『筥迫工房』のブログ 筥迫の作り方と材料の販売 筥迫!箱迫!箱セコ!ハコセコ!はこせこ! 管理人:Rom筥
 
<< NHK土曜ドラマ『みおつくし料理帖スペシャル』 | main | 2月開催の『利休型紙入』について >>
2019.12講習会『縢襠付筥迫』
0

    ちょっと遅くなりましたが10月に行われた『縢襠付筥迫』講習会の作品をご紹介いたします。

     

    縢襠付筥迫は「ザ・筥迫!」といえるほど一般的に認知された型ですが、教本で作る筥迫と講習会で作る筥迫では難度の面でも差別化しています。

     

    私的にも筥迫工房はこの型から始まったので思い入れも強い。

    そして多分、講習会に来る方々も「筥迫を作りたい!」という動機で参加している方がほとんどだと思います。

     

     

    M.Tさんの作品(神奈川県在住)

     

    来年からこの型は「上級」になります。

    なんだか年々縢襠付筥迫が昇進して行くような気がしますが、やはりこの筥迫が一番難しいと思うからです。

     

    以前にもっと気楽に作っていた時期がありましたが、それはショップで販売している教本のスタイルで作る簡易な仕立てだったからです。

    当時は私自身がそのレベルだったということで。

     

    しかし徐々に仕事で要求されるレベルが上がり、それをそのまま講習会に反映していたため、必然的に難度が上がってきてしまいました。

     

    現在、講習会で教えている縢襠付筥迫は、私がお手本としている昭和初期頃の筥迫に近い仕立て方であり、日本刺繍の筥迫を作りたい方には大変有効なのですが、果たしてちょっと筥迫作りを体験してみたいという方に、ここまでのレベルで教える必要があるのかと正直最近は悩んでいます。

     

    確かにここまでのレベルで作ればどなたも綺麗な仕立てで、とても素人が作ったように思えないような出来栄えです。

    しかしこれでお腹いっぱい!とでも言うように、筥迫作りをこれ一つで終わらせる方がほとんどです。

    筥迫は記念に一個つくれば十分という感じかもしれません。

     

    私は筥迫はいくつ作っても楽しいと思うので、皆さんにもっと作っていただきたいんですけどね。

     

     

    Y.Oさんの作品(山形県在住)

     

    このブログでコレクションを発表している「後藤勝子さん」は、私より先に刺繍筥迫作りを始めた方ですが(私が始めた頃にはすでに伝説の筥迫師になっていた)、後藤さんが筥迫作りを始めた頃の苦労話が思い出されます。

     

    私は始めからネットを使って「筥迫!筥迫!筥迫!」と連呼してきたので、そんなことを10年以上もやっていると「筥迫」という単語もニッチなニーズなりに認知されてきたかとは思います。

     

    しかし後藤さんはネットを全く使われない方なので、7年間で20数点の刺繍筥迫を作られている間、周りの方々から「筥迫?七五三が使う(おもちゃのような)あれ?」と言われ続けたそうです。

     

    後藤さんが憧れを持って作っていた筥迫は、江戸時代のあの絢爛豪華な筥迫だったので、現代の七五三が使う筥迫しか知らない人たちから「おもちゃを作ることに情熱を注いでいる」というような扱いをされていたと嘆いていました。

     

     

    C.Iさんの作品(東京都在住)

     

    現代のようにSNSなどで簡単にアウトプットできる時代ではないので、筥迫作りの集大成となる初めての個展でご自身の作品を発表されるまで、延々と沈黙の中での創作活動はどんなに孤独だったでしょう。

    結局、これを最後に筥迫作りから退くのですが、なんとカゲロウのような制作人生。

    私がその頃筥迫作りを始めていたら大絶賛して差し上げられたのに!

     

    筥迫は歴史的に二回の大転換を迎えています。

    1回目は皆さんもご存知の、明治維新を挟んだ前後で筥迫の形状が大きく変わった転換期。

    そして二回目は、それまで嚢物商が扱っていた筥迫が、昭和20年以降(終戦後)に美容業界にバトンタッチされた転換期です。

     

    つまり、1回目の転換期では筥迫の形が変わったとはいえ専門の職人によって作られていたのですが、2回目の転換期では形は変わらないものの職人から業者が作る大量生産に変化したということです。

    ここから筥迫は(後藤さん曰く)オモチャ化していくんですね。

     

    まだ腕も未熟だった私が筥迫を作り始めた当初、かつて専門の筥迫職人が作っていた頃の本物の筥迫を作る!が目標であり、それは今に至るまで一貫した私のテーマです。

     

