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2018.3 刺繍筥迫研究会(図案編)
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    3月は通常(実技)の講習会とは別に、刺繍筥迫研究会(図案編)が開催されました。

     

    初めてお針子会を飛び出し、プロジェクターの使える別会場を借りるなど、初めてづくしの企画でしたが、刺繍をする人の役に立てばというよりも、刺繍筥迫の仕立で紆余曲折を経てきた私の立場から、必要に迫られて企画した研究会です。

     

    つまり仕立師から筥迫の刺繍裂を作る人へのお願い!ぐらいの気持ちが入っています(苦笑)。

     

    こんな企画に果たして人は来てくれるのだろうか?と不安もあり、小さな会場への変更も視野に入れていたのですが、かなりあっさりと定員に達しました。

     

    企画当初は、仕立てしてくれるなら日本刺繍の筥迫を作ってみたい!という刺繍師(仕立未経験)を対象としていたのですが、蓋を開けてみれば講習会に参加しているいつもの面々。

     

    筥迫の仕立てさえできれば刺繍の筥迫を作るのは簡単だろう、、とはいかなかった悩める刺繍師たちが数多くいたという事ですね。

     

     

    平裂で筥迫を作る事と、そこに刺繍なりの装飾を加える事は、全く別の要素として考えなければなりません。

     

    簡単な刺繍が並んでいるぐらいの図案であれば、教本を見ながら筥迫は仕立てられると思います。

     

    しかし、かつての工芸品のように美しい筥迫というのは「全面刺繍」です。

    刺繍に慣れている人ほど、刺繍さえできればこれが作れる!と勘違いしてしまう。

     

    緻密な刺繍の筥迫を仕立てるには、嚢物への相応の理解と知識が必要だということです。

    そして、それを決める大きな要素が「図案」なのです。

     

     

    刺繍はできるけれど仕立てはできない「刺繍筥迫への一歩」で組み立ててた研究会の内容を、「より工芸的な筥迫へのアプローチ」という内容で組み直すことになりました。

     

    刺繍筥迫の基礎知識は持っている人ばかりなので、更に本を読み漁って内容を煮詰める日々。

    これまで実技だけに必死に取り組んできたのに、この流れは一体何なんだろう、、、(汗)

     

    しかし、今回は実技を離れた講義オンリーの研究会。

    冷静に考えて、3時間話しっぱなしなんてホントに時間が持つのだろうか?(講義など未経験の職人だぞ?)

    かなり無謀な挑戦をしていることに気づいてからは、本当に血の気が引く思いで毎日を過ごしました。

     

    更には別の問題も。

    iPadからプロジェクターで投影を想定していたものの、無線接続がうまくいかず、直前まで機械が動かなかったことから、何度も会場に足を運ぶというドタバタぶり。

     

    今回も遠くから参加してくれる方が多かったので、これでプロジェクターが動かなかったらと考えると、いつもにも増してプレッシャーが重くのし掛かる。

     

    結局、慣れない家人のWindowsノートを持ち込んで、有線接続でPDFを投写という安全策で乗り切りました。(カッコよく作ったプレゼンデータが全ておじゃん)

     

     

    緊張して頭が真っ白になった時を想定して、カンペを書いて棒読みする予定でいましたが、「できるだけ質問してね、気がほぐれるから〜」とお願いしていたおかげか、皆様の気楽な質問にいつもの熱血モードにスイッチが入り、気がつけばカンペを見るヒマなく、話し足りないぐらいの時間で終わることができました。

     

    オタク的引き出しはたくさん持っているので、緊張さえしていなければいくらでも話しはできるんですけどね(笑)。

     

    それぞれが持って来た作品を見ているところ。

     

    刺繍筥迫を作るために少しでも情報がほしい!そんな感じの方ばかりで、皆さん本当に熱心です。

    このような情熱がいつか素晴らしい筥迫に花開くことを楽しみにしたいと思います。

     

     

    私が筥迫の教本を販売した当初は、刺繍をしている人には是非刺繍筥迫を作ってもらいたい!と熱烈宣伝していたのですが、今になってみると刺繍の筥迫は本当に難しく、簡単には人に勧められないものとなりました。

     

    私自身は仕立てをしているので、無意識のうちに仕立てに影響をしないような刺繍をしてしまうのですが、他の人から依頼された刺繍裂の中には、それを見た途端、言葉に詰まるようなものが少なくありません。

     

    仕立て師はどんなものが来ても仕立ててしまいますが(不格好になっても仕立て師の責任じゃないのであしからず!)、仕立てに慣れていない人が自分で作ろうとしてその難儀さに行き詰まり、作品を捨てざるを得なくなったという話はよく聞きます。

     

    「図案」を作る段階で仕立てや刺繍を考えながらできるかどうかは、仕立ての難度に大きく関わってくることです。

     

    そんなことを延々と3時間もかけて訴えたわけですね(笑)。

     

     

    筥迫の変遷を壮大に絡めながら刺繍筥迫を作る意味を考えると、現代で私たちが筥迫を作る意味が見えてきます。

     

    今回の研究会では、かつての美しい工芸的な筥迫がなくなってしまった理由なども、私なりの考えでお話しさせていただきました。

     

    江戸型筥迫と、いわゆるアンティークの刺繍筥迫、現代の筥迫では、時代背景や持つ人の考え方が異なります。

    その時代との関わりを知った上で図案を考える、考え方がとても整理しやすくなります。

     

    日本の歴史に興味のない人でも、こんな小さな筥迫を中心にして時代を見てみると、興味深くそれぞれの時代を感じることができるのではないかと思います(あくまで近代史ですが)。

    そんな目で時代劇を見ると、また違った目線で楽しむことができると思いますよ。

     

    最後は自己紹介や質疑応答。

     

    今回は刺繍のプロや講師をされている方も多かったので、着物や帯の刺繍とは違う気の使い方や、裏打ちの仕方、肉の盛り方などの情報交換ができたと思います。

    流派やジャンルが違っても、同じ嚢物に刺繍をするという意味では同じ悩みに立ち向かう同士です。

    横のつながりを持てる研究会は、情報を仕入れる絶好の機会ですね。

     

    今回、私は仕立て側の人間として参加しているので、刺繍に関する専門的なアドバイザーとして齋藤先生にご協力をいただきました。

    そして打ち合わせからご協力いただいたA.Yさん(目下仕立師見習中)のお二人には心より感謝申し上げます。

     

    また需要があれば、同じ研究会をいつかどこかで開催したいと思っております。

     

     

    オフ会

     

    研究会からの6名と別参加の2名の合計8名の方がオフ会に参加されました。

     

    「オフ会なんてものに参加するの初めてです!」と言われ目が点になりましたが、オフ会=オタクというイメージとのこと。

     

    それじゃ君らはオタクでないとでも言うのか?と私は問いたい。

     

    あちはさん、郁駒屋さん、柾女さん、京乃都さん、そんなハンドルネームで「あ〜あ〜(あなたが)」と納得する人たちを見れば、懇親会とか女子会とか言うよりも、いかにもオフ会ですよねぇ。

     

    マニアックな話題に大盛り上がりで楽しいひと時を過ごすことができました。

     

     

     

     

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    【2018.03.23 Friday 18:49】 author : Rom筥
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