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2018.11 筥迫講習会『月見型紙入れ』
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    昨日行われた『月見型紙入れ』をご紹介します。

     

    まだ公開していない講座の画像もあるのですが、来月も同じ型の講習会が行われ(12月2日)、その申し込みがちょうど明日(11月6日)から始まるのでこちらを優先させていただきました。

     

    ちなみにこの月見型は講習会では金封袱紗受講後に参加できますが、教室の方では初めての方でも作ることができます(ただし講習会では一日で作りますが、教室では二回ぐらいで作ると考えてください)。

     

     

    郁駒屋さんの作品(福岡県在住)

    お馴染みの郁駒屋さんの作品。

    講習中に何やらコソコソと細工をしている、、、。

    出来上がった作品には猫さんが切り付けられていました(家で用意してきたらしい)。

    鏡を外した下にもいたか(笑)。

     

     

    M.Iさんの作品(神奈川県在住)

    ベタだけどやっぱり可愛い赤の布選び。

     

     

    K.Nさんの作品(石川県在住)

    大人な配色。

     

     

    Y.Aさんの作品(愛知県在住)

    こちらは和柄の木綿プリント。

    この型は気軽に木綿でもよく合うので布選びはラクだと思います。

     

     

    H.Kさんの作品(東京都在住)

    よく見ると内布は細かい星柄。

    月見型だからだそうです。

    ちょっとしたこだわりを持ちたくなるのがこの型の楽しさです。

     

     

    Y.Aさんの作品(愛知県在住)

    月見型には鏡が差し込みされているのですが、なぜか受講者の間では裏面を出すのが流行っている。

     

    なぜかというと、裏面をレジン処理しているから。

    これがまたすごく可愛い。

     

    気泡はエンボスヒーターを使って消すらしいのですが、袋物の講習会でレジンにそれほど時間をかけられないので少しぐらいの気泡はご愛嬌ということで。

     

    このレジン処理はこれまで4回の講座で実践しています。

     

    布にレジン処理をする場合は、しっかりと下処理をしないとレジンが布に染み込んで綺麗にできません。

    布にレジンを合わせる時の方法は色々とあるようですが、どれもこれも上手くいかない。

     

    ここに至るまで何十枚もの鏡で下処理材の実験を重ね、今回の講習会直前にやっと思い通りの成果を得ることができました。

    これまでレジンを使った講習に参加された方は綺麗に仕上げられなかったので、ご希望の方にはレシピ差し上げます(講座に参加した人だけね)。

     

    とは言ってもこの方法は三種類の下処理材を使うので、ご自宅で作られるときはそこまでこだわらなくても、以前のように布を貼り合わせるだけの処理でもかまいません。

     

    ただ講習会で新たな材料に触れる機会があるのは良いことだと思うので、これからも袋物に合うような材料を開拓していきたいと思っています。

     

    ご興味のある方は、月見型と二ツ折小被付筥迫で使いますのでよかったらご参加ください。

     

     

    袋物と鏡

     

    筥迫にしても昔の袋物にしてもそうですが、鏡というのは埋め込むものではなく単体で入れていたのですね。

    その鏡にはストラップを付けて引き出したりしたので、それが筥迫では飾り房などの形態に変化していったのではないかと私は考えています。

     

    江戸時代には新たな鋳造法により量産しやすくなったので、鏡が広く使われるようになりました。

    その頃の鏡は銅鏡と呼ばれるもので、鏡背には浮彫りされた文様が施されていました。

    昔の紙入れには四角い銅鏡が入っているので重いのですが、あれでもかなり薄くなったから懐中するようになったようですよ。

     

    明治期以降になると一般にガラス鏡が普及しますが、一昔前まで抱えバックに必ず鏡が付いていたのもこの懐中鏡の名残のような気がします。

    ガラス鏡ですから背文様はありませんが、その代わりにあの独特のマーブル模様のような処理がされていたのを思い出します。

     

    多分西洋では鏡は何かに埋め込んで使っていたとは思います。

    日本のように鏡単体をそのまま引き出して使うことはなかったのではないでしょうか。

     

    私は古い袋物ばかり見ているので、鏡といえば引き出して使う印象が強いのです。

    しかし引き出して使うガラス鏡はエッジで手を傷つけることのないよう、必ずテーパーに処理されているものです(面取りのようなもの)。

     

    以前、このテーパー処理をしてくれる業者を必死に探しましたが、あの当時の処理をしてくれる業者さんは見つけられませんでした。

    結局、ショップでは加工しやすいアクリルミラーをテーパーに切って販売していたのですが、加工費が高い上情緒もない。

    鏡裏に揃いの布を貼るのがせいぜいでした。

     

    しかし布という素材は擦れるので、ほんの少しの厚みでもストレスに感じます。

    その代替えになるものをこれまでずっと探していたのですが、ある時レジンがいいのではないかと思いつきました。

    レジンは盛り上げるので厚みは出ますが、布との摩擦がないため厚みがあってもそれほどストレスを感じないのが利点です。

     

    ちょうど面取り鏡の在庫が切れたので、この機会にショップでの取り扱いを終了することにしました。

    あしからずご了承ください。

     

    しばらくはこのレジン処理で対応するつもりですが、鏡裏への執念は途切れることなく(苦笑)、手元にある昔の抱えバッグに付属されていた鏡の処理を見ても、あの頃の職人さんたちも今の自分と同じように鏡の処理を色々と考えていたのだなと思うと、まだまだ違う方法にも出会うだろうと考えています。

    これからも鏡裏の処理には色々な方法を試みて行きたいと思っています。

     

     

    筥迫工房が目指しているのは、その昔に隆盛を極めた袋物文化(主に貼り込みの懐中物)を再び現代に蘇らせることですが、同じものを作ろうにも現代であの当時と同じ材料を探すことはできません。

    筥迫工房が始めたこの文化は、型を作ること以上に材料探しが大きな壁なのです。

     

    私の元にはかつての袋物を再現するという仕事がよく来るわけですが、元の素材に金具があればそれを使うことはするでしょうが、それがすでに壊れて使えなかった場合、私はその時代の同じ金具を探すより、現代の職人さんの手でどうにか同じ物が作れないか考えます。

    もちろんあの当時の超絶技巧を再現することは無理ですが、今の人がやることに非常に意義があると考えています。

     

    伝統工芸の世界ではこれまで引き継がれた技術と同じぐらい、道具や材料がなくなることは死活問題だと思います。

     

    しかし筥迫工房が挑んでいる世界はすでに滅んでしまった文化なので、始めた時から一からの材料探しです。

    現代にある材料を使うしかないと割り切るしかなかったので、だからこそここまでできたのかなと今では思います。

     

     

     

    今回受講されたN.Kさんが、以前受講された筥迫装飾講座の課題を持ってきてくださいました。

     

    K.Nさんの作品(三段口扇襠筥迫:切り付け、金装飾)

     

    N.Kさんは長年日本刺繍をしているにも関わらず、刺繍をしない人のために企画された筥迫装飾の講座を受講されたのですが、この課題を見るに、日本刺繍をしているからこそ金装飾の入れ方が上手い!ということがわかりました(笑)。

    それぞれの素材をよく理解した使い方をされているのが素晴らしい。

     

    ちなみに、上のレジン処理で肝となる下処理材はこの金装飾でも使われています。

     

    袋物を仕立てるだけではなく、様々な技法が体験できるのも筥迫工房の良さだと思っています。

     

     

     

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    【2018.11.05 Monday 20:25】 author : Rom筥
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