『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
今回は久々に中山きよみ+13のコレクションを掲載させていただこうと中山先生のブログにお邪魔すると、綺麗な刺繍裂の画像がたくさん掲載されていました。(中山先生がんばっている!)
これは江戸型筥迫の開き扉タイプのものです。
何度も言っていますが、「江戸型筥迫」というのは私が便宜的につけた名称です。
明治維新を境に、筥迫は大きさや形が全く違うからです。
現代でこんな型を作っても、まず着物の襟元に入れる人はいない(ぐらい大きい)。
被せ、胴締め(前)は無論のこと、被せ下、背面、側面まで同じ熱量で刺繍が施されています。
前だか背だかわからないぐらい刺繍で埋め尽くすのが江戸型の特徴です。
(たぶん帯一本分ぐらいの刺繍量はあると思う)
筥迫の不思議な意匠に複雑な中の仕組み。
大奥の女性たちが心ときめかせた絢爛豪華な装身具、それが(江戸型)筥迫です。
2016年10月に金沢で行われた『飾り筥展』(中山きよみ+13)では、筥迫工房にお仕立てのご依頼をいただきました。
これらの作品群は、中山きよみ先生のブログ『日本刺繍 nui.nui』に掲載されておりますので、是非こちらでオリジナル画像をご堪能ください(こちらのブログへの使用は許可いただいております)。
筥迫工房にお仕立てをいただいたものは、自分自身の記録として全ての画像を保管していますが、今後は著作を持っている方のブログへリンクするような形で掲載させていただこうと思います。
画像の取り扱い
画像についているコピーライト(Ⓒ)は著作を示すマークです。
実際にはコピーライトがなくても全ての画像に著作権はあるのですが、ネット上の画像なんて簡単にコピーできるので、「これには著作権があるんですよ!」とか「画像を無断使用しないでね!」と著作者がはっきり主張しているものだとお考えください。
仕立てについて
『飾り筥展』では、よくもこんなにたくさん筥迫を作ったものだと改めて思いますが、今現在、同じことをしようと思っても、仕立てのための時間を作ることが難しい状況になっているので不可能でしょう。
これまでは、型の研究、教本(資料・型紙)作り、それに伴う材料の販売(ネットショップ)、講習会、そして仕立ての受注など、全て同時にこなすことが出来る程度にささやかな活動でした。
しかしながら、ここ数年で全ての活動が急激に広がり出し、一人でこなせる範囲を超えるようになってしまいました。
現在は周りの人の手を借りながらなんとか必死に毎日を送っていますが、時間的にできないことも多く出てきました。
筥迫仕立の需要はほとんどが刺繍裂なのですが、通常の仕立てより専門的な技術が必要となります。
新しいことを生み出しながら、ネットショップの仕入れや受注作業をしながら、片手間に扱えるようなものではありません。
そこで、今年から当分の間、新規のお客様からの「お仕立ての依頼」はお断りすることにいたしました。
しかし、ほぼ絶滅した技術を一からコツコツと積み上げてきたので、できれば次の時代も続く文化であってほしい。
それには自分だけが技術を持っていてもしかたない。
今後は自分以外でも専門的な仕立てができる職人さんを、時間をかけて育てていきたいと考えています。
そして、遠方の人が東京まで講習会に来なくてもいいように、貼り込みの嚢物ができる講師も育てていければと思っています。
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