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日本刺繍の筥迫 〜ままねこさんの作品〜

先日の講習会に参加されたままねこさん(静岡在住)が日本刺繍の筥迫をご持参くださいました。

あまりにも素晴らしい作品だったので、是非皆様に見ていただきたく、今回はこれらの作品をご紹介致します。

 

バタバタな講習会の合間に撮影したものなので、ライティングもなしでわかりずらいかもしれませんがご容赦ください。

 

 

まずはままねこさんのご紹介ですが、お住いは静岡県で、筥迫工房の講習会には2016年から通っていらっしゃいます。

 

日本刺繍を始めてまだ4年だそうで、それでここまで細かい刺繍ができるようになるというのも素晴らしい。

 

ネットの「日本刺繍」で検索して、そこに出て来たのが今の刺繍の先生と筥迫工房とのこと。

 

始めは教本を買ったものの、「中身を見て あまりの細かさに気が遠くなり、これは講習会に参加しないと無理」と思い講習会に参加するようになったそうです。

 

筥迫作るだけなら教本だけでも十分できるのですが、緻密な刺繍の筥迫を作ろうと思ったら、やはり講習会でそれなりの作り方を勉強しないと難しいかもしれません。

 

最初の携帯裁縫用具入れで、無理だと思ったら筥迫作りも諦めようと思ったのですが、すっかり嚢物と貼り込みの世界にハマってしまいました」(その頃はレベル分けがなかった)

 

ままねこさんの刺繍の先生(男性)は、残念ながら筥迫にはあまり興味がなさそうです。

その先生に何とか刺繍の筥迫を認めてもらいたい!そんなままねこさんの筥迫奮闘記です。

(以下、青字ままねこさんご自身のコメントです)

 

 

 

菊の筥迫(トップ画像)

 

昨年の9月に新しくなった「縢襠付筥迫」の講習会に参加させていただき、刺繍裂での仕立てについてヒントをたくさん貰いました。


帰ってからプリント生地でも復習していたのですが、刺繍筥迫への想いがつのり、あり合わせの留袖地に余りの刺繍糸で思いつくままデザインして、今出来る技法で刺繍し 初めて玉縁を入れて仕立てたものです。


来年の娘の成人式には刺繍筥迫を!の思いで刺繍をがんばってきましたが、刺繍の先生が「筥迫」にあまり理解がなかったので、それなら まずは実物を見てもらうのが一番いいのではと、出来上がった筥迫を刺繍の先生のところに送ったところ、とても驚かれました。


しばらくは 娘の成人式用の筥迫作りに専念する旨を伝え、めでたく認めていただきました!

 

幻想的な美しい菊模様の縢襠付筥迫です。

日本刺繍には組紐ぬいというものがあるのですが、ままねこさんはこの菊の花びらを「四つ組ぬい」で表現されました(すごい細かさ!)。

菊の陰部分は「菅ぬい」です。いやはや、、、。

 

 

花角鹿

花喰い鳥

いよいよ成人式用の筥迫を意識してのデザインです。

 

正倉院宝物の模様の中から、吉祥文様を私なりの解釈で二点、「花角鹿」と「花喰い鳥」。


ちょうど クリスマスシーズンだったので、鹿がトナカイっぽくなって駆けております。


「花喰い鳥」は「松喰い鶴」の元になった意匠。
成人式用なので、「鶴」は遠慮して 結婚式までとっておきます。

 

 

夜桜

鹿と鳥の刺繍が終わりを迎えるころ、季節柄、そうだ!桜だ!と思い立ち出来たのが なぜか 夜桜 という成人式用にしては艶やかな筥迫です。


私は、桜はソメイヨシノよりも 赤い葉と一緒に咲く山桜にいとおしさを感じます。


月に照らされて咲き始めた山桜、花は二輪、これから咲く蕾がたくさん。
月もあと少しで満ちる上弦の月です。
人生のピークはまだこれから、たくさんの花を咲かせてほしいとの願いを込めて。

で、母はこんなにも思いを込めて筥迫を作ったのに、
娘からは

私の着物の柄は椿だから」

という理由で すべて却下されてしまいました、、、!


それならと、先日 なんとか椿のデザイン、半襟用も一緒に完成しましたよーー!


今回は娘にも了解を取り付けて(最初からそうすべきでした)、近々制作に取り掛かります。

 

 

以上です。
そして 椿のデザインが終わったので、昨日から次は「三段口」と決めて デザインに取り掛かっています。
刺繍の先生には了解を得たので しばらく筥迫作りに没頭できそうです。

また運良く講習会に参加することが出来たら いろいろ持って行きます!

 

 

 

やっと先生の理解と了承を得るに至り、現在のままねこさんの心境は「感無量!」だそうです(笑)。

 

私自身は日本刺繍は貼り込みの仕立てを理解するために始めたので、どうしても仕立て寄りになってしまい、なかなか刺繍に打ち込めない。

周りの人たちからは、そろそろ刺繍はあきらめたら?と言われる始末。

 

自分はなかなか日本刺繍の筥迫作品が作れなくとも、代わりにままねこさんのように装飾筥迫の作品を作る方が徐々に増えて来たことは夢のようです。

(いつか筥迫作家さんが出てくるのが自分の夢!と昔語っていたような)

 

小さなところから始めた現代の筥迫という文化が、周りの人の力を借りながら、細く長く、そして広く、続いて行ってくれることを願ってやみません。

 

 

 

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