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2019.4 H.Yさんの作品 日本刺繍の筥迫『三橘』
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    最近のブログは講習会などの紙入れ系画像が多くなりがちで、少々華やかさに欠けることから(紙入れはあくまで普段使いの実用なので)、たまには華やかな画像をということで、華やかな画像といえばコレ!日本刺繍の縢襠付筥迫のご紹介をさせていただきます。

     

    困った時のブログ画像として、紹介していない刺繍の袋物はたくさんあるのですが、私が刺繍を始めた頃は袋物に刺繍する人などほぼ皆無で、刺繍教室の人たちに頼み込んで協力してもらったぐらいなので、やっと作った刺繍物を簡単にブログにアップするのがあまりにももったいなくて、いまだにチビチビとアップしています。

     

    しかし気がつけば掲載していない画像もすでに相当数たまっている。

    記録を見たところこの作品も2015年に制作されたもので、こりゃあと10年ぐらいは余裕で掲載できそうです。(私のマニアックなウンチクよりも綺麗な画像出せと言われそうですが)

     

     

    今回の作品は、以前(2014.12)にご紹介したH.Yさんのものです。

    留袖に懐中物 〜花嫁の母 H.Yさんの作品〜

     

    H.Yさんは当初筥迫工房の講習会に参加されて、そこで「娘のために日本刺繍の筥迫を作りたい!」ということで、講習会そっちのけで私と同じお針子会の刺繍教室に通われました。

     

     

    とはいえ、筥迫刺繍というのは始めたばかりで早々できるものではない。

    なんといってもこの狭いスペースに世界観を出すため図案は細かくなりがちです。

     

    基礎の刺繍だけで1年以上はかかるので、H.Yさんも自由課題になった直後に先の袋物「花婿の母の紙入れ」を制作して、この筥迫はたぶんその後ぐらいのチャレンジだったと思います。

     

    ことの始まりは、刺繍教室の際にH.Yさんが持ち込んだそれは見事なアンティークの刺繍の花嫁衣装でした。

    以前から筥迫の図案を頼まれていたので、それならばとこの図案をモチーフにすることにしました。

     

     

    その頃のH.Yさんはまだ刺繍に慣れていないレベルだったので、初心者にはちょうどよい図案と考えました。

    筥迫図案に慣れていない方には、帯や着物とそれほど違いがないぐらいの大きなモチーフの方がやりやすい。

     

    私は細かいモチーフの図案が好きなのですが、そうなると糸数も相当少なくしないとなりません。

    ですから筥迫刺繍はこんなに小さいスペースなのにやたらと時間がかかります。

    それが細かい図案になれば、より難度も上がりよけい時間もかかるということです。

     

     

    できあがってきた刺繍裂は色味的に思っていたほどのインパクトがなかったので(色も私が指定したのですが)、玉縁に「赤」を使い図案をよりはっきりと際立たせました。

    このような場合、房も赤を使いがちですが、更に華やかにするために金茶を使って色数を増やしました。

    お色直しにはちょうど良い素敵な筥迫&懐剣セットとなりました。

     

    刺繍のままの裂と筥迫に仕立てた後ではガラッと印象が変わるのが筥迫仕立ての醍醐味です。

     

    化粧をする前のあなたも十分美しいけれど、その素材を私が化粧で何倍も美しく仕立てて差し上げましょう!

    毎回そんな意気込みで作っています。(現在は一般の方のお仕立てはお請けしておりません。あしからず)

     

     

     

    刺繍筥迫

     

    この筥迫は講習会では中級レベルで作る縢襠付筥迫ですが、市販の教本で作る筥迫よりも少し大きめの型になります。

    このサイズの筥迫は、その昔刺繍筥迫が作られていた頃によくあった大きさです。

     

    教本の筥迫を作った頃は現代の筥迫のサイズで作ったのですが、今時はどんどん筥迫のサイズも小さくなり、名刺入れ程度の小さなものもよく見かけます。

    申し訳程度に胸に張り付いていて、筥迫の存在感は差し色程度のものになってしまいました。

     

    年配のご婦人たちが筥迫を見ると「筥迫〜♡」と叫ばれますが、現代の花嫁さんたちは「えっ?そんなもの入れていましたっけ?」。

    そのぐらい筥迫の存在感はなくなってしまったと思います。

     

    筥迫に刺繍をするにしても、このぐらいの大きさがないと表現が難しい。

    このぐらいの大きさで、しっかりとした厚みがあると、もう花嫁衣装の中心は筥迫ですか?というぐらいです。

    昔の花嫁さんはそのぐらい立派な筥迫を付けていたのです。

    びら簪も長く重くそれは立派なものが多かったです。

    ですから昔の花嫁さんにとっては、筥迫はとても印象的で思い出深いものがあるのでしょう。

     

     

    皆さんもアンティークの日本刺繍の筥迫を見たことがあるかと思いますが、あのような刺繍筥迫が作られたのはほぼ昭和20年ぐらいまでです。

    花嫁衣装がレンタル全盛になって、これらの刺繍筥迫はぱったりと姿を消しました。

     

    現代でアンティークの花嫁衣装をレンタルしているところがありますが、そこに刺繍の筥迫が添えられているのを見ると、作られてから確実に70年以上は経っているものをそう簡単に貸し出さないで〜と思ってしまいます。

     

    日本刺繍の筥迫は当時でも相当高かったと思いますよ。

    今まで大事に保管されてきたものがレンタルなどで頻繁に使われてしまうと、ほぼ実用で使っているのと同じことです。

    劣化は早いでしょうね。

    現代でかつてのように日本刺繍の筥迫なんてものが市販されるなんてことはほぼありえないので(あまりにも高額になってしまうので)、もっと大事に保管してほしいです。

     

     

    H.Yさんの筥迫は、このような現代にあって新しく作られた刺繍筥迫です。

    このような刺繍筥迫というものは基本的にハレの日にしか使いませんので、あとは長い年月小さな箱の中で大事に保管されているものです。

     

    大事に保管された筥迫は三世代で使えます。

    確実にあと70年は持ちますね。

    H.Yさんのお嬢さんのお孫さんの代まで使われたら、その時代にはすでにアンティークの刺繍筥迫も出回らなくなっていると思いますので、とても貴重なものになっているでしょうね。

     

     

     

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    【2019.04.22 Monday 22:13】 author : Rom筥
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