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2017.12講習会『縢襠付筥迫』 |
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時は12月、世はアドベントシーズン。 例によって、毎年仰せつかっている教会の『馬小屋』作りに励んでいたため、ブログの更新が遅くなってしまいました。
12月の講習会『縢襠付筥迫』と『巾着&飾り房』を終え、すかさず教会に走り馬小屋作り。
知らない方のために、教会の馬小屋というのは「キリストの聖誕シーン」の飾り付けのことです。
日本の教会の馬小屋や、ご家庭の馬小屋はこんな感じのコンパクトな馬小屋。 対して、ヨーロッパあたりの教会の馬小屋はこんなスケール。
今年は写真を撮れなかったのですが、画像検索のトップの方に私が作った教会の方の馬小屋があったのでこれを転用。
彼此20年以上やっていますが、これは7年前のもの。 今は人手がないので、こんな凝ったものは作れませんが。 人形80cmぐらいはあるので、かなり大きな舞台です。
自宅のもあったのでついでに。 これはご家庭用なので、全長で60cmぐらいの小さなもの。 しかし近年は疲れすぎて家の馬小屋は飾ってもいない、、、
年が明けると、3月まで我が家の玄関先はジオラマ三昧。 お正月に「楽人」→鏡開きが終わったら「三人官女」→二月の中旬から「雛人形」を飾る生活(あくまでマイルール)。
筥迫研究家の裏の顔は、なぜかジオラマーなのでした。
講習会『縢襠付筥迫』報告
順番としては11月に行われた『名刺入付覚書帳』の報告をまだしていないのですが、間が空くとどんどん忘れてしまうので、とりあえず先にこちらの報告からさせていただきます。
E.Hさんの作品(神奈川県在住)
S.Kさんの作品(東京都在住)
F.Yさんの作品(愛知県在住)
M.Kさんの作品(東京都在住) 布に穴が空いているのが見つかり、柄合わせできなくなってしまったそうです。
K.Nさんの作品(石川県在住)
E.Fさんの作品(山梨県在住)
A.Hさんの作品(福井県在住)
今年から中級にレベルを上げたつもりなのに、今回は更に上を行く内容になってしまったようで、両日とも、講師、受講者共にクタクタになっていました。
あまりにも疲れ切ってしまい、撮影するのを忘れたもの有り、後日送ってもらったもの有りで、画像も揃っていなくてホントごめんなさい
「作品を作る」から「技法を習う」講習会へ
昨年までのこの講座は、「柄合わせ」をせず、とにかく見栄えの良い「作品を作る」ことを目的としていました。
しかし今年の縢襠付筥迫では、どんな布でも「柄合わせ」が出来る方法や、どんな布にも対応できる「綿芯土台」の作り方など、「技法」に特化した内容になっています。
「作品を作り上げる」ことが目的の講習では、最後の「縢り(千鳥掛け)」までリタイアする人はいなかったのですが、今回はほぼ全員が縢りの片面のみでリタイア、、、。 (本人が良いのであれば、残りは自宅で作り上げても可)
部品は全て自宅で作ってきてもらっているのですが、片面縢り終えた時点ですでに7時に近かったことからも、かなり内容の濃い講習だったと思います。
どうやら昨年までの「体がキツイ」講習から、「心身ともにキツイ」講習にステップアップしてしまったようです(汗)。
間に『三段口扇襠筥迫』を挟みます
「柄合わせ」「綿芯」にかなり時間を割いているので、受講者の去年までの造りと比べるとずいぶん本格的になったと思います。 (柄合わせの練習が主なので、生地選びにはあまり凝れないのが難ですが)
来年度の縢襠付筥迫の詳細はまだ出ていませんが、今年よりもっと絞った内容にしないと時間内に収まらない。
「柄合わせ・綿芯入れ・縢襠」に集中し、内布を使う部品(鏡のある胴裏、懐紙を入れる紙入れ)までは自宅作業してきてもらうのがベストかなと考えています。
これを自宅作業するためには、同じ内容が出てくる「三段口扇襠筥迫」を受講する必要があるので、縢襠付筥迫を受講するには、
入門コース→初級コース→「三段口扇襠筥迫(中級)」→「縢襠付筥迫(中級)」というステップアップになるかと思います。
巾着と飾り房
今回の作品で房がボサボサなのは、私が「スチーマー」を忘れてしまったせいなのでした、、、 最後にスチームを掛けるのとでは、出来上がりに雲泥の差がありますので、どうぞお忘れなく。
この講座は「巾着」「結び」「房」のパートに分かれています。
筥迫を初めて作る人は、筥迫本体を作り上げるとそれで終わった気になってしまいますが、この二つは本体と同じぐらいの手間がかかります。
私がこの講座で重きを置いているのは「巾着」と「房」。
専門外の「結び」は、できればあっさりと行きたいところ。 もうYoutubeを見て作ってくれていい、とさえ思ってしまう(総角と几帳を間違えないでね程度)。
私の専門は袋物なので「巾着」は一番大事です。
筥迫本体がどんなに上手に作られていようが、巾着の出来を見ればその人の筥迫に対する取り組み方が判断できる、というのが私の持論。
しかしながら、初めての人は「結び」につまずきやすく、ばかにならない時間がかかってしまいます。 袋物の講習なのに、結びに時間を取られるのはあまりにももったいない。
そこで、今回は「二重叶結び」をボードを使ってピンを打ちまくりながら結ぶことにしました。 講習会で結びを覚えさせる必要はないと割り切り、打ち紐で一発で決めることにしました。
余った時間は「巾着」を作る時間に回すことに。 巾着はかなりみっちり講義したので、今回はほとんどの人が完璧に近い形に作ることができました。 正直なところ、今まで巾着の不出来には目をつぶっていたので、かなり満足のいく内容になりました。
ただし、まだ「房」の時間が足りない。 房も本当はもっとみっちりやりたいの。
来年は「結び」はあらかじめ副読本で予習してきてもらおうか?と本気で考えています。
京乃都さんからのお知らせです
全く日本刺繍をしたことのない方、刺繍筥迫に興味がある方のための講座だそうです。
ご興味のある方は、上のリンク先からメッセージで京乃都さんへご連絡ください。
▼筥迫工房の講習会
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