『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
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新講座『筥迫装飾(切付・金装飾・挟玉縁)』
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    5月は3〜5日で三連続講習会が開催されましたが、6月24日初開催の『 筥迫装飾(切付・金装飾・挟玉縁)』の申込日が押し迫っていることもあり、こちらを先にご紹介させていただきます。

     

     

    縢襠付筥迫は実用的な装身具ではありませんが、この筥迫を堂々と使えるのが、婚礼を迎える花嫁さんや成人式の振袖といったハレの日の主役たちです。

     

    実際に「使う」という意味においては、この方々にとっては「実用」なのかもしれません。

     

    しかし、世の中には主役の時期が過ぎた人たちであっても、筥迫を作ってみたい!という熱烈な思いを抱いている人がいます。

     

    筥迫にある種のノスタルジーを感じている人たちですね。

    (そう、あなたのことですよ!)

     

    講習会にもそんな人たちがたくさんやってきます。

     

    初めての筥迫が出来上がると、

    「こんなものが自分で作れるなんて!」

    と感激しきりな人たちであっても、実はその後も筥迫を作り続けられる人たちは極少数です。

     

    所詮使う場がなければ、人に見てもらう機会もありませんし、プレゼントしようにもお嫁さんや成人式のお嬢さん以外、貰って喜ぶ人は少ない(ほぼ迷惑なだけ?)。

     

    苦労して作っても、それが評価をされなければ、筥迫を作り続ける目的意識を持てないのも当然です。

     

    しかし、日本刺繍をする人たちは次々と筥迫を作り上げていく。

    この違いは何なのか?

     

    刺繍をする人たちには「作品を作る」という目的があるからです。

     

    装身具として「使う」機会はないにしても、「作品を作る」という明確な意義を持っていれば、自分に似合うかどうかを考えたり、使う人の好みを考えたりすることなく、自由に好きな装飾で筥迫を作ることができます。

    (私も筥迫を身につけたはたった一度)

     

    筥迫に興味のない人には、筥迫の形を評価をすることは難しい。

    しかしそこに明らかな装飾が施されていれば、装飾には評価しやすいものです(たとえ建前であっても)。

     

    江戸時代中期の筥迫の出現は、紙入れに豪華な装飾を施したものとして進化したことを考えれば、筥迫の最終形態というのは、「装飾」と「仕立て」という双璧で考えるべきものなのですね。

     

    装飾を施した筥迫は、人に見せて満足するというよりも、何より自分自身を喜ばせてくれます。

    あくまで自分のコレクションのために、筥迫を作り続ける明確な目的意識を持つことができます。

     

    筥迫と最も相性の良い日本刺繍は、それなりの年月をかけて技術を習得しなければならないので、一から学ぶのはハードルが高い、と躊躇する人が多いのも事実。

     

    しかし、刺繍するだけが筥迫の装飾ではない!

     

    かつて筥迫は、刺繍に切付け、刺繍に象嵌、押し絵、皮、佐賀錦などを使い、ありとあらゆる装飾、素材を使って作られました(紙であっても作ることができる!)。

     

    そこで、筥迫の可能性を紹介するためにも、刺繍ではない筥迫装飾に特化したこの講座を企画してみることにしました。

     

    体験としての筥迫から、作品作りとしての筥迫へ。

     

    そんな楽しみを持つ人たちが増えれば、筥迫の可能性はもっと広がるのではないかと考えています。

     

     

    切付け

     

    筥迫に刺繍をする利点は、この小さな画面に好きに図案を配置できることです。

    しかし、着物用に絵付けがされているハギレで筥迫を作ると、どんなに小さな柄物を選んだとしても、刺繍のように柄を当てることは困難です。

     

    柄合わせできる布であればいざしらず、どんなに柄取りをしたところで、左、右、中央の胴締めに都合よく柄が当たるかどうかは柄行き次第。

     

    曲がりなりにも刺繍をする私にとって、これを思い通りに切り付けをすることは極自然の成り行きでした。

     

