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2018.4 筥迫講習会『三段口扇襠筥迫』
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    4月の講習会は『三段口扇襠筥迫』でした。

     

    三段口扇襠筥迫は、段口3つ、袋1つ、鏡、差し込み1つと、それほど複雑でない仕様で作った実用的な筥迫です。

    薄幅でスタイリッシュさが特徴の使いやすい懐中物です。
     

    H.Sさんの作品(神奈川県在住)

    満開の花が美しい筥迫です。

     

    縢襠付筥迫の本体の部品数が17とすると、三段口扇襠筥迫の部品数は23です。

    5つほど部品数が多い。

    初めて作る人にはどの部品がどこに当たるのかが想像つきにくいのですが、型紙には柄が出る部分が記してあるので、内布に柄物を使う場合は、それを見ながら柄出しに奮闘することになります。

     

    部品が多いのにこれだけの薄型に仕上がっているということは、内布に少しでも厚みのある生地を使えば最後は収まらなくなります。

    貼り付けの段階でしっかり糊を飛ばしておかないと、少しの水分がゆるみとなり、少しの浮き上がりが厚みにもなり、全体がゆるい仕上がりになってしまうので、部品作りは手を抜けません。

     

     

    Y.Tさんの作品(大阪府在住)

    布が変わるだけで、ずいぶんと違う雰囲気の作品ができあがります。

     

    洋服的な考え方では、裏地は表地より目立たないものですが、懐中袋物は表ではあまり主張せず、中で思い切り主張するものが多いようです。

    懐中物というのは非常に「内向き」なものなので、人に見せるというよりも、持つ人が楽しむという考え方です。

    このことから、私はあえて「裏地」とは呼ばず「内布」と呼んでいます。

    縢襠付筥迫は江戸時代の筥迫の流れをくむものなので、見せるという要素が強く「外向き」と言えるでしょう。

     

    通常は襠は内布を使う人が多いのですが、この作品では襠に表布を使っているので、開いた時の艶やかさがよけい際立っています。

     

     

    Y.Mさんの作品(東京都在住)

    こちらの作品は、表が「柄合わせ」されています(それも縦型!)。

    三段口扇襠筥迫では柄合わせはカリキュラムにありませんので、事前準備の際にご自分で考えて柄出しされたということです。

     

    この講座は本体だけを作成するため、巾着と房は撮影用にご自分で作ったものをお持ちいただきますが、この作品ではチャームを付けた「ぶら」を作成されました。

     

     

    Y.Oさんの作品(東京都在住)

    表の被せに「縁出し」をすることにより、アクセントをつけることができます。

    表にはっきりとした柄があるようなものは、できるだけ無地のラインが見えるように使うと効果的です。

     

     

    N.Nさんの作品(東京都在住)

    この作品は全面同じ表布で作られています。

    色の出るところを駆使して効果的に使われています。

    表は何気に、被せ、胴締め、被せ下の三面柄合わせ。

     

     

    F.Yさんの作品(愛知県在住)

    このような色合わせの作品は、どんなお着物にも合いそうですが、房はその時々で別の色に付け変えるとよいでしょう。

     

    私自身は房より下りの少ないびら簪をつける方が好きですが、それはあくまでアンティークのびら簪にしかないので、いつか筥迫工房オリジナルの大人用のびら簪を販売したい!というのが夢です(あ〜お金がかかりそう)。

    でも来年あたりは「三連ぶら」を使った型を出したいですね。

    これなら既存のパーツで作れるので。

     

     

    M.Tさんの作品(神奈川県在住)

    この型は、前部の段口&袋パーツと後部の鏡&差し込みパーツに別れているのですが、それぞれ別布使いにして表情を変えることができます。

    それにしても、表からは想像もつかない「りらっくま」使い。

    どうしても使いたかったのだそうです。

     

    そして本日のお召物に懐中して撮影。

    あそこにリラックマが隠れているんですよ、、、。

     

     

    貼り込みは積み重ねが大事

     

    今回の講座では、2回目参戦の方が2名いらっしゃいました。

     

    最近は同じ講座に二度、三度と出られる方が増えて来ました。

    上級までいって金封袱紗に再度参戦という方も多いです。

     

    講習会では綺麗に仕上がるのですが、家で作ると同じようにできなかったり、上のコースに進んでから基礎的なこともができないことに気が付いたり、初めのときは型を作ることに必死で細かいことまで聞く余裕がなかったなど様々な理由があるようです。

     

    複数回同じ講座に出るような人は、ある程度数を作り込んでいる人に多い。

    初めの頃は難しささえわからないものですが、作るほどにしみじみと難しさを感じるようになるからでしょう。

     

    そのように熱心な人は教える側としてもうれしいもので、いつもより余計に細かいところを教えたりもします。

     

     

    貼り込みは積み重ねがとても大事ですが、日頃モノを作ることに慣れている人の中には、それをショートカットできる能力の人もいます。

    厳密にいえば、正確にモノを作ることを知っている人。

     

    仕事などで制作に携わっている人などはそのような素養があったりしますが、趣味の手芸だとそれほどシビアに作ることを求められませんので、やはり基礎的なところからしっかり技術を積み重ねて作り込まなければなりません。

     

     

    貼り込みは糊で接着して作るものなので、「縫うより簡単そう」と思って参加する方が多い。

     

    事実、切って貼っての世界は非常に単純ですし、現代でも糊で貼って作られたものは巷にありふれています。

    縮緬を使ったお土産物にたくさんありますよね。

     

    現代で市販されている筥迫は、貼り込みの考え方で作られたものはありません。

    昔の筥迫を知っている人たちは、現代の筥迫を見て「おもちゃのような」という例えを用いたりします。

     

    繊細な貼り込みの技法で作られた嚢物を見れば、おもちゃのようとは誰も思わないでしょう。

    貼り込みとはそういうものです。

     

    講習会に参加する皆様には、是非そのような貼り込みの袋物を目指していただきたいと思います。

     

     

     

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    【2018.04.15 Sunday 22:29】 author : Rom筥
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