

     

    単発の講習会では型の作り方を教えることで精一杯になってしまうので、仕立ての納まりまではなかなか教えられない。

    しかしこの式部型はその感覚が理解しやすいので、このような考え方でまた筥迫を作り直してみると、これまでとはまた違った目で貼り込みの袋物が見えてくるのではないかと思います。

     

    受講者の一人が自宅に帰ってすぐに作ったものを送ってくださいました。

    講習会ではフカフカだった箱が、少しずつしっかりとした箱に作れるようになったそうです。

     

     

     

    承認制上級コース

     

    来年からこの型は、あらかじめ「承認」された方を対象とした「上級B」に設定したいと思います。

     

    人気のある型ですが、貼り込み的に自立していない人をお世話してまで教えるのはかなりの負担がある型なので。

     

    現状では対象となる方(熱心に作り込むような方)はそれほど多くはないので、来年二回入れるかどうかは悩むところですが。

     

    これまでの四ツ襠や二ツ折は「上級C」とし、中級コースまでを受講していれば自動的に申し込みできます(ただし課題作品有)。

     

    今後の展開を想定して上級Aのスペースは空けておきます(怖)。

     

    山ほど作っている人であっても、これまで全ての講座を受講している人であっても、「上級B」に承認されていない方はその講座に申し込むことができません。

     

    対象になるかどうかはあらかじめお問い合わせいただければと思いますが、講習会を受講される際に自宅で作ってきた作品を持って来られるか、常日頃から掲示板などに作品をアップしていただければ、それを見て判断させていただきます(ちなみに今回の受講者でハンドルネームがある方は掲示板で活躍されています)。

     

    教本だけで縢襠付筥迫を作っている方は対象外です。

    あくまで講習会でコースを経ている方が対象です。

     

     

    もちろん色々な人たちと出会えるのが楽しい講習会なので、参加することに喜びを感じている方も多いです。

    そんなにガシガシ練習しなくても型が作れるようになればいいというお気軽参加型の方は「上級C」までの受講がオススメです(同じ講座を何度受講しても可)。

     

    難度のある作品を作る「上級B」は貼り込みの技術が必須なので、とにかく型を作りまくっていただければと思います。

     

     

     

    講習会もついにこんなところまでやってきたなと思うと、なかなか感慨深いものがあります。

     

     



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    【2017.08.15 Tuesday 13:53】 author : Rom筥
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