    「切付け(きりつけ)」とは、現代的にいえばアップリケのようなものですが、私は平裂(※)で筥迫を作るとき、ほとんどの場合「切付け」を駆使して作品作りをします。

    ※刺繍のように布の上に別の装飾をしているものを「装飾裂」、装飾されていない布を「平裂」とします。

    あくまで便宜的にこれらを区別するための造語です。

     

    当初は、技法というよりはズル?と思うほど単純な表現しかできませんでしたが、最近は柄を複雑に組み合わせることができるようになってきたので、あえて筥迫装飾として講座の中に取り入れてみてもよいかと考えるに至りました。

     

    サンプルを作るため、筥迫にちょうど良い大きさの柄ゆきの古着の留袖を買って見ました。

     

    できるだけ筥迫の大きさに合うような柄行きのものを選んでみましたが、このままでは筥迫の小さな画面にこの雰囲気を出すことは難しい。

     

    しかし切付けと金糸を駆使すれば、このようにポイントを集中させて作品を作り上げることができます。

    装飾でも針と糸は一切使いません。

     

    切付けは単純なものから複雑なものまで、それぞれのレベルに合わせて創作することができますが、金糸を貼るタイミングも貼り込みの糊のタイミングに通じるところがあるますし、きれいに仕上げるための組み合わせには仕立ての知識が必要です。

     

    講習会でレクチャーするのは技法のみなので、しっかりと一人で作品を作り上げることができる、上級レベル以上の方が対象です。

     

     

    金装飾

     

    本来の金彩は溶剤を使うので、一般の人が扱うにはこれまたハードルが高いものです(使い終わった溶剤の処理をするだけで大変)。

     

    そこで、この講座では溶剤を使わない、一般の人でも扱いやすい材料を使って金装飾を行います。

     

    当初「金彩」としていましたが、本来の金彩ではないので「金装飾」としました。

     

    日本刺繍の駒取りを糊を使って行ったり、筒描きで盛り上げ金をしたり、金色をそのまま着彩したり。

     

    これは教本の表紙で使っている筥迫です。

    この頃から切り付けと盛り上げ金で装飾しています。

     

    金や溶剤を使う本格的な金彩ではないので、扱い易く懐にも優しい。

     

    あくまで筥迫に適した画材や材料を選んで作る筥迫工房オリジナルの技法ですが、これはこれで「あり」な平裂の装飾方法と考えています。

     

    ただし、盛り上げ金は筒描きを使いますので、それなりに練習が必要。

    しっかり練習して作品作りに臨んでいただければと思います。

     

    そして、これをきっかけに日本刺繍を始めたり、本格的に友禅の金彩を学んだり、または独自の装飾に展開していく人が増えていけば、私としては本望です。

     

     

    挟み玉縁

     

    講習会で作る縢襠付筥迫は、教本の型紙より大判のものを使います。

    より装飾がしやすく、作品作りに適している大きさです。

     

    しかし、通常の「挟み玉縁」では細すぎてしまうので、ここに少し手を加える方法をご紹介します。

     

    また、筥迫の特徴とも言うべき「玉縁」が、きれいにできないという声をよく耳にします。

    そんな方のために挟み玉縁のコツをご指導いたします。

     

     

     

    対象レベル

     

    この講座では、他の講座のように「型」には仕上げません。

     

    それぞれに持ち寄った生地をどう「柄取り」するか、どんな「切付け」を用いるかを皆で一緒に考え、金装飾を練習するまでが講座の内容です。

    その場で作品を作り上げるようなことはしません。

     

    この講座で学んだ技法を用い、ご自宅でゆっくりと作品に仕上げていただき、その作品を画像で提出することが課題になります(掲示板かメールに画像を添付)。

     

    「細密用のピンセット」や、人によっては「拡大鏡」が必要になるぐらい非常に細かい作業です。

    手先に自信のある人、絵を描くことが好きな人には楽しい世界だと思います。

     

    装飾の仕方がわかると、筥迫作りは一生の趣味になることでしょう。

     

    お申し込みは、今月28日〜です。

     

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    筥迫装飾(切付・金装飾・挟玉縁)

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    開催日: 6月24日(日) 申し込み:5/28

         11月18日(日) 申し込み:10/22

     

    ※詳細はこちら

     

     

     

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    【2018.05.07 Monday 22:04】 author : Rom筥
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