     

    Y.Aさんの作品(愛知県在住)


    しかし講習会にやってくる人たちはただ筥迫作りを体験したい人たちがほとんどであり、ここまでの面倒な作りの筥迫を作る必要があるのだろうかということ。

     

    もちろんそんな本物の筥迫の仕立てを今後も残していきたいとは思っていますが、オモチャではなくても、せめて教本で解説している簡易な筥迫をレベルを低くして教えるという方が需要があるのではないかという考えも出始めています。

     

    来年どこかに初心者向けの筥迫を入れるかどうか検討中です。

    でも1日で作るのはきつい〜せめて2日に分けるか、、、。

    筥迫房を出来合いの撚り房に限定するか、、、。

    ご希望があれば遠慮なくご意見ください。

     

     

     

    柄合せに必須のマスキングテープ

     

    筥迫などの柄合わせにはマスキングテープが必須ですが、型紙のホットメルト紙へのトレースにもマスキングテープが使われます。

     

    ホットメルト紙を止める際には、り100円ショップなどで売られているかわいい柄のマステが粘着力も弱くちょうどよいのですが(一番幅の狭いタイプが良い)、筥迫の柄合わせなどで仮貼りする際はこれでは不十分です。

     

    私がしっかりと布を仮貼りする際は、ホームセンターなどに売っている建築用のマステを使用しています。

    今まではこのように小さいテープカッターにセットして使っていました。

     

    しかし、いわゆるテープカッターのギザギザの刃は、セロテープには有効でもマステは非常に切りにくい。

    ホットメルト紙に使う時は、テープの幅の中心にカッターで切れ目を入れて細幅にして使っているのですが、とにかくスカッと切れない。

    力尽くで引きちぎるという感じなので、これに業を煮やし新たなテープカッターを探すことにしました。

     

    そして見つけたのがこれ。

     

    コクヨの「カルカット」ハンディタイプです。

    いやこれ、ストレスフリーに切れます!

    縦半分にカッター目を入れなくても1cm弱サイズにも問題なく切れるので、ホットメルト紙の固定にも使えます。

    何より安いし!

    かわいい柄のマステ用には透明タイプもあるようです。

     

    しかしながら、ホームセンターのマステは内径が大きく、下ろしたてのままハンディタイプにセットすることはできないので、もったいないですがある程度巻き取ってからセットしていました。

     

     

    そんなとき、以前A.Yさんからオススメされた3M(Scotch)のマスキングテープがアマゾンから届いたのでセットしてみると、そのままでジャストサイズで入りました!

    こちらも建築塗装用ですが、3Mはなんだか色がおしゃれなのよね。

    オススメしたいですが、こちらは8個入のみ(私はすぐ使っちゃいますが)

     

    ちなみに、カルカットのマステ用には「クリップタイプ」もありますが(これも買った)、使った後に先端がテープに戻ってしまうので、次々と使うには効率が良くない。

    また建築用の巻の長いタイプには挟めないので却下。

     

     

    あまりにも気持ちよく切れるので、セロテープ用に通常サイズのカルカットも買ってしまいました〜。

     

     

     

    これが今年最後のブログです。

    ついに年明け2月に開催予定の「利久型紙入」の詳細を出すに至らずごめんなさい。

    今必死で用意しているので、年明け初めの次回ブログには必ず載せる予定ですので、今しばらくお待ちください。

     

    今年も一年お世話になりました。

    皆様、どうぞよいお年をお迎えください。

     

     

     

     

    筥迫工房の材料販売(ネットショップ)

     

    ▼筥迫工房の講習会

     

    ▼筥迫掲示板
    筥迫工房の教本や自慢の細工物を、皆さん自身で披露できる掲示板です。写真のアップロードが簡単になりました(一回の投稿で6枚掲載可)。丹誠込めて作った筥迫を大勢の人に見てもらいしましょう!

     

    ▼携帯からも筥迫掲示板2に投稿をアップロードできます。
    こちらのQRコードからアクセスしてください。

     

    筥迫工房へのお問い合わせ
    ※時々ショップからのご注文確定メールが届かないことがあります。
    そのような場合も、こちらからご連絡ください。
     

    もしよかったら、こちらもクリックなんぞしてくれるとうれしいです。

    にほんブログ村 ハンドメイドブログ 和装小物へ

    にほんブログ村

    【2019.12.28 Saturday 12:22】 author : Rom筥
    | 講習会(お針子会) | comments(0) | - | - | - |
    この記事に関するコメント
    コメントする