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2018.6筥迫講習会『念珠入(組入)名刺入』

6月の講習会2日目の講座は『念珠入(組入)名刺入』でした。

 

珍しく3名だけのこじんまりとした講習会でした。

 

去年までは入門の『金封袱紗」を通過しないと他の講座を受講することができなかったので、初級あたりでかなり渋滞していたのですが、今年は前半に山ほど金封袱紗をいれていたせいか、渋滞も解消されようで、来年からはバランスよく色々な講座を振り分けてスケジュールを立てられそうです。

 

 

J.Yさんの作品(神奈川県在住)

 

2名だと最低遂行人数に至らず中止になってしまうのですが、初めの頃はそんなこともよくあったなぁと思い出しました。

 

現在は遠くから参加される方が多くなったので、切符を買ってからお断りするのも申し訳ないことから、申し込み開始から3日間ぐらい申し込み者がいないときは、すぐに中止にしてしまうこともあります。

 

ですから、絶対に中止にしないで!と思われる方は、できるだけ早めに申し込んで意思表示してくだされば、ある程度は考慮いたします。

 

少人数講習では、講師も受講者もかなりリラックスしてできますしら、細かいところまで説明ができるので、参加される方にはお得感があるかもしれません(人数が多いとトラブルも多いので、致し方なく端折る説明もある)。

 

「今度から最後までカートが開いている講座を目指して申し込みしようかな♪」(受講者)

(私は人が集まってくれないと困るんですけどね、、、)

 

 

C.Mさんの作品(山形県在住)

最近は、初級コースでまだ布選びに慣れていない人たちのために、私が家にためている端切れを持参して安価で販売するようにしています。

C.Mさんが作られたこの作品も、急遽この時用意した端切れの中から表布、内布とも選んで作ったものです。

 

嚢物を上手に仕立てるためには、柄よりも何よりも、それに適した厚みや手触りの生地を見つけるのが一番大事です。

適した生地を使えば、初心者でも上級者でもそれほど違いはでません。

薄すぎる布、厚すぎる布になって初めて上級者との仕立ての差が出てくるのです。

 

 

柾女さんの作品(東京都在住)

こちらの表裂は雨コート地で、表はテカテカすぎるので裏地使いにしたそうです。

Rom筥からは、この縦線を活かすことをオススメしました。

ちょっとしたアクセントで素敵ですね。

 

柾女さんは布を最後まで始末することに力を注いでいるそうです。

小さくなった布をどこまで何に使えるかを考えるのが楽しいそうです。

 

ご興味のある方は、柾女さんの着物にまつわるうんちく満載のブログ「たるしるみちる」を是非のぞいてみてください。

 

 

 

端切れ

 

私は端切れのほとんどはネットで購入します。

まとめて山ほど購入して、使えるもの、使えないものに厳選します。

 

全てが使い道があるわけでもありませんし、自分の好みに合うワケでもない。

好みであっても全て作れる量でもない。

 

そこで、最近は初級コースのときは使わない端切れを持っていくことにしたのですが、これが意外と好評なので、これからは講習会用に端切れを仕入れてみようかと考えています。

(毎回持っていけないかもしれないので、確実に端切れが欲しい方はあらかじめご連絡ください)

 

嚢物なんてのは、とにかく数を作らないと手が慣れないのに、ほとんどの人は「最良の一枚」などを探すことに躍起になってしまうようです。

結局布を探すことに疲れ、嚢物も作れずの悪循環。

 

自分のイメージに合った布を探すなんてのは、白馬に乗った王子様のようなもの。

布も人も一緒「出会い」です。

 

理想の相手を必死になって探すより、運が良ければいつか出会えると思って、色々な布とお付き合いしてみましょう(笑)。

気にも留めなかった布でも、使ってみるとその良さがわかったりするものです。

 

 

最近「東京袋物協同組合沿革史」という本を読みました。

 

江戸の時代から、嚢物というのは「革仕立」と「帛仕立」に別れていたのですが、昭和30年代に入ると一気に「合成皮革」や「ビニール」といった素材が氾濫するようになります。

 

「丈夫で長持ちするようなものでなければ売れなくなった」とあります。

 

布帛の嚢物は大事に扱わないと角が擦れてすぐにダメになってしまいます。

古い布であれば、それこそ大事に扱わなければなりません。

 

昔の日本人はそのように嚢物を扱ってきたのです。

母がハンドバッグをネルの袋に入れて大切に保管していたのを思い出します。

 

現代人はよほどのブランドバッグでない限り、袋に入れて保管などしないでしょう(私もしていません)。

 

丈夫で壊れにくい物に囲まれて育ってきた現代人には、壊れないよう大事に嚢物を扱うという気持ちはわからないかもしれません。

 

先日講習会で、ある方がご自分で作られた四ツ襠をお持ちになりました。

バッグに直接入れていたので、ジップロックに入ったそれが目に入り、皆で大笑いしました。

 

バックの中では色々なものと一緒にシャッフルされてしまうので、その気持ちは良くわかります。

私もサンプル品はいつもジップロックに入れていますし。

 

でも実際に実用として持ち歩くとなると、大事そうに扱っているものがジップロックに入っているというギャップが、アンバランスで微笑ましく見えてしまったのですね。

 

そういう時のために、昔の人は「外入れ」という専用のカバーを作って入れてたんですよと言うと、とても関心していらっしゃいました。

 

使い古され現代まで生き残ってきた端切れたち。

手をかけて嚢物に仕立てて、それをまた大切に扱う気持ちも忘れないでいたいですね。

 

 

次年度講習会新規講座

 

来年度の講習会で新しく出る講座を何にするか、何点か試作を作っております。

 

以前から作りたいと思っていた「月見型縢襠紙入」がほぼ完成品に近くなりました。

 

両縢りの単純な懐紙入れなのですが、デザインが秀逸です。

 

縢襠付筥迫の事前準備として縢りの練習にちょうど良いし、抱き合わせもほとんどなくて簡単なので、来年からの初級コースに入れることを考えております。

 

もう一つ「七宝縢り」の懐紙入れもやってみたいのですが、これは諸々の状況を考えるとまだ不確定。

 

 

筥迫も「折襠付筥迫」か「持出襠筥迫」のどちらかを出したいとは思っているのですが、これはどちらも上級コースになりそうです。

 

自分的に今一番作りたいのは「外日の出型紙入」。

小被せに二種類の襠のうち一つは、ちょっとおしゃれな本脇の漏斗襠にしようと思っているので、複雑になることは確実。

 

最近は少しずつ難しい型も出てきましたし、ついて来れそうな受講者もちらほら出てきましたので、そろそろマニアックな型も再現していきたいと考えております。

 

 

 

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